ボウマン初優勝、デュムランが好アシスト【ジロ・デ・イタリア第7S】

第105回ジロ・デ・イタリアは5月13日、ディアマンテ〜ポテンザ間の196kmで第7ステージが行われ、クーン・ボウマン(オランダ、ユンボビスマ)がトム・デュムラン(オランダ、ユンボビスマ)のアシストを受けて初優勝。総合成績ではトレック・セガフレードのフアン・ロペス(スペイン)がマリアローザを守った。

トム・トム・デュムラン(左)とクーン・ボウマンのオランダ、ユンボビスマコンビ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ボウマンはジロ・デ・イタリア初優勝で、2017年のクリテリウム・デュ・ドーフィネの区間勝利以来の勝ち星。デュムランは優勝候補の一角だったが、第4ステージの上りで9分以上も遅れ、マリアローザ争いから脱落していた。

ニーバリがかつてのチームメートで、事故で他界したミケーレ・スカルポーニの両親の激励を受ける ©Marco Alpozzi/LaPresse
レースを積極的に動かすデュムランとボウマン ©Fabio Ferrari/LaPresse
クーン・ボウマンがダビデ・フォルモロ、バウケ・モレマ、トム・トム・デュムランらと抜け出す ©Fabio Ferrari/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞)クーン・ボウマン(オランダ、ユンボビスマ)
□マリアビアンカ(新人賞) フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)

クーン・ボウマンがジロ・デ・イタリア第7ステージで優勝 ©Massimo Paolone/LaPresse

第6ステージにもどる≪≪   ≫≫第8ステージにすすむ

欧州でも日本でも女子ロード独自の魅力が注目されつつある

クラシックと呼ばれる春の伝統的ワンデーレースが相次いで女子レースを併催している。7月には女子版ツール・ド・フランスとも言える第1回ツール・ド・フランスファム・アベックZwiftが8日間の日程で開催される。その魅力が認知され、世界各国で国際放送される時代に。今回は国内外で増えつつある女子ロードレースを紹介。

女子版ツール・ド・フランス復活は女子選手の悲願だった。写真は2016年のワンデーレース © A.S.O. Pauline Ballet

男子にはない華やかさが女子ロードにはある

これまでの女子レースはどうしてもメインイベントである男子の前座のような扱いだった。男子に先行してレースがあるため、取材陣は女子レースの現場に居合わせることが難しい。しかし実際には女子レースには華やかさがある。それに気づいたスポンサーが女子レースを応援するようになると、主催者も男子とは別日程の単独レースとして開催することを考案した。

2021年から始まったパリ〜ルーベ、そして2022年に初開催される女子版ツール・ド・フランスには、室内バーチャルアプリのZwiftが出資して、単発レース化。日本のJ SPORTSなど世界各国で女子レースが中継されるまでになった。

第1回ツール・ド・フランスファム・アベックZwift開催100日前に笑顔を見せるマリオン・ルス ©A.S.O. Clara Langlois Lablatiniere

初開催となる女子版ツール・ド・フランスは7月24日から31日までの8日間。女子レースの初日が男子のツール・ド・フランス最終日で、どちらも舞台はパリだが、コースは独自のものだ。

「女子選手が待ち続けていたツール・ド・フランス開催は歴史的な意義がある」と大会ディレクターのマリオン・ルス。

同氏は女子プロ選手として走りながらツール・ド・フランスの表彰台でアテンド係を担当。引退後は解説者としてのキレのある発言が注目され、女子レースの最高権威として抜てきされた。私生活では男子世界チャンピオンのジュリアン・アラフィリップのパートナーで、2人の間に子供もいる。

過酷なスポーツだが、メイクやネイルは当たり前 ©A.S.O. Thomas Maheux

これまでツール・ド・フランスに女子レースがなかったわけではない。1984年から1989年まで女子部門が男子集団に先行して走るツール・ド・フランスフェミナンがあった。男子よりも短い日程、短い距離ながら同じコースを使って3時間ほど前を走った。しかし開催は6年で終わった。運営が大変なわりに注目が得られなかったからだという。

廃止後もツール・ド・フランスを主催するA.S.O.は女子レースを開催していたが、「ツール・ド・フランス」の名称は使わなかった。その大会も2009年に終了。2014年からツール・ド・フランスの特定区間に限定して、ラクルスbyル・ツール・ド・フランスが始まったが、複数の日程で開催するステージレースではなく、ワンデーレースだった。

7月に行われる新たな大会は男子の前座とはならない単独の8日間ステージレースだ。「男子と同じ黄色いリーダージャージー、マイヨジョーヌを8日後に手にした女性が真のチャンピオン。だれが一番強いのか、世界中の人たちがわかるのがこの大会の魅力なのです」(ルス)

2022パリ〜ルーベファム ©A.S.O. Pauline Ballet

日本ではQリーグでだれが一番強いのか可視化

日本では女子とジュニア男女の年間シリーズ戦としてQリーグ・Nリーグがある。Q(クイーン)は女子選手、N(ニューエイジ)は中学生男女が参加できるロードレースだ。ポイント首位選手にはリーダージャージーが与えられ、だれが一番強いのかを可視化できるようにした。

Qリーグのチャンピオンジャージーは紫色。2021-22シーズンはサイタマサイクルプロジェクトの廣瀬博子(2番目)が獲得した ©Takashi Saito

「女子そしてジュニアの活躍は今後の自転車普及には必須」と同運営事務局の須藤むつみさん。「広報とイベント企画は課題もあるので、さらに女子選手らを応援してもらえるように積極的に活動していきたい」

初戦の「春のしもふさクリテリウム」が千葉県成田市・下総運動公園で5月8日に開催された。2023年3月までのシーズンに10戦前後の大会を開催していく。

Nリーグ女子の2021-22リーダーは岡本彩那(ブラウブリッツエン) ©Takashi Saito

デマールが写真判定でユアンを制して2連勝【ジロ・デ・イタリア第6S】

第105回ジロ・デ・イタリアは5月12日、パルミ〜スカレア間の192kmで第6ステージが行われ、グルパマFDJのアルノー・デマール(フランス)が集団スプリント勝負で優勝。前日に続く2連勝で、大会通算7勝目を飾った。総合成績ではトレック・セガフレードのフアン・ロペス(スペイン)がマリアローザを守った。

デマールが写真判定の結果、ユアンを制して区間2連勝 ©LaPresse

前日の大会通算6勝目で、デマールはフランス勢としてジャック・アンクティルとベルナール・イノーの勝利数に並んだが、この日の勝利でフランス勢歴代単独1位となった。

「ポイント賞ジャージを最後まで守ることが今後の最大の目標となったが、ジロ・デ・イタリアはこれからが正念場だ。謙虚さをもってしっかりと走っていきたい」とデマール。

2022ジロ・デ・イタリア第6ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
マリアチクラミーノのデマール(左)がユアンを抑えた ©Massimo Paolone/LaPresse
アルノー・デマール(左)とジャコポ・グアルニエーリ ©Fabio Ferrari/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞)レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
□マリアビアンカ(新人賞) フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)

マリアローザとともに新人賞ジャージも獲得したロペス ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

第5ステージにもどる≪≪   ≫≫第7ステージにすすむ

東京都がバーチャルスポーツでの観光PR…新コースを公募

東京都がデジタル技術を活用した「バーチャルスポーツ」で、都内の観光地としての魅力を国内外に広く発信する取り組みをしている。新たなバーチャルコースを作ろうと、地域の特色や観光資源の紹介を取り入れたコースを募集。 完成したコースや動画を活用して、地域の観光PRをしようという企画だ。

ランニング用とサイクリング用コースを募集

〇募集コース:地域の特色や観光資源の紹介等を取り入れたバーチャルコース
ROUVYアプリを利用し、参加者がアバターを通じて体験できる実写映像を使用したバーチャルコース。ランニング用と自転車(サイクリング)用コースを募集

〇公募対象 :
(1)都内区市町村
(2)都内観光協会、都内に所在する商工会・商工会連合会・商工会議所など
(3)NPO法人、2者以上の都内事業者で構成される地域グループ
(4)その他東京都やコース所在自治体などと連携してコースを制作できる団体など

〇募集期間:2022年5月11日(水)から6月15日(水)まで

〇採用本数: 5コース程度

〇応募方法: ホームページより応募書類をダウンロードし、必要事項を記入してメールで申し込む

〇コースの活用: バーチャルコース用に撮影した動画を編集し、コース上の観光名所などを紹介する観光PR動画を制作。また、バーチャルコース体験会の実施やコースを活用したフォトコンテストも実施。

オンラインによる説明会を 5月27日に開催

事業の概要や、コース制作における留意点について、オンラインによる説明会を開催。
(1)日時:5月27日(金)11時~11時40分
(2)場所:Microsoft Teamsによるオンライン開催(対面での聴講については問い合わせ)
(3)対象:本事業への応募を検討している自治体、団体の担当者
(4)申込方法 :  5月25日(水)までに申込先にメールで

●応募の詳細ページ

デマールがスプリント勝利、ロペス首位堅持【ジロ・デ・イタリア第5S】

第105回ジロ・デ・イタリアは5月11日、カタニア〜メッシーナ間の174kmで第5ステージが行われ、グルパマFDJのアルノー・デマール(フランス)が集団スプリント勝負で優勝。前日に首位に立ったトレック・セガフレードのフアン・ロペス(スペイン)がマリアローザを守った。

トレインローザが選手たちを歓迎 ©Fabio Ferrari/LaPresse

デマールはジロ・デ・イタリア通算6勝目で、フランス選手としてジャック・アンクティルとベルナール・イノーの記録に並んだ。フランス勢は通算72勝目となり、イタリア、ベルギー、スペインに次ぐ記録。

2022ジロ・デ・イタリア第5ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
アルノー・デマールが2022ジロ・デ・イタリア第5ステージ優勝 ©LaPresse
アルノー・デマールが2022ジロ・デ・イタリア第5ステージ優勝 ©Fabio Ferrari/LaPresse

ニバリが故郷で今季限りの引退を発表

ビンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナカザクスタン)は出身地であるメッシーナにゴールしたこの日、2022シーズンを限りに引退することを明らかにした。

故郷メッシーナで今季限りでの引退を明かしたビンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナカザクスタン) ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

「人生のステップを横にずらす時が来た」とニバリ。
「ジロ・デ・イタリアがメッシーナに到着するのを待って、家族や友人のいる場所で、私の意思をオフィシャルにしたかった。遅かれ早かれ、この瞬間はくるもの。私が長年にわたって犠牲にしてきたもの、まずは家族との時間を取ることに務めたい」

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞)レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
□マリアビアンカ(新人賞) フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)

フアン・ロペスが第5ステージでマリアローザを守った ©LaPresse

第4ステージにもどる≪≪   ≫≫第6ステージにすすむ

2人逃げでケムナ優勝、ロペスが首位に【ジロ・デ・イタリア第4S】

第105回ジロ・デ・イタリアは移動日明けの5月10日、アボラ〜エトナ間の172kmで第4ステージが行われ、ボーラ・ハンスグローエのレナード・ケムナ(ドイツ)とトレック・セガフレードのフアン・ロペス(スペイン)が抜け出し、ケムナが初優勝。総合成績ではロペスがマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)を逆転して首位になった。

レナード・ケムナがフアン・ロペスを下した ©Massimo Paolone/LaPresse

ケムナはジロ・デ・イタリア初優勝。ツール・ド・フランスでは2020年にステージ優勝している。2022シーズンはブエルタ・ア・アンダルシア、ツアー・オブ・アルプスに続く3勝目。

ロペスはスペイン勢として17人目のマリアローザ着用者となったが、24歳での獲得はこの中では最年少。

2022ジロ・デ・イタリアがイタリアに戻ってきた。第4ステージはシチリア島 ©LaPresse

ロペスがマリアローザを獲得してとてもうれしかった

「大人数の第1集団に加わったので、できるだけここで頑張ろうと思った。ラスト10kmで先行したけれど、向かい風が吹いていたし、まだ急な上り坂ではなかったので自信はなかった。最後の1kmはロペスの後輪についていくことに懸命で、それがうまくいった」とケムナ。

「ロペスがマリアローザを手に入れたことを知ってうれしい表情を見るのは素晴らしかった。お互いに幸せだった。今回のジロ・デ・イタリアでは総合優勝争いに加わることは絶対にないけど、将来はそこで戦うかもしれない」

2022ジロ・デ・イタリア第4ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

アルベルト・コンタドール以来のマリアローザに興奮

「最後の山岳のことを知らなかったが、監督が無線で指示をしてくれた。最も難しい部分でアタックしろと言われてそのとおりにした。かなりいい走りができていると感じた」とロペス。

「ケムナのことはよく知らなかったが、ボクは自信を持っていた。自分がマリアローザを獲得したことを知るまで数分かかった。アルベルト・コンタドールがマリアローザを着た最後のスペイン人だったとみんながボクに伝えてくれた。この瞬間を楽しもうと思う」

フアン・ロペスとレナード・ケムナがゴールを目指す ©Fabio Ferrari/LaPresse
お互いの健闘を称え合うレナード・ケムナ(左)とフアン・ロペス ©Fabio Ferrari/LaPresse
2022ジロ・デ・イタリアを制したレナード・ケムナ ©LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
マリアアッズーラ(山岳賞)レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
□マリアビアンカ(新人賞) フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)

フアン・ロペスが第4ステージでマリアローザ ©LaPresse

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