ルバが一時バーチャルリーダーとなる攻めの走り…ツール・ド・ランカウイ第7ステージ

マレーシアで開催されているアジア最高峰のステージレース、ツール・ド・ランカウイは3月24日、第7ステージが行われた。今大会最長の222.4kmのレースでキナンサイクリングが攻めのレースを展開。トマ・ルバが一時バーチャルリーダーとなったほか、サルバドール・グアルディオラもレース中盤から先頭集団に入ってルバをサポート。他選手の逃げ切りが決まってしまい、ルバの個人総合は9位に下がったが、アグレッシブな走りがレース全体を活性化させるきっかけとなった。

©︎ KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

名峰キャメロンハイランドを上った第5ステージ、今大会最短の108.5kmで争われた第6ステージに続くは、この大会で最も長い200km超えのロングステージ。それにふさわしく、序盤から細かなアップダウンが連続し、サバイバルが予想されるコースレイアウトが用意された。カテゴリー山岳は4級のみながら、中盤までに7カ所を上る。その後は、フィニッシュまで約110kmの平坦基調を走るが、マレーシア特有の暑さやここまで6ステージをこなしてきた消耗度合いによっては、展開に大きな変化があったも不思議ではない。

キナンチームは、ここまでルバが個人総合6位につけ、マルコス・ガルシアが同12位と続く。前日の第6ステージは出走5人全員が次々と逃げ狙いのアタックを繰り出したが、厳しいチェックもあり先行するまでには至らず。それでも、残る2日間も引き続き攻撃的な姿勢を緩めず、チャンスをたぐり寄せるべくスタートラインに並ぶ。

レースはまず山本元喜と中西健児の2人が積極的に前方をうかがう。繰り返し訪れる山岳での攻撃ではグアルディオラも加わり、大人数での逃げグループ形成を狙う。プロトン全体での思惑が交錯し、しばらくは出入りの激しい状況が続いた。

均衡が破られたのはスタートから80km過ぎ。グアルディオラを含む大人数の逃げが形作られると、ここに次、また次と力のある選手たちが加わり、最大で36人もの先頭グループとなる。やがて人数が絞られていくなか、100km地点を過ぎたところで今度はルバがメイン集団からアタック。先頭グループへの合流に成功したことで、前方で待つ格好となったグアルディオラとの数的有利な形勢とした。

先を急ぐルバとグアルディオラたちのグループに対し、個人総合上位陣は後方の集団に位置。2分以上のリードを得たことで、総合トップから1分8秒でスタートしたルバがバーチャル総合リーダーに立った。

だが、残り100kmを切ったところから総合上位陣が含まれる追走グループが生まれると、徐々に先頭とのタイム差を縮めていく。追う側と逃げる側双方の気迫がぶつかる争いは、残り約30kmを迎えたところで、追い上げた総合上位陣の合流によってふりだしに戻った。

この直後に10人がアタックし抜け出すと、ルバとグアルディオラは他の総合上位陣とともに追いかける形に。しかし、タイム差は広がる一方。結局、この10人の逃げ切りが決まり、ルバとグアルディオラはトップから1分28秒差のメイン集団内でフィニッシュを迎えた。

逃げ切ったメンバーの中に、総合上位に肉薄していた選手が数人含まれていたことから、このステージを終えてルバの個人総合は9位に下がった。また、同12位でスタートしたガルシアが胃腸のトラブルで途中リタイア。3位につけていたチーム総合も9位となり、総合各賞の観点からは厳しい1日となった。

かたや、繰り返しやってくるアップダウンや気温40度近い暑さの中でのレースにあって、キナン勢の動きがサバイバルな展開につながった部分も見逃すことはできない。世界の名だたるチームが出場するハイレベルな大会で、攻撃的姿勢を見せることができた点では大きな収穫ともいえそうだ。

アジアが世界に誇るステージレースは翌25日、いよいよ2018年大会の最終日を迎える。最後を飾るべく、マレーシアの首都クアラルンプールを目指して走る。距離は141.1kmで、スプリントポイントと4級山岳がそれぞれ3カ所ずつ控える。クアラルンプール市内に入ってからは、一度フィニッシュラインエリアを通過したのち、市街地を一周回したのちフィナーレ。この周回コースは山岳ポイントこそつかないものの、最大勾配14.2%を筆頭に10%前後の登坂が繰り返し登場。さらには、距離こそ短いものの驚異の勾配39.3%の下りも選手を待ち受ける。ステージ、総合ともに最後の最後まで勝負の行方は分からない、ドラマを生み出すルートが整えられた。

キナンはルバ、グアルディオラのほか、山本と中西も最終の第8ステージに駒を進めている。この大会を通じて続く強気のスタンスを最後まで貫く構えだ。

ツール・ド・ランカウイ第7ステージ結果(222.4km)
1 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニジョカットリ・シデルメク) 5時間8分23秒
2 ユーゲルト・ジューパ(アルバニア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア) +0秒
3 ルスラン・トルウバイエフ(カザフスタン、アスタナプロチーム)
4 ディラン・ペイジ(スイス、チームサプラサイクリング)
5 ジェイコ・フェンター(南アフリカ、ディメンションデータ)
6 パオロ・シミョン(イタリア、バルディアーニ・CSF)
22 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +1分28秒
38 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
51 山本元喜(KINAN Cycling Team) +14分50秒
104 中西健児(KINAN Cycling Team) +20分12秒
DNF マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)

個人総合時間
1 アルテム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) 28時間56分20秒
2 ルカシュ・オウシャン(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコヴィチェ) +28秒
3 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +32秒
4 ジュゼッペ・フォンツィ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア) +57秒
5 ハリソン・スウィーニー(オーストラリア、ミッチェルトン・バイクエクスチェンジ) +59秒
6 アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア、ディメンションデータ) +1分0秒
9 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +1分8秒
26 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +2分30秒
103 山本元喜(KINAN Cycling Team) +58分7秒
104 中西健児(KINAN Cycling Team) +1時間4分34秒

ベストアジアンライダー
1 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナプロチーム) 28時間57分22秒
44 山本元喜(KINAN Cycling Team) +57分5秒
45 中西健児(KINAN Cycling Team) +1時間3分32秒

スプリント賞
1 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナプロチーム) 55pts
18 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 11pts

山岳賞
1 アルテム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) 40pts
11 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 10pts

チーム総合
1 ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア 86時間52分23秒
9 KINAN Cycling Team +15分9秒

トマ・ルバ

トマ・ルバのコメント
最後の2日間でどれだけトライできるかを考えている。今日はそれが成功するまであと少しだった。長距離と暑さの中でのステージで、サルバドールとできる限りのことをやった。まあ、これがサイクリングというものだね。もちろんここまでの走りはポジティブにとらえている。挑戦を続けることが大事だし、それをせずに終えるわけにはいかない。しっかり体を休めて最後の1日に臨む。

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ツール・ド・とちぎ開幕…個人タイムトライアルでキナンの中島康晴は39位

2018年最初の国内UCIステージレースとなる「ツール・ド・とちぎ」が3月23日、栃木県内で開幕し、キナンサイクリングの5選手が参戦した。初日は栃木県南部の渡良瀬遊水地で個人タイムトライアルが行われた。

ツール・ド・とちぎに参加したキナンサイクリング ©︎ KINAN Cycling Team / Satoru KATO

広大な渡良瀬遊水地に沿って走る1周7.2kmのコースは完全フラット。しかし遮蔽物がないため少しの風でも影響を受けやすく、この日もレースがスタートした午後から弱めの風が吹き始めた。トップタイムを出したのは、オーストラリアンサイクリングアカデミー・ライド・サンシャインコーストのマイケル・ポッター。出場選手中ただ1人8分台のタイムを出してステージ優勝した。

キナンサイクリングは中島康晴がトップから45秒遅れの39位を筆頭に、新城雄大が55位、椿大志が56位、雨乞竜己が63位、塚本一樹が87位で完走して翌日につなげている。第2ステージは105kmのロードレース。前半は平坦、後半は3級山岳が1カ所あるが、距離が短いため序盤からレースが動く可能性がある。

ツール・ド・とちぎ第1ステージ結果(7.2km個人タイムトライアル)
1 マイケル・ポッター(オーストラリア、オーストラリアンサイクリングアカデミー・ライド・サンシャインコースト) 8分55秒74
2 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +9秒45
3 パク・サンフン(韓国、LXサイクリングチーム) +11秒40
39 中島康晴(KINAN Cycling Team) +45秒24
55 新城雄大(KINAN Cycling Team) +55秒23
56 椿大志(KINAN Cycling Team) +55秒79
63 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) +1分3秒05
87 塚本一樹(KINAN Cycling Team) +1分32秒77

椿大志

椿大志
トップタイムとはいかないまでも個人総合やチーム総合などを考えて最小限のタイム差でゴールしたかったが、それがかなわなかった。明日は気持ちを切り替えて、チーム一丸となってがんばりたい。

塚本一樹

塚本一樹
チームに加入して初レースだったのでとても緊張した。スタート前はありえないくらいに心拍が上がっていた。 その分、明日は気持ちも楽になって、平常心で挑めると思う。今後のステージはチームに貢献していきたい。

雨乞竜己

雨乞竜己
苦手なタイムトライアルとはいえ、もう少しタイムが出せると思っていただけに残念。今の実力がそのまま出たと思うととても悔しいし、総合を考えたうえでももう少しタイム差を少なくしておきたかった。当初からのチームオーダーのとおり、スプリントで狙っているので気合いは十分。今回の大会は特にモチベーションも高く、個人的にも楽しみ。ヤルゾ! ヤルゾ! ヤルゾ!。

中島康晴

中島康晴
渡良瀬のコースは自分にとって初めだったけど、自分が走るころには風向きが変わるかなと思っていた。スタート後の追い風から向かい風、横風区間の後、ゴールに向けては向かい風でその区間で耐えられずタイムロスにつながった。もともとタイムトライアルは苦手なところで、今回は自分なりにまずまずのスタートが切ることができたと思う。 明日からがいよいよ本番で、総合上位陣も秒差の接戦なので、チーム一丸となって良い結果を出せるようにしたい。

新城雄大

新城雄大
個人的にトップタイムを狙っていたので、残念な結果になってしまってとても悔しい。明日からはチームオーダーで雨乞さんのステージ優勝を狙っていく。レース展開的にチャンスがめぐってきた時はチャンスを逃さずに走りたい。

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ツール・ド・ランカウイでトマ・ルバは個人総合6位を堅守

マレーシアで行われているステージレース、ツール・ド・ランカウイは3月23日に第6ステージが実施された。5選手が出走しているキナンサイクリングは、全員メイン集団でフィニッシュ。トマ・ルバの個人総合6位、チーム総合3位はともにキープしている。

ツール・ド・ランカウイ第6ステージ ©︎ KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

超級山岳キャメロンハイランドの頂上にフィニッシュした前日の第5ステージ。今大会のクイーンステージで、キナンはルバが上位争いを展開。ステージ5位となり、個人総合成績でも6位とした。トップとの差は1分8秒。さらにマルコス・ガルシアもステージ11位で終え、総合では1分29秒差の12位につけている。この2人にサルバドール・グアルディオラが続き、各ステージのチーム内上位3選手のフィニッシュタイム合算で競うチーム総合でも3位に上げた。

最難関だった前日とは対照的に、第6ステージは今大会最短の108.5km。スタートして20kmにスプリントポイント、67.3km地点には4級山岳ポイントが設定される。そのほかはおおむねフラットはレイアウト。イスラム教徒の多いマレーシアでは、他のイスラム諸国と同様に金曜日が休日にあたるため、レースもこれまでの午前11時スタートから午後3時スタートへとシフト。イレギュラーな中でレースを迎えることになった。

集団はスタート直後から激しいアタック合戦。逃げを狙っての動きにキナン勢も果敢に加わる。次、また次とアタックを試みるキナン勢は、たびたびメイン集団に対して数秒のリードを奪う場面を作る。山本元喜やグアルディオラ、ガルシアらの動きで逃げが決まるかに見えたが、なかなか容認を得ることができない。そのままこの日唯一のスプリントポイントを通過。さらに10km以上出入りを繰り返した末、1選手の飛び出しをもってスプリンターチームが集団のコントロールを開始。道幅が狭くなったところで、前方をブロックする形として逃げ狙いの動きを押さえた。

以降、キナン勢はメイン集団でレースを進めた。5選手が隊列を組み、集団前方に位置しながら走る。レーススタート時は強い日差しが注いだが、中間地点を過ぎたあたりからスコールに見舞われるなど、気象条件が目まぐるしく変わる中、着々と距離を踏んでいく。メイン集団はスプリンターを配するチームを中心に逃げとのタイム差を調整していき、残り20kmを切ったあたりで吸収。スプリントに向け集団内での位置取りが慌ただしくなる中、キナン勢は危険を回避しながらポジショニング。そのまま最終局面を迎えた。

キナン勢は5人ともトップと同タイムでのフィニッシュ。ルバのケアをしながらフィニッシュラインを通過した中西の26位がこのステージでの最上位。直後にルバが続いた。このステージでは総合成績に大きな変動は起きず。ルバの個人総合6位、ガルシアの同12位は変わらず。チーム総合でも3位を保っている。

大会は残り2日。24日に行われる第7ステージは、ニライ(Nilai)からムアル(Muar)までの222.4km。今大会の最長ステージが待ち受ける。序盤からアップダウンの連続で、中盤までに7カ所の4級山岳を通過する。終盤は平坦となるが、それまでにレースに大きな動きが見られても不思議ではないコースレイアウト。キナンとしてはあらゆるレース展開に対応できる態勢を整えるとともに、攻めの姿勢も失わずにトライを続けていくことが必要となる。

ツール・ド・ランカウイ第6ステージ結果(108.5km)
1 ルカ・パチオーニ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア) 2時間24分55秒
2 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナプロチーム) +0秒
3 モハドハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)
4 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
5 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナプロチーム)
6 パオロ・シミョン(イタリア、バルディアーニ・CSF)
26 中西健児(KINAN Cycling Team)
28 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
44 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
50 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)
108 山本元喜(KINAN Cycling Team)

個人総合時間
1 アルテム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) 23時間46分29秒
2 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +32秒
3 ハリソン・スウィーニー(オーストラリア、ミッチェルトン・バイクエクスチェンジ) +59秒
4 アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア、ディメンションデータ) +1分0秒
5 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナプロチーム) +1分5秒
6 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +1分8秒
12 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分29秒
27 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +2分30秒
113 山本元喜(KINAN Cycling Team) +44分45秒
115 中西健児(KINAN Cycling Team) +45分50秒

ベストアジアンライダー
1 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナプロチーム) 23時間47分34秒
49 山本元喜(KINAN Cycling Team) +43分40秒
51 中西健児(KINAN Cycling Team) +44分45秒

スプリント賞
1 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナプロチーム) 55pts
16 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 11pts

山岳賞
1 アルテム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) 40pts
10 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 10pts
21 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 2pts

チーム総合
1 トレンガヌサイクリングチーム 71時間22分26秒
3 KINAN Cycling Team +2分11秒

サルバドール・グアルディオラ

サルバドール・グアルディオラのコメント
逃げを狙って動いたが、レース距離が短かったことと、上りが少なかったことからタイム差を広げることは難しかった。個人総合で上位を狙うことは難しいので、ステージ優勝にフォーカスしている。チャンスは残り2ステージ。どちらもアップダウンのあるコースだし、自分にも可能性はあると思う。1ステージ終えるごとに調子が上がってきているから、よい走りを続けられるだろう。

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「地獄のレースになる」…ニーバリが世界選手権コースを試走

イタリアのビンチェンツォ・ニーバリが3月23日、2018世界選手権ロードが開催されるオーストリアのインスブルックを訪れ、エリート男子ロードのコースを試走した。3月17日にミラノ〜サンレモを制したばかりのイタリアのエースだが、小雪の舞う気象条件の中で、「最後の登りはMTBエンデュランスのように見えた」と驚きを隠せなかった。

世界選手権のコースを試走するビンチェンツォ・ニーバリらイタリア勢

ロードコースは序盤のコースを走行後、チロル地方の厳しい峠を7回上る周回コースに突入。さらに最終周回は「地獄」と呼ばれる別の峠が出現する。ニーバリはイタリアナショナルチームのアレッサンドロ・デマルキとフランコ・ペッリツォッティとともに、この2つのサーキットを実走し、最後の地獄坂を2回上った。

「こんなに厳しいコースとは思わなかった」とビンチェンツォ・ニーバリ

「これはハードだ。エネルギー補給の計算から、機材の選択、もちろんナショナルチームのセレクションまで重要になってくる」とニーバリ。
「地図でも厳しいとは分かっていたが、実際に走ってみるとまったく別物の厳しさが体感できた。ほかの選手も初めてここを走ってみれば、きょうのボクのような驚きを持つだろう」

ナショナルチームのダビデ・カッサーニ監督はチームカーを運転しながら、「私はすでにコースを知っていたけれど、実際に選手たちとこのルートを確認すると感動するものがある。8kmの上り坂が7回も繰り返され、最後は最大28%という壁を上る。ハードなレースになりそうだ」

© EXPA/ Jakob Gruber

デマルキは、「地図を見ただけでも、これが最も困難な世界選手権のコースの一つだと思った。大会の数カ月前にここにきたのはいいことだと思った。9月の開催に向けて最善の方法を見つけたい。この美しいチロル地方のコース脇がたくさんの人で埋まることを期待している」とコメント。

ペッリツォッティは、「この世界選手権は非常に困難である。コースは長くてしんどい。ここで好成績を修めるためには、精神面とフィジカルの両方でいい状態で乗り込むことが重要で、直前まで開催されているブエルタ・ア・エスパーニャがキーを握る」と語った。

2018年の世界選手権ロードは9月22日から30日までインスブルックで開催される。エリート男子ロードは最終日の30日で、距離259.5km(スタート後のニュートラル区間を含めると265km)、獲得標高4670mで争われる。

世界選手権エリート男子ロードのコース

2018世界選手権ロード(インスブルック)

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パリ郊外のル・ゴルフ・ナショナルで伝統の対抗戦…2024パリ五輪でも会場に

2年に一度開催される欧米両チームによる伝説のゴルフ対抗戦「ライダーカップ」が2018年9月25日から30日までパリ西部にあるル・ゴルフ・ナショナルで開催される。同ゴルフ場は2024パリオリンピックのゴルフ競技会場でもあり、日本のゴルフファンにとっても魅力のあるコースとして一躍脚光を浴びつつある。

ル・ゴルフ・ナショナル

世界中が注目するライダーカップ。サッカーのワールドカップとオリンピックに次いで最もマスコミの注目を集めるスポーツイベントだという。この栄えある大会をフランスで開催できることは、フランスゴルフの発展にとって大きな推進力となると分析されている。今回のライダーカップは、サンカンタンアンイブリン県の国立ゴルフ場(Le Golf National)で開催される。会場はヨーロッパでも数少ない8万人のギャラリーを受け入れることができる。


ライダーカップとは? 一言で言えば、2年ごとに開催される米国チーム対ヨーロッパチームの対抗戦で優勝したチームに与えられるトロフィーのこと。試合は米国とヨーロッパのホーム・アンド・アウェー方式で争われる。過去のライダーカップでは、ゴルフ史に残るさまざまな偉業が成し遂げられてきた。

長年、米国チームがカップを独占していたが、1985年以降はヨーロッパチームの優勝が米国チームを上回るようになり、11大会中8回の優勝を誇る。出場選手もセベ・バレステロス、セルヒオ・ガルシア、フィル・ミケルソン、タイガー・ウッズなど世界の一流選手ばかり。現在までにフランス人では、ジャン・バンドベルド(1997年)とトマ・ルベ(2004年)の2人の選手が選ばれている。

3日間にわたり12人ずつの2チームが腕を競い合う。試合はシングルかダブルスのマッチプレイで行われる。28試合が終わった段階で、14 1/2かそれ以上のスコアを獲得したチームが優勝となる。とりわけダブルスのマッチプレイは、選手同士で互いに力を補い合う独特の戦術が必要となるため、見ごたえがある。大会開催中はギャラリーもテレビ視聴者も大いに盛り上がる3日間となるのだ。

ル・ゴルフ・ナショナルはベルサイユ宮殿にも近く、プレーとともにフランス観光もできる © A. Poupeney
Domaine de Marie-Antoinette(小トリアノン宮殿) © C.Millet

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プロライダーは何を持っていく? 動画「遠征バッグ大公開」配信スタート

キナンサイクリングのYouTubeチャンネル「KINAN Cycling Team.tv」で、「プロライダーの遠征バッグ大公開!」と称して、所属選手が遠征時に実際に持参するアイテムを紹介する新作動画の配信を開始した。

YouTubeのスクリーンショット(クリックしても再生しません)

同企画は日ごろ応援してくれるファンにさらなる興味を持ってもらうことはもちろん、支援してもらっているサプライヤーアイテムの紹介、さらには将来サイクルスポーツのトップシーンでの活躍を志す若い選手たちの未来を切り拓くことなども目的としている。

椿大志

選手たちの活躍の裏にはどのようなアイテムが彼らを支え、同時に競技に生かされているかを多くの人に知ってもらう機会となることを期待しているという。

今回のモデルは椿大志。所属選手間では「チーム一の収納上手」との声も挙がっていることから、動画の終盤には遠征バッグへの収納シーンも収めている。

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