第102回ジロ・デ・イタリアが5月11日開幕

第102回ジロ・デ・イタリアが2019年5月11日から6月2日まで開催される。総距離3578.8km、1ステージ平均170.4km。「地上で最も美しい場所で繰り広げられる一番タフなレース」の言葉どおり、非常に過酷なコースとなる。

ジロ・デ・イタリア第12ステージ © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

23日間のコースはイタリア半島の中にあるサンマリノ共和国に足を伸ばすだけで、ほぼイタリア国内を走る。個人タイムトライアルが3ステージあることが特徴で、スプリンター好みの起伏の少ないステージが6つ、中程度の山岳ステージが7、難易度の高い山岳ステージが5。頂上フィニッシュはボローニャとサンマリノで行われる個人タイムトライアルを含めて7つもある。

レオナルド・ダビンチの没後500年を弔う意で第3ステージはその出生地であるオルベテッロをスタートする。第7ステージのゴールは10年前の2009年に大震災に襲われたラクイラを訪れる。また1919年生まれのファウスト・コッピ生誕100年を記念して、故郷ピエモンテ州のノビリーグレにゴールする第11ステージ、クネオ~ピネローロ間を走る第12ステージが設定された。

大会中盤は第13、14ステージが厳しい山岳コース。さらに終盤は第16ステージが獲得標高としてこの大会最大の5700mを上る。大会最高峰の「チマコッピ」となる標高2618mのガビア峠も待ち構える。さらに第19、20ステージと超難関。そして最終日はベローナで個人タイムトライアルが行われ、最後まで総合優勝の行方がもつれる可能性を残す。

2018ジロ・デ・イタリアを制したフルーム

2019ジロ・デ・イタリア日程
5月11日(土) 第1ステージ ボローニャ〜ボローニャ(サンルーカ聖堂)8.2km(個人タイムトライアル)★★★
5月12日(日) 第2ステージ ボローニャ〜フチェッキオ 200km★★★
5月13日(月) 第3ステージ ビンチ〜オルベテッロ 219km★★
5月14日(火) 第4ステージ オルベテッロ〜フラスカーティ 228km★★
5月15日(水) 第5ステージ フラスカーティ〜テッラチーナ 140 km★
5月16日(木) 第6ステージ カッシーノ〜サンジョバンニロトンド 233km★★★
5月17日(金) 第7ステージ バスト〜ラクイラ 180 km★★
5月18日(土) 第8ステージ トルトレートリド〜ペザーロ 235km★★★
5月19日(日) 第9ステージ リッチョーネ〜サンマリノ 34.7km(個人タイムトライアル)★★★★
5月20日(月) 休息日
5月21日(火) 第10ステージ ラベンナ〜モデナ 147km★
5月22日(水) 第11ステージ カルピ〜ノビリーグレ 206km★
5月23日(木) 第12ステージ クネオ〜ピネローロ 146km★★★
5月24日(金) 第13ステージ ピネローロ〜チェレゾーレレアーレ 188km★★★★
5月25日(土) 第14ステージ サンバンサン〜クールマイユール 131km★★★★★
5月26日(日) 第15ステージ イブレア〜コモ 237km★★★★
5月27日(月) 休息日
5月28日(火) 第16ステージ ローベレ〜ポンテディレーニョ 226km★★★★★
5月29日(水) 第17ステージ コンメッザデューラ〜アンテルセルバ 180km★★★
5月30日(木) 第18ステージ バルダオーラ〜サンタマリアディサーラ 220km★
5月31日(金) 第19ステージ トレビーゾ〜サンマルティーノディカストロッツァ 151km★★★
6月1日(土) 第20ステージ フェルトレ〜クローチェダウーネ・モンテアベーナ 193km★★★★★
6月2日(日) 第21ステージ ベローナ 15.6km(個人タイムトライアル)★★★
★は難易度

ジロ・デ・イタリア第9ステージ © Massimo Paolone – LaPresse

2019ジロ・デ・イタリア出場22チーム
アージェードゥーゼル・ラモンディアル(フランス)
アスタナ(カザフスタン)
バーレーン・メリダ(バーレーン)
ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)
CCC(ポーランド)
ドゥクーニンク・クイックステップ(ベルギー)
EFエデュケーションファースト(ドイツ)
グルパマFDJ(フランス)
ロット・スーダル(ベルギー)
ミッチェルトン・スコット(オーストラリア)
モビスター(スペイン)
ディメンションデータ(南アフリカ)
ユンボ・ビスマ(オランダ)
カチューシャ・アルペシン(スイス)
イネオス(英国)
サンウェブ(ドイツ)
トレック・セガフレード(ドイツ)
UAEエミレーツ(UAE)
アンドローニジョカトリ・シデルメク(イタリア)
バルディアーニCSF(イタリア)
イスラエルサイクリングアカデミー(イスラエル)
NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ(イタリア)

●ジロ・デ・イタリア特集サイト

ジロ・デ・イタリアはエネルやトヨタなど59社が協賛

5月11日から6月2日まで開催される第102回ジロ・デ・イタリアのスポンサーが最終発表された。主催者の RCSスポルトとラガゼッタデッロスポルトが4月29日にイタリアのミラノで明らかにした。

©LaPresse

●トップスポンサー
エネル(電力会社)=マリアローザ
ディオラヌム銀行=マリアアッズーラ
セガフレードザネッティ(コーヒー店)=マリアチクラミーノ
ユーロスピン(スーパーマーケット)=マリアビアンカ
ネームドスポーツ(栄養補助食品)=ステージ優勝
ACI(イタリア自動車協会)=ラストkm

●公式タイマー
タグホイヤー

●オフィシャルスポンサー
コンチネンタル(タイヤ)=敢闘賞
トヨタ=オフィシャルカー
インティミッシミ・ウオモ(男性用アンダーウエア)
ピナレロ=独走選手賞
カステリ=リーダージャージ
アウトストラーデペルリタリア=中間スプリント賞
ロヴァナーティ
セッレイタリア
ウニベット

●オフィシャルパートナー
シマノ、フェルカム、ハスクヴァルナ、ヤマハ、アクア、ヴァルモーラ、ヨーロッパカー、グランデパルテンツァジロ・デ・イタリア2020(ハンガリー)、ヴァルジール、 TIM、エニット

©LaPresse

●オフィシャルサプライヤー
アストリア、シティップ、モラートパーネ、パスティフィシオデアンジェリス、ビオプレスト、ファクシフィローラ、カステリ、BCD、ナヴィガーレ、ケロッグ

●協賛会社

アストリア、カステリ、エリート、ガジェットグループ、レ・フォルミーチェディファビオヴェットーリ、パニーニ、ピナレロ、サッカニー、セッレイタリア、セガフレードザネッティ、シディ、ボッカダーモ、ウーゴチレント、ファチェンティアルトミラノ、スポルティエール、コンペティティブグループ、ヂナミックブランズUK、ネオスヴァドリベーロ

●旅行代理店
カスタムゲートウェイ、グランドツアープロジェクト、ミューズメント、スポーツツアーズインターナショナル、イタリーバイクツアーズ

●ジロ・デ・イタリア特集サイト

2024五輪招致を断念したブダペストがジロ・デ・イタリア開幕地をゲット

ハンガリーの首都ブダペストが2020年の第103回ジロ・デ・イタリアで開幕地を務めることになった。4月15日に同地で、主催者RCS代表や同国・同市関係者が集まり発表された。

●ブダペスト開幕の第1報

ハンガリーは高山がないことからウインタースポーツが盛んではなく、競泳や格闘技で実績を残す選手を輩出してきた。同市は2024年の夏季五輪招致活動を展開していたが、市民による猛烈な抗議活動があり、断念したという経緯がある。

ブダペスト市のアレクサンドラ・スザレーボブロフニスキ助役

「ジロ・デ・イタリアの開幕地を務めることをとても誇りに思う。これまでも同市は国際的スポーツイベントを展開する基盤を有する実績を証明しているが、ジロ・デ・イタリアはとてもスペシャルなもの。2020年はスポーツイヤーとなり、スポーツの首都としてのブダペストとなることを目指したい」とブダペスト市のアレクサンドラ・スザレーボブロフニスキ助役。

競泳の元五輪メダリスト、スポーツ庁のトゥンデ・サボ大臣

「世界的に有名なスポーツイベントがハンガリーにやってくることで、たくさんのスポーツファンが熱狂するはず。スポーツ好きな国民にとってサイクリングは近年最も延びているカテゴリー。ジロ・デ・イタリアがもたらす影響は計り知れない」と、競泳の元五輪メダリスト、スポーツ庁のトゥンデ・サボ大臣。

2020ジロ・デ・イタリアはハンガリーのブダペストで開幕

2020年に開催されるジロ・デ・イタリアはハンガリーの首都ブダペストで開幕し、合計3日間滞在することが発表された。ジロ・デ・イタリアがイタリア以外で開幕するのは14回目。

ハンガリーの首都ブダペスト

ジロ・デ・イタリアは近年になって海外を開幕地とすることが多くなり、2010年以降は2年ごとに海外で開幕する。詳細は未定で、今後発表される予定。

三大大会ではツール・ド・フランスが2019年にベルギーのブリュッセルで、2021年にデンマークのコペンハーゲンで、ブエルタ・ア・エスパーニャが2020年にオランダのユトレヒトで開幕する。

●これまでにイタリア以外で開幕したジロ・デ・イタリア
1965 サンマリノ
1966 モンテカルロ(モナコ)
1973 ベルビエ(ベルギー)
1974 バチカン市国
1996 アテネ(ギリシャ)
1998 ニース(フランス)
2002 フローニンゲン(オランダ)
2006 スラン(ベルギー)
2010 アムステルダム(オランダ)
2012 ヘアニング(デンマーク)
2014 ベルファスト(北アイルランド)
2016 アペルドールン(オランダ)
2018 エルサレム(イスラエル)

●2019ジロ・デ・イタリア特集サイト

トヨタがジロ・デ・イタリアのオフィシャルカーに

ジロ・デ・イタリアなどの自転車レースを主催するRCS社が主催する全レースにおいて自動車メーカーのトヨタと2019年から2年間のオフィシャルカー契約を結んだ。4月8日にイタリアのミラノで発表した。イタリアのフィアット・アルファロメオグループに取って代わることになる。

RCSメディアグループのウルバーノ・カイロCEOとトヨタイタリアのマウロ・カルッキオCEO ©LaPresse

RCSメディアグループのウルバーノ・カイロCEOは、「数年間にわたって国際化を推進してきたジロ・デ・イタリアが、世界有数の自動車メーカーと契約できてこれ以上の喜びはない」と語る。
「トヨタはジロ・デ・イタリアだけではなく、他のRCS主催レースとも契約を結んでくれた。このパートナーシップは、ジロ・デ・イタリアと我が社の社会的責任である持続可能なモビリティにかかるグループプロジェクトを強化する意味で非常に重要だ。トヨタのハイブリッドカーと革新的な車は、これらの未来志向のプロジェクトで我々をサポートしてくれる。このコラボレーションは実りあるものとなり、両社の利益になると確信している」

レースで使用されるのはトヨタRav 4ハイブリッド、カローラ・ツーリングスポーツハイブリッド。

トヨタRav 4ハイブリッド ©LaPresse
カローラ・ツーリングスポーツハイブリッド ©LaPresse
ジロ・デ・イタリアのオフィシャルカーにトヨタ ©LaPresse

ジロ・デ・イタリアのeバイクレースがほぼ同日程で開催

eバイクと呼ばれる電動自転車を使ったジロ・デ・イタリアの「ジロE」が5月12日から6月1日まで開催される。2018年に続く2度目の開催だが、出場チームは5から10チーム超へ、4つのリーダージャージも設定されて本格化する。

2019年もジロ・デ・イタリアのeバイクレースが開催される ©LaPresse

ジロ・デ・イタリアは5月11日から6月2日まで全21ステージで開催されるが、ジロEは18ステージ。各ステージはゴールが同じで、競技距離は3分の2ほどで争われる。2026年冬季五輪誘致を目指すミラノ・コルチナもチームを結成し、五輪メダリストが出場する予定だ。

メインスポンサーはイタリアの電力会社「エネルX」。オフィシャルカーはトヨタ。栄養補助食品のネームドスポーツが協賛する。

ジロ・デ・イタリアのeバイクレース ©LaPresse