NIPPOはジロ・デ・イタリア出場できず…イスラエルチームがサプライズ出場

ジロ・デ・イタリアなどのメジャーロードレースを主催するRCSスポルトが1月20日にミラノで2018年大会の参加チームを発表した。UCIワールドチームにカテゴリーされる18チームは自動的に出場権が与えられ、残りは主催者推薦枠のワイルドカードとなるが、日本選手が多く所属するNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニはストラーデビアンケ、ティレーノ〜アドリアティコ、ミラノ〜サンレモに選出されながらイタリア最大のレース、ジロ・デ・イタリアへの出場を逃した。

2017ジロ・デ・イタリア © LaPresse – Fabio Ferrari

イスラエルのプロフェッショナルコンチネンタルチーム、イスラエルサイクリングアカデミーが同国で開幕するジロ・デ・イタリアに初出場を決めた。シーズン終盤のイル・ロンバルディアは後日発表される。

●自動的に出場権が与えられるUCIワールド18チーム
AG2Rラモンディアル(フランス)
アスタナ(カザフスタン)
バーレーン・メリダ(バーレーン)
BMC(米国)
ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)
FDJ(フランス)
ロット・スーダル(ベルギー)
ミッチェルトン・スコット(オーストラリア)
モビスター(スペイン)
クイックステップフロアズ(ベルギー)
ディメンションデータ・ケベカ(南アフリカ)
EFエデュケーションファースト・ドラパック(米国)
カチューシャ・アルペシン(スイス)
ロットNLユンボ(オランダ)
スカイ(英国)
サンウェブ(ドイツ)
トレック・セガフレード(米国)
UAEエミレーツ(UAE)

●ストラーデビアンケ(3月3日=参加20チーム、1チームは7人編成)のワイルドカード
アンドローニジョカットーリ・シデルメック(イタリア)
NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ(イタリア)

●ティレーノ〜アドリアティコ(3月7〜13日=参加22チーム、1チームは7人編成)のワイルドカード
ガスプロム・ルスベロ(ロシア)
イスラエルサイクリングアカデミー(イスラエル)
NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ(イタリア)
ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア(イタリア)

●ミラノ〜サンレモ(3月17日=参加25チーム、1チームは7人編成)のワイルドカード
バルディアーニCSF(イタリア)
コフィディス(フランス)
ガスプロム・ルスベロ(ロシア)
イスラエルサイクリングアカデミー(イスラエル)
NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ(イタリア)
ノボノルディスク(米国)
ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア(イタリア)

●ジロ・デ・イタリア(5月4〜27日=参加22チーム、1チームは8人編成)のワイルドカード
アンドローニジョカットーリ・シデルメック(イタリア)
バルディアーニCSF(イタリア)
イスラエルサイクリングアカデミー(イスラエル)
ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア(イタリア)

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NIPPO・ヴィーニファンティーニがイタリアの劇場でプレゼンテーション
NIPPO・ヴィーニファンティーニはデローザ「PROTOS」とサンティーニでシーズンを戦う

NIPPO・ヴィーニファンティーニがイタリアの劇場でプレゼンテーション

NIPPO・ヴィーニファンティーニのチームプレゼンテーションがイタリア・アブルッツォ州のキエーティにあるマッルチーノ劇場で1月13日に開催された。アブルッツォ州はチームのメインスポンサーであるヴィーニファンティーニ(ファルネーゼヴィーニ社)や2018年からメインスポンサーに加わった精肉加工メーカーであるヨーロッパオヴィーニが本社を構えるチームにとって非常にゆかりの深い土地。当日は世界の舞台で活躍する地元のオリンピアン(体操、射撃など)や関係者、政治家、スポンサーなど多くのゲストで荘厳な劇場は埋め尽くされた。

NIPPO・ヴィーニファンティーニのチームプレゼンテーション

最初にスピーチを行ったのはNIPPOの岩田裕美社長。2017年シーズンに日本で大活躍したマルコ・カノラのエピソードなどを披露。イタリアと日本が強力にタッグを組み、グローバルに活動するチームへ大きなエールを送った。

NIPPO・ヴィーニファンティーニのダミアノ・クネゴ

ファルネーゼヴィーニのヴァレンティーノ・ショッティやデローザのクリスティアーノ・デローザらスポンサー代表のあいさつに引き続いて、2018シーズンに所属する全選手が壇上で監督から紹介された。何人かの日本人選手にもマイクが向けられ、それぞれにイタリア語であいさつや抱負を語った。2017年に公式戦6勝という成績を挙げて今季キャプテンを務めるカノラに続いて、最後にダミアーノ・クネゴが紹介された。2018年での引退を表明しているクネゴには、これまでの素晴らしいキャリアのハイライトとなるビデオをサプライズ上映する演出があり、驚きとともに目に涙を浮かべながらの登壇となった。

NIPPO・ヴィーニファンティーニのチームプレゼンテーションがイタリア・キエーティのマッルチーノ劇場で1月13日に開催された

●NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ
イタリア籍UCIプロコンチネンタルチーム。所属19選手(うち日本選手7)。日本との共同チームという世界でも珍しい運営スタイルをコンセプトに、世界各国のトップレースに出場する。多くの勝利をめざしながら若い選手の育成や日本とヨーロッパの自転車競技界との橋渡しも担い、また日本自転車競技連盟承認、東京オリンピックへ向けた橋本聖子日本自転車競技連盟会長が理事長を務める日本人選手強化プロジェクト「ジャパンプロサイクリング」と連携。日本自転車競技界の中核を担う有力選手が活躍する。

NIPPO・ヴィーニファンティーニ

NIPPO・ヴィーニファンティーニはデローザ「PROTOS」とサンティーニでシーズンを戦う

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニが2018シーズンを戦うチームバイクとチームウエアを発表した。バイクは2014年のチーム発足時からパートナシップを組むイタリアのコンペティションバイクメーカー、デローザの「PROTOS(プロトス)」。前シーズンよりチームに供給される「新型PROTOS」の実力はジャパンカップなど数々の勝利に裏付けられている。

NIPPOチームが駆るデローザのフラグシップモデル「PROTOS チームエディション」

「PROTOS」は4種類のカーボンファイバーを組み合わせ、強度を維持しながらも軽量化に成功。エアロダイナミズムにも優れるフレーム設計が施されていて、チームカラーのビビッドなオレンジ色を基調にバーミリオンレッド、ミッドナイトブルーがアッセンブルされ、レーシーな印象を与えるとともにプロトンのなかで一層引き立ち、大きな存在感を発揮する。

2017年同様にメインコンポーネントはパワーメーターの「パワー2マックス」がチェーンホイールに組み込まれたカンパニョーロ・スーパーレコードEPSとスーパーレコード。コンポーネントで前シーズンからの変更点となるのはリヤディレイラー。ワイドレシオへの余裕ある対応をするため、ロングケージ仕様のモデルを状況によって使用していく予定。レーシングホイールはクリンチャー仕様の「ボーラ35」「ボーラ50」「シャマル」でシーズンを通して戦う。

ハンドルとステムはFSAとヴィジョン。サドルはセライタリアのラインナップから選手の好みに合わせてセレクト。そしてレーシングタイヤも引き続き日本のトップブランドであるIRCタイヤがスポンサー。2018シーズンはクリンチャーとチューブレスで戦い、タイムトライアルバイクのディスクホイールのみチューブラータイヤのサポートを受ける予定。

クネゴ仕様シルバーの「PROTOS」(左手前)と、カノラ仕様ブルーの「PROTOS」(右奥)

2018シーズンは19選手に対し、レースバイク、レーススペアバイク、トレーニングバイク、タイムトライアルバイクの計4台でシーズンに挑む。またチームキャプテン、ダミアーノ・クネゴとマルコ・カノラにはそれぞれスペシャルカラーの「PROTOS」が用意された。クネゴのバイクはツヤ消しのシルバーを基調とし、鏡面仕上げのロゴが入るモデル、カノラには美しい光沢を放つブルーの特別バイクが用意された。

サンティーニ製正式チームウエアが完成
2017年11月3日のサイクルモードで発表されたイタリアンブランド、サンティーニ製2018シーズンチームウエアだが、一部スポンサーロゴの追加や修正が加わり、最終的なウエアとなった。ミッドナイトブルーに一新されたウエア全面には、近代的なグラフィックがあしらわれている。襟元には伊日共同チームのシンボルとして両国のナショナルフラッグが入る。

イタリアでのチームプレゼンテーションからシーズン開幕
2018シーズン、最初のチームイベントは1月13日にイタリア・アブルッツォ州キエーティで開催されるチームプレゼンテーション。イタリアのスポーツ界、自転車競技界からのVIP、地元の政治家らも招待される華やかな劇場で、所属全選手が壇上にて紹介される。その後、チームはスペイン・カルペへと移動し、28日まで第二次トレーニングキャンプを実施。そして2018シーズンの初戦は1月31日〜2月4日までのヴォルタ・ア・ラ・コムニタート・ヴァレンシアーナになる。