2024パリ五輪は参加可能な大会…マラソンと自転車に一般クラス

第33回オリンピック競技大会はフランスのパリで2024年7月26日(金)から8月11日(日)まで開催される。パリで夏季五輪が開催されるのは3回目、前回から100年ぶりの大会となるが、マラソンと自転車ロードレースでは五輪史上で初めて一般参加が可能となる。

マラソン、競歩、トライアスロン、マラソンスイミング、自転車ロードレースの会場となるイエナ橋 ©Paris 2024

新型コロナウイルス感染拡大というな困難な状況で、前代未聞の1年延期を余儀なくされた2020東京大会。ほとんどの試合が無観客開催を余儀なくされたが、2021年8月8日の閉会式でその大役を終え、五輪旗が次の開催地であるパリに引き継がれた。

サンドニにあるスタッドフランス改め「スタッドオランピック」が開閉会式、陸上競技、ラグビー会場となる ©Paris 2024

パリ大会では若い世代の熱意にふさわしい新たな五輪モデルを具現化するダイナミックなスポーツとして、ブレイクダンスの競技形態であるブレイキンが新たに加わり、正式競技数は32に。BMXフリースタイルは継続され、スポーツクライミングは種目数が増える。

2024パリ五輪のピクトグラム
2024パリ五輪の競技会場
2024パリ・パラリンピックの競技会場

地域社会とのつながりを取り戻し、より多くの人たちと大会を共有するという精神のもと、マラソンと自転車ロードレースに一般参加が導入される。一般ランナーやサイクリストがメダルレースと同じ日、同じコース上でオリンピアンが激闘するコースを体験できるというもの。

2020東京五輪の閉会式に合わせてトロカデロ広場にバトンタッチで涌くパリ市民が集まった ©Flora Meteyer
2024パリ五輪招致活動時のロゴ ©Philippe Millereau / KMSP / DPPI

競技の舞台は従来のスポーツ会場だけでなく、エッフェル塔の下でのビーチバレー、廃兵院として作られたアンバリッドで行われるアーチェリー、ルイ16世やマリー・アントワネットが断頭台の露と消えたコンコルド広場のBMXフリースタイル、グランパレでのフェンシングとテコンドー、ベルサイユ宮殿の馬術などスポーツと文化遺産を融合させる。

自転車ロードのメイン会場はエッフェル塔横、セーヌ川にかかるイエナ橋。ツール・ド・フランスと同様にパリの象徴であるシャンゼリゼ通りを走る。このパリ五輪開催にともなって、ツール・ド・フランスは通常の開催日程から1週間前倒しするスケジュールになることが想定される。

1904年から1966年までツール・ド・フランスの最終ゴール地点だったパルクデプランス自転車競技場はサッカースタジアムとなり、五輪でもサッカー競技が行われる ©Paris 2024
サンカンタン・アン・イブリーヌのベロドロームナシオナル ©Paris 2024
ベルサイユ宮殿では馬術と近代五種の馬術種目が行われる ©Paris 2024
アンバリッド旧廃兵院はアーチェリー会場 ©Paris 2024

近代五輪の歴史の中でフランスが重要な位置を占めているのは、国際オリンピック委員会(IOC)を設立したフランスの教育者・歴史家のピエール・ド・クーベルタン(1863〜1937)の存在が大きい。1894年にパリのソルボンヌ大学で開催した会議で、4年に1度、古代スポーツでなく現代スポーツのプログラムで五輪を開催することが決定された。

世界有数の観光大国でありながら、コロナ禍により海外からの集客を積極的に発言できないジレンマ。2024パリ五輪はコロナに勝利するための絶対的な理念が求められる。

五輪を生んだ国が成熟期を迎え、また新たな改革を世界最大のスポーツイベントにもたらすことは時の流れでもある。

イエナ橋の夜景。エッフェル塔に隣接するシャンドマルスには柔道とレスリングの会場がある ©Paris 2024

●2024パリ五輪の公式ホームページ

パリ郊外のル・ゴルフ・ナショナルで伝統の対抗戦…2024パリ五輪でも会場に

NHKの2020東京五輪自転車競技の見逃し配信

東京五輪の自転車競技の模様は民放テレビ局によるインターネットでのオリンピック公式競技動画配信サイト「gorin.jp」で配信されたが、NHKの東京2020オリンピック特設サイトで「見逃し配信」として視聴できる。

ベルギービールウィークエンドは大阪と日比谷も中止

ベルギー産の多様なビールをこれにマッチした料理とともに楽しめるアウトドアイベント、ベルギービールウィークエンドは、大阪と東京の日比谷での開催日程を調整してきたが、新型コロナウイルス感染が収束しないことから開催を断念した。

多様なベルギービールはおみやげとして持ち帰ることもできる

2021年のベルギービールウィークエンドは名古屋、大阪、横浜、東京の日比谷と豊洲で開催を計画していた。名古屋は当初の予定から延期されたが終了。同じく開催を延期した横浜、そして東京の豊洲は引き続き開催日程を調整していく。

●ベルギービールウィークエンドのホームページ

ペダルを漕がない自転車レースの日本予選大会は中止

レッドブルUCIパンプトラック・ワールドチャンピオンシップ2021を主催するレッドブルは、8月29日に福島県相馬郡の「しんちパンプトラック」で予定していた日本予選を、公衆衛生の状況と政府や自治体による対策に応じて中止した。

UCI公認の世界選手権となったパンプトラック ©Dan Griffiths / Red Bull Content Pool

ペダルを漕がない自転車レースの世界選手権、Red Bull UCI Pump Track World Championship(レッドブルUCIパンプトラック・ワールドチャンピオンシップ)は10月にポルトガルのリスボンで開催される予定。その日本予選として開催する計画で、7月21日から募集が始まっていた。参加料は全額返金されるという。

レッドブル・パンプトラック世界選手権を走る榊原爽 © Ryan Fudger / Red Bull Content Pool
ペダルを漕がない自転車レース…世界選手権代表選考会開催

レッドブルUCIパンプトラック・ワールドチャンピオンシップのホームページ

フレームバッグにシートチューブのボトルに干渉しにくいミディアム新登場

R250 フレームインナーバッグ ミディアム アーガイル リップストップ ブラックがワールドサイクルから発売された。最も脚に当たりにくいデッドスペースを利用したバッグで、シートチューブのボトルに干渉しにくいミディアムサイズが新登場。

走行中にさっと中身を取り出せる便利ポケット。撥水効果と耐摩擦性能の高い4層構造のアーガイルリップストップ生地を採用。スマホや携帯工具、財布やカメラ、予備バッテリーや補給食、自撮り棒やミニ三脚などを入れるのに便利。右側のジッパーがメインの荷室用、左側のジッパーは薄めのポケット。iPhone12がちょうど収まる。

トップチューブの前側2本のベルトと、ダウンチューブに取り付けるベルトの位置は、調整可能。トップチューブバッグのベルトとの干渉を避ける仕様だ。リフレクター付き止水ジッパーを使用しているので、少しの雨なら大丈夫。ジッパーの取っ手は指を入れるだけで引っ張ることのできるタイプ。特に冬のグローブで便利。

R250 フレームインナーバッグ ミディアム アーガイル リップストップ ブラック

あえて硬い芯材をどこにも使っていないことも特徴。小さいフレームにもクシュっとつぶれることで、取り付け可能。ダウンチューブに取り付けたボトルの飲み口と多少当たっても大丈夫。予備バッテリーを入れたときに便利な、コードを通す穴がある。

ハンドルやステムにマウントしたスマホやサイコン、ライトなどを給電しながら使用できる。撥水効果と耐摩擦性能の高い、4層構造のアーガイルリップストップ生地を採用。使い勝手を考えて、中の仕切りはあえてない。中身が見えやすいように内張は黄色。

素材:アーガイルリップストップ
サイズ:長さ360mm x 高さ130mm x 幅45mm
素材自体が柔らかいので、多少小さめのスペースにもキュッと入る
重量:120g
販売価格:5720円(税別)
●ワールドサイクルのホームページ

中身が見えやすいように内張は黄色

半年前に発売したラージサイズも

■R250 フレームインナーバッグ アーガイル リップストップ ブラック
サイズ:長さ430mm x 高さ110mm x 幅45mm
重量:162g
販売価格:5940円(税込)
●ワールドサイクルの通販ページ

榊原爽と畠山紗英…大親友でライバルが東京五輪BMXで再会

SAYAとSAEは1999年生まれの同級生。毎年開催されるBMX世界選手権では日本代表として、年齢別クラスで2人のどちらかが世界チャンピオンになってきた。ライバルだけど仲良し。SAYAこと榊原爽(さや)はその後、オーストラリア国籍を取得。SAEこと畠山紗英(さえ)は日本の第一人者に。2人は2020東京五輪BMXレーシングでそれぞれの国の代表選手として再会した。

榊原爽(左) © Jarno Schurgers / Red Bull Content Pool 畠山紗英(右) © Kunihisa Kobayashi / Red Bull Content Pool

2人のどちらかが世界タイトルを獲得してきた幼少期

BMX世界選手権には16歳までの年齢別にカテゴリーが設定される。17歳からジュニア、そして19歳になる年からエリートというチャンピオンシップカテゴリーになるが、日本勢は年齢別カテゴリーでは常に世界の頂点を争っている強豪国だ。2008年に日本代表として参戦した榊原が世界選手権初優勝。畠山が2009、2011、2012年と同タイトルを獲得。榊原は2010年に2勝目、さらに2013年から2015年まで3連覇。つまりこの年代の女子クラスでは日本勢がタイトルをほぼ獲得してきた。その黄金世代が21〜22歳となって東京五輪を迎えたのである。

ショートフィルム撮影のためドレス姿で走る榊原 © Andy Green / Red Bull Content Pool

榊原は父が英国人で母が日本人。生まれたのはオーストラリアのゴールドコーストだが、2歳の時から6年ほど東京都府中市に住んでいた。兄の魁(かい)がBMXをしていて、それを追いかけるように楽しみ始めた。

 17歳になる前に国籍を決める必要がありました。兄は国を挙げてスポーツ選手を支援するオーストラリアを選んでいて、私もオーストラリアに決めました」

スタートダッシュで攻める畠山(右) © Jarno Schurgers / Red Bull Content Pool

万全のサポートを受けられるハイパフォーマンスチームはBMX選手として男女各2人という狭き門にもかかわらず、兄妹はともに選抜された。残念ながら魁がレース中に重傷を負い現在もリハビリを続けているが、榊原は兄のためにも頑張ると五輪代表の座を射止めた。2018年にはワールドカップ初優勝。東京五輪での金メダル候補と言われるまで実力を伸ばしてきた。

「BMXを始めたのは日本なので、その場所に戻って五輪選手として走れるのってすごいストーリー。畠山ちゃんは5歳からずっと友達でありライバルなので、東京五輪で対決するのが楽しみです」

榊原爽と兄の魁(右) © Brett Hemmings / Red Bull Content Pool

2019年10月に五輪会場となる有明アーバンスポーツパークで開催されたテスト大会を制したのは榊原だ。しかし畠山も負けていない。2020年はシーズン開幕直前に手の骨折。国際大会に参戦できず、その後コロナ禍となった。地元の神奈川県寒川町に建設されたスタートゲートで、在学する日本体育大と日本自転車競技連盟が連携して動作解析。新しい練習方法も取り入れた。コロナの状況に応じて拠点をスイス、フランス、スペインと移しながら、練習に打ち込んだ。5月のワールドカップシリーズでは日本人初となる3位に。

「あまりライバルと言う意識を持ったことはないですが、あげるとすれば同世代で戦ってきたメンバーを意識する」とSAE。

榊原と畠山が出場するBMXレーシングは有明アーバンスポーツパークで7月29日に予選、30日に決勝レースが行われた。畠山は予選の最初のレースで落車負傷し、翌日の準決勝に進出できず。榊原は準決勝で敗れ、9位という成績。それぞれの五輪初出場が終了し、また新たな目標に向かって仕切り直しすることになる。

オーストラリア代表の榊原爽 © Jarno Schurgers / Red Bull Content Pool

 ◆榊原爽(さかきばらさや) 1999年8月23日、オーストラリア・ゴールドコースト生まれ。身長17cm。五輪初出場

畠山紗英 © Kunihisa Kobayashi / Red Bull Content Pool

 ◆畠山紗英(はたけやまさえ) 1999年6月7日、神奈川県生まれ。身長162cm。日本女子選手として五輪初出場