第119回パリ〜ルーベは4月17日、フランスのコンピエーニュからルーベまで、一部に石畳区間を走る257.2kmで行われ、イネオスグレナディアーズのディラン・ファンバーレ(オランダ)が後続に1分47秒差をつけて初優勝。バーレーンビクトリアスの新城幸也は途中の落車で負傷してリタイアした。
平均時速45.8kmはパリ〜ルーベ史上最速記録
ファンバーレはイネオスグレナディアーズでクラシックレースでエースを務める存在。チームメートが序盤の舗装路区間で先頭を固めてハイペースな展開に持ち込んだ。折からの横風もあって大集団が分断され、チームは作戦通りの状況を作り上げた。
「北の地獄」と呼ばれる石畳区間では多くの選手が落車やパンクに見舞われてストップ。終盤でマテイ・モホリッチ(バーレーンビクトリアス)、トム・デブリーント(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)、イブ・ランパールト(クイックステップ・アルファビニル)と抜け出したファンバーレは、残り19kmの石畳区間で単独に。ゴールまで逃げ切った。
1分47秒遅れでゴールした2位ワウト・ファンアールト(ユンボ・ビスマ)、3位シュテファン・キュング(グルパマFDJ)は、前半戦で第2集団に位置していた選手で、ここまで追い上げた。
平均時速は119回の大会での最速となる驚異の45.8kmで、イネオスグレナディアーズ勢のハイペース作戦が新記録をもたらせた。出走169選手で、ゴールのルーベ自転車競技場にたどり着いたのは107選手。新城は序盤から第1集団に加わり、エースのモホリッチをアシストしたが、110km地点で落車に巻き込まれて負傷。レースをリタイアした。
「単独でルーベの競技場に入るのは感無量の境地だった。監督が無線で最後の瞬間を楽しめと伝えてくれた。いつかは石畳のレースで勝ちたいと夢見てきて、チームとともにさまざまな機材をテストしてきたことがこの日の勝利につながった」とファンバーレ。
「スタート前は集中していた。チームは横風を利用して、ファンアールトらの優勝候補を分断させることに成功した。ボクは終盤の石畳区間でどんな作戦を取ろうかと考えていた。チームメートのミハウ・クフィアトコフスキが、お前は強いから自分を信じろ。してほしいことはなんで言ってくれればそれをしてみせると言ってくれ、そのとおりにしてもらった」
「ベン・ターナーは空腹で力が出ないと言ったので、ジェルを渡して行けるところまで引っ張ってくれと頼んだ。彼はそれをしっかりとやってくれたので、先頭集団を追ってボクはアタックできた。先頭に追いつくのは大変だったが、彼らを捕まえてちょっと休んだら体力が蘇った。そのとき自分が一番強いと確信した」
「トロフィーを飾るためにテーブルを補強しないとね」
ファンバーレは2021年の世界選手権で2位に入った実力選手。オランダナショナルチームの強化で才能が開花し、ついにパリ〜ルーベのタイトルを集中にした。
「このトロフィーの飾る場所を考えたことはなかったけど、世界選手権の銀メダルの横に置きたい。その前にテーブルを補強する必要があるかもね」
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