福田真平が逃げ集団のスプリントを制す…KINAN AACA CUP第5戦

東海地区を転戦するロードレース「KINAN AACA CUP」の2018年シリーズ第5戦が5月5日、岐阜県の国営木曽三川公園長良川サービスセンター特設コースで行われた。メインレースの1-1カテゴリーは福田真平(日本競輪選手会愛知県支部)が逃げ集団でのスプリントを制して優勝。元プロロードレーサーとしての意地を見せつけた。

KINAN AACA CUP 第5戦は福田真平が逃げ集団のスプリントを制す ©︎KINAN Cycling Team / cyclejam

同地区におけるロードレースシーンのレベルアップを目的に開催されるシリーズ戦は、オールフラットの長良川のコースでスピード感あふれるレースが展開されるのが特徴。ホストチームとして臨むキナンからは山本元喜、椿大志、山本大喜、塚本一樹がエントリー。2018年のアンダー23(23歳未満)ロードレースアジア王者の山本大はシリーズ戦初参加。チームは同時期にUCIアジアツアー遠征を行なっていたこともあり、国内で調整する選手のみで臨むこととなった。

正午にスタートを切ったメインカテゴリーの1-1クラスは、スタート直後から序盤に設けられた周回賞をねらってのアタックで激しい出入りが見られるものの、逃げグループの形勢にはいたらない。変化が生まれたのは4周目。9人がリードを開始し、福田のほか、水野貴行(INTERPRO STRADALLI CYCLING)や中里仁(Rapha Cycling Club)らの先頭集団にキナンからは山本元が加わった。

やがて8人となった逃げグループだが、レース全体がハイペースで進行。メイン集団も前を行く8人を射程圏内にとらえながら走り続け、レースが終盤を迎えようかというころには吸収する可能性が徐々に高まっていった。しかし、粘る8人はギリギリまでハイペースを維持し続け、追いすがるメイン集団が最終周回、それも最後のコーナーでようやく追いつき、フィニッシュには多くの選手がなだれ込む形となった。

し烈を極めた優勝争いは、最終コーナーを先頭で抜けた逃げ8人がそのままスプリント態勢に入りフィニッシュラインを通過。実質的には逃げ切りの格好となり、最後の直線で抜群の加速を見せた福田が今シリーズ初優勝を果たした。愛三工業レーシをはじめ、ロード選手としてキャリアを積んだ福田選手は競輪に転向し、この3月に日本競輪学校を卒業。デビューが控えている中で、ロードでもその力が健在であることを示した。
(Report:サイクルジャム、Edit:福光俊介)

KINAN AACA CUP 2018 第5戦1-1クラス(102km、5.1km×20周回)
1 福田真平(日本競輪選手会愛知県支部)
2 寺田吉騎(磐田北高校&Vivace-掛川)
3 中里仁(Rapha Cycling Club)
4 和田宗浩(イナーメ信濃山形)
5 水野貴行(INTERPRO STRADALLI CYCLING)

KINAN AACA CUP 2018 ポイントランキング(第5戦終了時)
1 新城雄大(KINAN Cycling Team) 576pts
2 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ) 512pts
2 福田真平(日本競輪選手会愛知県支部) 512pts
2 津田悠義(EQADS) 512pts
2 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) 512pts
2 中島康晴(KINAN Cycling Team) 512pts

■ブレーキングをテーマに行った「レーススキルアップ講座」
KINAN AACA CUP恒例の「レーススキルアップ講座」。ビギナーから上級者まで幅広く参加が可能で、国内外でのレースで経験と実績を積むキナンの選手たちが講師を務めるとあって毎回好評だ。今回のテーマは「ブレーキング」。レースや練習中の不測の事態でも、安全に減速できるバイクコントロールが選手には求められる。そこで、レースでの活躍を誓う受講者に対し、制動技術の必要性を説くとともにブレーキングのスキル向上を図った。また、1-1カテゴリーのレース前には、恒例となったキッズ限定のオープニングランを実施。サイクリングを志す子供たちとキナンの選手たちとが交流を図りながら、実際にレースで使用されるコースを走った。

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KINAN AACA CUP第5戦にU23アジアチャンピオンの山本大喜ら出場

KINAN AACA CUP 2018第5戦が5月5日に岐阜県海津市の国営木曽三川公園長良川サービスセンター特設コースで行われる。20周回・102kmで争われる1-1カテゴリーには、ホストチームのキナンサイクリングから山本元喜、椿大志、塚本一樹、2018年のアンダー23(23歳未満)ロードアジア王者の山本大喜が初参戦する。チームは同時期にスリランカ遠征をしていて、今節は日本国内で調整中の選手たちが出走する。KINAN AACA CUPは東海地区のレースレベル向上と選手のスキルアップを目的に行われているシリーズ戦。

KINAN AACA CUP 2018 第5戦に出場するキナンのメンバー ©︎KINAN Cycling Team

ホスト役をキナンが務めるだけでなく、プロ・アマはもとより、年齢・性別を問わず混走する点も大きな特徴として挙げられる。毎回、最上級カテゴリーの1-1から1-4、さらには個人タイムトライアルも実施。選手一人ひとりの参加目的やスキルに合わせてレース参戦できることで多くの参加者を集めている。

5月5日に開催される今シーズン第5戦は、シリーズの主会場でもある海津市・国営木曽三川公園内に設けられる特設コースで行われる。1周5.1kmのコース(1-3と1-4は3.1km)のコースはオールフラット。アップダウンがまったくない一方で、この地域特有ともいえる長良川に沿って吹く風が毎回レース展開に大きく影響する。北からの風であればバックストレートが追い風になる。優勝争いのみならず、レース途中に設けられる周回賞などの“お楽しみ”も、選手たちの意欲をかき立てる要素となる。

また、レースのほかにもキナン選手が講師を務める「レーススキルアップ講座」や、実際にレースコースを走行できる「キッズラン」などさまざまな催しも予定している。

KINAN AACA CUP 2018 第5戦
5月5日開催 国営木曽三川公園長良川サービスセンター特設コース
1-1カテゴリー 5.1km×20周 102km 正午スタート
レーススキルアップ講座は午前11時開始

KINAN AACA CUPオフィシャルウェブサイト

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FRESH!「サイクリングチャンネル」でKINAN AACA CUPアーカイブ配信

東海地区のロードレースシリーズ「KINAN AACA CUP」。レースの模様はインターネットストリーミングプラットフォーム・FRESH!の「サイクリングチャンネル」(運営:ロックオン)によって、アーカイブ配信中。ログインや個人情報の登録が不要で、パソコン・スマホどちらでも無料で見ることができる。

インターネットストリーミングプラットフォーム・FRESH!の「サイクリングチャンネル」

3月31日に行われた同第3戦、1-1カテゴリーは、キナンサイクリングの加藤康則ゼネラルマネージャーと鈴木新史アドバイザーが解説を務め、スタートからフィニッシュまで完全中継されているほか、その他カテゴリーについてもフィニッシュシーンが見られるようになっている。

KINAN AACA CUP 第3戦(FRESH!「サイクリングチャンネル」

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新城雄大がKINAN AACA CUP第3戦でシリーズ初優勝

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新城雄大がKINAN AACA CUP第3戦でシリーズ初優勝

キナンサイクリングがホストを務める東海地区のロードレースシリーズ「KINAN AACA CUP」は3月31日、2018年シーズン第3戦を愛知県新城市・鬼久保ふれあい広場で開催。1.4kmのコースを30周回するクリテリウムとして行われたメインレースの1-1カテゴリーは、レース前半で抜け出した3選手がそのまま逃げ切り。最後は上りスプリントを制したキナンの新城雄大がシリーズ初優勝を決めた。

KINAN AACA CUP第3戦で新城雄大がシリーズ初優勝 ©︎ KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

2月に行われた第1戦、第2戦は岐阜県海津市の「国営木曽三川公園長良川サービスセンター内特設コース」。場所を移して実施された今回は周囲にスポーツ施設やペンションが建ち、あらゆるアクティビティに取り組むことができるスポットが会場となった。

1周1.4kmのコースは、コントロールラインからしばらくはおおむね下り基調。ここで勢いに乗り、最終コーナーからフィニッシュにかけてのシケインを伴う急勾配の上りを一気に駆け上がる。ルートは全体的にワインディングで、鋭角コーナーも数カ所ある、クリテリウムならではのスピードコースが用意された。

キナンからは新城のほか、椿大志、塚本一樹、中西健児、雨乞竜己がエントリー。レースシーズンが本格化し、どの選手も上々のコンディションでこの日のクリテリウムへと臨んだ。

35選手が出走したトップカテゴリーの1-1は、スタートから次、また次とアタックの応酬。しばらくは決定打が出ないまま、出入りの激しい状況が続く。こうした中で、キナン勢は1周回目に設けられる周回賞「ファーストラップ賞」を椿が獲得。さらに、散発するアタックに対しては新城が積極的にチェックし、プロトンから抜け出す機会を図った。

その流れが大きく変化したのは11周回目。筧五郎(56サイクル)の動きをきっかけに、豊田勝徳(WAKO’S)、加藤淳一(Team光)が飛び出すことに成功。ここに新城が加わり、3人の逃げグループが形成される。さらに集団から中西と雨乞のキナン勢が前を行く3人へのブリッジを試みる。2周回進んだのちに中西が逃げグループにジョイン。これと入れ替わるように加藤が後方へと下がり、豊田、新城、中西がレースをリードした。

先を急ぐ3選手に対し、メイン集団も中盤以降は追撃のペースを上げてゆく。たびたびアタックがかかり、筧や榊原健一(ぴっとレーシングチーム)、佐藤大紀(中京大)らが前方への合流を目指すが、そのたびにスピードの上がるメイン集団へと引き戻される。逃げる3人とメイン集団とのタイム差は15秒前後で推移したまま終盤へと突入した。

逃げる側と追う側、一進一退の攻防は、リードを保ち続けた逃げグループ3人優勢の展開へ。それぞれ均等に先頭交代のローテーションを繰り返しながら、周回数をこなしてゆく。そして、約10秒の差をもってラスト1周回の鐘を聞いた。単騎の豊田に対し、先頭に2人送り込んだKINAN勢だが今回はシリーズ初優勝をかけて完全な個人戦の様相。3選手真っ向からのぶつかり合いは、長い下り区間で新城が先頭に出たまま前を譲らない。その勢いで最終の鋭角コーナーをクリアしフィニッシュへの上りへと入った。

上りスプリントとなった最終局面は、「トップで入れば抜かれることはないと思っていた」との読みが当たった新城に軍配。2位には中西、3位に豊田と続き、新城から7秒ほどの差でメイン集団がなだれ込むようにフィニッシュを迎えた。

スピード自慢3人による勝負を制し、シリーズ初優勝を決めた新城。レース後のインタビューでは、「読み方は違うけれど、同じ漢字の“新城(シンシロ)”で“新城(アラシロ)”が勝ててよかった」とユーモアたっぷりのコメントで会場を沸かせた。キナンとして、ワンツーフィニッシュを果たしたことはもとより、メイン集団内での出入りの激しい中でチャンスを見極めて動くシーンが多くあるなど、今後のUCI国際レースに向けても弾みとなる一戦だった。

スピード感満載のスリリングな勝負が好評の新城会場でのレースは、7月7日(土)開催の今シーズン第7戦にも予定されている。次戦(第4戦)は4月21日(土)に「国営木曽三川公園長良川サービスセンター内特設コース」に戻って実施され、メインの1-1カテゴリーは102kmによって争われることとなっている。

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