UAEツアーにUCIワールド18チームのエースクラスが出場へ

2019年のUAEツアーの出場チームと参加予定選手が1月28日に発表された。世界チャンピオンのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、グランツールを得意とするクリストファー・フルーム(英国、スカイ)などそうそうたる選手が集まった。

UAEツアーにビッグネームが集結

UAEツアーにはUCIワールドチームの18チームが出場し、エースクラスの出場が見込まれている。フルーム、バルベルデ、バーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)とローハン・デニス(オーストラリア)、サンウェブのトム・デュムラン(オランダ)、カチューシャ・アルペシンのマルセル・キッテル(ドイツ)、ドゥクーニンク・クイックステップのエリア・ビビアーニ(イタリア)の出場が決定。

これ以外にもトレック・セガフレードのリッチー・ポート(オーストラリア)、スカイのミハウ・クビアトコウスキー(ポーランド)、サンウェブのウィルコ・ケルデルマン(オランダ)、ドゥクーニンク・クイックステップのレムコ・エベネプール(ベルギー)、ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)、ロット・スーダルのカレブ・ユワン(オーストラリア)の名前が挙がる。UAEエミレーツチームではフェルナンド・ガビリア(コロンビア)とアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー)が調整中。

UCIプロフェッショナルコンチネンタルチームからは、ガスプロム・ルスベロ(ロシア)とノボノルディスク(米国)が出場権を得た。

●UAEツアーに出場するUCIワールドチーム
アージェードゥーゼル・ラモンディアル(フランス)
アスタナ(カザフスタン)
バーレーン・メリダ(バーレーン)
ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)
CCC(ポーランド)
ドゥクーニンク・クイックステップ(ベルギー)
グルパマFDJ(フランス)
ロット・スーダル(ベルギー)
ミッチェルトン・スコット(オーストラリア)
モビスター(スペイン)
ディメンションデータ(南アフリカ)
EFエデュケーションファースト(ドイツ)
ユンボ・ビスマ(オランダ)
カチューシャ・アルペシン(スイス)
スカイ(英国)
サンウェブ(ドイツ)
トレック・セガフレード(ドイツ)
UAEエミレーツ(UAE)

大会は2月24日に開幕し、7日間の日程でアラブの7つの首長国すべてを歴訪する。

2019ワールドツアー
1月15〜20日 サントス・ツアーダウンアンダー(オーストラリア)
1月27日 カデルエバンス・グレートオーシャンロード(オーストラリア)
2月24〜3月2日 UAEツアー(UAE)
3月2日 オンループ・ヘットニュースブラッド(ベルギー)
3月9日 ストラーデビアンケ(イタリア)
3月10〜17日 パリ〜ニース(フランス)
3月13〜19日 ティレーノ〜アドリアティコ(イタリア)
3月23日 ミラノ〜サンレモ(イタリア)
3月25〜31日 ボルタ・ア・カタルーニャ(スペイン)
3月27日 ドリダースブルージュ〜デパンヌ(ベルギー)
3月29日 E3ブリンクバンククラシック(ベルギー)
3月31日 ヘント〜ベベルヘム(ベルギー)
4月3日 ドワーズドール・フラーンデレン(ベルギー)
4月7日 ロンド・ファン・フラーンデレン(ベルギー)
4月8〜13日 ブエルタ・アル・パイスバスコ(スペイン)
4月14日 パリ〜ルーベ(フランス)
4月8〜13日 プレジデンシャルサイクリング・ツアー・オブ・ターキー(トルコ)
4月21日 アムステルゴールドレース(オランダ)
4月24日ラ・フレーシュワロンヌ(ベルギー)
4月28日リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ(ベルギー)
4月30〜5月5日 ツール・ド・ロマンディ(スイス)
5月1日 エッシュボルン・フランクフルト(ドイツ)
5月11〜6月2日 ジロ・デ・イタリア(イタリア)
5月12〜18日 アムジェン・ツアー・オブ・カリフォルニア(米国)
6月9〜16日 クリテリウム・デュ・ドーフィネ(フランス)
6月15〜23日 ツール・ド・スイス(スイス)
7月6〜28日 ツール・ド・フランス(フランス)
8月3日 クラシカ・サンセバスティアン(スペイン)
8月3〜9日 ツール・ド・ポローニュ(ポーランド)
8月4日 プルデンシャルライドロンドン・サリークラシック(米国)
8月12〜18日 ビンクバンクツアー(オランダ、ベルギー)
8月24〜9月15日 ブエルタ・ア・エスパーニャ(スペイン)
8月25日 ユーロアイズサイクラシックス・ハンブルグ(ドイツ)
9月1日 ブルターニュクラシック・ウェストフランス(フランス)
9月13日 グランプリシクリスト・ド・ケベック(カナダ)
9月15日 グランプリシクリスト・ド・モントリオール(カナダ)
10月12日 イル・ロンバルディア(イタリア)
10月17〜22日 グリー・ツアー・オブ広西(中国)

アンドレイ・グライペルが移籍後初勝利…ガボンのアミサボンゴ

たくましい肉体から「ゴリラ」の愛称で親しまれているアンドレイ・グライペル(ドイツ)が、フランスのアルケア・サムシックに移籍して初めての勝利を、1月26日にガボンで開催されたラ・トロピカルアミサボンゴ第6ステージで挙げた。

アンドレイ・グライペルが移籍後初勝利 © Team Arkéa – Samsic

「もちろん、このステージに勝つことができてとてもうれしいです。残り3km地点で3選手が先行していたが、チームはパニックにならずゴール勝負に持ち込もうと距離を縮めていた」とグライペル。

残り50mで3人のアシストがいたので、私の得意な距離からスプリントを開始した。チームがあきらめることなく仕事をこなしてくれたのがうれしい。第5ステージまで結果を残せなかったが、勝利することができて安堵している」

ガボンで開催されているラ・トロピカルアミサボンゴ © Team Arkéa – Samsic

チームは最も重要視するツール・ド・フランス出場権獲得を目指して、シーズン序盤から勝利を量産する必要がある。平たんステージを得意とするグライペルにかかる期待は大きく、舞台を本場欧州に移してからも勝利の量産が求められていく。

METの人気ヘルメット、リヴァーレHESにアジアンフィットの新色4モデル

イタリアの自転車ヘルメット専門メーカー、MET(メット)より2019年のニューモデル/カラーが日本に入荷している。METラインナップ中、最も人気の高いリヴァーレHESのニューカラーはMサイズのみアジアンフィットモデルだ。

ブラックレッド(2019ニューカラー、アジアンフィット)

MET リヴァーレHESの魅力

他モデルに比べコンパクトな形状で、風洞実験では他社製の競合ヘルメットに対し、時速50km走行時に3ワットの空気抵抗を削減。大きく開いた背面の通気口によってエアロ効果を維持しつつ、最大限のクーリング性能を発揮する。

シェル内側には1つのパーツで構成されたポリカーボネイト製の骨格が埋め込まれていて、落車時の衝撃を分散。軽量ながら高い安全性を備えている。

フィッティングシステムは周長を2mmごと、垂直方向にも4段階の調整が可能なSafe-T Advancedシステムを採用。

オプションのSafe-T USB LEDライトが装着できる。

2019年ニューカラー(4色)のMサイズのみ待望のアジアンフィットに対応。日本人の頭部形状にマッチするアジアンフィットはノーマルモデルと比べ、内部シェルがノーマルモデルに比べて3%ワイド化。外側シェルの形状変更は1%未満なので、従来と変わらずキノコ頭になりづらいコンパクトな形状。ノーマルモデルと同じくMサイズで230gの軽さをもつ。

◆仕様
Weight:M 230gL250g
Size:M54/58、L59/62
定価:1万3200円(税別)
車連公認予定

問い合わせ先=インターマックス

太田りゆがトラックワールドカップ最終戦女子ケイリンで2位

ガールズケイリンで活躍する太田りゆがUCIトラックワールドカップ第6戦の女子ケイリンで2位になった。

トラックワールドカップ第6戦の女子ケイリンで優勝したリー・ワイジー(香港)を中央に、左が2位太田りゆ、右が3位リーフーヤン・ジェシカ(香港) ©2019 JCF

全6戦で行われるUCIトラックワールドカップは、1月24日から27日にかけて、香港で第6戦が行われ、大会最終日の27日に女子ケイリンで太田りゆが銀メダルを獲得した。

女子ケイリンには今シーズン成長著しい小林優香と太田が出場。太田は決勝で地元香港の第一人者、リー・ワイジーの後方で素晴らしい伸びを見せて2位。ワールドカップのシーズン最終戦で悲願のメダル獲得となった。小林は準決勝で転倒・落車して決勝進出をのがした。

男子スプリントは深谷知広の11位が最高。女子オムニアム、女子スクラッチとともに上位へ入ることはできなかった。

トラックワールドカップ第6戦の女子ケイリンで残り1周を走る太田りゆ ©2019 JCF
トラックワールドカップ第6戦の女子ケイリン決勝 ©2019 JCF

太田りゆのコメント
すごく冷静に勝つことに集中して、なにがなんでもメダルが取りたいという気持ちで走った。今この時点で銀メダルが取れたことは素直に喜んでいいかなと思う。
ブノワコーチから「お前ならできる」と言われて始めた競技だが、何回も裏切るような結果しか出せていなかったので本当によかった。

男子スプリント
11 深谷知広(日本)
15 新田祐大(日本)
20 河端朋之(日本/JPC)

女子ケイリン
1 リー・ワイジー(香港)
2 太田りゆ(日本)
3 リーフーヤン・ジェシカ(香港/ジャイアント・マックスサクセススポーツプロサイクリング)
12 小林優香(日本/ドリームシーカー)※準決勝途中棄権、7-12位決定戦DNS

女子オムニアム
22 古山稀絵(日本)

女子スクラッチ
10 鈴木奈央(日本)

ニュージーランド サイクルクラシックはルバ総合5位、最終Sは大久保陣8位

KINAN Cycling Teamの2019年初戦、ニュージーランド サイクルクラシック(UCIオセアニアツアー2.2)は、1月27日の第5ステージをもって閉幕。個人総合ではトマ・ルバが5位として、UCIポイント15点を獲得。また、このステージはスプリントでの争いとなり、大久保陣が8位でフィニッシュしている。

ニュージーランド サイクルクラシック第5ステージ ©KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

23日に開幕した大会は、大久保や中島康晴がスプリントでステージ上位をうかがったほか、前日の第4ステージではトマが5位でフィニッシュ。総合争いが動くと見られたクイーンステージでまずまずの走りを見せ、チーム力を示してきた。

そしていよいよ最終日。第5ステージは、大会の拠点都市であるケンブリッジを発着点とする143.3km。スタート後、1周8kmの第1周回を8回まわり、進路をケンブリッジ方面へと戻しつつ同じく8kmの第2周回へ。ここも8周回して、ケンブリッジのフィニッシュ地点を目指す。平坦基調のステージに臨むにあたって、チームはトマの総合成績を確定させることを大前提としつつ、大会を通じて調子を上げてきた大久保を軸としたスプリントにもトライしていくことを確認した。

こうして始まったレースは、アタックが散発しつつも決定的な動きがないまま進行。KINAN勢は集団内に位置して序盤を過ごす。第1周回に入り、一時的に大人数が先行した際には中島が前方のチェックに動いたが、集団が容認することはなく再び一団に。スタートから50kmを迎えようかというタイミングで、ようやく4人の逃げが決まった。

以降も総合上位陣が絡む追走グループが形成されたが、リーダーチームのエヴォプロサイクリングを中心にメイン集団がレースをコントロール。先頭とのタイム差を2分15秒前後でキープし、第2周回でも着々と距離を消化していった。

この間、淡々とレースを進めたKINAN勢は、5人がまとまって展開。少しずつポジションを前へと上げていきながら、スプリント態勢を整えていった。

メイン集団は残り30kmを切ったあたりからスピードアップを図り、逃げる選手たちとのタイム差を縮めていく。完全に射程圏内へと捕らえ、やがて労せず吸収。勝負はスプリントにゆだねられた。

大久保での上位進出を狙うKINAN勢は、トマのポジションキープに始まり、山本大喜、新城雄大もリードアウトに加わる。そして中島の引き上げから大久保を加速させる構え。残り1kmは急斜面を下りながら最終の左コーナーへ。そして残り600mから一気に駆け上がり、フィニッシュへ飛び込む変則的なレイアウト。

このコース設定により集団前方が大混戦となる中、大久保は前方を押さえてスプリントを開始。最後はコンディションの差もありオーストラリア勢らの後塵を拝すも、8位とまとめてみせた。このほか、トマ、中島、新城と続き、しばらくして山本もフィニッシュラインを通過した。

これらの結果から、最終的にトマが前日からの個人総合5位を確定させた。UCIポイント15点をチームにもたらすとともに、シーズン初戦としてはまずまずの成果を収めた。シーズン初戦を終えた選手たちは一様に、長いシーズンを見越して調子を上げていくとともに、連携強化を図っていく必要性を実感。ニュージーランドでの5日間は収穫と課題を十二分に得た、刺激的なツアーとなった。

戦いを終えたチームは近日中に帰国し、トレーニングやイベント出演などをこなしていく予定。なお、次戦についても早い段階で公表できる見通しとなっている。

大久保陣

大久保陣のコメント
「スプリントまで持ち込むところは予定通りだったが、(変則レイアウトの)残り1kmは脚にきてしまっていた。目標としていた表彰台には届かなかったが、(8位に入った)第3ステージとは違った収穫が得られたので、さらに高めていきたい。
今大会はコンディション面で苦しんでしまい、スプリントにトライできたとはいえ表彰台に届かなかったあたりは反省点。まずは結果を出したい。チームの雰囲気がよく、どの選手も実力・経験ともに申し分ないので、その中でエーススプリンターを任せてもらえるよう取り組んでいきたい」

トマ・ルバのコメント
「個人総合5位という結果は悪くない。前日の上りにしても、チームで取り組んだスプリントにしても、日々状態は高まってきている。とはいえ、今日のステージも完ぺきとは言えないし、シーズン初めでもあるので今後のトレーニングで強化していきたい。個人的には春のレースでしっかり結果を残したいと考えている。次のレースを楽しみにしている」

伊豆大島往復が6割引きの3980円…大型客船で行くサイクルキップ発売

首都圏から気軽に行ける自転車パラダイスとして人気の伊豆大島に、期間限定で大きくディスカウントされた大型客船キップが東海汽船から販売された。実施期間は2019年1月27日(日)夜発から2019年4月7日(日)帰着。おとな往復2等料金は通常9360円(1月)だが、期間中は3980円・こども1980円(税込み)。輪行袋に入れれば手荷物料金なし。片道1500円で自転車をそのまま持ち込めるサービスもある。

伊豆大島の最北端に近い野田浜

伊豆大島往復の大型客船は毎日出港。東京の竹芝客船ターミナルを22時に出航し、大島に翌日午前6時に到着。午後2時30分に帰路の便が大島を出航し、平日午後7時・土日午後7時45分に竹芝に到着する。伊豆大島の滞在時間は8時間ほどで、大島一周46.6kmを走っても、温泉で汗を流し、食事をする余裕がある。

夜行の大型客船となるが、2等リクライニングシート限定となる。要予約で電話で簡単に申し込める。また宿泊希望者は大島温泉ホテルを1泊2食付き9870円(土曜と2月10日は1万1870円)=2名以上の場合=で利用できる。

輪行袋に収納すれば手荷物料金は不要
2等リクライニングシート限定だが、土曜日夜発でもごらんのように空いていた
往復3980円で伊豆大島を往復できるサイクルキップ

●伊豆大島は自転車パラダイス…ただし特殊な事情で対策が必要

クルマの交通量が少ないのが離島の魅力だが、都心部からのアクセスもいい伊豆大島に自転車を持ち込んでサイクリングするのがいま一番のオススメ。ノンビリ派は大型客船。高速ジェット船なら1時間ほどで上陸できる。ただし特殊な事情があって難題もある。それらを賢くこなして温暖な島でサイクリングを楽しみたい。

輪行袋に入れれば大型客船に無料で自転車を持ち込める。航路は自転車にやさしい旅なのだ

海底火山の噴火によって形成された伊豆大島は周囲52kmのラグビーボールのような島だ。標高758mの三原山が中央にあり、グルッと一周する大島一周道路がある。ロードバイクならこの一周道路が走りごたえあり。MTBなら裏砂漠と呼ばれる三原山の東麓が楽しいはずだ。

都内から日帰りで伊豆大島サイクリングをやるなら、東京都港区の竹芝桟橋から出航する高速ジェットを活用するのが一番。午前8時に出航し、10時20分には大島に着く。大島を発つのは15時30分なので、健脚派のサイクリストなら大島一周道路を周回できるはず。2月から3月は椿まつりのシーズンで、高速ジェットは神奈川の久里浜港や千葉の館山港からも出発する。伊豆半島の熱海・伊東・稲取からも定期的に出航する。

竹芝桟橋を夜に出航する大型客船はレインボーブリッジをくぐって太平洋に向かう

ただし高速ジェットは滞在時間が5時間ほど。もっとのんびり走りたいなら、前日の夜遅くに竹芝桟橋を出航する大型客船に乗り、朝早くからサイクリングを始めればいい。大島到着は午前6時で、大島出航は14時10分なので、8時間の滞在時間がある。さらに時間を延ばしたいなら往路は大型客船、復路は高速ジェットという手段も。あるいは1泊2日でのんびり楽しむのもいい。

大型客船は早朝に伊豆大島に着岸。午後2時過ぎの東京行きまで存分に走り回れる

気をつけなければいけないのが、大島の特殊事情だ。風向きなどの天候状況で到着・出発する港が元町港か岡田港かに変更されるのだ。つまり手荷物をコインロッカーなどに預けておくことができない。というか基本的にコインロッカーは元町フェリーターミナルにごくわずかあるだけだ。ベテランサイクリストは岡田港の乗客待合室にある棚に自己責任で輪行袋などを置いておくというが、そもそも帰路の出航が岡田港になるとは限らず、持ち込んだ手荷物は身につけて大島をサイクリングするしか手段はない。

伊豆大島には大島港と岡田港があって、天候によってどちらかに出入港する

大型客船を例に取ると、帰路の船の出航が14時過ぎなので、13時には帰着していたい。そのため朝6時に伊豆大島に到着したら、準備を整えてスタート。休憩時間を除いて5時間あれば、平均時速は10kmで十分に観光できるお気楽サイクリングだ。島で最も栄えている元町に着いたら食事を取ったり、日帰り温泉で汗を流したりする時間もある。もしお風呂に入る余裕がなくても、海路ののんびりとした旅は大型船の中でシャワーを浴びる時間もたっぷりとある。

初めて伊豆大島を一周するなら、上りが比較的容易な右回りで走るのがいい。元町の集落から海岸沿いのサンセットパームラインを北上する。天気がそれほどよくなくても対岸に伊豆半島が見え、富士山も一望できるはずだ。5kmほどで最北端の野田浜に到達したら、ここから小径を通って岡田港へ。大島一周道路が出現するので、いよいよロードバイクの高速走行へと移行する。

サンセットパームラインからは対岸の伊豆半島や富士山がよく見える

あれ? ところが意外とアップダウンが多いのだ。泉津の集落あたりは体力もあって快調に飛ばせるが、椿園がある都立大島公園で大休止したくなる。じつはここからいきなりの激坂が待ち構えている。大島一周道路というくらいだから海岸に沿うように平らな道が続くのかと想像していたが、東海岸のルートは三原山の山麓まで上る。「なんで上らなきゃいけないの!」というくらいに上る。加えて自販機もコンビニもない。このルートを行くときは十分な水分と食糧を携行していかないと大失敗する。しかもすれ違う車両は数台しかないので、とにかくゴールまで自力でたどり着かないといけない。

ようやく上り坂を終えると、筆島までの一気のダウンヒル。真っ青な海に飛び込んでいくかのようなダイナミックさがある。それを過ぎると波浮(はぶ)の港。演歌な気分にひたりたいのだが、船の出航時間が気になって先を急ぐことになるはず。波浮と元町の間はそれなりに交通量が増えるが、それでも快適だ。このルートはアップダウンもそれほどでなく、ほどなく元町にゴール。

港近くの料理屋で地魚をつつきながら、サイクリング後の疲労感を味わうのがおすすめ。キツかったことはすぐに忘れてしまい、自転車仲間を誘ってもう一度来てみたいなと思うはずだ。

伊豆大島は自転車パラダイス

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