パリ五輪ロードの出場枠はスロベニアとデンマークが4、日本は男女各1

2024パリ五輪の自転車ロード競技における国・地域別出場枠が、10月17日のUCIランキングによって配分された。男子はタデイ・ポガチャルとプリモシュ・ログリッチのスロベニア、レムコ・エベネプールのベルギー、ヨナス・ビンゲゴーのデンマーク、英国、フランスが最大4枠を獲得した。

マラソン、競歩、トライアスロン、マラソンスイミング、自転車ロードレースの会場となるイエナ橋 ©Paris 2024

女子はデミ・フォレリングとアネミエク・ファンフルーテンのオランダ、ロッテ・コペッキーのベルギー、イタリア、スイス、ポーランドが4枠を獲得した。

日本は男女とも1枠を確保した。

パリ五輪は史上初の全競技・男女同数開催

2024パリ五輪自転車ロード競技には、男女各90選手が参加。そのうち80選手は、以下の国・地域の世界ランキングによって配分される。

ランキング1~5位の国:4枠
ランキング6位から10位の国:3枠
ランキング11~20位の国: 2枠
ランキング21位から45位の国:1枠

開会式はセーヌ川を各国選手団が船に乗って行進する ©Paris 2024 / Florian Hulleu

残りの出場枠は、2023年のロード世界選手権において、世界ランキングで出場枠を獲得していない上位2カ国に出場枠1が、アフリカ、アジア、米大陸選手権の1位と2位に最大で1枠が与えられる。

開催国フランスは10月17日のUCI国別世界ランキングによって出場枠を獲得したため、開催国に与えられる男女各2枠は、ランキングで次点の国に再割り当てされる(国ごとに最大1)。 UCIは11月15日までに各NOCと各国自転車連盟に割り当て枠を通知する。NOCは12月15日までにこれらの割り当て枠を使用するかをUCIに伝える必要がある。未使用の出場枠は、10月17日のUCI国別ランキングに従って再割り当てされる。

男子ロードのコース(クリックすると拡大します) ©Paris 2024
2024パリ五輪のロードサイクリング出場枠: 男子ロードレース
国・地域出場枠
ベルギー4
デンマーク4
スロベニア4
英国4
フランス4
スペイン3
オランダ3
イタリア3
オーストラリア3
米国3
スイス2
ポルトガル2
コロンビア2
ノルウェー2
ドイツ2
オーストリア2
アイルランド2
カナダ2
カザフスタン2
ニュージーランド2
エリトリア1
個人ニュートラル選手1
エクアドル1
ポーランド1
ラトビア1
モロッコ1
チェコ1
ハンガリー1
モンゴル1
日本1
アルジェリア1
スロバキア1
ウズベキスタン1
ルクセンブルク1
ギリシャ1
南アフリカ1
ベネズエラ1
イスラエル1
エストニア1
トゥルキエ1
パナマ1
タイ1
アルゼンチン1
ウクライナ1
中国1
女子ロードのコース(クリックすると拡大します) ©Paris 2024
2024パリ五輪のロードサイクリング枠: 女子ロードレース
国・地域出場枠
オランダ4
イタリア4
ベルギー4
スイス4
ポーランド4
英国3
オーストラリア3
フランス3
ドイツ3
カナダ3
デンマーク2
米国2
オーストリア2
ニュージーランド2
スペイン2
南アフリカ2
ウズベキスタン2
ノルウェー2
スロベニア2
中国2
個人ニュートラル選手1
フィンランド1
ウクライナ1
タイ1
ルクセンブルク1
スウェーデン1
コロンビア1
チェコ1
中国香港1
キューバ1
韓国1
ルワンダ1
アイルランド1
個人ニュートラル選手1
セルビア1
スロバキア1
モーリシャス1
ブラジル1
チリ1
アルジェリア1
ナミビア1
キプロス1
日本1
イスラエル1
ポルトガル1
©Philippe Millereau / KMSP / DPPI

パールイズミのポケッタブルなウィンドシェルは秋冬ライドに欠かせない

国内最大手のサイクルアパレル、パールイズミが2023年秋冬新商品として「ストレッチ ウィンドシェル」と「ストレッチ ウィンドシェル ベスト」をリリースした。

「ストレッチ ウィンドシェル」はバタつかないスリムフィットのシルエットに、優れた防風性と撥水性を備えたサイクリン グのマストアイテム。ストレッチ性の高い動きやすい素材で、バックポケット、上下開閉ファスナー、ムレを防ぐ背面の撥水メッシュ、携帯に便利なポケッタブル仕様など使い勝手を追求したさまざまな仕様を搭載している。

2300 / ストレッチ ウィンドシェル(ネオンイエロー)
小さく畳んでポケットに収納、ポケッタブル仕様(W125 ×H170mm)

2300 / ストレッチ ウィンドシェル

【カラー】1. ブラック 2. フォグ 3. ネオンイエロー
【価格】13,750円(税込)
【サイズ】XS, S, M, L, XL,3L(ユニセックス)
【商品特徴】
□ 薄くて軽量、ストレッチ性のある素材、ウィンドシェル採用
□ 上下開閉フロントファスナー
□ 小さく畳んでポケットに収納できるポケッタブル仕様(W125×H170mm)
□ 3バックポケット

2310 / ストレッチ ウィンドシェル ベスト

同じ仕様のベストタイプ「ストレッチ ウィンドシェル ベスト」も便利。

2310 / ストレッチ ウィンドシェル ベスト(フォグ)

【カラー】1. ブラック 2. フォグ 3. ネオンイエロー
【価格】12,650円(税込)
【サイズ】S, M, L, XL(ユニセックス)
【商品特徴】
□ 薄くて軽量、ストレッチ性のある素材、ウィンドシェル採用
□ 上下開閉フロントファスナー
□ 小さく畳んでポケットに収納できるポケッタブル仕様(W125×H170mm)
□ 3バックポケット

●パールイズミのホームページ

自転車フレームに特殊被膜処理すると掃除が楽になる以外の効果も

大切な愛車だからいつまでも購入時のような美しさで乗っていたい。汚れの原因は路面の泥やホコリ、身体から落ちる汗などだ。それをフレームに特殊な被膜を形成することでブロックしてしまえ。見た目だけでなく、不具合の早期発見ができたり、巡航速度もわずかに高くなったりする。そんな最先端技術のスゴさを体感するためにフレームコーティングをやってみた。

ワイズロード新橋店の冨山さんが施工してくれた

カーボディの特殊被膜処理で有名なKeePerが自転車フレームにも

カー・オブ・ザ・イヤー審査員も務める知り合いのモータージャーナリストが、「愛車をこまめに洗車すると事故率が低下する」と言っていた。車両の不具合が発見しやすいということのほか、愛車を大事にする人は安全運転の意識が高いという傾向を分析した発言だ。これにはなるほどと思ったが、同時に自転車にもあてはまると気づいた。普段から自転車をピカピカに磨き上げる人はトラブルを未然に防げる確率が高くなる。だから記者も日々、所有するカーボン製ロードバイクはピカピカを心がけてきた。

特殊被膜処理が右側。未処理部と比べるとしっとりとした美しさが加わる

ところが購入して13年半が経過すると、フレームに付いた汚れが落ちにくくなってきた。明らかに表層のコーティングがなくなったからだ。今回はカーボディの特殊被膜処理で有名なKeePerがワイズロード新橋店で施工してくれることを聞き、愛車を持ち込んだ。本来は新車を購入した際のオプションだが、その効果を調べるためのテストだ。

2層のコーティング膜をていねいにフレームに形成させる

メカニック歴11年の冨山政喜さんによればフレーム素材はアルミや鉄などどんなものでもできるという。

「時計や靴を点検するように、定期的にきれいにすると愛着が増していく。それと同じです。自転車は相棒なので」などと話してくれながら1時間足らずで皮膜処理。できあがったものを見てみると、新車当時の美しい輝きが復活していた。さらにフレームを手に持ってみるとビロードのようになめらかになっていることに驚いた。

塗りむらや拭き残しがないかライトを当ててチェック

新車なのに被膜処理するメリットがあるのかといえば、汚れがはじかれるから美しい状態がこれまで以上に持続する。保護層が形成され、傷つきにくくなるという利点もある。走ったあとの掃除も簡単で、点検もしやすい。被膜処理した愛車で翌日にはサイクリングに出かけてみると、泥跳ねを完全にはじき飛ばすほどの効果があり、走り終わって掃除してみてもウエスさえ汚れないほどだった。

ピカピカの新車によみがえって走りも軽快

自動車ではボディに被膜処理すると燃費効率も良くなる。同様に自転車もそれほどではないが空気抵抗の低減になるようだ。手元のGPSデバイスによる走行ログでは時速1kmほど速くなった。気象条件や体力レベルが不統一だが、感覚的にも風を切って走っていたという感触がある。きれいな自転車でうれしいという気分の高揚も後押ししたのかも。

まあ、掃除が楽だとか速く走れるという現実的な面もあるが、ピカピカの自転車はカッコいい。いつまでも買ったときのままでいたいならコーティングはありだなと思った。

ワイズロード新橋店

関東を中心に34店舗を持つスポーツ自転車専門店のワイズロード。新橋店は駅烏森口から3分。4大ブランドのコーナーがあり他店では在庫されない注目モデルも。KeePer施工できるメカニックは冨山さんを含めて3人在籍。
●ワイズロード新橋店のホームページ

ワイズロード新橋店

最高グレードのEx KeePerは2万円で3年間効果が持続

今回お願いしたのは最高グレードのEx KeePer。高密度ガラスと有機レジン被膜の2層で深い透明感のある仕上がりが特徴で2万円(以下全て税込み)。1万円、5000円のコースもあり、どれも3年間は効果が持続する。

新車のときの輝くを取り戻したクォータKOM

自分の走りができず自信が持てない日々が続いた…一山麻緖パリ五輪へ

東京五輪女子マラソン代表の一山麻緖(資生堂)が、10月15日に行われた2024パリ五輪マラソン日本代表を決めるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で2位となり、パリ五輪行きの切符をつかんだ。

一山麻緖(資生堂)が東京に続いてパリ五輪の出場権を獲得 ©東京マラソン財団

「雨の中でたくさんの人たちが応援をしてくれて、今まで陸上をしてきたなかで一番うれしかった2位となりました。パリの切符が取れてホッとした気持ちです」という一山。

4年前に女子最年少で臨んだMGCではいい走りができず、最後の1枠をかけたマラソンファイナルチャレンジで競り勝った末の東京五輪代表。それだけに「今日内定が決まってうれしい」と安堵の表情を浮かべた。

MGC女子レース ©東京マラソン財団

この2年間、とりわけ1年間はパッとした成績が出せず、目標としていた世界陸上も走れなかった。「自分の走りができなかった。自信が持てない日々が続いた」という。

この日はレース中盤、それまで先頭を走っていた前田穂南(てんまや)に代わって主導権を握った。

前田穂南は前半戦で先頭を走ったが、最後は失速 ©東京マラソン財団

「自分のリズムで行きたかったので、自信があったわけではないが予定よりも早く前に出た。ラップタイムは見ていなかった。残り4kmで太股の後ろに疲れが出たので苦しかった。後ろとの差があまりないとわかっていたのでドキドキしながら走っていた」

3位と差が少なく、最後は必死で走ったという。

一山麻緒が2位でパリ五輪代表を決めた ©東京マラソン財団

「東京が終わってからパリに行きたいとずっと思って今日まで来たので、東京とは違うアプローチでもっといい走りをしたい」

パリ五輪出場を決めた、左から一山麻緖(資生堂)、鈴木優花(第一生命グループ)、小山直城(ホンダ)、赤崎暁(九電工) ©東京マラソン財団

田中希実、廣中璃梨佳の活躍にも焦らず身につけたレース運び…鈴木優花MGC優勝

2024パリ五輪マラソン日本代表を決めるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)が10月15日、東京の国立競技場を発着として都心部を走る42.195kmで行われ、女子は鈴木優花(第一生命グループ)が優勝、一山麻緖(資生堂)が2位となり、ともにパリ五輪行きの切符をつかんだ。

鈴木優花(第一生命グループ)がMGC女子優勝 ©東京マラソン財団

レースは激しい雨の中、中盤から一山と細田あい(エディオン)が抜け出した。これに対して鈴木は終盤にその差を詰めていき、最後は逆転。「リラックスして走れていたので最後は集中できた」と勝因を語った。

MGC女子レース ©東京マラソン財団

「このレースで2番以内になればパリ五輪の出場権は取れるけれど、国内で一番を取らなければいけないと思っていたので、最後はしっかりと勝ちに行く走りに徹した」という。

東京五輪のときは同級生の田中希実、1歳下の廣中璃梨佳が活躍して、「自分はまだ低い位置にいるな」と痛感。「ネガティブ思考から脱却しなくちゃ」という思いを強くした。覚悟を決めてからは勝負するために練習を積み重ねてきた。

前田穂南は前半戦で先頭を走ったが、最後は失速 ©東京マラソン財団

「練習ではひたすら前を追って無心に走った。無心になることで実力の積み重ねができた。一番変わったのは思考回路。高校駅伝のときは前を行く選手全員を追い抜いてやろうと必死になったけど、今は冷静に走ることができている」。

パリ五輪出場を決めた、左から一山麻緖(資生堂)、鈴木優花(第一生命グループ)、小山直城(ホンダ)、赤崎暁(九電工) ©東京マラソン財団

この日はその冷静さが結実。無理にペースアップをせず、先行する細田、そして一山が落ちていくのを見計らった。「潜むようなレース運び」を身に着けた最年少24歳の優勝だった。

一山麻緖(資生堂)が東京に続いてパリ五輪の出場権を獲得 ©東京マラソン財団

35kmまで追いつかれないとは思わなかった…MGC激走の川内優輝

2024パリ五輪マラソン日本代表を決めるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)が10月15日、東京の国立競技場を発着として都心部を走る42.195kmで行われ、川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)がスタート直後から35km地点まで独走。最後は4位になったが、「勇気を持つのが選手権大会。集団に埋もれて走るより、悔いのない走りがしたくて」と気を吐いた。

4位でゴールした川内優輝。左は3位大迫傑 ©東京マラソン財団

昨日まで読んでた漫画『奈緒子』の主人公になった気持ちで、先頭を突っ走っていたという。

「ペースメーカーはいない。雨も降っていて、風も強い。そんな中でも勇気を持つというのが選手権レース」。だからスタート直後から飛び出した。

スタート直後から35km地点まで独走した川内優輝 ©東京マラソン財団

「でも35kmまで追いつかれないとは思わなかった。ハーフでも追いついてこない。沿道から40秒差があると聞いて、そのタイム差があったらまだ10kmは行けると思った。若手はこのロートル選手を舐めていると思ったので、舐めんなよ!という気持ちになった」

MGC男子レースのスタート ©東京マラソン財団

ボストンマラソンでも独走を続け、いったんは後続集団に飲み込まれたものの再スパートして優勝した経験もある。

大迫傑が前回MGCと同じ、2位と5秒差の3位 ©東京マラソン財団

「だって集団の中にいて見えない位置で走っていたのではつまらない。しっかりと見せ場を作るレースがしたかった。もう36歳ですよ。だから若い選手はもっと勇気を持って、海外にどんどん出て経験を積んでほしい」

豪雨に見舞われたMGC ©東京マラソン財団