ツアー・オブ・ジャパンのオープニング「堺国際クリテリウム」で中島康晴が3位

日本国内最大級のステージレース、ツアー・オブ・ジャパンが5月20日に開幕。日本列島を西から東へとめぐる8日間の戦いがスタートした。初日は大阪府堺市で2.6kmの個人タイムトライアルが行われ、キナンサイクリングは中島康晴がチーム最上位の31位で終えた。また、本戦に先立ちエキシビジョンレースとして堺国際クリテリウムが行われ、序盤から攻めた中島が3位に入賞。チームとして今大会を上々の形でスタートさせた。

堺国際クリテリウムで中島康晴が3位 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

全8ステージ・総走行距離764kmで争われる大会。堺市を出発し、27日に東京でフィナーレを迎える。2018年は9カ国から16チームが参戦。UCI(国際自転車競技連合)のチーム登録において最上位カテゴリーのUCIワールドチームから1チーム、第2カテゴリーのUCIプロコンチネンタルチームから2チームが参戦。ワールドクラスのレースが日本で展開される。

この大会に4年連続出場となるキナンは、マルコス・ガルシア、山本大喜、サルバドール・グアルディオラ、トマ・ルバ、中島、新城雄大の6選手をメンバーに選出。2年前に個人総合2位となったガルシア、過去2度の個人総合4位を経験するルバ、山岳を得意とするグアルディオラ、5月上旬のスリランカTカップ個人総合優勝の中島、2018年のアジア選手権ロード2冠の山本、そして春以降絶好調の新城と、まさに現状でのベストメンバーで挑む。そして、個人総合優勝をチーム最大目標として戦う。

大会初日は堺市・大仙公園を囲む周回コースが舞台。選手たちは2.7kmを10周回するエキシビジョンレース「堺国際クリテリウム」に出走。ツアー・オブ・ジャパン出場選手全員が顔見せの意味合いでコースに繰り出し、スピード感あふれるレースを展開。キナン勢は中島が序盤に形成された8人の逃げグループに合流。有力チームの選手たちが加わったこともあり、これを見送ったメイン集団はペースダウン。やがて集団をコントロールするチームが現れるものの、中島らの逃げグループとのタイム差は広がる一方となった。

中島ら8人は安定したペースで先頭交代のローテーションを繰り返す。そのまま優勝争いへと転じ、タイトルを懸けたスプリント勝負となった。フィニッシュへ向けて好位置から加速した中島。スピードに勝る選手に優勝こそ譲ったものの、3位となり表彰台の一角を確保。好調をアピールする快走を披露。また、他の選手たちもトラブルなくレースを終えた。

チームプレゼンテーションを経て、いよいよ戦いは本番へ。例年同様、第1ステージは個人タイムトライアルが設定されたが、2018年からコースレイアウトが変更。2017年まで公園北側を発着としていたが、今回から南側からスタートし、西側の直線でフィニッシュする2.6kmとなった。おおむね平坦ながら、コーナーはいずれもテクニカル。落車やバイクトラブルに注意を払いながら、いかにスピードに乗せて走り切るかがポイントとなる。

キナン勢はルバ、グアルディオラ、中島、新城、山本、ガルシアの順で出走。まずは大きな遅れを喫することなく、体調や脚の具合を確かめながらのレースに。順位のうえでは中島の31位がチーム最上位だったが、各選手ともに仕上がりのよさを実感。いずれの選手もトップから13秒以内の差にとどめ、まずは快調なスタートを切った。

21日は京都での第2ステージ。京田辺市の普賢寺ふれあいの駅からセレモニアルライドがスタートしたのち、パレード区間を経て1周16.8kmのサーキットコースを6周回。合計105km(パレード区間含む)で争われる。サーキットコースは、前半に約3km続く上りが2カ所あるほか、テクニカルなダウンヒルも持ち受ける難コース。途中、3周回目と5周回目に山岳ポイントが設けられており、山岳賞を含めた各賞ジャージをかけた争いも激しさを増すことになる。

ツアー・オブ・ジャパン第1ステージ結果(2.6km個人タイムトライアル)
1 イアン・ビビー(イギリス、JLT・コンドール) 3分12秒00
2 マルコ・カノラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +1秒05
3 オリバー・ウッド(イギリス、JLT・コンドール) +1秒24
4 ミッヘル・ライム(エストニア、イスラエルサイクリングアカデミー) +1秒73
5 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +1秒80
6 キャメロン・パイパー(アメリカ、チームイルミネイト) +2秒14
31 中島康晴(KINAN Cycling Team) +7秒60
46 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +9秒78
52 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +11秒40
64 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +12秒99
65 新城雄大(KINAN Cycling Team) +13秒67
67 山本大喜(KINAN Cycling Team) +13秒77

個人総合時間
1 イアン・ビビー(イギリス、JLT・コンドール) 3分12秒
2 マルコ・カノラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +1秒
3 オリバー・ウッド(イギリス、JLT・コンドール) +1秒
4 ミッヘル・ライム(エストニア、イスラエルサイクリングアカデミー) +1秒
5 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +1秒
6 キャメロン・パイパー(アメリカ、チームイルミネイト) +2秒
31 中島康晴(KINAN Cycling Team) +7秒
46 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +9秒
52 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +11秒
64 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +12秒
65 新城雄大(KINAN Cycling Team) +13秒
67 山本大喜(KINAN Cycling Team) +13秒

ポイント賞
1 イアン・ビビー(イギリス、JLT・コンドール) 10pts

チーム総合
1 JLTコンドール 9分40秒
11 KINAN Cycling Team +23秒

堺国際クリテリウム結果(27km)
1 原田裕成(チームブリヂストンサイクリング)
2 ロイ・ゴールドスタイン(イスラエル、イスラエルサイクリングアカデミー)
3 中島康晴(KINAN Cycling Team)

中島康晴

中島康晴のコメント
たくさんの応援の中で走ることができ、幸せな1日になった。個人タイムトライアルについては、第2ステージ以降の戦いを視野に入れながら全力で走った。向かい風で失速してしまったが、個人的な目標であった3分10秒台ではフィニッシュできたので、調子のよさを実感できるものとなった。
オープニングのクリテリウムで3位に入ることができたが、この先のステージで2位、そして1位と、チームを上昇させていくきっかけになるのではないか。メンバー全員で優勝を目指して走りたい。平坦ステージでしっかり仕事をして、先々に控える山岳ステージにつなげていきたい。山に強いメンバーへよい形でバトンをつなぐという意味で、素晴らしい大会初日とすることができた。

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中島康晴がスリランカTカップで総合優勝…ライバルの猛追を1秒差で振り切る

キナンサイクリングの中島康晴が3日間のステージレース、スリランカTカップ(UCIアジアツアー2.2)で総合優勝した。第1ステージで優勝し、リーダージャージを着続けて最終日に臨んだが、その座を守り切った。最後はスプリントボーナスをかけた争いとなり、ライバルの猛追を振り切って僅差の勝負を制した。2位の選手との総合タイム差は1秒だった。

スリランカTカップで個人総合優勝した中島康晴 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

スリランカを構成するセイロン島の東海岸から西海岸とを結ぶ戦いは5月6日が最終日。4日に始まったレースは各ステージ100km前後と短いことも関係し、終始プロトン(メイン集団)内での出入りが激しいものに。キナンは第1ステージに中島が逃げ切りでステージ優勝を決めて以来、リーダーチームの立場として戦いを続けてきた。前日の第2ステージでは中西健児、雨乞竜己、トマ・ルバ、新城雄大のアシスト陣が絶妙の集団コントロール。中島のリーダージャージ堅守に大きく貢献した。

トップをいく中島と、個人総合2位のステファン・アスタフイェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース)との総合タイム差は、第2ステージを終えて3秒。中間スプリントとフィニッシュで上位選手に付与されるボーナスタイム次第では、その差を開くことも逆転もできる状況。今大会でもキナンとヴィノ・アスタナモータースのチーム力が群を抜いていて、第3ステージも両チームの攻防戦となることが予想された。

このステージは、前日のフィニッシュ地であるキャンディからニゴンボまでの118.5km。スタートから5.8kmでこの日唯一の山岳ポイントが設けられ、その後はダウンヒルを経ておおむね平坦路となる。ただし、前夜の強い雨により序盤の登坂区間とダウンヒル区間には泥が浮いている場所もあることから、落車やバイクトラブルには十分に注意を払う必要があった。

そんな中で始まったレースは、スタート直後からアタックの応酬。ただし、この流れは山岳ポイントを通過するころには沈静化。4人が先行したのを機に、キナンが集団のコントロールを開始する。その後も逃げをねらう選手が集団から発生するものの、容認できる選手とできない選手とをキナン勢を中心にセレクション。やがて総合成績に大きな影響を及ぼさない6人に逃げが固まり、キナン勢はしばらく彼らを先行させた。

しかし、33.6km地点に設けられたこの日1つ目のスプリントポイントに近づくと、ライバルのヴィノ・アスタナモータースが集団のスピードアップを図る。スプリントポイント直前で逃げを捕らえたことから、キナン勢も中島でのスプリントに備えるが、結果的に総合成績の上位に関係しない選手が上位通過。中島もボーナスタイムをねらって動いたが4位。ここでの総合タイム差拡大はならなかった。

この直後、今度は集団から7人が飛び出し、徐々にリードを広げていく。集団のコントロールを担うのはキナン。最大で約3分差までリードを許容し、次なる展開へと備える。

集団のムードが変化したのは、スタートから80kmを迎えようかというタイミング。キナン勢のコントロールにヴィノ・アスタナモータース、トレンガヌサイクリングが加わり、逃げる選手との差を縮め始める。3チームの思惑が交錯する中、レースは終盤戦へ。逃げグループも最後のチャンスに賭けてペースアップ。人数を減らしながら、先を急いだ。

フィニッシュまで残り20kmとなったところで逃げと集団とのタイム差は2分10秒。さらに集団の勢いは増し、残り10kmでは約1分。そして、残り5kmを迎える直前で逃げを吸収。集団は1つとなり、勝負はスプリントにゆだねられることになった。キナン勢は中島での勝負に備え、本来はエーススプリンターの雨乞をリードアウト役に抜擢。集団前方でのポジショニングで中島を好位置へと引き上げる。そして、今大会最大のクライマックスの時を迎える。

スリランカTカップ第3ステージのゴール勝負。右が2位のアスタフイェフ。黄色いジャージが3位の中島康晴 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

長い直線を経て始まったスプリントは、アスタフイェフが最前列から加速。これをチェックするように中島も反応。追い上げる形になった中島だったが、アスタフイェフの背後につけ、両者がなだれ込むようにフィニッシュ。ステージ優勝こそ他選手に譲ったものの、アスタフイェフが2位、中島が3位となった。この結果、アスタフイェフがフィニッシュボーナスで6秒、中島が4秒をそれぞれ獲得。総合タイム差3秒で始まった最終ステージは、わずか1秒で中島に軍配。個人総合優勝決定の瞬間は、劇的なものとなった。

結果を知って喜びを爆発させたキナンの選手たち。第1ステージで中島がチームに今シーズン初勝利をもたらしたが、その勢いのまま新たなタイトル獲得にこぎつけた。中島個人にとっても、UCIレースにおけるキャリア通算9勝目、そしてチームにとっては発足4年目にして初となる日本人選手でのUCIレース個人総合優勝となった。

キナンはそのほか、チーム総合で3位、スプリント賞では最終日にアスタフイェフの逆転を許したものの、中島が2位。最後までチーム力を誇示した3日間だった。

主戦場のUCIアジアツアーで組織力の高さを示したキナン。チーム最大目標であるツアー・オブ・ジャパンとツール・ド・熊野が近づく中、大きな弾みとなる勝利を挙げることとなった。また、同時に日本人選手の底上げが着々と進んでいることも証明する今大会だった。この勢いのまま、チームはレース活動を続けていくこととなる。次戦は5月12日のJBCF 宇都宮クリテリウムを予定している。

スリランカTカップで総合優勝した中島康晴(中央)とキナンのチームメート ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

スリランカTカップ 第3ステージ結果(118.5km)
1 モハドハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム) 2時間44分36秒
2 ステファン・アスタフイェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +0秒
3 中島康晴(KINAN Cycling Team)
4 イルワンディ・ラカセク(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)
5 シーン・ウィットフィールド(オーストラリア、オリバーズリアルフードレーシング)
6 キム・ジュセク(韓国、ガピョンサイクリングチーム)
10 雨乞竜己(KINAN Cycling Team)
20 中西健児(KINAN Cycling Team)
30 新城雄大(KINAN Cycling Team)
41 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +33秒

個人総合時間
1 中島康晴(KINAN Cycling Team) 7時間45分3秒
2 ステファン・アスタフイェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +1秒
3 平塚吉光(チームUKYO) +16秒
4 ローガン・グリフィン(ニュージーランド、ネックス・CCNサイクリングチーム) +2分38秒
5 吉岡直哉(チームUKYO) +2分45秒
6 イェフゲニー・ネポムニャフシー(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +2分51秒
14 中西健児(KINAN Cycling Team) +3分42秒
15 新城雄大(KINAN Cycling Team) +3分58秒
16 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +4分31秒
38 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) +18分53秒

スプリント賞
1 ステファン・アスタフイェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) 35pts
2 中島康晴(KINAN Cycling Team) 34pts

山岳賞
1 ジュリアン・アマドリ(フランス、チームフランスディフェンス) 25pts
4 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 10pts
9 中西健児(KINAN Cycling Team) 2pts
10 新城雄大(KINAN Cycling Team) 2pts

チーム総合
1 ヴィノ・アスタナモータース 23時間21分39秒
3 KINAN Cycling Team +1分26秒

中島康晴

中島康晴のコメント
自分でなにかを残せたレースというのは第1ステージだけだと思っている。残りの2日間はみんなが支えてくれた。自分の勝利ではあるけれど、それ以上にチームの勝利として価値のあるものになった。日本籍のチームとして、日本人選手が活躍することがチーム理念の1つ。それを果たせたことがなによりうれしい。この先にはツアー・オブ・ジャパンやツール・ド・熊野が控えていて、そこに向けてこの勝利が大きな勢いになるのではないか。メンバー入りができれば今度は自分がみんなを助ける番になる。
ジャージを守るうえで、総合に関係しない選手の逃げなどをどう選別していくのかは、トマが中心となって若い選手たちにアドバイスしながらレースを進められた。中西、雨乞、新城がトマの期待に応えて働いてくれたことが勝因として挙げられると思う。

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中島康晴がスリランカTカップでリーダージャージを死守して最終日へ

キナンサイクリングが出場するステージレース、スリランカTカップ(UCIアジアツアー2.2)は5月5日に同地で第2ステージが行われた。前日のステージ優勝によって中島康晴がリーダージャージを着て出走したが、終始キナン勢がレースを統率。個人総合首位の座をキープしてステージを終えた。中島はリーダージャージに加えてスプリント賞でも首位を守っていて、残る1ステージにタイトルを懸けることになった。

スリランカTカップでリーダージャージを死守した中島康晴 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

前日の第1ステージでは、レース序盤から逃げた選手たちによる勝負となり、優位にレースを進めた中島がステージ優勝。チームに今シーズン初勝利をもたらした。個人総合でも首位に立つ中島は、イエローのリーダージャージで第2ステージを出走。ステファン・アスタフイェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース)が3秒差で続いていることから、ボーナスタイムが適用される中間スプリント、フィニッシュを含めて、ライバルの動きに気を配りながらレースを進めることになる。中島を支えるのは中西健児、雨乞竜己、トマ・ルバ、新城雄大の4人。

この日のルートはマヒヤンガーナヤからキャンディ(Kandy)までの85.3km。今大会の最短距離でありながら、唯一の山岳ステージ。中盤に2つのカテゴリー山岳が立て続けに現れ、選手たちをふるいにかける。2つ目の山頂を通過すると、フィニッシュまで約37km。登坂力とスピードが問われるコースセッティングとなった。

レースが始まると、序盤の平坦区間から次々とアタックが発生。出入りの激しい中で、10km地点を過ぎて8人が先行を開始。メイン集団のコントロールはキナン勢が担い、この8人の動きを容認する。その後は逃げグループとのタイム差をコントロールしながら進行。追走を狙う選手の動きを押さえながら、山岳区間へと入る。

上りに入るまで集団を牽引した雨乞が役目を終えると、入れ替わるようにアスタフイェフを擁するヴィノ・アスタナモータースがペースアップ。メイン集団の人数が徐々に減っていくが、キナン勢は雨乞をのぞく4人が集団前方をキープして次の展開へと備える。その間に逃げグループも崩壊し、1人が先行する形と変化した。

1つ目の山岳を先頭から45秒差で通過したメイン集団。ここから再びキナン勢が集団コントロールを開始。ときおりアタックする選手が現れるが、中西や新城らがメイクするペースによっていずれも逃げの態勢まで移ることができない。2つ目の山岳に入ってからは、満を持してルバが集団を牽引。他選手のアタックをすべて封じ、中島を引き連れながら山頂を通過した。

しばらく逃げ続けていた1選手は60km地点を過ぎたところで吸収。代わって数人がカウンターアタックを仕掛けた中からヴィノ・アスタナモータース勢が先頭へ。さらにチームメートの1人が合流し、2人がリードを開始。キナンにとってはライバルチームの動きながらも、個人総合に関係しない選手とあり、逃げ容認の構え。先頭の2人はメイン集団を振り切り、そのままフィニッシュへ。ヴィノ・アスタナモータース勢がワン・ツーフィニッシュを達成した。

トップから遅れること38秒でメイン集団がゴール。最後までアシストに守られて走った中島もスプリントに加わり、6位でフィニッシュ。個人総合を争うアスタフイェフが5位だったことから、互いにボーナスタイム獲得はなし。総合タイム差3秒は変わらず2日目を終えることとなった。

これにより中島はリーダージャージをキープ。同時にスプリント賞でも首位を守り、2部門でリーダーのまま最終ステージへ。またキナン勢は、個人総合争いにおいてライバルとなり得る選手の動きをチェックしながら、終始レースをコントロール。アシスト陣がプロトン(メイン集団)を完全に統率し、中島のリーダー堅守に大きく貢献した。

大会は残すところ1ステージ。最終日はキャンディからニゴンボ(Negombo)までの118.5km。スタートして5.8kmでこの日唯一のカテゴリー山岳を通過するが、その後はおおむね下り基調。33.6km、77.8km、106.8kmの3カ所に中間スプリントポイントが設けられていて、レース展開次第ではここで付与されるボーナスタイムが個人総合争いを左右する可能性もある。最大10秒のボーナスが与えられるフィニッシュと合わせて、ライバル同士の駆け引きも勝負の大きな要素となる。

引き続きリーダーチームとして臨むキナンは、中島の個人総合優勝を懸けて第2ステージに続いてのプロトン統率を行う。これまでに培ってきた組織力が試される1日となりそうだ。

スリランカTカップ 第2ステージ結果(85.3km)
1 イェフゲニー・ネポムニャフシー(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) 2時間12分23秒
2 アルマン・カミシェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +12秒
3 ニコラス・ホワイト(オーストラリア、オリバーズリアルフードレーシング) +38秒
4 ヌルアミルルファクルディン・マズキ(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)
5 ステファン・アスタフイェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース)
6 中島康晴(KINAN Cycling Team)
13 中西健児(KINAN Cycling Team) +41秒
16 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +57秒
17 新城雄大(KINAN Cycling Team)
47 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) +15分52秒

個人総合時間
1 中島康晴(KINAN Cycling Team) 5時間0分31秒
2 ステファン・アスタフイェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +3秒
3 平塚吉光(チームUKYO) +12秒
4 ローガン・グリフィン(ニュージーランド、ネックス・CCNサイクリングチーム) +2分34秒
5 吉岡直哉(チームUKYO) +2分41秒
6 イェフゲニー・ネポムニャフシー(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +2分47秒
14 中西健児(KINAN Cycling Team) +3分38秒
16 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +3分54秒
17 新城雄大(KINAN Cycling Team)
38 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) +18分49秒

スプリント賞
1 中島康晴(KINAN Cycling Team) 24pts

山岳賞
1 ジュリアン・アマドリ(フランス、チームフランスディフェンス) 25pts
4 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 10pts
8 中西健児(KINAN Cycling Team) 2pts
9 新城雄大(KINAN Cycling Team) 2pts

チーム総合
1 ヴィノ・アスタナモータース 15時間7分51秒
3 KINAN Cycling Team +1分26秒

トマ・ルバ

トマ・ルバのコメント
素晴らしいレースコントロールができた。今日は短くも難易度の高いステージだったけれど、なにが起こるか分からないレースだからトライを続けていく必要があった。力のある選手のアタックもあったけれど、なによりよい1日にできたことがうれしい。(チームプレーが生きた)こうした経験は今後に必ず生きる。今日の(中西)健児の走りは、昨年のツール・ド・フローレス(ルバが個人総合優勝)で私をアシストしてくれた時の経験があったからこそできたものだと感じている。若い選手たちにとっては、1つひとつの経験を積み重ねていってほしい。
最終ステージを残すのみとなったが、決して簡単な1日にはならない。多くの選手が攻撃に転じるだろうし、われわれも再びトライをしていかないといけない。とにかく戦い抜くだけだ。

中島康晴

中島康晴のコメント
今日は完ぺきだった。これほど頼もしいメンバーはいないのではないかと思うくらいに、素晴らしい展開を作ってくれた。レース前半は雨乞がしっかり働いてくれて、その後は集団の人数が絞り込まれてもキナンは4人を残すことができた。数的有利な状況を作り出せたことで、ライバルチームの動きを封じ込められた。そのおかげで、自分はリーダージャージを守ることだけに集中できた。
ステージレースの最終日はなにが起こっても不思議ではない1日になる。一番大事なステージになるので、これまでの自分の経験を生かして結果につなげたい。平坦ステージということで、スプリントをねらうチームもあると思う。いろいろなチームの動きを見ながら、展開に合わせて走ることができればと考えている。

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中島康晴がスリランカTカップ第1ステージで優勝…3人のゴール勝負を制す

キナンサイクリングが出場するスリランカTカップ(UCIアジアツアー2.2)が5月4日に開幕。123.9kmで争われた第1ステージは、序盤から逃げ続けた3選手がそのまま優勝争いに転じ、最後はキナンの中島康晴が制してステージ優勝。2018年シーズンのキナンに初めての勝利をもたらした。この結果、中島はリーダージャージを獲得し、第2ステージからは個人総合首位としてレースに臨む。

中島康晴がスリランカTカップ第1ステージで優勝 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

UCI公認の国際レースとしては初開催となるスリランカTカップ。同国を構成するセイロン島の東海岸から西海岸まで、3日間・327.7kmで結んでいく。キナンはこの大会に向けて中島のほか、中西健児、雨乞竜己、トマ・ルバ、新城雄大の5選手を招集。各ステージのレース距離が100km前後と短いことから、スピード重視のメンバー編成で同国へと乗り込んだ。

迎えた第1ステージは、パサイクーダ(Passikudah)からマヒヤンガーナヤ(Mahiyanganaya)までの123.9km。スタートからフィニッシュまでの高低差は約90mと、ほぼ平坦にカテゴライズされるレイアウト。35度前後の気温の中でのレースとあり、有力チームを中心に絞り込みが進むことを想定。キナン勢は確実に前方に位置し、重要な局面を複数のメンバーで対応していくことを意識した。

スタート直後から始まったアタック合戦では、ライバルチームの動きを見ながらチェックを繰り返したキナン勢。10km地点を過ぎたところで13人が飛び出すと、そのまま逃げの態勢へ。キナンからは中島が加わり、レースを先行する。最大で約4分のリードとした中島らの逃げだが、メイン集団もフィニッシュまで残り50kmを切ったあたりからペースを上げてタイム差を縮めていく。

逃げグループに変化が生まれたのは残り約40km。他選手のアタックに中島が反応すると、もう1人を加えてそのままペースアップ。一緒に逃げてきた他の10人を振り切って先を急いだ。途中で通過したこの日2回目のスプリントポイントでは、中島が2位通過している。一度縮まった後続とのタイム差だったが、3人の逃げとなってからは拡大傾向に。やがて逃げ切りを濃厚とした中島らは、ステージ優勝を懸けての駆け引きへと移っていく。残り10kmを切ってからはフィニッシュまで一直線。フィニッシュまでの距離を減らしながら、相手の様子をうかがっていく。

3人の形勢に大きな変化はなく、勝負はスプリントへ。2番手につけ、ライバルの動きを読み切った中島は、万全の態勢になったラスト100mで加速。労せず先頭に立つと、追う2人を寄せ付けずトップでフィニッシュラインを通過した。中島にとっては、キャリア通算8勝目(UCIレースのみ)、そしてキナンにとってはついにやってきた今シーズン初勝利。UCIレースでの成績と同時に、日本人選手の強化を目指す過程にあるチームにとって、今後の弾みとなる大きな勝利になったといえそうだ。

途中まで中島らと逃げていた第2グループの10人をはさみ、残るキナン勢4人が含まれたメイン集団は3分23秒差でフィニッシュ。レースを終えて中島の勝利を知り、メンバーは喜びを爆発させた。これにより、中島は個人総合首位に立った。また同時にスプリント賞でもトップになっている。

5日に行われる第2ステージは、マヒヤンガーナヤからキャンディ(Kandy)までの85.3km。今大会最短距離でありながら、唯一の山岳ステージ。中盤に2つのカテゴリー山岳が立て続けに現れるが、2つ目の山頂からフィニッシュまで約37km残されている。あらゆる展開が想定されるが、リーダーチームとしてこの日を迎えるキナンがどうレースを進めるか。チーム力や各選手の総合力が問われる1日となる。

スリランカTカップ 第1ステージ結果(123.9km)
1 中島康晴(KINAN Cycling Team) 2時間47分42秒
2 ステファン・アスタフイェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +0秒
3 平塚吉光(チームUKYO) +4秒
4 チェ・ドンヒョン(韓国、ガピョンサイクリングチーム) +2分19秒
5 モハドシャフルル・マットアミン(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム) +2分29秒
6 吉岡直哉(チームUKYO)
16 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) +3分23秒
42 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
46 中西健児(KINAN Cycling Team)
51 新城雄大(KINAN Cycling Team)

個人総合時間
1 中島康晴(KINAN Cycling Team) 2時間47分30秒
2 ステファン・アスタフイェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +3秒
3 平塚吉光(チームUKYO) +12秒
4 チェ・ドンヒョン(韓国、ガピョンサイクリングチーム) +2分31秒
5 ローガン・グリフィン(ニュージーランド、ネックス・CCNサイクリングチーム) +2分37秒
6 ジュリアン・アマドリ(フランス、チームフランスディフェンス) +2分39秒
16 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) +3分35秒
42 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
46 中西健児(KINAN Cycling Team)
51 新城雄大(KINAN Cycling Team)

スプリント賞
1 中島康晴(KINAN Cycling Team) 19pts

チーム総合
1 チームUKYO 8時間29分2秒
3 KINAN Cycling Team +50秒

中島康晴

中島康晴のコメント
中間スプリントポイントで(アスタフイェフ選手が)自分よりスプリント力があると分かったので、彼の力をうまく利用しながら勝つ方法を考えた。レース前にマップでフィニッシュ付近が緩い上り勾配であることを確認していたので、最終局面はギリギリまでタイミングを計ってラスト100mでスプリントを仕掛けた。
今大会は日本人選手にもチャンスがあるレースで、個人的には若い選手たちに活躍の場を与えられればと考えている。自分がリーダージャージを着ることで、いろいろな戦術が立てられると思うので、リーダーチームであることだけに固執せずステージ優勝をねらったり、なにかきっかけをつかめるようなレースにしたい。

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JBCF東日本ロードクラシック群馬でキナンの中島康晴は8位

国内リーグのJプロツアー2018年シーズン第5戦、JBCF東日本ロードクラシック群馬大会の初日が4月28日に行われた。今シーズン、Jプロツアー初参戦となったキナンサイクリングは、中島康晴がチーム最上位となる8位でフィニッシュ。中島と山本元喜が終盤に形成された先頭グループに加わり優勝争いを展開したが、あと一歩及ばず。2日目での雪辱を誓うこととなった。

JBCF東日本ロードクラシック群馬で中島康晴が8位 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

2018年は1月のシーズンインからUCI(国際自転車競技連合)公認の国際レースをメインに走ってきたキナンだが、そこで得た収穫と課題を反映させる場として、満を持しての国内リーグ参戦。メンバーは中島と山本のほか、中西健児、雨乞竜己、新城雄大の日本人選手5人で臨んだ。

この大会は例年、初日と2日目のワンデーレース2連戦として行われている。初日は群馬サイクルスポーツセンターに設定された1周6kmのコースを17周回する102km。リザルトに応じた付与ポイントに反映されるレイティングはAAに指定される。コースの周回前半は下り基調、後半が上り基調。そして、スタート・フィニッシュが設けられるコントロールライン手前約100mからの急坂もコースの特徴として挙げられる。

2017年はこの大会で中島が集団スプリントを制して優勝。2018年はチームとしてその再現をねらうべく、スピード域の高いレース展開を進めることを意識。前夜のミーティングでは、序盤から逃げに選手を送り込み、ライバルチームに対して先手を打ちつつレースを進めることを確認。展開に合わせて、状況に適した選手を前方に送り込めるよう各選手が集団の好位置で走ることもミッションの1つとなった。

迎えたレースは、1周回目から出入りの激しいものとなる。しばらく様子をうかがいながら進行したキナン勢だったが、4周回後半の上り区間で山本がアタック。これは成功に至らないが、以降も次々とチャンスを作り出すべく動きを繰り返す。7周回目に入り、中西がアタックを決める。一時は単独で集団に対し1分のリードを得るが、その後6人が追走。これを機にプロトン(メイン集団)全体が活性化し、再び集団は1つに。中西も集団へと引き戻された。

序盤から続いたアタック合戦の均衡が破られたのは9周目。3選手のアタックが容認され、キナン勢は集団に待機。前を行く3人とのタイム差が40秒となったところで、中島が集団前方へと上がってコントロールを開始。11周回目の後半には山本が先頭へのブリッジをねらってアタック。一時は約25秒差にまで迫るが、次の周回までには集団に吸収された。

終盤に向けて態勢を整えたいキナン勢は、再び中島や新城、中西を軸に集団をコントロール。逃げグループは人数を減らすとともに勢いが落ち、徐々に集団がタイム差を縮めていく。そして、残り2周回となったところで逃げていた選手をすべて吸収。レースを振り出しに戻した。この直後、勝負を左右する動きが起こる。周回後半の上り区間で7人が集団からアタック。これに中島と山本が加わる。さらにその後の下りを利用して3人が先頭へ。この動きに中島が乗じ、後続にタイム差をつけて最終周回の鐘を聞く。山本が含まれる追走は人数を増やして8人に。メイン集団との差はあっという間に開いていった。

中島らの先頭グループは追走メンバーの合流により11人とし、アタックかスプリントか、それぞれの思惑が交錯する。残り500mで他選手がアタックするが、ここはしっかりと対応。山本が下りで中島を引き上げながら少人数でのスプリントに持ち込んだ。そして最後の直線。キナン勢は中島に勝負を託したが、スプリント力に勝るライバルチームの選手たちにあと一歩及ばず。このレース2連覇をかけての走りだったが、8位だった。

キナン勢は山本が11位、集団でフィニッシュを目指した雨乞が15位、中西が34位、新城が42位。チャンスがありながらも勝ちを逃す悔しい結果となった。一方で、当初の予定通り序盤から積極的にレースを展開し、要所ではしっかりと前方を確保するなど、勝負できる位置を終始走り続けられたことは翌日への収穫といえそうだ。その次戦は、今回の悔しさを晴らす雪辱戦となる。29日に行われるDay-2は、この日と同じ群馬サイクルスポーツセンターを舞台に22周回・132kmで争われる。レイティングはAAAA。キナン勢は初日と同じ5選手で出走する。

JBCF 東日本ロードクラシック群馬大会 Day-1結果(102km)
1 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) 2時間30分42秒
2 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +0秒
3 アイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ)
4 入部正太朗(シマノレーシング) +1秒
5 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
6 岸崇仁(那須ブラーゼン)
8 中島康晴(KINAN Cycling Team) +2秒
11 山本元喜(KINAN Cycling Team) +29秒
15 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) +1分4秒
34 中西健児(KINAN Cycling Team) +1分13秒
42 新城雄大(KINAN Cycling Team) +1分25秒

中島康晴

中島康晴のコメント
レース中盤に3選手が飛び出してからは、ブリッジをねらうにしても、スプリントをねらうにしても、対応可能なタイム差でレースを進めることを心がけた。チーム全体の動きはよく、取りこぼしもなく終盤を迎えられたので、あとは自分がスプリントで勝負するだけだったが、それまでに脚を使っていたこともあり悔しい結果になってしまった。選手間でコミュニケーションを図りながら走れば、さらに効率的なレース運びができるはずだし、みんなのコンディションもよいので、次こそは勝ちたい。
自分と山本元喜が残り2周で抜け出したのは、ねらったというよりは他選手の動きに合わせたことでできあがった形だった。もし集団が追いついてくるようなら、スプリンターの雨乞で勝負することを考えていた。結果的に逃げ切りとなり、元喜が牽いてくれて自分で勝負することになったが、最後は脚に余裕のある他チームのスプリンターとの差が出てしまった。
明日は距離が長く、気温も上がるとの予報なので、きっとサバイバルレースになると思う。キナンはそうしたレースに強いし、今日の反省を生かして走ればきっとよい結果が残せるだろう。

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中島康晴が4位…ツアー・オブ・タイランド第4ステージ

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キナンがツアー・オブ・タイランドでチーム優勝…ルバは総合3位

ツアー・オブ・タイランドは最終日となる4月6日、ローイエットからコーンケーンまでの110.7kmで第6ステージが行われ、キナンサイクリングの中島康晴が4位に入った。最終成績はトマ・ルバが個人総合3位、チーム総合で1位を確定させた。

ツアー・オブ・タイランドでキナンのルバが総合3位に ©︎KINAN Cycling Team / Satoru KATO

最終日は今大会最短距離の110.7km。前日第5ステージの229kmと比べると半分以下の距離だ。その距離の短さゆえ、レースは神経質な展開になった。リアルスタート後からのアタック合戦は逃げが容認されないまま進行。数選手が飛び出す場面はあっても、すぐに集団が吸収していく。途中2カ所設定された中間スプリントでは、ポイント賞争いとボーナスタイムによる総合順位争いが絡んだスプリントが展開される。ポイント賞2位の中島も2つめの中間スプリントに挑み、4位通過して1ポイントを加算する。

その後も集団はひとつのまま進行し、最後のスプリント勝負へ。ポイント賞リーダーのマルティン・ラス(エストニア、チーム イルミネート)が圧倒的なスプリントで優勝。中島もスプリントに挑戦したが、4位に終わった。これでツアー・オブ・タイランドの全日程が終了した。キナンの最終成績はルバが個人総合3位となり、表彰台の一角を確保。チーム総合でも1位となり出場4選手全員でポディウム登壇の栄誉にあずかった。

ツアー・オブ・タイランド第6ステージ結果(110.7km)
1 マルティン・ラス(エストニア、チーム イルミネート) 2時間23分15秒
2 秋田拓磨(シマノレーシングチーム) +0秒
3 レイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO)
4 中島康晴(KINAN Cycling Team)
5 リ・ジセン(中国、チンハイ チャンユードサイクリングチーム)
6 ドミニク・ペレス(フィリピン、セブンイレブン・クリック ロードバイクフィリピンズ)
67 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
71 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
76 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)

個人総合時間
1 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム) 24時間1分4秒
2 アルテム・オベチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) +16秒
3 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +18秒
4 ホルヘカミーロ・カスティブランコ(コロンビア、チーム イルミネート) +2分9秒
5 リュウ・ジャンペン(中国、ヘンシャンサイクリングチーム)
6 サラウット・シリオンナチャイ(タイ、タイランドコンチネンタルサイクリングチーム) +2分14秒
21 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +2分20秒
27 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +2分30秒
73 中島康晴(KINAN Cycling Team) +16分49秒

ポイント賞
1 マルティン・ラス(エストニア、チーム イルミネート) 82pts
2 中島康晴(KINAN Cycling Team) 61pts

山岳賞
1 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム) 28pts
3 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 20pts

チーム総合
1 KINAN Cycling Team 72時間8分24秒

マルコス・ガルシア

マルコス・ガルシアのコメント
4人で出場は厳しかったけれど、いいレースができたし、いい結果になったと思う。 次はツール・ド・熊野での勝利を目指したい。日本でお世話になっている人たちのためにも、熊野で勝ちたい。

サルバドール・グアルディオラ

サルバドール・グアルディオラのコメント
チーム総合で1位、トマの個人総合3位、中島が平坦ステージで連日上位に入れた。今回は上出来だったと思うし、チームとしてもいいバランスだったと思う。次のレースはツアー・オブ・ジャパンになると思う。一度家に帰ってレースに備えるよ。

トマ・ルバ

トマ・ルバのコメント
得意でない平坦ステージが多く、なおかつチームは4人での出場で総合3位はいい結果だと思う。山岳の第3ステージの後、チーム全員がお互いに助け合い、個人総合順位を守ってチーム総合では1位を獲れた。ベストな結果だと思う。次の目標となるツアー・オブ・ジャパンに備えて、まずは家に帰ってしっかり休息をとってトレーニングするよ。

中島康晴

中島康晴のコメント
今日は序盤からアタック合戦が続いて速いペースでレースが進んだ。一度集団が2つに割れた時があって、リーダーチームが前の集団に乗せていく動きをしていたので、マルコスと自分で対応した。集団がひとつにまとまった後はサルバとマルコスに任せて、最後のスプリントに向けてトマがいい位置にポジショニングしてくれた。でも結果は4位で、あと一歩届かないところばかりでチームには申し訳ないと思っている。でもトマの総合3位を守りながらチーム総合も獲れたので、最低限の結果は残せたかなと感じている。
これだけ集団スプリントになるツアー・オブ・タイランドは初めて。個人総合と区間優勝を同時に狙うのはなかなか難しいが、すべてはチーム全員が役割をまっとうした結果。個人総合3位、ポイント賞2位、山岳賞3位と、このメンバーで全ての賞のトップ3に入れたのは上出来だとは思うけれど、どれかひとつでも1位になりたかった。
今年はまだチームに優勝がないので、次のレースでは勝てるようにしたい。5月、6月と日本での重要なレースを控えているので、キープ・ゴーイングで進んでいく。

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http://pressports.com/2018/04/06/ルバ総合3位、チーム首位をキープして最終日へ/

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