湘南の海が南国のビーチのようにきれいな本当の理由

相模湾に面した湘南海岸のうち、鎌倉から逗子や葉山にかけてエメラルドグリーン色の海が広がっていて、地元では話題になっている。新型コロナウイルス感染拡大により観光地の店舗が営業を取りやめていて、人通りが少なくなったのが原因か?

葉山町の真名瀬海岸から江ノ島を臨む(2020年5月17日撮影)

神奈川県鎌倉市の海では2017年5月にもニュースで報じられるほど、海の色が変わって話題になったことがある。

鎌倉市の海岸で2017年5月上旬、水温上昇でプランクトンが異常増殖して海面の色が変わる、赤潮とみられる現象が確認されていた。さらに夜光虫が波の刺激で発光し、青白い光が波間にゆらめく幻想的な光景が一面に広がった。夜光虫はプランクトンの一種だという。

このときはかなり衝撃的な赤い海だったが、今回は南国を思わせるようなエメラルドグリーン色だ。ただし遠目に見れば南国パラダイスのようだが、海面に接近してみると透明度に乏しく、抹茶ラテを大量に流し込んだかのように濁っている。

秋谷の立石公園(2020年5月17日撮影)

実は今回も植物プランクトンの大増殖によって、白潮という現象が起きたのではないかと、横浜国立大学臨海海洋センターがfacebookに書き込んでいる。

「これは赤潮ならぬ白潮と呼ばれる現象です。白潮も植物プランクトンの大増殖の結果であり、円石藻という藻類が原因です」(横浜国立大学臨海海洋センターのfacebookより)

「南国の海のようですが、透明度はどの測点でも4mほどしか無く、どちらかというと抹茶ミルクでしょうか」

秋谷の立石公園。駐車場は緊急事態宣言のため閉鎖中(2020年5月17日撮影)

新型コロナウイルス感染拡大により、経済活動が停止し、化石燃料を使った交通手段や工場などの稼動がストップしている。こころなしかこれまでより青空が広がったような気もするが、湘南海岸の海は自然の浄化によってもたらされたとは言えないようだ。

5月14日には緊急事態宣言が一部で解除された。神奈川県は依然として宣言が継続しているが、5月17日の日曜日には湘南海岸で渋滞が発生。観光地として多くの飲食店が軒を連ねる鎌倉の小町通りも営業再開する店舗が増え、人通りが増えてきた印象がある。
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見た目は美しいが、湘南海岸では極めて珍しい白潮現象は海産物にも打撃を与えることになり、地元の漁業関係者は警戒心を強めているという。

同センターでは採集した試料を使って、さまざまな解析をしていく予定だという。

●横浜国立大学臨海海洋センターのfacebook

葉山町の真名瀬海岸から江ノ島を臨む(2020年5月17日撮影)

国道134号は片側通行解除も本復旧には基盤工事が必要

台風影響の高波によって道路擁壁が破損し、終日通行規制を実施していた国道134号、鎌倉市稲村ガ崎三丁目の区間は9月6日午後6時に片側交互通行がいったん解除され、渋滞も一時解消された。しかし本復旧のための大がかりな工事を見すえ、改めて調査と設計が行われる予定で、再び通行規制が行われることは回避できない。

道路擁壁破損の応急工事が行われただけで、本復旧までは相当の時間が必要

8月13日に高波により道路擁壁が破損し、歩道が沈下した国道134号。ドライブやサイクリングで人気の湘南海岸沿いの道路は終日通行規制を実施し、海側の歩道約250mの区間を通行止めとするとともに、車道の約50mの区間で山側の車線を利用して片側交互通行をしていた。

車道の片側交互通行を解除するための応急工事が完了し、9月6日にいったん通行規制の一部が解除された。海側歩道については引き続き約250mの区間で通行止めとなっている。

9月6日午後6時に片側相互通行は解除され、いったんは渋滞しなくなった。写真は国道134号の稲村ヶ崎、2019年9月10日撮影
海側の歩道は通行止めが依然として続く
国道134号の稲村ヶ崎駅付近、2019年9月10日撮影
片側通行が解除されたが、路肩がなくサイクリストにとっては注意が必要

今後の対応は、通行規制は

藤沢土木事務所は本復旧に向け、このあと必要な調査、設計や復旧工事などを実施していくという。また、復旧工事が完了するまでの間、台風などによる高波が発生するなど、車両通行の安全が確保できない場合には、車道の通行規制を行なう。

復旧工事や車道の通行規制情報は藤沢土木事務所のホームページで。

鉄柵が下がった部分が侵食により陥没した歩道