青山学院大体育会山岳部がヒマラヤにある未踏峰「ホワイトウェーブ」に挑戦する。ネパール東部カンチェンジュンガ山群にあって、標高は6960m。登頂に挑む時期は2018年9月中旬から10月末までの約50日間。登頂予定日は10月10日から15日までの期間を想定している。2013年にニュージーランド隊の3隊員が同峰を目指したが、6300m付近で1人が滑落して負傷。ヘリ救助後に撤退していて、いまだに登頂成功者はいないという。
同部の部員数は13人。ボルダリング日本代表の中村真緒(総合文化政策学部1年)も所属する。今回のホワイトウェーブを目指すメンバーは5人。登攀隊長が田口純也(4年)、隊員は杉本俊太(3年)、池田昂史(4年)、松原峻彦(1年)。隊長は村上正幸(山岳部監督)。
2013年には同じヒマラヤの未踏峰アウトライアー(標高7034m)初登頂に成功。2015年には、このアウトライアー登山隊に参加して6000mの高度を経験した真下孝典が、6大学からの6人による日本山岳会学生部隊の隊長としてジャネII峰(6318m)に初登頂した。近年は箱根駅伝で4連覇中の陸上長距離部などとともに学内で最優秀選手、優秀団体表彰を受けるなどその活動は評価されている。
「ヒマラヤに未踏峰が、未知の部分がある限り私たちもそこに強い憧れを持ちます」と同部。
「今回私たちが目指すのは、カンチェンジュンガから西に約8km、アウトライアーから南に約15kmに位置し、カンチェンジュンガ山域のカンチェンジュンガ氷河支流ラムタン氷河の上流に位置するAnidesha山群の未踏峰、『White wave』6960mです。このピークは情報が少なく、山容からしても決して安易に取りついてよい山ではありません。しかし、我々が全力を尽くして当たるに足る山です」
アウトライアー初登頂から5年後になる2018年。モンスーン期を外した日程、さらに登山経験を積みつつ、調査・学習を続けて準備に万端を期すよう計画的に活動しているという。
挑戦に必要な経費は登山料や渡航費など971万8117円と試算。隊員の自己負担はもちろん、大学やOB会、一般からの寄付金を募ってこれに充てたいという。
約2カ月の遠征期間中は、パソコン、衛星モデム、太陽光発電機器を持ち込んで衛星通信によるブログの更新、GPSによる隊の現在地共有などITを駆使してできる限りのリアルタイム共有をしていく準備を進めているという。
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