モンベルが医療機関に防護服やフェイスシールド、レインウエア提供

日本のアウトドアブランド、モンベルが新型コロナウイルス感染症拡大を受け、医療活動を行っている機関や感染抑制のため活動されている各自治体保健所・役所などへの支援を行なっている。医療機関にタイベック素材の防護服やフェイスシールド、レインウエアを提供し、最前線の医療現場で活用されている。

医療機関へタイベック素材の防護服やフェイスシールドを提供

また、アウトドア義援隊として医療機関への義援金を広く募集。義援金は銀行振り込みの他、モンベル店舗での購入時に付帯するメンバーズポイントでの支払い(一口100ポイントから)、さらに準備ができ次第、モンベルストア店頭に募金箱を設置し、援助金の受け付けを開始する。

写真下は防護服の試作品をつくる辰野勇モンベル代表

●モンベルの詳細ホームページ

テント生地の縫製職人が軽くてしなやかなマスク手作り

テントハウスの設計・製造・販売を行う「もちひこ」の通販部門会社、インダストリーアンドマネジメントが、縫製部門のスタッフが手がけた新商品メッシュマスクを発売した。洗って繰り返し使える快適な着け心地に加え、カラーバリエーションも魅力。サイズも展開もあり、大人から子どもまで家族で使用できる。

マスクが苦手な人にもおすすめ。縫製職人がつくる軽やか

インダストリーアンドマネジメントは、テント生地によるバッグ類を製作している会社だが、昨今のマスク不足を受け、何かお役に立てることはないかとバッグに使用している素材「ダブルラッセル」でスタイリッシュで通気性に優れたマスクを製作した。 

「ダブルラッセル」は通気性とクッション性に優れ、マスクに息苦しさを感じたり、1日中マスクを着けているのが苦痛な人にも軽やかな着け心地が実感できるもの。

メッシュマスクの特徴
●抗菌・防臭
●優れた通気性
●洗って繰り返し使用できる

ダブルラッセルとは
表地の「ダブルラッセル」は3層のメッシュ構造により通気性・クッション性に優れた素材。また、抗菌防臭加工とノンホルマリン対応で加工されていて、介護やベビー関係の仕事現場でも使用できる。

表地は通気性・クッション性に優れたダブルラッセル。裏地は綿100%のコンパス生地のダブルガーゼを使用

オシャレに普段使いできる
スポーティー&カジュアルなデザイン

軽やかな印象のメッシュマスクは、スポーツウエアやカジュアルファッションとなじみやすく、豊富なカラー展開でコーディネートが楽しめる。通気性もいいので外出自粛が解けた後のゴルフやサイクリングなどアクティブなお出かけにもおすすめ。

【商品概要】
素材:<表地>抗菌防臭加工品(ダブルラッセル)ポリエステル100% <裏地>コンパス生地 綿100%
サイズ:S約11 cm×約8 cm/M約12cm×約cm/L約13cm×約10cm
※折り曲げた時のサイズ 
※手作業で製作しているため生地や製作過程によって多少の誤差が生じる
カラー:現在7色展開
販売価格:Sサイズ750円/Mサイズ850円/Lサイズ950円(税別)
商品詳細・販売サイト

宇都宮ブリッツェンが飲食店テイクアウト情報をポスティング

栃木県宇都宮市を拠点とする地域密着型のプロロードレースチーム「宇都宮ブリッツェン」を運営するサイクルスポーツマネージメントは、宇都宮市を中心とした栃木県内の飲食店のテイクアウト情報がまとまったチラシの配布業務を選手が行う『ツール・ド・ポスティング』を実施する。

『ツール・ド・ポスティング』は、タウン情報誌「もんみや」(新朝プレス)の協力を得て実現。 もんみやが現在実施している、宇都宮市を中心とした栃木県内の飲食店のテイクアウト情報をまとめている「monmiyaフードレスキュー」のチラシを宇都宮ブリッツェン所属のプロ選手たちが自転車に乗ってポスティング業務を行うというもの。選手たちが日々のトレーニングのかたわらポスティング業務を行う。 

この企画は宇都宮ブリッツェン所属の堀孝明の発案。堀選手は「自分は栃木県宇都宮市の出身。新型コロナウイルスの影響を受けて地元の飲食店が苦しんでいる姿をみて、自分が地域のためにできることはなにか考えた結果、“自転車に乗ってできる”ポスティングということを思いつきました。少しでもお店・地域の力になれればうれしいです 」と語っている。 

企画はゴールデンウィーク期間中、宇都宮市内を中心に実施予定。

■もんみやフードレスキュー

「もんみやフードレスキュー」は、社会問題となっているフードロス(まだ美味しく食べられるのに「捨てざるをえない危機」にある飲食店の食事、余剰食材)の削減、新型コロナウイルスによる外出自粛の影響の中で 需要が高まるテイクアウトサービスを通した飲食店応援を目的としたサービス。

サイト内において、飲食店は自由に料理の出品をし、利用者は本格的な飲食店の料理を選択・購入をすることができる。また、新しい形でユーザーと飲食店のマッチングを図りながら、飲食店の応援へとつなげていく。

●もんみやフードレスキューのホームページ

2020ブエルタ・ア・エスパーニャがオランダ開幕を断念

オランダで開幕するはずだった2020ブエルタ・ア・エスパーニャは同地でのレースを断念した。4月29日に主催者ユニパブリックとラ・ブエルタ・オランダ組織委員会が発表した。当初は8月14日にユトレヒトで開幕し、ゼルトゲンボス、ブレーダなどで3日間にわたってレースを行い、9月6日にスペインの首都マドリードにゴールする予定だった。

当初計画された2020年の第75回ブエルタ・ア・エスパーニャ

新型コロナウイルス感染拡大により、4月15日に国際自転車競技連合が2020年のサイクリングカレンダーの再編成を通告。またオランダ政府がすべての主要なスポーツイベントを9月1日まで禁止すると決定。これを受けて地元組織委員会とユニパブリックが各所と調整する事態となった。ブエルタ・ア・エスパーニャは、当初予定されていた日程ではなく、世界選手権ロードの後に行われるべきだとした。

最終的に、ユトレヒトのグランデパールを実現したいという当事者の意欲にもかかわらず、これらの厳しい条件にあてはまる新しい日付は見つからなかった。

大会が延期開催してもオランダの3日間は非開催

「オランダからラ・ブエルタ2020がスタートすることは、素晴らしい夏祭りとして考案されたプロジェクトだった。これらの特別なイベントのために必要なすべての条件を満たし、レースの公式スタートを円滑に実行することは不可能であることを考えると、オランダ開幕は断念せざるを得なかった」と現地関係者。

ユトレヒトのヤン・ファンザネン市長は、プロジェクトに関与するすべての関係機関を代表して、「私たちの意図は、大きなスペインの祭りをオランダの町々で組織することだったが、これは技術的に不可能となってしまった。新型コロナウイルスの収束は不確実で、私たちにこの決定を余儀なくされた。大きな失望だが、健康が第一」とコメントした。

ただし、すでにオランダ開幕構想は時期をずらしての実現に向けた話も。2022年を新たな設定として関係機関に働きかけていきたいという。

2019ブエルタ・ア・エスパーニャ。バルベルデをマークするマイヨロホのログリッチェ ©Photogómez Sport

4月29日第2報で全18ステージ、バスクの山岳区間から開幕

ブエルタ・ア・エスパーニャは4月29日、オランダでの3日間を断念した発表後に、当初の第4ステージを初日にすると第2報を発表した。

その結果、第1ステージはイルンをスタートしてアラーテまでの山岳ステージとなる。当初の2020ブエルタ・ア・エスパーニャは金曜日開幕で、大会4日目に移動日を設定していたので、初日は火曜日になる可能性がある。日程はまだ発表されていない。

●ブエルタ・ア・エスパーニャのホームページ

KEENがマスク製造…被災地や養護施設、シューズ購入者に配布

アウトドアフットウエアブランドのKEEN(キーン)が、新型コロナウイルス感染拡大の影響により全世界で課題となっているマスク需要を受け、タイの自社工場でマスクの製造を開始した。

フィット感も高くリバーシブル仕様。洗って繰り返し使用できるマスク

KEENは、“Together we can help(あなたと一緒だから、できること)”をテーマに、新型コロナウイルス感染拡大の影響に向き合い、活動を行っている。現在、世界中で課題となっているマスク需要を受け、タイの自社工場一区画をマスク製造ラインにしてマスクの製造を開始。全世界で15万枚を無償提供する。

マスクの素材にはシューズの材料として調達していた生地を活用。シューズ製造を行うKEENの得意分野である立体縫製を活かした立体マスクはフィット感も高く、リバーシブル仕様で、洗って繰り返し使用できる。医療用マスクではないが、感染予防の必須アイテムとして活用してほしいという思いがある。

日本国内では、被災地、児童養護施設や女性用シェルター、KEEN関連企業やサプライチェーンなどに提供。2020年4月28日(火)より国内KEEN公式オンラインストアでシューズを購入した人にマスクを提供する。
■KEEN 公式オンラインストア

タイの自社工場一区画をマスク製造ラインにし、マスクの製造を開始

KEENとは?

「サンダルは、つま先を守ることができるのだろうか?」
創業者で現CEOローリー・ファーストのこのシンプルな疑問をきっかけに、KEENの歴史は幕を開けた。米国オレゴン州・ポートランドに本拠を置き、多様なアウトドアシーンを楽しむ人々に向けた革新的で高機能なハイブリッドフットウエアを展開。
KEENはシューズ作りを通じて、地球環境をよりよく変える活動を続けている。「地球上のすべての場所を、よりよい場所にする」ことをモットーに、「Consciously Created:環境負荷の低減」「Taking Action:能動的な行動」「Giving Back:社会への還元」の 3 つのテーマを『KEEN EFFECT』と呼び、環境保護や社会貢献活動に積極的に取り組み、世界にポジティブな変化を作り出そうと努力を続けている。

フランスで屋外ロードトレーニングが5月11日から解禁の見込み

フランスの自転車プロ選手が5月11日から屋外でトレーニングを再開することができる見込みになった。ただし当面は単独走行が義務づけられる。

フランスのアルケア・サムシックに所属するナイロ・キンタナはコロンビアの自宅でトレーニングしている

エマニュエル・マクロン大統領が通達した新型コロナウイルス感染拡大の防止策として、フランスのプロ選手は55日間の外出禁止を余儀なくされていたが、依然感染者数は多いもののピークを過ぎたという見方からようやく屋外で練習できる見込みとなった。閣僚筋が4月26日にコメントした。

屋外トレーニングは個別に行う必要があり、複数での走行やチームトレーニングは禁止される。同じ条件でアマチュア選手も認められる可能性があるという。

3月17日以来、フランスの自転車選手は屋外の道路でトレーニングすることを禁止され、自宅内でのホームトレーナーなどでコンディションを維持するしかなかった。

フランス国内の自転車レースカレンダーは7月15日まで中断され、ツール・ド・フランスは8月29日から9月20日まで延期されている。

今後は経済再建に向けて17項目の優先プロジェクトを進めていき、具体的には4月28日に発表される。スポーツ、ガストロノミー、文化、観光など活動が停止されていた分野の景気回復を図っていく。

これまでのフランス新型コロナウイルス関連ニュース

「今年最大のスポーツイベントに」ツール・ド・フランス延期開催に期待(2020年4月16日)
2020ツール・ド・フランスが大会延期。8月29日開幕(2020年4月15日)
ツール・ド・フランスは8月29日〜9月20日開催案が浮上か(2020年4月15日)
ツール・ド・フランスは1カ月遅れのプランB開催が有力に(2020年4月8日)
東京五輪の1年延期でツール・ド・フランスと日程重複する問題が(2020年4月2日)
ツール・ド・フランスは無観客を想定して日程通りの開催か(2020年3月26日)

●ツール・ド・フランスのホームページ

「鎌倉には来ないで」感染率が高い観光地鎌倉が悲痛な訴え

鎌倉市は人口あたりの新型コロナウイルス罹患率が神奈川県で一番高く、大阪府を上回っている。鎌倉市など神奈川県内沿岸部11市町の首長は4月22日、緊急事態宣言の発令中にもかかわらず観光客の混雑が激しさを増している状況を憂慮。新型コロナウイルスの感染拡大を防止することを目的として、「いまは観光に来ないでほしい」と宣言した。

北鎌倉駅からすぐに行ける円覚寺は拝観できなくなった(4月24日撮影)

ゴールデンウィークの混雑に生命をおびやかされるほどの危機感

大型連休を前にして鎌倉市は逗子市・葉山町とともに4月25日(土)、26日(日)の対応について協議し、海岸でのバーベキューなどの自粛要請をする。

4月25、26日の週末は引き続き多くの観光客が来訪することを想定できることから、海岸の利用の自粛(例:バーベキュー、テントやサンシェードの利用、その他集団で行うスポーツなど)のご協力をお願いする。そのために、各市町の海岸の巡視、注意活動を行う。

円覚寺(えんがくじ)は閉門されている
円覚寺の座禅会も当面中止
鎌倉五山の第一位建長寺。時間限定で伽藍には入場できる

また、日本サーフィン連盟湘南鎌倉支部と鎌倉市は、国の「緊急事態宣言」の発令を受け、海と海岸利用の自粛を求める。

「市民の感染リスクや精神的不安を少しでも軽減できるよう、ローカル、ビジターともに心ある行動とご理解ご協力をお願いいたします。今の私たちの行動が自分自身を、また自分の大切な人たち、そして社会を守ることにつながります。日本のサーフカルチャーを牽引してきた鎌倉、これからも新たな時代を築いてまいります。そのためにも今は#STAY HOME、そして、また鎌倉の海で会いましょう」

鶴岡八幡宮(4月24日撮影)
鶴岡八幡宮は門がないのでだれでも入場できるが人の姿はない(4月24日撮影)

「今は鎌倉への観光を控えるようお願いいたします。みなさまのご協力により、少しでも早く通常の生活が戻り、いつものような鎌倉観光ができるようになればと願っております」と、鎌倉市の松尾崇市長が鎌倉商工会議所の久保田陽彦会頭、鎌倉市観光協会の大森道明会長と連名で発信した。

若宮大路の三の鳥居から段葛を望む(4月24日撮影)

普段なら観光客でにぎわう小町通りもお店はほとんど閉まっている。また公共駐車場はすべて封鎖された。鎌倉観光は新型コロナウイルスが収束してから、のんびりいくのがオススメ。

普段は行楽客でごった返す小町通りだが、ほとんどの店舗が休業中(4月24日撮影)

●鎌倉市のホームページ

外出制限下の自転車職人ティツィアーノ・ズッロが日本にメッセージ

イタリアでは新型コロナウイルス流行拡大が都市封鎖、移動・外出制限がなおも続いているが、ハンドメイドバイシクル工房・自転車職人を応援するartecicloや、ZULLOのビルダーTiziano Zullo(ティツィアーノ・ズッロ)が日本にあてたメッセージを公開した。

ZULLO代表ティツィアーノ・ズッロ氏

ZULLOは1980年代から90年代にかけて、トップカテゴリーを戦うオランダの強豪プロサイクリングチームTVMにバイクを供給していたことで知られ、ティツィアーノ・ズッロ氏はイタリア・ハンドメイドバイシクル界の大御所ビルダーの一人。

オランダのTVMがツール・ド・フランスに使用したブランド

ロード選手でもあった同氏は1973年、21歳でフレーム作りを始める。TVMにバイクを供給していた最盛期の工房は10人の職人と、年間数千台のフレーム生産規模を有し、ヴェローナを代表する自転車メーカーであったが、“手を汚す仕事をする”職人に戻ることを決意。以降、現在までハンドメイドでユーザー一人ひとりの要望に応える小規模な工房として活動している。

ZULLOのバイクで1991ツール・ド・フランスのステージで勝利を挙げるTVMのロブ・ハーメリング

フレームは塗装も工房で自ら行っており、ティツィアーノ・ズッロはペインターとしても卓越した腕前を誇っている。TVMチームのサプライヤー時代から採用している、燃えさかる炎のような “ジャッロ・ラディカ”が代表作のひとつで、その卓越した技巧は見るものを魅了する。これ以外にも、すべてがオリジナルデザインをオーダーできるZULLOのフレームはアーティスティックで美しく、イタリアンハンドメイドらしい魅力にあふれている。

また、自転車好きの間でその名を知られる安田マサテル氏(アトリエ・キノピオ代表)がイタリア時代にこの工房に長年身を置き、帰国後も同ブランドのインポーターとして活動していることから、日本国内でもファンが多い。日本を含むアジアマーケット向けのZULLO製品は現在、安田氏が塗装を担当している。

工房のあるヴェローナの歴史地区。 円形劇場アレーナや、ロミオとジュリエットの舞台となったことで人気の観光地

ZULLOの工房は北イタリアのヴェネト州ヴェローナ県にある。ヴェローナは「ロミオとジュリエット」の物語の舞台として有名な一大観光地だが、工房はヴェローナの歴史的中心部から少し離れ、イタリア最大の美しい湖ラーゴ・ディ・ガルダのほとりカステルヌォーヴォ・デル・ガルダの町にある。ここは、新型コロナウイルス感染流行で最も甚大な被害を受けているベルガモ県との県境にもほど近い。

ズッロ氏は2014年に来日したこともあり、日本のサイクリストとも親交を深め、日本からZULLOの工房を訪問する人も少なくない。新型コロナウイルス禍という大きな荒波の中にある同氏が、日本のサイクリストのためにメッセージを寄せてくれた。

親愛なる日本のサイクリストのみなさんへ

私はティツィアーノ・ズッロ。ロードバイクのフレーム職人を、かれこれ40年やっています。

ガルダ湖に近いカステルヌォーボ・デル・ガルダの町にある私の小さな工房には、毎年、海外、もちろん日本からも多くの人が訪れてくれます。みなさんが知る、この工房でかつて私のよきパートナーだった日本人のマソ(現アトリエ・キノピオ代表安田マサテル氏)と知り合ったのは2004年でした。ある日、彼から電話がかかってきて「近くの駅まで来ているので工房を見学させてほしい」というのです。 

迎えに行くように妻に頼んだら「そんな、会ったこともない人を見つけられるかしら?」と言ってきた。「駅で唯一の日本人を見つけたら、きっとそいつだよ!!」って答えたんだ。それから彼は私のところで修業をはじめ、7年間ともに働きました。主にグラフィックデザインを担当し、世界中のサイクルショーに参加しました。

ズッロ氏に師事する安田マサテル氏。7年間、師匠と二人三脚でZULLOを再び世界で脚光を浴びるブランドとして復活させた

ちなみに「マソ」のあだ名の生みの親は実は私の妻なんだ。工房の物置きで寝泊まりしていた彼に長くて覚えにくい名前はいらないと「マソ」と呼びはじめ、それからはイタリア人みんなが「マソ」と呼ぶようになりました。

マソとの長いコラボはとても意味のあるものだった。日本の文化や伝統も彼を通じて知ることができました。毎年夏には日本人サイクリストがここに遊びにきてくれます。

ZULLOの工房

2014年に私は初めて日本を訪れました。ヴェローナからローマへのフライト、続いてローマから大阪という長旅でしたが、マソの両親にお会いし、京都観光を楽しむことができました。もちろん、長野県上伊那郡のマソと妻の総子さんが暮らす素敵な家(アトリエ・キノピオ)にも行ったよ。東京では観光の他にも、準備してくれたパーティで多くのサイクリストやショップ関係者と親交を深めました。イタリアとはまったく異なる国、日本での滞在を大いに楽しんだことは、私のとてもいい思い出です。

マソコンを前に自宅で仕事をするズッロ氏。イタリアにおける移動・外出規制は5月3日まで続く予定

コロナ禍で材料が滞ってフレームづくりができない

現在、イタリアではロックダウンがまだ続き、外出が制限されています。家から出られるのは商店での生活必需品の買い物か、薬局に行くときに限られます。

私のような小規模事業者の多くは活動していますが、材料や部品の供給が停まっているため、厳しい状況であることにはかわりません。サプライチェーンが影響を受け、みんな生産活動の停止を余儀なくされています。例えば、今朝も、ボトムブラケットをねじ切りして準備したかったのですが、材料がなく、製造元に問い合わせたところ、なんと彼らも在庫を切らしているのです!! 同様にドロップアウト(エンド)も、材料がないため製作できません。

現在オーダーを受けて製作中のフレームのいくつかは、特殊なカラーがリクエストされており、塗料メーカーが休業しているために塗料が手に入らず、ペイントすることができません。白、黒、赤、グレー、ブルーといった定番色ならストックがあるのですが。

飛行機での輸送にも大きな影響が出ています。イタリア発の多くの国行きのフライトがキャンセルされたため、でき上がったフレームの発送もままならない状況です。

今は、妻と庭仕事をしたりして毎日を過ごしていますが、大好きなバイクフレーム作りの仕事に一日も早く復帰したいです。

今のようなイタリアの姿は本当にこれまで経験したことがありません。正直に言って悲しいし、気分が落ち込みます。

自転車職人の仕事が私の情熱です。工房に行き、そこでただ単にものづくりをするだけでなく、新しい素材や、細部へのこだわりなど、なにか新しいことに取り組む。そんな毎日に私は幸せを見い出し、感謝していました。

イタリアから遠く離れた日本は氏にとって全てが新鮮だった

日本の状況はいかがですか? みなさんも5月上旬まで緊急事態宣言下ですが、外出は禁止されていないそうですね。自転車に乗っている日本のサイクリストたちの写真を見ました。とはいえ、世界の経済が危険にさらされた今、日本のみなさんも辛く苦しいトンネルの中にいるのではと想像します。

視点変えて将来を見すえる。そして自然に敬意を

新型コロナウイルスの流行が終息後の社会は大きく変わり、消費にも影響が出て、これまでのようにはものが売れなくなるでしょう。

先日、スウェーデンの顧客が写真を送ってくれました。彼のバイクは私が1985年に作ったものです。彼のように、多くのサイクリストが1980年代のZULLOのバイクを今でも愛用してくれています。

自転車に限らず、靴や衣服などあらゆる製品に言えますが、これから人々は長く愛用できる高品質の製品をより求めるようになるのだろうと考えています。数は少なくても質の高いものを所有する、それが、これからの時代に合った暮らし方でしょう。

お店にあふれるように並んだ商品が、間もないうちにバーゲン価格で売りさばかれ、せっかく買った製品が1カ月後には3割引きで手に入るようなことは、間違っていると私はいつも思っています。

これからは、視点変えて将来を見すえる。そして自然に敬意を払いましょう。

今回、このように日本のみなさんに話しができ、うれしく思っています。

平穏な日々が戻ったら、再び日本を訪れたいと思っています。マソにまた世話になります。今度はゆっくり時間を取って、できれば自転車で日本の美しい自然を満喫したいですね。

いずれイタリア、あるいは日本でまたお会いできることを楽しみにしています。それまで皆さん、どうかお元気で。ティツィアーノ・ズッロ