【ツール・ド・フランス現場雑感】スイスの宿は快適な修道院

第109回ツール・ド・フランスは2022年7月9日、ドル〜ローザンヌ(スイス)間の186.5kmで第8ステージが行われ、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)が集団によるゴールスプリント勝負を制して、今大会2勝目、大会通算8勝目を挙げた。

マティア・カッタネオとフレッド・ライトが逃げる ©A.S.O. Pauline Ballet

UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)はステージ3位でボーナスタイム4秒を獲得。総合2位、ユンボ・ビスマのヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)との差を35秒から39秒に広げた。

2022ツール・ド・フランス第8ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

序盤戦で4日間もマイヨジョーヌを着用したファンアールトだが、チームメートのビンゲゴーに総合優勝争いを託し、自らはスプリント力が試されるポイント賞と区間勝利に目標を移した。

「逃げた選手をチームが追いかけてくれ、最後はポイントを量産するために勝ちにいくことができた。ローザンヌは五輪本部がある町で、ここで勝つことは意味がある」とファンアールト。

2022ツール・ド・フランス第8ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet
フレッド・ライト、マティア・カッタネオ、フレデリック・フリソンが第8ステージでリード ©A.S.O. Pauline Ballet
マイヨジョーヌのポガチャルが第8ステージを走る ©A.S.O. Pauline Ballet
フランスもいよいよ本格的な夏だ ©A.S.O. Charly Lopez

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マイヨベール(ポイント賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

ゴール勝負となった第8ステージで優勝したファンアールト ©A.S.O. Pauline Ballet

ローザンヌ郊外の宿泊施設は修道院の修行場

ブザンソンのホテルは駅前でした。前日はそこから5分ほど歩いたところにある広大な無料駐車場にクルマを入れておきました。駐車違反を取られないかドキドキしないから安心ですよね。そしていくらかかるかの心配もありません。デンマークでの3日間の反省で得た教訓です。

外観も内装も新築のようにきれいに作られていて快適な1日を過ごすことができた

朝のラン練習はガーミン先生が85分のトレーニングを指示したので、「それ無理」とメニューを入れ替えました。その結果、もっとキツいスピード練習でしたw

ツール・ド・フランスはスイスへ。デンマークほどではないけれど物価が高いので、スイスでわざわざガソリン補給をしないように残量をチェック。国境の検問ですこしだけ渋滞していましたが、2つの列のうちボクが選んだほうは誰もいなくて、ノーチェック。難関を突破してスイスへ。

中庭を取り囲むように寝室がある。2人用もあるがほとんど1人用だ

この日のゴールは国際オリンピック委員会の本部があるローザンヌ。ところが通信環境があまりよくなく、仕事にならないと判断してホテルへ。もう一つ、前日にホテルのフロント対応時間などを再確認したら、午後6時までに来てほしいとあったので、早めに動くことにしました。それはプレスセンターで原稿を書いているとかなり微妙な時間だったからです。

ホテルまでは30ほどで着きましたが、レマン湖を望む丘を登っていき、アルプス山脈が一望できるところに立つ石造りの修道院宿泊施設でした。ストレスフルな外国、スイスではありますが、シゴト環境はまあまあです。

レセプションに近いテラスまでいかないとWi-Fiが繋がらない

こんなところが簡単にホテル予約サイトで取れてしまうのだから、いいのか悪いのか。夕食は、ルパ(晩さん)と呼ばれ、アルコールもなく質素なものでした。お願いすれば販売用冷蔵庫でビールは冷えていたんですが、たまにはアルコールを飲まない日も設定したほうがいいですよね。

食堂が開く直前にはミサの歌が部屋の外から聞こえました。

1人用の寝室。ベッドは狭いが心地よい。洗面器があるだけで、トイレ・シャワーは共同

あいかわらずeSIMが繋がりにくく、ホテルの無料Wi-Fiはレセプションルーム近くに行かないと届かないので、すこしだけやりにくかったですが、シャワー・トイレ別の狭いシングルベッドの部屋は新しくて快適。周囲の環境も心地良いものでした。

窓の向こうには標高2400m級のスイスアルプスが見える

ところで、EUでは遮断されて閲覧できないYahoo!から「普段使っていない環境からアクセスがあった」とメールが来たので、だれかにハッキングされているのでは心配で調べてみました。いくつかの検証をした結果、スイスは欧州経済区域じゃないのでYahoo!のページが開くようになったので、Yahoo!から連絡があったというオチに。

スイスに入国したことで自動検知されて、Yahoo!からアクセスを知らせるメールが届いたということらしいです。 ということで今日はYahoo!ニュースが閲覧できます。お部屋ではつながらないけど。

広大な麦畑側から修道院宿泊施設を振り返る

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【ツール・ド・フランス現場雑感】フランスにUberEatsが登場するもポガチャルの強さ変わらず

第109回ツール・ド・フランスは2022年7月8日、トンブレーヌ〜ラ・シュペールプランシュ・デ・ベルフィーユ間の176.5kmで第7ステージが行われ、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が2日連続で優勝。大会通算8勝目を挙げた。

マイヨジョーヌのタデイ・ポガチャル。第7ステージのスタート地点 ©A.S.O. Charly Lopez

ポガチャルが厳しい上り坂のゴール手前で抜け出し、2日連続の勝利。個人総合成績でもポガチャルは前日に獲得したマイヨジョーヌを守った。

広告キャラバン隊がやってきた ©A.S.O. Aurélien Vialatte

ポガチャルが逆転初優勝した場所で弱いわけがない

この最後の山岳はポガチャルが初の総合優勝をした2年前の大会では、最終日前日の個人タイムトライアルのコース。ポガチャルはここで首位に浮上しているだけに思い入れが強かった。

「2年前にここで勝ってから、ボクの人生が大きく変わったので忘れたことはない。しかも最後の上りまでチームメートがボクのために頑張ってくれたから、ここで負けるわけにはいかなかった」とポガチャル。

ツール・ド・フランスはフランス北東部のボージュ山地へ ©A.S.O. Charly Lopez

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マイヨベール(ポイント賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

2022ツール・ド・フランス第7ステージ ©A.S.O. Charly Lopez
表彰式用のマイヨジョーヌを着せてもらうポガチャル ©A.S.O. Charly Lopez
2年前にこの地で首位に立ったポガチャルが再びマイヨジョーヌ ©A.S.O. Hervé Tarrieu

ラ・プランシュのあとはいつものブザンソン。今回は中心部へ

メスのホテルで起きて、スマホのツイッターでフォロワーさんに「安倍晋三元首相が撃たれた」ということを教えてもらいました。こちらのテレビでも朝7時はトップニュースで報じられたようで、部屋でフランステレビジョンの午前9時のニュースを見て、事態の深刻さを痛感しました。

午前9時のニュースのトップは、熱波によりボルドー南にあるジロンド地方で山火事が大規模延焼中で、キャンプ場のバカンス客や地元民が避難を余儀なくされているというものでした。

スタート地点の停車位置は役割によってあらかじめマーキングされている

心がなかなか落ち着きませんが、ツール・ド・フランス取材完走のために心身ともにリレッシュな状態を維持するのが最優先。朝のランニング練習をしっかりとやって、シャワーでさっぱりとして朝食をしっかりと取って。

ニュートラルサポートをこなすシマノ。スタッフ7人で役割分担する

美観地区の外側に駐めたクルマまで荷物をガラガラいわせながら引きずっていき、クルマに乗り込んで「夏色のナンシー」へ。厳密に言うとその隣町のトンブレーンへ。スタート地点は地元の人たちがすでに詰めかけていて熱狂が伝わってきます。フランスも本格的な夏になりました。

敢闘賞のマスコット。1匹連れて帰ります

ゴール近くまでは赤色のN表示、いわゆる国道を通って南下。ここはいつもそうなんですが、激坂のラ・プランシュ・デ・ベルフィーユまではプレスセンターからのシャトルバスで行く必要があります。撮影をしないボクはシャトルには乗車せず、常に麓のプレスセンターに配置です。

スタート地点にかけつけた観客にお菓子がばらまかれる

ゴール後は1989年の初取材のときに訪れたと記憶しているブザンソンへ。ブザンソンには顔見知りのネコがいたんですが、3年前に3年ぶりに訪れたときには姿がありませんでした。そのためネコがいた郊外型ホテルに予約することはなく、初めて中心街に。ここなら街に繰り出して、自分に合ったレストランをいくつでも見つけることが可能です。

ブザンソンの夕暮れどき、レストランがにぎやかになってきた

人気のないイタリア料理店もUberEatsがひっきりなしに出入り

お外ごはんは結局、イタリア移民の経営するレストランでカルボナーラ。フランスに流れ着いたイタリア人が経験もなく始められるのが飲食店で、スナックみたいな味であまり期待できません。でもたまに食べたくなるんです。 そしてボクの選択したイタリアン、テラス席がこの界隈で一番空いてるんだけど、UberEatsがさっきから何度も。フランスを2年もご無沙汰しているといろいろ変わってる!

ブランソンのど真ん中にある広場の一角、右のイタリアンでお外ごはん

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【ツール・ド・フランス現場雑感】マイヨジョーヌを失う覚悟の奇襲作戦

第109回ツール・ド・フランスは2022年7月7日、バンシュ(ベルギー)〜ロンウィー間の今大会最長距離となる220kmで第6ステージが行われ、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が優勝。

マイヨジョーヌのファンアールトがまさかのアタック ©A.S.O. Pauline Ballet

マイヨジョーヌのワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)は序盤からかく乱作戦として先行したが、最後に捕まると大きく遅れた。総合成績でポガチャルが首位に立ち、はやくもマイヨジョーヌを着用した。

2022ツール・ド・フランス第6ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

ポガチャルはベルギーの英雄エディ・メルクスの後継者なのか?

ポガチャルが少人数のゴール勝負を制して今大会初優勝。大会通算7勝目。総合成績でも首位に立ち、大会3連覇に向けて好調ぶりを見せつけた。

2022ツール・ド・フランスがベルギーに足を伸ばしたところで同国の新旧スーパースターが顔を合わせた。左がエディ・メルクス、右がファンアールト ©A.S.O. Pauline Ballet

この日はファンアールトがアタックして単独で先行した。ポガチャルを擁するUAEエミレーツ勢を消耗させ、チームエースのビンゲゴーに有利な状況を作るためだ。ファンアールトは残り10kmで集団に吸収されると大きく後退。マイヨジョーヌを失ってもいい覚悟でかく乱作戦を展開したが、ポガチャルの異次元の強さにはかなわなかった。

2022ツール・ド・フランス第6ステージ ©A.S.O. Charly Lopez
2022ツール・ド・フランス第6ステージ ©A.S.O. Aurélien Vialatte

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マイヨベール(ポイント賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

ユンボ・ビスマの奇襲作戦にも慌てず、チームメートに牽引されるポガチャルが前方をうかがう ©A.S.O. Pauline Ballet

美観地区のホテルはクルマがアクセスできないので疲れる

第4ステージが終わった後のカレー、第5ステージのバランシエンヌ、そしてこの日のメス、ついでに明日のブザンソンと街のど真ん中のホテルを予約してしまいました。鉄道旅行やツアーなら街歩きができて最高なんですが、ツール・ド・フランス取材はクルマがあるのが基本なので、街の真ん中で駐車スペースを探すっていうのが意外と大変なんです。

ユネスコ文化遺産に登録されている巨大人形が練り歩くお祭りで知られるベルギーのバンシュ

とにかく街のど真ん中は駐車場が少ない。あっても有料となり、宿泊費以外にお金がかかります。このためツール・ド・フランス関係者は郊外にあって、広大な無料駐車場を持つホテル群(サントルオテリエ)をよく利用します。こちらの方のデメリットは、場所によっては夕食を食べるところがないということです。

街全体が大振りな石畳の道で、ホントに歩きにくい

この日はかなり大きな都市であるメスの中心部、その名もオテルドサントル(センターホテル)。午後8時までフロントが開いているというので安心しきっていました。

バランシエンヌのホテル。朝食会場の窓辺より

途中のスーパーマーケットを探して併設するガソリンスタンドへ。驚いたのはレギュラーガソリンより軽油のほうが高いことでした。

フランスではルクレールやカルフール、アンテルマルシェ、シュペールUなどの大手スーパーマーケットにはガソリンスタンドがあります。こういったスーパーのガソリンスタンドは市中よりかなりお安く、しかも24時間営業なのでツール・ド・フランス取材時は大助かりです。

2022年は燃料高騰が続き、軽油でも1リッター300円。レギュラーガソリンはそれよりわずかに安いんですが、やはり高いです。自転車で済ませることができたらクルマを使いたくないです。5000kmを移動する必要があるツール・ド・フランス取材では、エコ運転で乗り切っていくしかないです。

欧州は軒並み燃料高に見舞われている

ますますホテルのチェックインが遅くなる

スーパーに入る前にマクドナルドを発見したので、夕食を買い出していこうというアイデアに気づきました。ところがフランスの環状交差点は、日本人としてはグルグル回るので方向感覚を失いやすく、慣れていないとなかなか目的地にたどり着けず。

そのうち遠くまで回され、目標がわからなくなる状態に。それでも今夜はマックをお部屋で食べてくつろごうと決めてしまったので、何回かアタックしてようやく到達。そしてオーダーシステムがちょっと変わっていて、また時間ロス。

メスの美観地区にあるホテルより夕方の道路を見下ろす

かなり時間を費やしてしまってメスに着きましたが、ホテルはクルマが進入できない美観地区。しかたなくかなり手前に駐めていちばん大事な機材バッグとお財布だけ持ってホテルにたどり着いたらすでに8時を過ぎて玄関ドアが閉まっていました。

従業員に電話して玄関コードを教えてもらって、ボクの名前が貼ってあるキーを確保。

序盤戦のツール・ド・フランスで疲れてはいけないんですが、疲れ果てました。でもどんなに疲れていても、飲む前に路駐しているクルマをどこかに停めにいかないと。

メスの美観地区にあるホテルより夜の道路を見下ろす
ポガチャルが第6ステージでマイヨジョーヌを獲得 ©A.S.O. Pauline Ballet

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【ツール・ド・フランス現場雑感】北の地獄は背筋が凍る

第109回ツール・ド・フランスは2022年7月6日、リール〜アランベール間の157kmで第5ステージが行われ、イスラエル・プレミアテックのサイモン・クラーク(オーストラリア)が4選手のゴール勝負をわずかに制して初優勝した。

北の地獄を走る選手たち ©A.S.O. Pauline Ballet

「オフシーズンは契約できず、今のチームが声をかけてくれた。恩返しできてうれしい」とクラーク。「サイクリストになるために欧州に引っ越して20年。今月で36歳になる。ようやく夢を叶えることができた」

2022ツール・ド・フランス第5ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が石畳区間でアタックしたが、マイヨジョーヌのワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)に対して13秒しか差をつけられず、ファンアールトが首位を守った。

2022ツール・ド・フランス第5ステージ ©A.S.O. Charly Lopez
7月の北の地獄 ©A.S.O. Pauline Ballet
ワウトファンアールトがトラブルで遅れたビンゲゴーを待ってその集団の先頭を走る ©A.S.O. Pauline Ballet

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

マイヨジョーヌを守ったファンアールト ©A.S.O. Pauline Ballet

旧炭鉱の世界遺産アランベールのゾッとするもの

前日のカレーのホテルはなかなか忍耐が必要なほど古いものでしたが、リネンは清潔で、心配していたプー(シラミ)もいなかったです。ランニング中に市庁舎近くでステキな自転車・歩行者専用ブリッジを見つけ、シャワーを浴びた後に改めてスマホを持って撮影しに行きました。

カレー市庁舎が見える鉄道沿いに素晴らしい自転車・歩行者専用橋が

ツール・ド・フランスは、ミシュランのホテルやレストランの格付けと同様に、それぞれの街の自転車フレンドリー度を格付けしています。こちらは星の数ではなくて自転車の数。最高ランクは自転車4台。

カレーは2022年、自転車にやさしい街として自転車3台を獲得しました。

温暖化対策の決め手と打ち出した自転車が快適に走れるように

ボクが目撃したのはカレーの駅からすぐのところ。橋だけでなく、その下にある運河沿いにも自転車通行レーンがしっかり整備されています。

欧州連合の欧州地域開発基金とオードフランス地域がこのエリアの再開発として共同出資した金額は186万8897ユーロだと、橋のたもとに案内板がありました。

3度目の訪問となった韮山…ではなくてアランベールの旧炭鉱跡

ランフェルデュノール…北の地獄とは

この日はパリ〜ルーベのコースで知られる石畳へ。ボクが「フランスの韮山反射炉」と呼んでいるアランベールがゴールです。ここはかつての炭鉱施設。2012年にユネスコ世界遺産に登録されました。

ツール・ド・フランスでは「アランベール・ポルト・デュ・エノー」という長い名前がゴールの表記になっていますが、ポルト・デュ・エノーはアランベールがあるノール県の共同体のこと。小さな町であるアランベールだけでは大会協力金が支払えないときに、こうして自治体としてその上にある組織に協力金分担をお願いすることがあります。

その結果、ゴール地点の名称に1つの街と1つの共同体が併記される。こういったことはツール・ド・フランスでは結構あることなのです。

このあたりはワイン生産地ではないので地ビール

2010年にアランベールは世界遺産登録前にツール・ド・フランス招致を実現。登録後の2014年に2度目の招致。このときはフルームが石畳手前の舗装路で落車、右手首を骨折してここでマイヨジョーヌを獲得したニーバリが総合優勝しています。

この日はゴールからわずか13kmほど走ってバランシエヌへ。日本ではアルコールを口にするのは2日に1回だけですが、ヨーロッパに来て毎日飲んでいるのでちょっと休肝。ケバブ屋さんで10ユーロの串焼きセットを買って、前日に比べたらかなり快適なお部屋でご飯を済ませました。

肝臓もたまに休まないといけないんですが、お財布も休ませたいというのが正直なところではあります。

これが炭鉱夫の作業服。手前は観光局スタッフ。カフェやミネラルウォーターをサーブしてくれる大会運営の男性も一緒に撮影

7月上旬の気持ちいい季節。町ではテラス席でゆったりと食事をする人たちがたくさんいます。フランスはもうパンデミックは終わったと信じたい気持ちが強いからか、病院やファーマシーに行くとき以外はマスク着用している人はいません。逆にマスクをしているからって、イヤな顔をされることはないんですけどね。

でも第7波の到来は間違いなく、PCR検査機関がていっぱいという情報も。帰国時の陰性証明入手に暗雲が。

どうなる?

ケバブのアンポルテ(テイクアウト)。イスラム教なのでアルコールではなくソフトドリンクが付く。赤ワインは撮影時の演出

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【ツール・ド・フランス現場雑感】翼をさずけたのはカモメだった

第109回ツール・ド・フランスは2022年7月4日、ダンケルク〜カレー間の171.5kmで第4ステージが行われ、マイヨジョーヌのワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)が残り11kmから独走して優勝した。

ファンアールトが3ステージ連続でマイヨジョーヌを着用 ©A.S.O. Pauline Ballet

ファンアールトはここまで3ステージ連続で区間2位だったが、「もうスプリントで2位になるのはいやだ」と心に秘めて走っていた。

この日もリーダージャージ防衛に徹してもいいはずだった。しかし攻撃は最大の防御とばかりアタック。「マイヨジョーヌが翼を与えてくれた」と、最後は両手で鳥の羽ばたきを演じながらゴールして大会通算7勝目を挙げた。

2022ツール・ド・フランス第4ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

2021年大会では第20ステージと第21ステージで優勝していて、ツール・ド・フランスでは6ステージにわたって1位と2位という記録を継続している。

ファンアールトは個人総合1位のマイヨジョーヌはもちろん、ポイント賞のマイヨベールも守った。

ダンケルクの海岸をスタートする ©A.S.O. Pauline Ballet

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

3日連続でアタックしたマグナス・コルト(デンマーク)とアントニー・ペレス(フランス) ©A.S.O. Pauline Ballet

港町カレーは英国との玄関口

パリの北180kmほどのアラスで3年ぶりとなるフランスでの最初の朝を迎えました。昨夜は寒くて暖房を入れました。窓の外ではウサギが盛んに跳ね回っていて、スマホで撮影を試みたんですが、なかなか動きが早くて。

カレーはこのツール・ド・フランス招致を契機に、プラージュ(海水浴場)を観光の目玉として打ち出していく

今朝は濃霧。麦畑に囲まれた街道筋のホテルをランニングで出発すると、迷子になりそうでした。でもGPSを起動しているので、「出発点に戻る」コマンドで帰れますよね。

iPhone 13 Proのズームレンズで英国のドーバーを撮影してみた

それにしても快適なホテルで、使ってはいないけどトレーニングルームとサウナも。そして見るだけでも鳥肌が立ちそうなプールも。朝食で久しぶりのフランスパンと2種類のバター(ドゥミセル=減塩とドゥー=無塩)を楽しみ、チェックアウトして北へ。

逃げた選手との差をメイン集団に伝えるスタッフは女性だ ©A.S.O. Pauline Ballet

ゴールのカレーに直接入り、この土地のものをビュッフェでいただきました。このあたりはワイン生産地ではないので、ベルギー産のビールが用意されていました。

ホテルはゴール地点からわずか1.5kmほどの町中。それほど治安がいいところではなく、ホテルも古くて質素。前日の清潔なホテルと比較すると、もちろん値段は半分ほどですが、あまり調子に乗るなよということだなと、肝に銘じて過ごすことに。

広告キャラバン隊がやってきた ©A.S.O. Aurélien Vialatte

カレーの街は何度か来ていて土地勘もあったので、港に向かって歩いていき、魚介類が売り物のレストランへ。ウインドブレーカーを着込んできましたが、潮の香りがするテラス席では寒すぎるので店内を選択。おいしくいただきました。

つくづく感じたのは、ファンアールトに翼を授けたのは間違いなくカモメですね。翌日の朝、カレーの港をランニングしていて確信しました。

ムール貝は最初の1つはフォークを使ってもいいが、その殻をピンセット代わりにしてガンガン口に運ぶ。フランス人でも観光客はそれを知らない人がいて、そんなんじゃ1時間かかるし
3ステージ連続で2位だったファンアールトがついにステージ勝利 ©A.S.O. Pauline Ballet

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山と峠にインスパイアされた酒「ヤマザケ ヤビツ峠」はサイクリストなら放っておけない

神奈川県秦野市に蔵を構え創業154年を迎える金井酒造店は、2022年7月4日より丹沢登山などで人気の山と峠の名前を冠する日本酒として「ヤマザケ 塔ノ岳」「ヤマザケ ヤビツ峠」300mlを販売。

金井酒造店の山と峠にインスパイアされたお酒、「ヤマザケ 塔ノ岳」「ヤマザケ ヤビツ峠」

自然環境との共存共栄を大切にし、丹沢をはじめとする登山・アウトドアレジャーなどの観光振興を応援している商品だ。

アウトドアレジャー×丹沢テロワール

「ヤマザケ 塔ノ岳」「ヤマザケ ヤビツ峠」は、登山、グランピング、ソロキャンプ、バーベキューなどのアウトドアレジャー、 および、テロワールとしての丹沢の恵みよりインスパイアされた日本酒。 

奈川県秦野市唯一の蔵元「金井酒造店」

憧れと親しみをこめたラベルの瓶に自慢の日本酒を瓶に詰めた。豊かな自然に想いを馳せながら、日本屈指の名水である丹沢山系から流れる豊かな伏流水からつくられる日本酒。アウトドアレジャーのお供として、親しい人への贈り物やお土産としていい。 

テロワール:もともとは「土地」を意味するフランス語terre。土壌・気候・地形・技術がもたらすその土地特有の性格や影響をあらわす言葉で、人間の制御だけではない、自然の要素について表現している。

●金井酒造店のホームページ