エマニュエル・マクロン仏大統領のもと、「文化財ロト」の収益利用に関する合意書がフランス文化省と遺産財団の間で2018年2月13日、フランス大統領府(エリゼ宮)で調印された。調印に立ち会ったのはフランソワーズ・ニセン文化大臣、テレビやラジオのパーソナリティとして活躍し、マクロン大統領から危機的状況にある文化財の調査担当を任ぜられたステファン・ベルン氏、遺産財団会長のギヨーム・ポワトリナル氏、フランス宝くじ公社(フランセーズデジュ)の会長兼ジェネラルディレクターのステファンヌ・パレ氏。
この「文化財ロト」は、毎年9月第3週末に開催される欧州文化遺産の日に合わせて実施され、最低3年間続けられる。得られた資金は遺産財団の管理下にある危機に瀕する文化財のために使われる。1回目となる文化財ロトの抽選は2018年9月14日に行われ、同時にスクラッチくじも実施される。
導入初年となる2018年、このロトはフランス国内に散らばる危機に瀕する公共および民間プロジェクト約100件の修復工事に補助金を供給するという。ステファヌ・ベルヌ氏が長を務める「選考委員会」が発足し、遺産財団と文化省が洗い出した1800件のプロジェクトの中から、2018年内に当ロトからの補助金を受ける修復プロジェクトを選定。選ばれるプロジェクトは民間・公共のどちらかに属し、農村、住宅、宗教、産業、葬祭、軍事、庭園などに関連する遺産で、フランスが持つ文化財と時代の幅広さを象徴するものとなる。
フランス宝くじ公社の試算によれば、このロトによりフランス国家にもたらされる額は1500~2000万ユーロ。ロトで得られた資金は遺産財団が管理し、これに企業と一般のメセナ支援が補足されるという。
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