クスが4年ぶり勝利…マルティネスが最年少のリーダーに【ブエルタ・ア・エスパーニャ】

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年8月31日、ラバイドゥイショーからハバランブレ天文台までの183.5kmで第6ステージが行われ、ユンボ・ビスマのセップ・クス(米国)が独走勝利。2019年以来となる通算2勝目を挙げた。

アシストとしてグランツール全出場のクスが4年ぶりのステージ優勝 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

総合成績では、前日まで17秒遅れの総合3位につけていたグルパマFDJのレニー・マルティネス(フランス)が26秒遅れの区間2位に入って首位に。レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)は3分24秒遅れの区間24位とブレーキ。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第6ステージ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

ボクは総合優勝するためでなく、ステージで勝つためにいるんだ

「信じられないほど難しいステージだった。クイックステップをテストするためだけにブレイクアウェイに挑戦した。コントロールするのが難しい日になるだろうと分かっていたので、それが第一の目的だった」とクス。

クスはディラン・ファンバーレとともに第1集団に加わった。ヤン・トラトニクとアッティラ・バルテルも協力した。

「彼らの仕事にとても感謝しなければならない。一日中、とても​​いい気分でした。いつ行くか、いつ試すかだけを考えていた。アタックしてからゴールまでの上りの間ずっと、ブエルタ・ア・エスパーニャをただ楽しんでいた。それはいつも特別なレースだ。もちろんボクはブエルタ・ア・エスパーニャに勝つためにここにいるわけではない。ボクはステージで勝つためにここにいるんだ」

アシスト選手に引っ張られて走るマイヨロホのエベネプール(中央) ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

マルティネスは3代すべてプロ自転車選手の系譜

総合1位に立ったマルティネスは今季グルパマFDJからプロデビューしたばかり。20歳と51日でマイヨロホを着用したが、これまでのミゲール・インデュラインの記録を塗り替えてブエルタ・ア・エスパーニャ史上最年少のリーダーとなった。

父のミゲールは2000年のシドニー五輪マウンテンバイク・クロスカントリーの金メダリスト、同年のマウンテンバイク・クロスカントリー世界チャンピオン。さらに祖父のマリアノは1978ツール・ド・フランスの山岳王で、1978年と1980年にツール・ド・フランスで各1勝している。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第6ステージ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

「私にとって本当に信じられないことだ。レースのスタート時には、ジャージを獲得できたら素晴らしいだろうと思っていたが、今日それが実現した。チームのおかげで、彼らは長い間とても力強い走りを見せてくれた」とマルティネス。

「逃げの集団に幸運にも加わることができた。最後の上りに入ったところで大きなリードがあったので、計画を変更した。総合順位のためにボク自身がタイムを稼ぎ出して、ステージ優勝とリーダージャージを争う。ルディ(モラール)とマイケル(ストーラー)のおかげだ。彼らは自らの選択肢を犠牲にして一日中一生懸命走ったので感謝したい。このジャージを手に入れることができてとてもうれしいが、これはチームレースだ。なにが起こっているのかまだ理解できないけど、素晴らしいレースだった」

最後の上りでアタックしたログリッチが後方のビンゲゴーらを確認する ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)レニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン、ロット・デスティニー)
□マイヨブランコ(新人賞)レニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ)

大会史上最年少の20歳で首位に立ったマルティネス ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

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グローブスがスプリントで2連勝…ポイント賞もトップ【ブエルタ・ア・エスパーニャ】

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年8月30日、モレリャ〜ブリアナ間の186.5kmで第5ステージが行われ、カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)が大集団のゴール勝負を制し、前日に続いて優勝。大会通算3勝目を挙げた。

2連勝したグローブス(左から4人目)とチームメート ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

総合成績ではレムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がその座を守った。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第5ステージ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第5ステージ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
マイヨロホを着用するエベネプール ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン、ロット・デスティニー)
□マイヨブランコ(新人賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

グローブス(左から2人目)がフィリッポ・ガンナを制して2連勝 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

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岐阜県の西美濃でサイクルツーリズム…アプリを使っていつでも参加可

岐阜県の西美濃エリアで「ツール・ド・西美濃 2023~ライドアラウンド編~」が2023年9月16日から10月15日までの1カ月間開催される。主催はツール・ド・西美濃実行委員会。

大野町の野古墳群を走る

期間型での開催は2023年で3回目となり、今回から一般社団法人ルーツ・スポーツ・ジャパンが提供する新しいサイクリングアプリ「TraVelo」(2023年9月1日リリース予定)を使ったイベントとなる。

地図上に表示されるスポットをイベント期間中に自転車で巡り、訪れたスポットにチェックインすることで獲得できるポイント数を競うイベント。ポイントはスポットを訪れるだけでなく、指定されたスポットで「お題」をクリアすることでも獲得できる。街全体がテーマパークであるように、期間内であればいつでもどこからでも、自転車があればだれでも気軽に参加できるサイクリングイベント。

揖斐川の支流、根尾川沿いの土手を走る

9月16日には、イベントの開始を祝してオープニングセレモニーを実施予定で、スペシャルゲストの「愛あむ」さんによるイベント紹介や、西美濃各地の特産品などが当たる抽選会を行う。事前に申し込みをした人には先着50人にオリジナルサコッシュをプレゼント。

ツール・ド・西美濃 2023~ライドアラウンド編~
期間:2023年9月16日(土)~10月15日(日)
主催:ツール・ド・西美濃実行委員会
事務局:ツール・ド・ニッポン事務局
●ツール・ド・西美濃 2023~ライドアラウンド編のホームページ

グローブスが最初の平坦区間でスプリント優勝【ブエルタ・ア・エスパーニャ】

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年8月29日、アンドラの首都アンドララベリャからスペインのタラゴナまでの185kmで第4ステージが行われ、カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)が大集団のゴール勝負を制し、2022年の1勝に続く大会通算2勝目を挙げた。

カーデン・グローブス(左)がフアン・モラノを制して優勝 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

総合成績では前日に首位に立ったレムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がその座を守った。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
アンドラをスタートする第4ステージで、この国を拠点とする新城幸也が訪れた ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

ベルナルがジャーナリスト選出のフェアプレー賞

イネオスグレナディアーズのエガン・ベルナル(コロンビア)が第4ステージのスタート地点で特別ジャージを受賞した。白、黒、黄色のストライプにハグのシルエットが描かれたジャージは、セネガルの子供たちに持続可能な通学交通手段として自転車を提供する慈善団体がプロデュースしたもの。

ジャーナリストが選出するフェアプレージャージを獲得したエガン・ベルナル ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

ベルナルは第3ステージで苦戦するチームエースのゲラント・トーマス(英国)を献身的にアシスト。どちらもツール・ド・フランスの総合優勝者だが、そんな栄冠を持つベルナルが自らの成績を犠牲にしてエースのために走るというシーンが注目された。

同賞は大会を取材するジャーナリストの投票によって選出されるが、ベルナルのフェアプレー精神が高く評価された。

大会のリーダージャージと同様にサンティーニ社が制作するが、レースでは実際に着用せず、記念品として持ち帰るという。

サンティアゴ・ブイトラゴ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン、ロット・デスティニー)
□マイヨブランコ(新人賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

カーデン・グローブスがポイント賞でトップに ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

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2023ブエルタ・ア・エスパーニャ出場176選手リスト

エベネプール優勝でブエルタ3日目にして首位に…ゴール後に負傷も

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年8月28日、スリアから隣国アンドラのアリンサルまでの158.5kmで第3ステージが行われ、連覇を狙うレムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がゴール前で抜け出して優勝。

連覇を狙うエベネプールが最初の山頂フィニッシュを制した ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

2022年の2勝に続く大会通算3勝目を挙げたエベネプールは総合成績でもトップに立ち、EFエデュケーション・イージーポストのアンドレア・ピッコロ(イタリア)からマイヨロホを奪った。

ガッツポーズの直後に関係者と接触して負傷したエベネプール ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

いい準備ができていたことを示す勝利だ(エベネプール)

「忍耐強く待つというのがチームの戦術だった。最後の下りで先頭を固めたが、それがいい結果につながった。最後の上りは長くて非常に力強いスプリントができたのでとてもいい気分だった。だからこのステージ勝利にはとても満足している」とエベネプール。アンドラは標高の高い場所で、美しい勝利だったとも語った。

「チームにとって、逃げを捕まえることはとてもいいことだけど、逃げたレナード・ケムナを捕まえたとき、ボクはステージ勝利に集中しなければと決めた。脚にまだ大きなパワーが残っていると感じた。3日目にしてマイヨロホを獲得できたので、これを着て楽しむつもりだ。これはボクの準備がよかったことを示したもので、今後の3週間の準備もできていると感じている」

UAEエミレーツのジェイ・バインらが集団をペースアップ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
ログリッチはエベネプールから1秒遅れてゴール ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
マイヨベルデ(ポイント賞)アンドレア・ベンドラーメ(イタリア、AG2Rシトロエン)
マイヨルナレス(山岳賞)マッテオ・ソブレロ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)
□マイヨブランコ(新人賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

ユンボ・ビスマのセップ・クスはグランツール全出場 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

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2023ブエルタ・ア・エスパーニャ出場176選手リスト

モンジュイックの丘でクロン独走…首位は残り9km地点をトップ通過したピッコロ

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年8月27日、マタロ〜バルセロナ間の182kmで第2ステージが行われ、バルセロナ郊外のモンジュイックの丘を駆け上がる残り4km地点でロット・デスティニーのアンドレアス・クロン(デンマーク)が抜け出して初優勝した。

第2ステージのラスト4kmで抜け出して優勝したクロン ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

初日に首位に立ったDSMフィリメニッヒのロレンツォ・ミレージ(イタリア)はレース序盤のアクシデントで脱落。レースはさらに濡れた市街地の路面が危険なことから残り9kmを通過した時点のタイムを総合成績に反映。序盤から逃げていた5選手の一人、EFエデュケーション・イージーポストのアンドレア・ピッコロ(イタリア)がトップ通過したことから、同選手が首位になった。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第2ステージ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023
雨に見舞われた第2ステージでは機材交換が相次いだ ©Unipublic Charly Lopez
モンジュイックの丘 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023
モンジュイックの丘でアタックしたクロン ©Unipublic Charly Lopez

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)アンドレア・ピッコロ(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト)
マイヨベルデ(ポイント賞)アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー)
マイヨルナレス(山岳賞)マッテオ・ソブレロ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)
□マイヨブランコ(新人賞)アンドレア・ピッコロ(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト)

総合1位に躍り出たピッコロ ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

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