自転車競技の薬物グレーゾーンで健康被害とスポーツの信頼性低下

自転車競技の有識者で構成されたMPCC(競技薬物委員会)は、スポーツ界における薬物の過剰使用にますます懸念を強めており、統括団体に対し、いわゆるグレーゾーンの拡大に対処する措置を講じるよう求めた。

標高2000mのゴールに冷たい雨が降る

コンディショニングのために疑わしい薬を摂取する傾向

このグレーゾーンには、WADA(国際アンチドーピング機構)によってまだ禁止されていない物質や治療法が含まれるが、本来の治療のために開発された病気の患者ではなく、健康なアスリートが使用すると深刻な倫理的問題を引き起こす可能性があると指摘。自転車競技は、UCI(国際自転車競技連合)がスポーツの信頼性と選手団の健全性を守るために迅速かつ断固とした行動をとることを必要としている。そうすることで、どのアスリートも、単に調子を維持するために、疑わしい製品を服用せざるを得ないと感じることがなくなるからだ。

迅速かつ具体的な行動を伴わないアンチドーピングプロセスの長期化は、毎年さまざまな薬物に関する議論の余地を残し、健康やパフォーマンス向上効果に関する未解決の疑問を抱えたまま、アスリートが薬物を使用し続けることにつながっている。調査期間中は製品を禁止し、安全が確認された時点で使用を許可するほうが、より安全なアプローチと言えるのだが?

モンマルトルの上り。2025ツール・ド・フランス第21ステージ ©A.S.O.

グレーゾーンの筆頭は例のケトン

最も最近の例はケトン体。2017年にこのテーマに関する最初の科学的研究が発表されて以来、自転車競技界の信頼性をめぐる議論の的となっています。MPCCは、加盟選手がケトン体を使用しないという明確な立場を示したが、その約2年後、UCIはさらなる分析が完了するまで「非推奨通知」を発行した。多くのチームと選手はこの勧告を無視し、中にはケトン体サプライヤーと提携する選手もいた。

2025年10月25日、UCIはケトン体の使用を推奨しないという立場を再確認するプレスリリースを発表した。ただしあくまで推奨であり、この特定の製品を禁止(または許可)するための正式な医療規則やアンチドーピング規則の導入には至っていない。残念ながら、これでは議論や討論に終止符が打たれることはない。

ヴェルサイユ宮殿を2025ツール・ド・フランス第21ステージは通過 ©A.S.O.

いわゆる「フィニッシュボトル」の噂が再び集団内で渦巻いており、勝利に向けて選手たちを準備させるために、複数のボーダーラインにある物質が混ぜられ、集団に持ち込まれたと言われている。さらに、薬物乱用の危険性も懸念される。例えば、トラマドール(MPCCからの12年間のロビー活動の後、WADAによって競技での使用が禁止)の最大10倍の効力を持つタペンダトールなどが挙げられる。UCIは現在、この特定の物質を監視対象としているが、選手の健康が危険にさらされ、事故がさらに増加し​​ている中で、さらに長期にわたる分析の結果を待たなければならないのだろうか?

一酸化炭素によるパフォーマンスアップは2026年から禁止に

当局は明らかに迅速な意思決定を行うことができる。例えば、2024年のツール・ド・フランスで発覚した一酸化炭素(CO)の非診断的使用は、2026年からWADAによって禁止薬物としてリストアップされる予定だ。

グレーゾーンが残る限り、自転車競技の信頼性は低下し続け、選手の健康は危険にさらされることになる。

MUFG国立が新年に神社に!…絵馬の奉納からお焚き上げまであり

MUFG国立競技場が新年を祝う特別企画として、1月3日(土)、4日(日)、5日(月)、14日(水)、15(木)の5日間限定で、「聖地MUFG国立祈願ツアー」を開催する。ツアー所要時間は90分。大人2500円、高校生以下1500円。

国立競技場がある東京・千駄ヶ谷地域の総鎮守鳩森八幡神社との連携による新春お正月企画として、通常のスタジアムツアーのプログラムに加えて、絵馬に願い事を書いて奉納することができる。ツアーの見どころであるピッチへ抜ける選手入場口に鳥居も設置する。奉納された絵馬は、後日鳩森八幡神社で祈祷後にお焚き上げまで行うという。

ピッチへ抜ける選手入場口に鳥居も設置
総鎮守鳩森八幡神社は自転車にも縁がある

●ツアーの詳細ページ

自転車もドライブレコーダーが必要…9999円で事故時に対応

近年、交通事故やトラブルが増加する中で、自動車だけでなく自転車にもドライブレコーダーの導入が注目されている。自転車は機動性が高く、都市部を中心に利用者が増えている一方、車両や歩行者との接触事故、盗難、当て逃げなどリスクにさらされている。そのような背景から、自転車にもドラレコが必要とされる時代に。

ポータブルドライブレコーダーは1万円以下で購入できる

1. 事故発生時の証拠確保

自転車は車両に比べて軽量で、事故が発生した際にその場から立ち去られやすいという特徴がある。ドラレコがあれば、事故の瞬間や状況を映像として記録できるため、警察や保険会社への説明や証拠提出が容易になる。不幸にも当て逃げや巻き込まれ事故に遭った場合でも、映像があることで加害者の特定や自身の無実の証明に役立つ。

2. 自転車利用者自身の安全意識向上

ドラレコを搭載することで、利用者自身が安全運転を心がけるようになり、危険な走行や交通ルール違反を抑制する効果が期待できる。また、映像を振り返ることで自身の運転を客観的に見直し、改善点を発見することも可能。

3. トラブル時の客観的な記録

自転車利用中には、他の自転車や歩行者、自動車とのトラブルが発生することがある。口頭での説明だけでは事実関係が曖昧になることも多く、ドラレコの映像は客観的な記録として非常に有効。これにより、誤解や不当な責任追及を防ぐことができる。

4. 防犯・盗難対策としての活用

自転車の盗難は依然として多発しています。駐輪中の様子を記録できるタイプのドラレコもあり、盗難やいたずらの抑止力となるほか、万が一被害に遭った場合でも映像が手がかりとなるケースがある。

5. 社会的な意識の変化

自転車のドラレコが普及することで、利用者同士や車両との関係において「記録されている」という意識が働き、より安全でマナーのいい交通環境づくりに寄与することが期待される。個人だけでなく社会全体の安全向上にもつながる。

ポータブルドライブレコーダー自転車用 AKY-710Liteが2025年12月11日に発売。価格は9999(税込)。発売元はタナックス。

強豪イネオスの2026デザインをまとったピナレロ…価格は未発表

イタリアの自転車メーカー、ピナレロがパートナーシップを結ぶプロサイクリングチーム、イネオス・グレナディアーズの2026年シーズンを彩る新しいチームバイクカラーを世界同時発表した。

イネオス・グレナディアーズの2026年シーズンを彩る新しいチームバイクカラー

新カラーは、チームのアイデンティティを継承しつつ、次世代の勝利への渇望を象徴する洗練されたデザインへと進化を遂げている。トップライダーたちの走りを支える究極の機能美と、ピナレロ独自のイタリアンデザインが融合した新しい外観に注目。

同デザインを採用したレプリカモデルの日本国内での販売価格と発売時期は、詳細が決定次第、ピナレロジャパン公式サイトで発表されるという。

●カワシマサイクルサプライのホームページ

2026年はモネ没後100年…名画を描いた場所を自転車で訪ねてみよう

2026年は印象派の巨匠クロード・モネの没後100年。オルセー美術館から名作が日本にやってきてモネ展も開催されます。モネの名前はよく聞きますが、どんな人なのかに興味があってフランスから日本にやって来た関係者に話を聞きに行きました。

ヴァルーズ・ド・ヴォコットの絵画ワークショップ。ヴァルーズとは白亜の断崖から海へ落ちる谷状の地形 ©Marie-Anaïs Thierry
ル・アーヴル、アンドレ・マルロー近代美術館、クロード・モネ≪フェカン、海辺≫ ©Marie-Anaïs Thierry

モネが描いた原風景はノルマンディーとパリで会える

印象派を最も象徴する画家であるモネが生まれ育ち、暮らし、創作活動を行ったのはノルマンディーとパリです。《睡蓮》や《ルーアン大聖堂》の連作、《ひなげし》、印象派の名の由来となった《印象・日の出》はパリからノルマンディー海岸へと続くモネに着想を与えた風景、そして刻々と変化する光や空気感と切っても切れない関係にあります。

画家でありながら園芸家、美食家であった、規格外の芸術家。裕福な家庭の出身ではなく幼少期はじゃがいもばかり食べていたようですが、名声を得てからは食道楽に。朝食は常に6時で白ワインも。お昼は11時30分。卵黄を生クリームとパセリで和え、オーブンでグラタン風に焼いたものなどが好物。晩年を過ごした家はジヴェルニーにあって、これらを口にした部屋は忠実に再現されているようです。40年以上精力的に描き続けた「睡蓮」は庭の池を大がかりに拡張して植えたものだということです。

モネが好んだ鼠族なタマゴ料理

ファンゴッホを訪ねてオランダをサイクリングしたことも

2016年にボクはフィンセント・ファンゴッホが描いた絵画の原風景を巡る旅をしてきました。自転車を移動手段として使うのがちょうどいい感じで、思い出深いサイクリング紀行に。今回のモネはフランス北部のノルマンディー地方を題材としたものが多く、ここでも名画と同じ光景に出会うことが可能なようです。

ジヴェルニー、クロード・モネの庭園 ©Thomas Le Floch
ジヴェルニー、睡蓮 ©Marie-Anaïs Thierry
ヴェルノン美術館、クロード・モネ≪睡蓮≫ ©Thomas Le Floch

ノルマンディーの印象派関連名所をPRする担当者は、「産業革命時代に描かれたモネの絵画ですが、環境変動で原風景が変わってしまわないように自転車などで訪れることをおすすめしたい」と。

オランダやベルギーではそんなのどかなツーリングを楽しみましたが、フランスでは一度もしたことないんです。体験してみたいなあ。

マルモッタン・モネ美術館庭階 – クロード・モネの展示室 ©Christian Baraja SLB
シャトゥー 印象派の島 ©C. Ledoux
セーヌ河沿い、ヴェトゥイユ ©Nathalie Lecerf

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