SNS280万アクセス、92.1%リサイクル…数字で読むジロ・デ・イタリア

第102回ジロ・デ・イタリアが5月11日から6月2日まで開催され、モビスターのリカルド・カラパスがエクアドル選手として初めて総合優勝した。中盤で首位に立った伏兵が最後まで逃げ切ったのは予想外だったが、大会主催者がこの大会で記録した数々の数字を発表した。

2019ジロ・デ・イタリア ©LaPresse

1 エクアドル選手によるジロ・デ・イタリア総合優勝
3 総合優勝者リカルド・カラパスのビブナンバー
39.291 2019ジロ・デ・イタリアの平均時速
59 ジャージ、ランキング、広告キャラバン、スタートとゴールの町や村を含むジロ・デ・イタ協賛企業
142 2019ジロ・デ・イタリア完走者数
147 広告キャラバンがレース中に立ち寄ったした場所
198 ライブ中継した国の数

ジロ・デ・イタリア第19ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse

533 ジロ・デ・イタリアと同じ日、同じコースを先行して開催した電動アシスト自転車イベント、ジロEの参加者
1500 ジロ・デ・イタリアの最終週にエクアドルで出版、web紹介されたメディア数
1735 国内外から取材に訪れたメディア人数
3537.6 総走行距離
9775 グランドフィナーレとなったベローナアレーナ観客数(最大容量)
5万 教育プロジェクトBICISCUOLAに参加した子どもたち

エステバン・チャベスが復活のステージ優勝 ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

73078.68 ジロ・デ・イタリア開催中の廃棄物キログラム。リサイクル運動のライドグリーンプロジェクトにより全体の92.1%をリサイクル
280万 ソーシャルメディアの稼働数
370万 第20ステージのゴール時におけるイタリアの全国テレビチャンネルRAIの視聴者
8000万 期間中の giroditalia.it のページビュー

モビスターのカラパスがエクアドル勢としてジロ・デ・イタリア初優勝

第102回ジロ・デ・イタリアは6月2日に23日間の日程を終え、ベローナの古代円形劇場にゴール。モビスターのリカルド・カラパスがエクアドル勢として初めての総合優勝を遂げた。南米出身選手の優勝は2014年のナイロ・キンタナ(コロンビア)に続く2度目。どちらもモビスターに所属。

ベローナのアレーナでトロフィーを掲げるカラパス ©Fabio Ferrari / LaPresse

近年のジロ・デ・イタリアでは2012年のカナダ(ライダー・ヘシェダール)、2014年のコロンビア(キンタナ)、2017年のオランダ(トム・デュムラン)、2018年の英国(クリストファー・フルーム)とこれまで総合優勝していなかった国が栄冠を手中にしている。

総合2位は1分05秒遅れで、バーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)。グランツールでのポディウム(総合成績でのトップ3)は11回目の登壇となり、フルームに並んだ。歴代最多はジャック・アンクティル(フランス)の13。それに続くのがフェリーチェ・ジモンディ(イタリア)、エディ・メルクス(ベルギー)、ベルナール・イノー(フランス)の12。

総合3位は2分30秒遅れで、ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)。スロベニア選手としてグランツールで初めてポディウムに登壇した。ログリッチェのこれまでの最高位は2018ツール・ド・フランスの総合4位。

第21ステージの個人タイムトライアルを制したチャド・ハガ(サンウェブ) ©Fabio Ferrari / LaPresse

第21ステージは17kmの個人タイムトライアルで、サンウェブのチャド・ハガ(米国)がトップタイムをマーク。ハガはグランツールで初のステージ優勝で、2013年以来のプロ2勝目。

2019ジロ・デ・イタリア総合優勝のカラパスを中央に左が2位ニーバリ、右が3位ログリッチェ ©Fabio Ferrari / LaPresse
ジロ・デ・イタリア総合優勝のリカルド・カラパス ©Fabio Ferrari / LaPresse
エクアドル国旗がベローナのローマ遺跡でうち振られる ©Massimo Paolone / LaPresse

カラパスは第4ステージで2年連続の区間勝利を挙げると、第14ステージで独走勝利して一躍首位に。モビスターチームは当初ミケル・ランダ(スペイン)がエースだったが、第9ステージの個人タイムトライアルの成績がよくなく、カラパスとのツートップ態勢に変更した。

カラパスは山岳ステージでもモビスターチームのアシスト陣に援護されてマリアローザを死守。最終ステージの個人タイムトライアルで総合2位ニーバリに1分54秒差から同05秒差まで詰め寄られたが、山岳ステージで稼いだ貯金を利して逃げ切った。大会前半は絶好調だったログリッチェが後半に胃痛から調子を落としたこともあり、まさかの伏兵が逃げ切った。

「この勝利はここに来ている妻と2人の子どもたちと喜びたい。両親には電話をするよ。こんな栄冠を手中にできてとても誇り高い。グランツールで総合優勝するのが夢だったからね。子どものころに抱いた夢は絶対に忘れちゃいけないんだ。それは決意を込めて努力すれば現実になる」とカラパス。

「すでに4年間、欧州ロードレースに身を投じているが、夢をつかみにいかなければダメだと気づいた。第15ステージで30秒のタイムを稼いだことがすべて。ニーバリとログリッチェがけん制し合っていた隙だった。今年のジロ・デ・イタリアはそこで決まったと思う。ボクにとってこれはスタートだ。ボクたちチームはさらにその上の目標に挑んでいきたい」

2019ジロ・デ・イタリア ©LaPresse
最終日の個人タイムトライアルを走るカラパス ©Fabio Ferrari / LaPresse

NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネの初山翔は6時間05分56秒遅れ、最下位の142位ながら、2区間でアタックを決めるなど果敢な走りを見せ、日本勢として6人目の完走を果たした。

ガッツポーズでカラパスがゴール ©LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

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カラパスがジロ・デ・イタリア総合優勝に前進。第20S

第102回ジロ・デ・イタリアは6月1日、フェルトレ〜クローチェダウーネ・モンテアベーナ間の194kmで第20ステージが行われ、総合1位のマリアローザを着用するリカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)が同2位ビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)を封じ込め、タイム差なしでゴール。初優勝に大きく前進した。

ニーバリをマークするマリアローザのカラパスとランダ ©Fabio Ferrari / LaPresse

この日カラパスは総合4位の位置にいて、アシストとして貢献してくれている本来のエース、ミケル・ランダ(スペイン)の区間優勝をために最後の上り坂で見事な走りを見せた。ライバルのニーバリを抑えるとともに、総合3位の位置にいたプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)を脱落させた。

ステージ優勝はアスタナのペリョ・ビルバオ(スペイン)が第7ステージに続く2勝目を挙げ、ランダは2着に終わったが、総合成績ではログリッチェを逆転して3位に浮上。モビスターチームは最終日の表彰台で2選手が登壇する位置につけた。

「ランダを優勝させるのはわずかの差だったが、今日の結果には満足している。ゴール後にニーバリが祝福のハグをしてくれた。彼はとても強かったが、アシストをしてくれたボクのチームも、ボク自身だって強い。このタイム差は十分だと思うが、個人タイムトライアルではなにがあるか分からない」とカラパス。

ジロ・デ・イタリア第20ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse

最終日は距離17kmの個人タイムトライアルで、カラパスはニーバリに対して1分54秒の貯金をもって、エクアドル選手として初めての総合優勝を目指す。

マリアローザのカラパスとアシスト役のランダ。ジロ・デ・イタリア第20ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse
ステージ2勝目を挙げたビルバオ ©Marco Alpozzi/ LaPresse
エクアドル勢初の総合優勝に王手をかけたカラパス ©Massimo Paolone / LaPresse
ジロ・デ・イタリア第20ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

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チャベスが復活の独走勝利…カラパス首位死守【ジロ・デ・イタリア第19S】

第102回ジロ・デ・イタリアは5月31日、トレビーゾ〜サンマルティーノディカストロッツァ間の151kmで第19ステージが行われ、ミッチェルトン・スコットのエステバン・チャベス(コロンビア)が峠の頂上に設定されたゴールに独走で飛び込んで優勝。総合成績ではリカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)がライバルの先行を許さずマリアローザを守った。大会は残り2日。

エステバン・チャベスが復活のステージ優勝 ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

2016、2018年に続く区間3勝目を挙げたチャベス。この日はスタート直後に形成された11人の第1集団に加わっていた。コロンビア勢がグランツールを制したのはこれで80回目。ジロ・デ・イタリア29、ツール・ド・フランス19、ブエルタ・ア・エスパーニャ32という内訳だ。ジロ・デ・イタリアでは3つの年で3勝を挙げたのは、コロンビア選手としては初めてという。

2016年に最終日の2日前に首位に位置していた実力者。最終的にはビンチェンツォ・ニーバリに逆転され、総合2位でフィニッシュした。グランツールの総合優勝も期待されたが、チャベスにとってはそれからが試練の日々だった。

「あの後ボクは体調不良になり、苦しい日々を過ごしてきた。でもあきらめなかった。ゴールまでの上りはその辛さを考えれば楽だった。支えてくれたすべての人に感謝したい」とチャベス。ゴール地点にはコロンビアから駆けつけた両親がいて、笑顔で抱き合った。

ジロ・デ・イタリア第19ステージ、チャベスが先頭集団からアタック ©Fabio Ferrari / LaPresse
ゴール地点にはエステバン・チャベスの両親が待ち構えていた ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

首位カラパスはモビスターチームの援護を得てライバルの先行を許さずマリアローザを守った。

「いまベローナに着いたよという日がもうすぐ来る。今日はミゲルアンヘル・ロペスがアタックすることが予想されていたけど、チームメートのミケル・ランダがボクのために動いてくれた。最後までマリアローザを守る自信はある」とカラパス。

ジロ・デ・イタリア第19ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse
ジロ・デ・イタリア第19ステージ、ログリッチェがアタックするがライバル選手が反応 ©Fabio Ferrari / LaPresse
ログリッチェの先行を許さずゴールするマイヨジョーヌのカラパスら ©Massimo Paolone / LaPresse
ジロ・デ・イタリア第19ステージ ©Marco Alpozzi / LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

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今はなき祖父や友人に感謝…ジロ・デ・イタリア金星のチーマ

ジロ・デ・イタリア第18ステージが5月30日に222kmで開催され、序盤から3名で逃げたNIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネのダミアーノ・チーマ(イタリア)が迫り来る大集団を僅差でかわし、区間優勝。チームにとって悲願のジロ初勝利を挙げた。

ジロ・デ・イタリア初勝利を祝して乾杯 ©NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ

5月30日に開催されたジロ・デ・イタリア第18ステージは、オーストリア国境にも近いイタリア北部の山岳部バルダオーラからベネツィア近郊の サンタマリアディサーラ までの222kmのステージで、残り2つの山岳ステージと最終日の個人タイムトライアルを残して、今大会最後のスプリントステージとして位置づけられていた。

NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネは、初日に西村大輝、第13ステージにジョバンニ・ロナルディ、第16ステージにニコラ・バジョーリがリタイアし、第17ステージより5選手で出走している。また3週目に入り、初山翔らすべての選手に疲労が色濃く残るなか、第18ステージは最後の見せ場を作るステージになりうるため、チームで力を振り絞り、逃げにチーマを送り込むこと、また集団ゴールスプリントとなれば、フアンホセ・ロバトをエースにする作戦でスタートした。

スタート後、下り基調となった約50km地点でミルコ・マエストリ(イタリア、バルディアーニCSF)、ニコ・デンツ(ドイツ、AG2Rラモンディアル)とともに、チーマが逃げに乗り先行を開始。チーマは今大会、第2、第4、第8、第11ステージに続けて、5回目のエスケープに成功。先頭3名は127km地点で4分54秒、残り50km地点で3分のタイム差をマークした。

その後、集団ゴールスプリントの展開を狙うスプリンターチームが集団を猛烈に牽引するが、3名は逃げ切り優勝のわずかなチャンスに賭けて、協調しながらハイスピードで先頭交代を繰り返し、残り10km地点で1分8秒のアドバンテージを保った。

ゴールを目指すチーマ、ニコ・デンツ、ミルコ・マエストリ ©Fabio Ferrari – LaPresse

残り2kmで22秒、残り1kmで15秒。スプリンターたちにとっても最後の区間優勝のチャンスとなるステージだ。格上のワールドチームが猛追を図り、フィニッシュラインが近づくほどに、当然のようにタイム差は減っていくが、逃げている3選手も選手人生に何度あるかわからない絶好の逃げ切り優勝のチャンスを手中にあきらめるわけにはいかない。手に汗を握る逃げと集団の攻防となり、最後は後ろを振り返らずにスプリントにすべての力を託したチーマが集団からのごくわずかなリードを守りきり、172kmのエスケープ、今大会累計1000kmに及ぶエスケープの末に、キャリア最大となるジロでの区間優勝をつかみ取った。

チーマは成し遂げた大金星といえる勝利に、絶叫のなかチームメートやスタッフ、駆けつけたチームスポンサーと涙で抱き合った。そして表彰台に立ち、震える手でシャンパンファイト。若きイタリア人選手のあまりにも美しい勝利に、多くのファンから温かい祝福が寄せられ、プロコンチネンタル体制5年目を迎えたNIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネとしても待ちに待った最高の瞬間となった。

チーマはこの日の結果を受けて、フーガ賞(逃げの累計距離)、中間スプリント賞(中間スプリントポイントの累計)でトップに浮上。また総合敢闘賞でも2位につける。第19、第20ステージと最後の厳しい山岳ステージが続くが、チーム一丸となり乗り越え、最終ゴール地点であるベローナを目指す。

ダミアーノ・チーマが間一髪で逃げ切った ©Fabio Ferrari – LaPresse
ジロ・デ・イタリア初勝利を挙げt、チームメートから祝福を受ける ©NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ
ダミアーノ・チーマのコメント
逃げに乗って、チームとして目立つ走りをすることも自分に与えられた役割の一つだった。今日のステージではポイント賞争いもあり、逃げ切ることは簡単なことではないとわかっていたが、それでも逃げている最中から区間優勝のチャンスがあることをわかっていた。ラスト1kmを切ってからは最後の勝負が決まる残り350mのことを考え、集中して、冷静に走った。逃げていた3選手で同じ目的のもと、最後の最後まで協調できたのも大きな勝因。この勝利を本当にうれしく思っている。自分を信じてくれたチーム、監督、そして多くの犠牲を払ってくれた家族や親しい人たち、そして今はなき祖父や友人に感謝している。
ダミアーノ・チーマ
ダミアーノ・チーマ略歴
1993年、イタリア・ブレシア生まれ。
2018年にNIPPOヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニにて、弟のイメリオとともにプロデビュー。
プロ通算4勝(2018年ツアー・オブ・シンタイ/中国 第1ステージ区間優勝、個人総合優勝 2018年ツアー・オブ・チャイナ1 第6ステージ区間優勝 2019年ジロ・デ・イタリア 第18ステージ区間優勝)
初山翔

初山翔のコメント
チーマの勝利は「すごかった」の一言。ただただ信じられなかった。この勝利で、自分もチームもモチベーションが高まっている。山岳ステージがあと二つ。脚の状態は全くよくなく、どこまで走れるかわからないなかで毎日走っている。ここまで来れたからには一日一日、頑張って走り、ゴールをめざしたい。

水谷壮宏監督

水谷壮宏監督のコメント
最後まで諦めないで勝利をめざすことがどれだけ大事かということを改めて実感したステージだった。通常、展開を考えて走るわけだが、最初の1週目は逃げても最後は必ず捕まるという展開で、スプリンターチームが支配していた。しかし、3週目になり、みんな疲れてきた。スプリンターチームも脚が揃っているとはいえ疲れている。総合を狙う選手はまだ脚があるが、ワールドチームであっても他のメンバーは自分たち同様に疲れていた。そのなかでチャンスが生まれた。また昨日はポイント賞争いのため、集団牽引にグルパマFDJが積極的でなかったこともチームにとって有利に働いた。
3人の逃げ。前半はタイムを見ながら一定ペースで走り、最後は捕まるような走りではあったけど、後半、残り50kmを過ぎて逃げ切りの可能性が出てくると、スイッチが入り選手たちの形相がまったく違ってきた。ボトル1本を取りに戻る手間、タイムロスを惜しんでみんな全力でローテーションしていた。そのなかでチーマはうまく力配分をして、最後までつなげた。本当に素晴らしい走りだったと思う。
このチームは、ゼネラルマネジャーのペロージや大門さんたちが苦労して作り上げたもの。今回の勝利は彼らのハードワークの成果であり、チームみんなで喜んでいる姿が見えてよかった。残りの山岳ステージは2つ。一番つらいのはチーマであり、第19ステージの最初の坂で遅れても仕方ない。昨日は今日の脚のことはまったく考えない走りだった。特に第20ステージになるが、初山も、カノラも、ロバトもみんなきついと思うが、ここまできたからには耐えてほしいと思う。

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

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NIPPOのチーマが間一髪で逃げ切りV【ジロ・デ・イタリア第18S】

第102回ジロ・デ・イタリアは5月30日、バルダオーラ〜サンタマリアディサーラ間の222kmで第18ステージが行われ、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネのダミアーノ・チーマ(イタリア)が追撃集団から間一髪で逃げ切り、初出場の大会で初優勝を果たした。

ダミアーノ・チーマが間一髪で逃げ切った ©Fabio Ferrari – LaPresse

同チームはイタリア登録ながら日本の道路舗装会社がメインスポンサーで、今大会で指揮を執る水谷壮宏監督をはじめ、日本人スタッフや初山翔ら日本選手が多く所属している。チーマは序盤から飛び出した第1集団の1人。その後、AG2Rラモンディアルのニコ・デンツ(ドイツ) 、 バルディアーニCSFのミルコ・マエストリ(イタリア)の3選手となりゴールを目指した。

他の2選手はゴール直前で追走集団に捕まったが、最後まで無駄なスパートをしなかったチーマだけが生き残って先着した。

「このジロ・デ・イタリアでは逃げ続けて相当の体力を消耗していたが、優勝できるなんてクレージーで、とても信じられない。人生の夢だったんだ」と大喜びのチーマ。

ジロ・デ・イタリア第18ステージ ©Fabio Ferrari – LaPresse

首位リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)ら総合優勝争いの上位選手は同タイムでゴール。カラパスがマリアローザを守り、大会はいよいよ2つの山岳区間と個人タイムトライアルを残すのみになった。

総合2位、バーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)とは1分54秒差、同3位で最終日の個人タイムトライアルに強いプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)とは2分16秒差。

「マリアローザを獲得する前にボクはピンク色のフレームをオーダーしていて、それが前日の誕生日に到着した。残りは3日間だけど、自信はある。最善の方法でいい結果を手中にしたい。母国が熱狂している。みんなのために最後まで走り続けたい」とカラパス。

ゴールを目指すチーマ、ニコ・デンツ、ミルコ・マエストリ ©Fabio Ferrari – LaPresse
ジロ・デ・イタリア第18ステージ ©Fabio Ferrari – LaPresse
チーマがジロ・デ・イタリア第18ステージで初優勝 ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

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