14歳の小澤美晴がBMXフリースタイルワールドカップ第2戦で2位

フランスのモンペリエでUCI BMX フリースタイル ワールドカップ第2戦が5月11日に開催され、小澤美晴(14)が準優勝した。小澤は2024年からエリートクラス対象年齢となったばかりで、3月の国際大会でワールドカップ出場権を獲得し、この大会に初出場した。

小澤美晴(左)がワールドカップ2位 ©Agency UCI

日本人女子がワールドカップで表彰台に乗るのは、2018年5月の大池水杜(当時21歳)がフランス大会で優勝して以来6年ぶりで、最年少での快挙。

BMXフリースタイル・パーク女子は18人によって戦われ、決勝は予選を勝ち抜いた12人で行われた。日本からは、日本代表として内藤寧々と小澤美晴が出場したほか、大池水杜や杉尾咲空も個人出場して、全員が予選を通過。中でも小澤は2位を大きく引き離し、1位通過していた。

小澤美晴 ©Agency UCI

決勝では小澤が最終滑走で登場。1本目からバックフリップバースピンを披露するが、着地時に転倒してしまい、2本目に賭ける展開に。世界ランク7位のローリー・ペレス(フランス)が直前に叩き出した94点を追い、バックフリップやトラックドライバー、テールウィップなど技を次々メイクするが、スコアは93とペレスにわずかに及ばず、準優勝で大会を終えた。

内藤は ビッグトリック「フレア」を狙うも転倒して10位となった。

小澤美晴(おざわ みはる)
岐阜県出身、所属:本巣市立糸貫中

小澤美晴 ©JCF

「2位は悔しいです。1本目で転倒してしまいましたが、2本目は自分のベストを尽くそうと思って臨みました。でも、バックフリップテールウィップなど準備していたのに出せなかった技がいろいろあります。日本に帰って練習して、 また次の大会に向けて頑張ります」

小澤美晴14歳が最年少エリート優勝…フランスの国際BMXパーク大会

バンデフリースタイルセッションが3月22日から24日までフランスで開催され、BMXフリースタイル の次世代を担う日本の2選手が参戦。女子・小澤美晴(岐阜県/14歳)が優勝、男子・松本翔海(福岡県/14歳)が5位。ともに今季ワールドカップシリーズに出場するためのUCI ポイントを獲得した。

小澤美晴がVendée Freestyle Sessionで優勝 ©JCF

初めてのエリートクラスでも落ち着いて決められた(小澤)

「予選トップ通過で決勝に進み、優勝することが目標でした。初めてのエリートクラスでしたが落ち着いて練習から参加することができ、決勝ではトランスファーテールウィップを決めて目標通り優勝できたのでうれしかったです」と小澤。

小澤美晴 ©JCF

「UCIポイントを獲得できたので、次戦ワールドカップモンペ リエ大会は必ず挑戦します。やりたい技をしっかりと大会でも出せるように練習し、モンペリエの大会でいい成績を残したいです」

「エリートクラスはレベルが高く今まで以上に緊張しましたが、予選・決勝に進んでいくうちに楽しむことができました」と松本。

自転車競技BMXフリースタイル・パーク種目国際大会に出場した小澤美晴 ©JCF
Vendée Freestyle Session優勝の小澤美晴 ©JCF

男子の松本翔海が5位

松本翔海がVendée Freestyle Sessionで5位に ©JCF

「決めていた技を全て完璧にはこなせなかったですが、決勝ではハイエアーのフレアバースピンをメイクできました。次戦ワールドカップ・モンペリエ大会にも出場予定でなので、今回の反省点を踏まえてまずは決勝進出を目指して少しでもいい結果を残 せるように努力します」

松本翔海 ©JCF

●Vendée Freestyle Sessionのホームページ

中村輪夢、溝垣丈司、内藤寧々がパリ五輪BMXパーク代表枠獲得戦へ

2024年5〜6月に開催される自転車競技BMXフリースタイル・パークのオリンピック予選シリーズ「Olympic Qualifier Series 2024」の日本代表に中村輪夢(ウイングアーク1st)、溝垣丈司(湘南工科大附属高)、内藤寧々(第一学院高)が決まった。

内藤寧々(左)と中村輪夢 ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

OQSが略称となる同大会。「BMXフリースタイル、スケートボード、スポーツクライミング、ブレイキンが一堂に会する複合競技大会。464人のアスリートたちがパリ五輪出場を目指して激突する。

BMXフリースタイルでは、2大会を通して上位6名にパリオリンピック出場権が付与される。2024年5月16〜19日に中国の上海で、6月20〜23日にハンガリーのブタペストで開催される。

BMXフリースタイル・パーク代表の中村輪夢 ©Japan Cycling Federation

日本は12月5日時点のUCI国別ランキングで、4位の男子がシリーズ出場2枠、9位の女子が1枠を獲得。日本自転車競技連盟が3選手を選出した。

中村輪夢のコメント
「OQSの出場が決まってオリンピックがもうすぐだなと実感が湧いてきました。オリンピックでメダルをとるのが目標なので、この2戦をいい感触で終えられるように準備していきたいと思います」

中村輪夢を中央に左が2位溝垣丈司(湘南工科大附属高)、右が3位小澤楓(岐阜第一高) ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

溝垣丈司のコメント
「OQSへの派遣内定をとてもうれしく思っています。自分らしく唯一無二のスタイルで最高のステージ目指して楽しみます」

内藤寧々のコメント
「OQSへの派遣が内定しとてもうれしいです。これまで支えてくださった皆様への感謝の気持ちを胸に、このチャンスを活かし五輪出場に向け全力で臨みたいと思います」

中村輪夢5連覇、内藤寧々2年ぶり2度目…全日本BMX選手権パーク

第7回全日本BMXフリースタイル選手権が9月17日までの4日間にわたって岡山県岡山市で開催され、BMXフリースタイル・パークで中村輪夢と内藤寧々が優勝した。

内藤寧々(左)と中村輪夢 ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

全日本BMXフリースタイル選手権は2023年でパークが7回目、フラットランドは5回目を迎え、2022年同様に岡山県岡山市の特設会場(パークは岡山市役所、フラットランドはイオンモール岡山・未来スクエア)で開催された。パークは終始晴天に恵まれた。

中村輪夢 ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

バーク男子エリートは中村輪夢が5連覇

パーク男子エリー決勝はその前日に行われた予選も含め、終始晴天の中で実施された。予選を勝ち上がった8名で行われた決勝では、大会4連覇中の中村が1本目のランをノーミスでこなしトップに立ち、その後若手が中村の出した90点台を狙うも届かず、中村は2本目のランを前に、大会5連覇、6度目の全日本タイトルを確定させた。

ウイニングランとなった2本目では、8月に開催された世界選手権で新技として披露した「バ ックフリップ・クワッドバースピン」などを成功させ、1本目のランを上回る94.60点を出し、日本一の走りを見せつけた。

中村輪夢 ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

2位には2本目のランで挽回した溝垣丈司、3位には小澤楓が入り表彰台を獲得した。

優勝の中村輪夢コメント
「連覇を重ねることでプレッシャーが増し、本大会でも緊張感を持った中での決勝となりました。決勝1本目では理想とする走りができず悔しさは残りますが、2本目のランには満足しています。世界選手権や今大会も、まだ完成度に課題が残っているため、メインの目標としている来年のパリオリンピックに向けて練習を重ね、東京オリンピックのリベンジを果たしたいです」

パーク男子エリート
優勝:中村輪夢 所属:WingArc 1st(94.60 点)
2位:溝垣丈司 所属:湘南工科大学附属高等学校(80.19 点)
3位:小澤楓 所属:岐阜第一高等学校 (80.00 点)

中村輪夢を中央に左が2位溝垣丈司(湘南工科大附属高)、右が3位小澤楓(岐阜第一高) ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

バーク女子エリートは出場選手全員が10代

次世代の若手選手でタイトル争いが行われたパーク女子エリートは、内藤寧々が1分間のルーティンをフルメイクさせ、2位に6点差をつけ日本チャンピオンを獲得した。内藤の全日本タイトル獲得は、2年ぶり2度目となる。

内藤寧々が2年ぶり2度目の優勝 ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

表彰台には、最年少の15歳でエントリーした山本結花と杉尾咲空が初エリートカテゴリーで の表彰台を獲得した。

優勝の内藤寧々コメント
「今は優勝できてうれしい気持ちでいっぱいです。練習走行では確認したい項目をまとめられず、少し焦りが残る中での決勝だったのですが、決勝では自分の予想を上回る得点を出すことができました。今後はさらなる国際大会での経験を積み、海外の大会でも表彰台を獲得したいです」

パーク女子エリート
優勝:内藤寧々 所属:第一学院高等学校(60.40 点)
2位:山本結花 所属:龍谷富山高等学校(54.40 点)
3位:杉尾咲空 所属:細田学園高等学校/AIRWALK (47.00 点)

内藤寧々を中央に左が2位山本結花(龍谷富山高)、右が3位杉尾咲空(細田学園高) ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

ユースオリンピック競技大会のBMXフリースタイル・パーク混合で大霜優馬・丹野夏波が3位

アルゼンチンのブエノスアイレスで開催されている第3回ユースオリンピック競技大会で、自転車のBMXフリースタイル・パーク混合で日本の大霜優馬(神奈川)・丹野夏波(神奈川・白鵬女子高)ペアが3位になった。1位はアルゼンチン、2位はドイツ。

第3回ユースオリンピック競技大会のBMXフリースタイル・パーク混合で3位になった丹野夏波(左)と大霜優馬

丹野夏波のコメント
今は大会を終えてホッとした気持ちと、本当にうれしい気持ちでいっぱい。走りに関しては、決勝1本目で目標としていたベストの走りができ、得点も予選を含めても自身の最高得点を出すことができたので満足している。緊張もあったが、それを上回ってこのオリンピックシステムで行われる大会の雰囲気を楽しめ、メダル獲得までワクワクの毎日だった。
メインの競技種目はBMXレースであり、今大会フリースタイル・パーク種目で学んだ技術、大会でのパフォーマンス発揮や、会場の雰囲気、そしてメダル獲得まで体感できたことは、プラスにつなげることができ今後に活かしたい。

大霜優馬のコメント
今までの大会参戦で味わったことのないうれしさを感じている。決勝では直前の丹野選手の結果から、気持ち的にも余裕を持って挑むことができた。高難度の技は少なめの組み合わせであったが、事前に仕上げたルーティーンをミスなくこすことだけに集中し、今回の結果へとつなげることができた。
国際大会での決勝経験はなく、結果やメダルをねらいに行く大会ははじめてだったが、練習日、予選と日を追うごとに気持ちに余裕が生まれ、決勝では観客の声援を聞き力へと変えられた。東京オリンピックに向けても、通常のワールドカップなどでは採用されない少人数での対戦形式などを経験できたことやメダルを獲得したことで、より一層目標に対するイメージがわいた。今後のパフォーマンス向上にしっかりとつなげていきたい。

第3回ユースオリンピック競技大会のBMXフリースタイル・パーク混合で日本チームは3位

三瓶将廣チームリーダーのコメント
BMXフリースタイル・パークがオリンピック形式で行われる大会ははじめてであり、選手にとっても初の大舞台であったことから、未知数の部分が多く戦略面など手探り状態な中、練習ではセクションの攻略とルーティーンの組み立てにフォーカスした。
女子の丹野は、BMXレース種目で培ったバイクコントロールを活かして大きなジャンプやスピード感のあるラインを選択することができ、全てのランにおいて安定した走りで予選から決勝まで終始3位をキープ。1カ月半という短期間で種目に順応できたことを高く評価したい。
男子の大霜も、オリンピックという場の雰囲気に飲まれることなく、自分の力へと変え、ミスなく着実にポイントを稼いだことは素晴らしかった。
BMXフリースタイル・パークのオリンピックデビューである記念すべき大会でメダルを獲得できたこと、ユースオリンピックでの自転車競技初のメダル獲得、そして東京オリンピックから新種目として加わる他種目に続いてメダルを獲得できたことは、選手にとっても競技にとってもプラスとなった。