プロサイクリスト協会が「国際平和」に向けて一致団結

イタリアでミラノ〜サンレモとトロフェオビンダが開催された3月19、20日に先立って、プロサイクリスト協会(CPA)の総会が開催され、ロシアによるウクライナ侵攻で危ぶまれる国際情勢を憂慮し、選手や関係者が平和に向けて団結しようと決議された。

ミラノ〜サンレモで言葉をかわすプロ選手ら ©CPA

CPAのジャンニ・ブーニョ会長は、サイクリングの世界とその関係者に間接的な影響を与えている劇的な国際情勢に対しての悲しみを表明して、会議の冒頭に臨んだ。

フィリップ・ジルベールを代表とする選手らは、走る機会がなくなるピンチにさらされている選手仲間のため、その解決策を模索して水面下で動いている同協会に感謝し、戦争により危険にさらされている仲間たちとの連帯を表明した。

「スポーツはいかなる場合も差別があってはならない。あらゆる起源、肌の色、国籍、宗教が異なる男女は、ひとつのグループとして兄弟姉妹のように一緒に暮らしていく。私たちはみな、平和のために団結し、分断を行ってはならない」

ミラノ〜サンレモのスタートに先立ってインテルとチネリのコラボ発表が行われ、ジャンニ・ブーニョ(右)も登壇 ©LaPresse – D’Alberto / Ferrari / Alpozzi

●CPAのホームページ

プロ選手の減俸やスタッフ解雇にCPAが解決策を模索

世界的な新型コロナウイルスによるパンデミックは、世界中で膨大な数の犠牲者と深刻な経済的損害を引き起こしている。新型コロナウイルスは限界を知らず、社会全体に大きな影響を与えている。この難局に対して、自転車競技のプロ選手たちの団体であるプロサイクリスト協会(CPA)が、世界中のメンバーの利益を守るために方策を練っている。

© CPACycling / Dario Belingheri / BettiniPhoto

「我々はこの緊急時にスポンサーとチームが直面している困難を十分に認識している。我々は耳を傾け、スポーツ全体のために妥協する準備ができているが、同時に我々は憶測を避け、選手とその家族が直面する困難をできるだけ抑えるために努力したい」とジャンニ・ブーニョ会長。

国際プロサイクリストチーム連盟(AIGCP)がチームの存続を図るためにスタッフの解雇や選手の減俸を進めていることに対し、CPAはその考えを柔軟性を受け入れるとしつつも、ルールは尊重されなければならないと選手側の立場で主張している。

契約が履行できないという証拠なしに給与を大幅に削減することは受け入れられないという。選手、チームスタッフ、サイクリングファミリーの誰もが仕事を失わないように、誰もが最善の解決策を見つけることを願っているという。

元世界チャンピオン、ジャンニ・ブーニョ

CPAの代表者は、異なる利害関係を持つ各団体を結集する国際自転車競技連合(UCI)によって招集されたすべての会議に参加している。緊急事態の最前線にいるCPA事務総長のローラ・モラは、選手エージェントとのコラボレーションの必要性を強調した。

「選手エージェントと一緒に働くのは初めてで、一緒に移動するワーキンググループを作った。現段階では、相互に損害を与えないように協調して難局を乗り越えることが重要」と語った。

「一律の給与削減は決して受け入れない。各ケースを個別に査定し、特別なサポートで問題を抑える方法を検討したい。私たちはみな、嵐のまっただ中で、同じボートの上にいる。全員を救うために、私たちは共通の原則を尊重し、チームとして働く必要がある」

●プロサイクリスト協会のホームページ