世界のサイクルシティにさいたま市…自転車レーベルは2台

その町が自転車にとって優しい環境であるかをツール・ド・フランスが認定する「ビル・ア・ベロ」。4回目となる2024年は24の自治体が申請し、このうち20自治体が自転車環境推進策を評価された。日本では初めてさいたま市が自転車レーベル2台を獲得した。

星ではなく自転車マーク ©A.S.O.

イメージはミシュランの星の数、パリは最高レーベルの自転車4台

ビル・ア・ベロを英訳するとサイクルシティ。自転車レーベルとはミシュランの星の数と同じような評価レベルで、最高ランクが4(台)となる。

2021年に創設されたビル・ア・ベロレーベル制度は、自転車の利用を促進する市町村の取り組みを評価して、今回を含めて155の町や都市が表彰された。立候補できるのはこれまでにツール・ド・フランスとツール・ド・フランスファムのスタートあるいはフィニッシュとなった町。今回からクリテリウム・デュ・ツール・ド・フランスを開催した町も対象となった。これにより10カ国・1100万人の市民が自転車に優しい町の恩恵を受けることになる。

さいたま市のレーベルは自転車2台で、フランスのニースやモンペリエは3台。2024ツール・ド・フランス開幕地となるイタリアのピアチェンツァ、ピネロロ、リミニも受賞した。

パリで除幕式のひもを引くアンヌ・イダルゴ市町(右から3人目)とプリュドム(左から2人目) ©A.S.O.

最高評価の自転車4台はパリやオランダのロッテルダム、デンマークのコペンハーゲンなど限られた都市で、高品質な自転車環境ネットワークの整備に成功した場所。一方で過疎化が進む小さな町、住民1328人のエボーレバンなど日常利用だけでなくスポーツやレジャーでの活用に積極的な町も登録されている。

ビル・ア・ベロ

ツール・ド・フランスが視聴できるABEMA de J SPORTS開始

ABEMAでJ SPORTSのコンテンツが視聴できる「ABEMA de J SPORTS」が開始され、ツール・ド・フランスなどをはじめJ SPORTS提供のプロ野球、ジャパンラグビーリーグワンなどJ SPORTSの国内外の世界最高峰スポーツが視聴可能になった。

「J SPORTS」と連携した新プランは月額2180円

最高峰の自転車ロードレース大会であるツール・ド・フランスは生中継。レースごとのハイライトはプランに登録しなくても無料で視聴が可能。配信開始日は5月13日で、月額2180円(税込)。

初月は500円、今ならジロ・デ・イタリアも!

「ABEMA de J SPORTS」の開始を記念して5月13日(月)正午~5月19日(日)夜11時59分に登録すると通常月額2180円(税込)のところ初月は月額500円(税込)で視聴できる初回登録キャンペーンを実施。
また、5月20日(月)午前0時~5月31日(金)夜11時59分までの期間に登録すると、月額1000円(税込)。

●ABEMA de J SPORTSのホームページ

2024ツール・ド・フランスさいたまは10回記念大会として11月2日開催

「2024ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム10回記念大会」が11月2日、さいたま市のさいたま新都心駅周辺で開催される。4月26日に同市内でその概要が発表された。コースはさいたまスーパーアリーナのメインアリーナを初めて通過するなど見どころの多い記念大会となる。

2023ツール・ド・フランスさいたま ©Yuzuru SUNADA

オールスター大会として歴代優勝者も参加の方向

大会を主催するさいたまクリテリウム組織委員会会長で、さいたま市の清水勇人市長、一般社団法人さいたまスポーツコミッションの遠藤秀一会長が出席し、10回記念大会での取り組みなどを語った。

「世界的なブランドを持ったツール・ド・フランスを開催してきたことは、都市・地域振興はもとより、自転車を活用したまちづくりに寄与できた。10回記念大会はみなさまとともに笑顔でレースを楽しむイベントにしていきたい。これまで積み上げてきた歴史と、新しいこれからを作る飛躍に繋げていきたい」と清水市長。

A.S.O.が構想するツール・ド・フランスさいたま10回大会イメージ

遠藤会長は、「出場選手数はこれまでとほぼ同様を考えているが、メモリアル大会であるので歴代の方々には来ていただきたい」とコメント。清水市長も「オールスターの大会」と意気込んでいて、このあたりの真意をさいたまスポーツコミッションに確認すると「過去9大会の優勝者を参加させることを検討している」という。

「すでに引退した選手もいるので招聘するすべての歴代優勝者がレースに参加できるとは限らないが、これまで応援してくれたファンのみなさんが喜んでもらえるような企画を実現したい」と語る。

一般社団法人さいたまスポーツコミッションの遠藤秀一会長(左)とさいたま市の清水勇人市長

スーパーメインアリーナで選手をファンが全方位で観覧か

どんな特別な付帯イベントが開催されるのかは現在のところ企画中で、フランスのA.S.O.と詳細を詰めながら決まるごとに発表されていくはずだ。その中でも注目されるのは初めてスーパーアリーナのメインアリーナを使用すること。厳密に言えばレースコースがあるので360度に観覧席が設けられることは不可能だが、バスケットボールのようなイメージでファンがマイヨジョーヌをはじめとしたトップ選手を取り囲むシーンが想定される。

メインアリーナをどんな動線で貫通するのか、入場無料になるのか、熱心なファンのための有料観覧席になるのかは現在検討中だ。

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ツール・ド・フランスの魅力が日本で満喫できるイベント

ツール・ド・フランスさいたまは2013年、夏に開催された第100回ツール・ド・フランスで各賞を獲得するなど大活躍したプロロード選手が出場。ツール・ド・フランスの名前を冠したイベントが行われたのはその時が世界初。コロナ禍で2020、2021年は中止となったが、2024年に10回目を迎える。

ツール・ド・フランスで激闘を展開し、マイヨジョーヌなどのリーダージャージを獲得した選手が来日。それと同時にツール・ド・フランスのエッセンスが持ち込まれ、日本にいながらにしてその興奮と感動が味わえるものとして、沿道には多くのファンが詰めかける。

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●ツール・ド・フランスさいたまのホームページ

J SPORTSで三大ステージレース、世界選手権、モニュメントなど放送

スポーツテレビ局のJ SPORTSが2024シーズンにおける海外サイクルロードレースのラインアップを決定した。ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャのグランツール全戦をはじめ、UCI世界選手権ロードレースやモニュメント4レースなど、UCIワールドツアーを中心に世界トップレベルのレースを放送する。

ツール・ド・フランス ©A.S.O. Pauline Ballet

レースは放送に加え、PC、スマホ、タブレットで見られる動画配信サービス「J SPORTSオンデマンド」でも配信。またサイクルロードレースの楽しさをより多くの人に伝えるため、注目のレースを毎月1~2番組厳選し、無料放送/J SPORTSオンデマンドで無料LIVE配信する予定。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージ ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

2024シーズンのサイクルロードレース中継は、1月16日から開催されるツアー・ダウンアンダーで幕開け。新シーズンの開幕をより多くのファンに楽しんでもらうため、ツアー・ダウンアンダー初日の模様は、無料放送/配信になる。

2023ジロ・デ・イタリア総合優勝のログリッチ ©LaPresse

欧州のロードレースが本格開幕を迎える3月以降は、ロードレースファンが熱狂するパリ~ルーベなど春のクラシックレースを中心に多数のレースを放送。また最も注目を集めるツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャのグランツールは、全ステージを生中継&LIVE配信し、世界最高峰のハイレベルなレースを圧倒的ボリュームで紹介する。

サイクルロードレース優勝予想サービス「サイクル誰クル?」を2024年もJ SPORTSで生中継のあるレースを中心に開催。 年間総合表彰やグランツールごとの表彰に加え、月単位での表彰も予定しているので、短期間での順位争いも楽しい。

注目選手や好調な選手に投票する、応援している選手に投票する、コース設定や選手の特徴・脚質を研究してランキング上位を目指すなど楽しみかたはさまざま。 2024シーズンは2023年からバージョンアップした賞品を取り揃えるのでサイクルロードレース特集サイトの注目選手情報や、レース詳細ページをチェックしながら優勝予想に挑戦しよう。

●J SPORTSサイクルロードレース特集のホームページ

小俣雄風太個展「親愛なる路上の囚人たちへ」12月1~3日開催

自転車ジャーナリストの小俣雄風太が初となる個展「親愛なる路上の囚人たち」を2023年12月1日から3日まで、東京・狛江市で開催。現地で取材を行った2022・23年のツール・ド・フランス、パリ~ブレスト~パリから写真や資料などを中心に、自転車書籍の書評コーナーなど、書く・撮る・話すの観点から展示を構成。2022年に好評だったツールのフォトエッセイ冊子「#GRで撮るツールドフランス」の2023年もこの展覧会に合わせ販売。

ツール・ド・フランスの写真展示

2022年より現地で取材を行っているツール・ド・フランスから、主に沿道の観客へ焦点を当てた写真を展示。「なぜツール・ド・フランスはフランスの文化であり続けるのか?」という取材テーマの答えを、写真展示を通じて考える。

2022年より男子と同じフォーマットで開催されるようになった女性版ツール、ツール・ド・フランス・ファム・アヴェク・ズイフトでは、日本人として唯一2年続けて現地取材を行っており、貴重な写真展示の機会となる。

パリ・~ブレスト~パリ写真展示

2019年、そして今2023年に現地で取材を行った「ブルベの最高峰」パリ~ブレスト~パリ(PBP)からも、取材成果を展示。現地で見た、ツールとはまた違うフランスの自転車文化のあり方を写真やテキストを通じて表現。

フォトエッセイ 「#GRで撮るツールドフランス」 2023年版を発売 

2022年製作し、発表後1週間で完売したフォトエッセイ「#GRで撮るツールドフランス」の2023年版をこの個展より発売。リコーのコンパクトデジタルカメラ「GR」で撮影した写真のみで構成される写真集は、フォトグラファービブのない、ひとりの観客の視点から撮れるツール・ド・フランスを表現。2022年の全36Pから60Pへと大幅にボリュームアップし、紙の質感も向上させた。

ツール・ド・フランス・ファムで毎日現地から届けた”Daily Tour Femmes”の書き起こしに取材のこぼれ写真を加えた読み物ページも、総計40,000字を数えるボリュームでお届け。写真のみならず、読み物としても楽しめる。

●フォトエッセイ 「#GRで撮るツールドフランス」 オンラインストア

2025ツール・ド・フランスは北部のリールメトロポールで開幕

2025年の第112回ツール・ド・フランスは、フランス北部のリールメトロポールとそれを取り囲むオードフランス地域圏で開幕することが明らかになった。その詳細は11月30日に発表される。

リールの観光名所グランプラス ©HelloLille_Nablezon

2024年の第111回大会は史上初めてイタリアで開幕し、そして2024パリ五輪の影響で地中海沿岸のニースにゴールする。今回はその1年後、2025年大会の開幕地とそのコースが明らかになるものと思われる。

ベルギーに接し、ユーロトンネルでロンドンにもつながるリールメトロポール

リールは首都パリの北250kmに位置する交通の要衝で、TGV、ユーロスターなどの鉄道、高速道路、空路を利用してパリ、ブリュッセル、ロンドン、アムステルダムといった首都にアクセスできる。

日本では馴染みがないが、フランス独自の地方行政に関わる法律(2014年施行)によって「メトロポール」という独自の共同体を形成。拠点となる大都市を中心に周囲の市町村が密接に結びついて発展していくことを目的としている。リールメトロポールもその一つ。

リールメトロポールはオードフランス地域圏の首府でもあり、2025ツール・ド・フランスはリールメトロポールとそれを含むオードフランス地域圏が開幕地とされた。詳細は11月30日に発表されるが、開幕からの3日間ほどのコースが発表される見込み。

リールメトロポールの観光はストリートアートめぐり

グランプラス © HelloLille_Samuel Baba

リールとその周辺部ではあちこちでストリートアートを目にする。しかも、しばしば予想外の場所で! メトロポール・ユーロペエンヌ・ド・リールと観光局は、メトロポールを構成する95の市町村のファサードを飾る約800のアート作品を鑑賞できるよう、無料でアクセスできる20のコースを設けた。
https://hellolille.eu/je-visite/mes-envies/hellostreetart/