2023ツール・ド・フランスのコース発表…伝説のピュイドドーム登場

2023年7月1日にスペインのバスク地方で開幕するる第110回ツール・ド・フランスのコースが10月27日、フランスのパリ国際会議場で発表された。スペイン北部のバスク地方で開幕し、ピレネー、中央山塊、アルプスへ。フランス全土を一周するわけではなく、西から東に一直線に進む。

2023ツール・ド・フランスのコース

2023ツール・ド・フランスのコースは11時30分(日本時間同日18時30分)から明らかになり、その模様はすぐさま世界中に同時配信された。

栄光の黄色いジャージ、マイヨジョーヌを獲得するのは誰だ?

ユニークなレースになりそうだ。いつもなら最初の1週間は平たんステージが設定されるが、開幕地がピレネー山脈に近いバスク地方だけに、山岳ステージは5日目に始まる。ただしスプリンターが活躍する平たんステージは日程全体に点在していて、あわせて8区間。このあたりはバランスがいい。

第2週の日曜日に行われる第9ステージは中央山塊にあるピュイドドームがゴールとなる。1964年、ジャック・アンクティルとレイモン・プリドールというフランスの両横綱が激闘を繰り広げた伝説の山岳だ。レースはこの山岳を35年ぶりに訪問する。

レイモン・プリドールは2019年11月に逝去。マチュー・ファンデルプールの祖父だ ©A.S.O. Pauline Ballet

大会後半の山岳はスイス国境に近いアルプス山脈だ。ピレネーでの上り坂の要素が薄かったぶん、このアルプスでの攻防は見ごたえがあるものになる。アルプスの第17ステージでは標高2304mのラロズ峠を2020年に続いて再訪。峠の最大勾配値は24%、さらにゴールのクーシュベルも18%。最難関のステージとなる。

最終日前日はアルザス地方での最後の決戦ステージ。ボージュ山系は標高1100mほどだが険しい峠が波状的に連なり、マイヨジョーヌ争いを最終決着させる。第20ステージのゴールまでマイヨジョーヌをめぐる戦いがもつれ込む可能性もある。

2020ツール・ド・フランス第17ステージはラロズ峠にゴールした ©A.S.O. Charly-López

個人タイムトライアルはわずか22km、それだけに山岳の要素強く

一方で総合優勝争いに影響を与える個人タイムトライアルが1区間だけ。しかも距離22kmと短いことも特徴。それだけにタイム差がつきやすい山岳ステージでの戦い方が重要視され、エースをアシストする各チームの総合力が問われてくる。

「ツール・ド・フランスは特定のタイプの選手に有利となるような設定はしない」と総合ディレクターのクリスティアン・プリュドム。

「それでも今の時代に非常に優秀な走力を見せる選手が多いパンチャーがマイヨジョーヌを争うことになるのでは」。パンチャーとは最も厳しいところで一気に勝負を仕掛けてくる実力選手のことだ。

王座奪還を目指すポガチャルはコースを歓迎

タデイ・ポガチャル ©A.S.O. Etienne Coudret

「このコースはとても楽しく感じられるもので、ボクは好きだな」と2年ぶり3度目の総合優勝を目指すタデイ・ポガチャル。

「序盤からハードなステージが設定されたのがいい」

プレゼンテーションに出席したタデイ・ポガチャル ©A.S.O. Etienne Coudret

●2023ツール・ド・フランスのコース

7月1日(土) 第1ステージ ビルバオ〜ビルバオ(スペイン) 182km
7月2日(日) 第2ステージ ビトリア・ガスティス〜サンセバスティアン(スペイン) 209km
7月3日(月) 第3ステージ アモレビエタ・エチャノ(スペイン)〜バイヨンヌ 185km
7月4日(火) 第4ステージ ダクス〜ノガロ 182km
7月5日(水) 第5ステージ ポー〜ラランス 165km★★
7月6日(木) 第6ステージ タルブ〜コトレ・カンバスク 145km★★★
7月7日(金) 第7ステージ モンドマルサン〜ボルドー 170km
7月8日(土) 第8ステージ リブルヌ〜リモージュ 201km
7月9日(日) 第9ステージ サンレオナール・ド・ノブラ〜ピュイドドーム 184km★★★
7月10日(月) 休日
7月11日(火) 第10ステージ ブルカニア〜イソワール 167km★★
7月12日(水) 第11ステージ クレルモンフェラン〜ムラン 180km★
7月13日(木) 第12ステージ ロアンヌ〜ベルビル・アン・ボジョレー 169km
7月14日(金) 第13ステージ シャティヨン・シュル・シャラロンヌ〜グランコロンビエール 138km★★
7月15日(土) 第14ステージ アンヌマス〜モルジンヌ・レ・ポルトデュソレイユ 152km★★★
7月16日(日) 第15ステージ レジェ・レ・ポルトデュソレイユ〜サンジェルベ・モンブラン 180km★★★
7月17日(月) 休日
7月18日(火) 第16ステージ パシ〜コンブルー 22km★(個人タイムトライアル)
7月19日(水) 第17ステージ サンジェルベ・モンブラン〜クーシュベル 166km★★★
7月20日(木) 第18ステージ ムーティエ〜ブールカンブレス 186km★
7月21日(金) 第19ステージ モワラン・アンモンターニュ〜ポリニー 173km★
7月22日(土) 第20ステージ ベルフォール〜ル・マクルスタイン・フェレルリン 133km★★
7月23日(日) 第21ステージ サンカンタン・アン・イブリーヌ〜パリ・シャンゼリゼ 115km
★は難易度

女子レースはツールマレー峠が天王山

女子レースの第2回ツール・ド・フランスファムは男子レースがパリにゴールする7月23日、フランス中部のクレルモンフェランで開幕する。全8ステージで、猛暑のフランス中南部を走り、最終日前日にピレネーのツールマレー峠で大決戦。そして最終日となる30日は22km個人タイムトライアルを行ってフィナーレとなる。総距離は956km。

男子レースと女子レースのディレクター、クリスティアン・プリュドムとマリオン・ルス ©A.S.O. Etienne Coudret

●2023ツール・ド・フランスファム・アベックズイフトのコース

7月23日(日) 第1ステージ クレルモンフェラン〜クレルモンフェラン124km
7月24日(月) 第2ステージ クレルモンフェラン〜モリアック 152km
7月25日(火) 第3ステージ コロンジュラルージュ〜モンティニャックラスコー 147.5km
7月26日(水) 第4ステージ カオール〜ロデズ 177.5km
7月27日(木) 第5ステージ オネルシャトー〜アルビ 126.5km
7月28日(金) 第6ステージ アルビ〜ブラニャック 122.5km
7月29日(土) 第7ステージ ランヌムザン〜ツールマレー 90km
7月30日(日) 第8ステージ ポー〜ポー 22.6km(個人タイムトライアル)

女子レースは男子のツール・ド・フランス最終日、7月24日に同じパリで開幕 ©A.S.O. Fabien Boukla
2023ツール・ド・フランスファム・アベックZwiftのコース
マリオン・ルス ©A.S.O. Maxime Delobel

3年ぶり開催のツール・ド・フランスさいたま…前日イベント観覧募集開始

J SPORTSが11月6日に開催される「J:COM presents 2022ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」を生中継する。動画配信サービス「J SPORTSオンデマンド」でもLIVE配信。レース前日の11月5日には、さいたまクリテリウムに出場する選手たちをゲストに迎えた豪華イベントも開催。J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。

2019ツール・ド・フランスさいたま前夜祭 ©Yuzuru SUNADA

8回目の開催を迎えるさいたまクリテリウムは、世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」の名を冠してさいたま新都心駅周辺で開催される大会。新型コロナウイルスの影響により2年間開催が見送られたが、3年ぶりに開催される。

ツール・ド・フランスなど世界トップクラスのレースで活躍する選手たちが出場し、1周約3.5kmを17周して優勝を争う「クリテリウムメインレース」を中心に盛りだくさんの内容が予定されている。2022年のツール・ド・フランスで総合優勝を果たしたヨナス・ビンゲゴー(ユンボ・ビスマ)、ツール・ド・フランス史上最多タイ記録となるステージ通算34勝のマーク・カベンディッシュ(クイックステップ・アルファビニル)ら世界トップ選手が出場を予定。

レース前日の11月5日には、J SPORTSによるイベント「2022ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム 前夜祭スペシャル」を3年ぶりに開催。翌日のレースに出場予定の豪華選手を迎え、普段のレース中には見られないような選手の一面が見られる企画だ。イベントにJ SPORTS契約者や、サイクルロードレース優勝予想「サイクル誰クル?」ユーザーを招待。イベントの模様はJ SPORTSオンデマンドでLIVE配信、翌日に録画放送も行う。

2019ツール・ド・フランスさいたま ©Yuzuru SUNADA

2022 ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム前夜祭スペシャル

日時  2022年11月5日(土) 午後5:00~午後6:00(開場 午後4:00)予定
●会場  さいたまスーパーアリーナ(さいたま新都心駅 徒歩3分)
●内容  「J:COM presents 2022 ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」に出場する選手をゲストに迎えたスペシャルイベント。世界トップ選手によるトークやクイズ大会など、レースでは見られない選手たちの楽しげな表情に注目。 
●イベント進行  栗村修(J SPORTSサイクルロードレース 解説)
谷口廣明(J SPORTSサイクルロードレース 実況)
●出演選手  ヨナス・ビンゲゴー(ユンボ・ビスマ、 2022 ツール・ド・フランス 総合優勝)
  ※ほか追加ゲストは後日発表
●募集人数  250名 予定(1名あるいは2名での参加)
●応募対象者 
・2022年10月にJ SPORTS契約している人
[テレビ視聴者]
上記対象期間中にJ:COMなどCATVでJ SPORTS 4を視聴している人
上記対象期間中にスカパー!でJ SPORTS 4を含む商品を視聴している人
[J SPORTSオンデマンド等配信サービスで視聴している人]
上記対象期間中にJ SPORTSオンデマンド総合パック、 またはサイクルロードレースパック、 
Amazon Prime VideoチャンネルのJ SPORTSを契約している人
応募ページ  https://www.jsports.co.jp/cycle/saitama2022/event/
・サイクルロードレース優勝予想「サイクル誰クル?」にて下記3レースすべてで優勝予想投票に参加した人
  10月6日(木) グラン・ピエモンテ、 10月8日(土) イル・ロンバルディア、 10月9日(日) パリ~トゥール
  応募ページ  https://www.jsports.co.jp/news/1477/
※10月にJ SPORTSを契約し、サイクル誰クル?の3レースの投票に参加している人は各応募ページより計2回応募できる。 
●応募締切   2022年10月16日(日) 午後11:59まで

フルーム、ニバリ、バルベルデ、G参戦…ツール・ド・フランスさいたま

11月6日に開催されるツール・ド・フランスさいたまに、2022総合優勝のヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)に加えて、クリストファー・フルーム、ゲラント・トーマス、ビンチェンツォ・ニバリの歴代覇者が参戦する。アレハンドロ・バルベルデとニバリは今季限りでの引退。

ゲラント・トーマス(2018ツール・ド・フランス総合優勝)

マイヨジョーヌを着用するゲラント・トーマス

ヨナス・ビンゲゴー(2022ツール・ド・フランス総合優勝)

自転車を掲げたビンゲゴー ©A.S.O. Pauline Ballet

アレハンドロ・バルベルデ(2018世界チャンピオン)

バルベルデがログリッチを抑えて2019ブエルタ・ア・エスパーニャ第7ステージ優勝 ©Photogómez Sport

ビンチェンツォ・ニバリ(2014ツール・ド・フランス総合優勝)

故郷メッシーナで今季限りでの引退を明かしたビンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナカザクスタン) ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

クリストファー・フルーム(2013、2015、2016、2017ツール・ド・フランス総合優勝)

2015ツール・ド・フランス総合優勝のフルーム

ギヨーム・マルタン(2020ブエルタ・ア・エスパーニャ山岳賞)

山岳賞のギヨーム・マルタン ©PHOTOGOMEZSPORT2020

ヤスパー・フィリプセン(2022ツール・ド・フランス区間2勝)

2021ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ2勝目を挙げたフィリプセン ©PHOTOGOMEZSPORT2021

マーク・カベンディッシュ(ツール・ド・フランス歴代最多ステージ優勝)

2022ジロ・デ・イタリア第3ステージを制したカベンディッシュ ©LaPresse

2022ツール・ド・フランスさいたま出場選手
●イネオスグレナディアーズ
ゲラント・トーマス(英国)
ジョナタン・カストロビエホ(スペイン)
マグナス・シェフィールド(米国)
●ユンボ・ビスマ
ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)
ステフェン・クライスバイク(オランダ)
セップ・クス(米国)

セップ・クスが2019ブエルタ・ア・エスパーニャ第15ステージで優勝 ©Photogómez Sport

●モビスター
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)
エンリク・マス(スペイン)
ホセ・ロハス(スペイン)
イマノル・エルビティ(スペイン)

エンリク・マス©Unipublic Sprint Cycling Agency

●アスタナ・カザクスタン
ジャンマルコ・ガロフォリ(イタリア)
ビンチェンツォ・ニバリ(イタリア)
サムエーレ・バティステッラ(イタリア)
アントニオ・ニバリ(イタリア)
●イスラエル・プレミアテック
ユーゴ・ウル(カナダ)
ギヨーム・ボワバン(カナダ)
クリストファー・フルーム(英国)
サイモン・クラーク(オーストラリア)

2021ツール・ド・フランス、トッシュ・ファンデルサンドとユーゴ・ウルが第10ステージで逃げた ©A.S.O. Charly Lopez

●コフィディス
マキシミリアン・バルシャイド(ドイツ)
トム・ボーリ(スイス)
シモン・ゲシュケ(ドイツ)
ギヨーム・マルタン(フランス)
●アルペシン・フェニックス
ヤスパー・フィリプセン(ベルギー)
●クイックステップ・アルファビニル
マーク・カベンディッシュ(英国)
●バーレーンビクトリアス
新城幸也(日本)

●ツール・ド・フランスさいたまのホームページ

ツール・ド・フランスさいたまが10月5日正午に特別アナウンス

世界最大の自転車レース、ツール・ド・フランスの名称をつけた注目の国内イベント、J:COM presents 2022ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムが11月6日(日)、さいたま新都心駅周辺で開催されるが、そのスペシャルアナウンスメントが10月5日(水)正午に行われる。

2022ツール・ド・フランス総合優勝のヨナス・ビンゲゴー ©A.S.O. Charly Lopez

開催まで1カ月となる日程のため、今大会の出場選手に関する発表が行われると想定される。すでに2022ツール・ド・フランス総合優勝のヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)、ツール・ド・フランス最多勝利記録を持つマーク・カベンディッシュ(英国、クイックステップ・アルファビニル)の参戦が発表されている。

発表内容は公式サイトを参照。

●J:COM presents 2022ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムのホームページ

ツール・ド・フランスさいたまがJ:テレアプリとJ SPORTSで生中継

11月6日にさいたま新都心で開催されるツール・ド・フランスさいたまクリテリウムはJ:テレアプリとJ SPORTSで生中継される。8月29日に主催者が発表した。

2018ツール・ド・フランスさいたま © Yuzuru SUNADA
放送時間
J:テレ/地域情報アプリ「ど・ろーかる」14:30~17:30(予定)
J SPORTS14:30~17:30(予定)

●J:テレ/地域情報アプリ「ど・ろーかる」のホームページ
●J SPORTSのホームページ

J:COM presents 2022ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム
日程:2022年11月6日(日)
会場:さいたま新都心駅周辺
スケジュールなどの詳細は大会公式ホームページで
●ツール・ド・フランスさいたまのホームページ

ビンゲゴーが11月6日開催のツール・ド・フランスさいたまに参戦

2022ツール・ド・フランス総合優勝者のヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)が11月6日にさいたま新都心で開催されるツール・ド・フランスさいたまクリテリウムに参戦する。

2022ツール・ド・フランス総合優勝のヨナス・ビンゲゴー ©A.S.O. Charly Lopez

「日本のみなさんはじめまして! 私自身初めてのツール・ド・フランスさいたまクリテリウムの出場となります。マイヨジョーヌを着て日本の、そしてさいたまの熱狂的な自転車ファンの前で走ることを楽しみにしています」とビンゲゴー。

同大会は7月24日にパリ・シャンゼリゼで行われた第21ステージの次章とも言われることから、「ツール・ド・フランス第22ステージのさいたまで優勝したいです! 11月6日にさいたまでお会いしましょう!」とビンゲゴーは意欲を語っている。

●ツール・ド・フランスさいたまのホームページ