歴女ポタなら関ケ原…目的や体力に応じて推奨5ルート

関ケ原の戦いは西暦1600年。社会科のテストに必ず出題されるが、実際に現地を訪れたことある? 点在する史跡をめぐるのは自転車がまさにピッタリで、地元岐阜県はおすすめのサイクリングコースを設定。随所に史跡案内看板を設置して国内外からサイクリストなどの誘致を図る。ロードバイク女子の成田美織さんが歴女ポタ、いわゆる散歩感覚で自転車を走らせるポタリングを楽しんだ。

電車アクセスの場合はJR東海道本線を利用。関ケ原駅前観光交流館(いざ!関ケ原)がベースとなる

点在する史跡を訪ねるなら自転車がベスト

天下分け目の関ケ原がサイクリングコースとして注目されている。岐阜県が史跡を網羅したコースを設定し、現地には、案内板やガイド地図、アプリなどサイクリングを楽しむコンテンツがそろっている。電動アシスト自転車などのレンタルもあって、新たなサイクリング訪問地として魅力をアップさせている。

最近ロードバイクにハマっているという成田さんはマイバイクを現地に持参。関ケ原町歴史民俗資料館でガイドマップを手に入れ、サイクリングに出発した。レイアウトされたおすすめコースは自転車のスピードにうってつけの道幅で、多少のアップダウンがあるものの、普段あまり自転車に乗っていない人でも楽しく走れるルート。27の史跡などをめぐるのでスタンプラリーのような楽しさもある。

関ケ原笹尾山交流館で戦国武将「島左近」の甲冑姿に変身。武将を選ぶこともでき、3時間5000円。子ども甲冑1000円、幼児甲冑500円、姫甲冑は3800円
決戦地を走る。悠久の歴史に身震いする思いさえする
関ケ原町歴史民俗資料館で史跡ガイドの古山政樹さんに歴史を教えてもらってからサイクリングへ
グループの場合は史跡ガイドをお願いすると詳しい歴史を解説しながら回ってくれる。1グループ1500円。昼食代別途
史跡解説板は東軍が赤色、西軍が青色で表示。写真は徳川家康最後陣地なので赤だ

この日の成田さんはビンディングシューズではなくスニーカー。自転車を降りて少し歩けば、古戦場を一望できる展望台などに脚を伸ばせるからだ。それでも拠点間の移動は徒歩よりも自転車がいい。クルマだと見落としてしまいそうな道標も簡単に見つけることができる。

それぞれの立ち寄りポイントはサイクリストが利用できる駐輪余地が十分にある。清潔なトイレも4カ所に新設されたという。外国人旅行者の訪問も想定し、多言語によるアプリ・ホームページ案内も充実。さらにおすすめコースはルートラボで公開されているので、手持ちのGPSデバイスに取り込めばコース案内もしてくれるので迷うことはない。

天下分け目の決戦当日は夜来の雨が上がったものの、霧が立ちこめていたというが、成田さんが実走したこの日はそれを再現するかのような雨上がりの天候。西の山麓に陣地を敷いた西軍が有利と言われた合戦は小早川秀秋らの寝返りによって敗北。現地で西軍石田三成陣跡に立ってみると、その小早川隊が不穏な動きを見せた松尾山が手に取るように望むことができる。

「事前に歴史を知っておけば興味は倍増ですね。各所に陣取った戦国武将それぞれの思いがちょっと感じられる雰囲気がありました」と成田さん。

岐阜県の関ケ原古戦場整備推進課が提案するおすすめサイクリングコースは5つ。成田さんが走ったのはこのうち最も短い距離11.5kmコースだが、絶対外せない古戦場をぐるり1周する。歴史に思いをはせながらゆっくりまわって2時間半ほど。これ以外に織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の史跡を周遊する100kmコースまで脚力に応じて選択できる。飲食店や自転車店も記載されているコースマップを入手するのがいい。

「岐阜県は初めての訪問でしたが、かつての日本の歴史にふれることができ有意義な1日でした。次はもっと郊外に出て中級や上級コースにチャレンジしてみたいです」

小早川秀秋の裏切りスナックを関ケ原笹尾山交流館で見つけた!
戦国武将のフィギュアは歴女垂涎のアイテム。コンプリートを目指せ!
西暦1600年、世界三大古戦場のひとつである関ケ原の戦いが始まった開戦地を訪ねる
西軍副大将の宇喜多秀家はイケメンだったという
大谷𠮷継陣跡は東海道本線を渡った先にある。悲運の武将でパワースポットとなっている
西軍を裏切った小早川秀秋が陣取った松尾山までは自転車を降りて40分ほどのトレイル。成田さんなら20分だ
藤堂高虎・京極高知陣跡は関ケ原中学校の敷地内にあるが、訪れることはOK
関ケ原駅のコインロッカーは武将の兵力によって利用料が異なる。徳川家康と石田三成は最高額の300円!
関ケ原駅前観光交流館(いざ!関ケ原)にはコンプリートしたくなるようなおみやげがいっぱい!

関ケ原サイクリングコースの情報をゲットする

関ケ原古戦場や西濃・岐阜地域を周遊する5つのサイクリングコースが設定された。それぞれのコースは、関ケ原の戦いにちなんだ内容がテーマで、距離などの難易度を選択すればサイクリング初級者から上級者まで幅広く楽しめる。

各コースのルートは「みる!しる!かわる!関ケ原」ホームページ物語で巡る古戦場 で公開され、電子マップをダウンロードして利用したり、初級者向けの2コースについては、持ち運びしやすい紙のガイドマップが用意されている。

【岐阜県の関ケ原サイクリングコース】

①決戦!関ケ原コース(11.5km)!今回の実走コース!
②策謀!垂井コース(20km)
③出陣!東西進軍コース(40km)
④チェスト!島津退き口コース(63km)
⑤天下一!美濃戦国コース(100km)

【ガイドマップ配布場所】
関ケ原駅前観光交流館、関ケ原町歴史民俗資料館、関ケ原町役場、垂井町観光案内所、垂井町役場、岐阜県庁関ケ原古戦場整備推進課など

岐阜県の古田肇知事も国内外のサイクリストを大歓迎

岐阜県の古田肇知事

誰もが知る「関ケ原の戦い」。その魅力を全国にPRするため、サイクリング・ウォーキングコースの設定をはじめ、史跡や案内サインの整備、関ケ原グッズの開発などのほか、合戦を再現した野外劇や武将に着目したイベントのシリーズ展開など、古戦場の魅力創出を進めてきました。さらには、アメリカのゲティスバーグ、ベルギーのワーテルローと姉妹協定を締結し、幅広い分野での交流を進めるとともに「世界三大古戦場」として世界に発信しています。

加えて、戦いから420年目となる2020年には、新たなシンボルとなる「岐阜関ケ原古戦場記念館」がオープンします。大型スクリーンやCGを使って合戦をリアルに再現するシアターや、古戦場を一望できる展望機能を備えた施設として整備を進めているところです。

2020年1月には、岐阜県とゆかりの深い明智光秀が主人公のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の放送がスタートします。 光秀やその主君である斎藤道三、織田信長ゆかりの地と、「関ケ原の戦い」で活躍した武将ゆかりの地を重ね合わせると、本県は戦国時代の黎明期からクライマックスに至るまでの多くの武将の魅力を満喫できる歴史観光エリアとなります。お気に入りの武将やご当地の武将に思いを馳せながら、本県の誇る自然や食、伝統文化などをお楽しみいただきたいと思います。

●成田美織の西美濃サイクリング編

歴女美織のポタリング後記

関ケ原サイクリングでは、関ケ原町歴史民俗資料館だけでなく古戦場や陣跡など点在している史跡1つひとつに案内パネルが設置され、目的地までのルートもわかりやすく自転車で巡っていくのが楽しかったです。また最後に笹尾山から眺めた石田三成が見た景色は、それまで自転車で走ってきたルートを見下ろすことができ、達成感を得ることができました。また実際に足を運ぶと雨天ながらも教科書だけでは得られないような臨場感を感じました。

この日はあいにくのお天気でサイクリングコースの全てを周ることができなかったので、もう一度関ケ原サイクリングに行きたいです。

成田美織(なりたみおり)
2017ミスアース群馬代表・全国大会4位受賞 。2017Miss Tourism queen of the year世界大会へ日本代表として出場。各国の出場者たちの投票によって決まるミスフレンドシップ賞を受賞。国内・国外の大会経験で美や健康、コミュニケーション力などを学ぶ。現在はモデル・MCとして活躍
成田美織のアメブロ
成田美織のInstagram
成田美織のライドハンターズ上野村

ワレン・バルギルがフランスチャンピオンに

アルケア・サムシックのワレン・バルギルが6月30日に開催されたフランス選手権で優勝。トリコロールのフランスチャンピオンジャージを獲得し、7月6日に開幕する第106回ツール・ド・フランスに登場することになった。

ワレン・バルギルがフランス選手権で優勝 ©Team Arkéa – Samsic

バルギル(フランス)は2019年3月11日に開催されたパリ〜ニース第2ステージで落車。第2頚椎の2カ所を骨折する重傷を負った。チームのジャンジャック・ムニェ医師は「深刻な負傷なのでバルギルが再び自転車に乗れる時期は今のところ分からない」とコメントするほどだったが、3月25日のボルタ・ア・カタルーニャ(スペイン)でレース復帰。

「選手としてだけでなく今後の生活にも支障をきたす恐れもあったが、幸いなことに最小限の頚部負傷にとどまったことが認められた。リハビリなしにレース復帰できた」と同医師。

アルケア・サムシックにとっては悲願の優勝だ ©Team Arkéa – Samsic

「落車でケガをしたときにサポートしてくれた人もいたが、復帰は無理だと思っていた人もいた。絶望のどん底にいたときもあったが、いつかはいい波が訪れると思っていた。ボクはそんなにスーパーマンではないが、心身ともにフランス選手権に勝てる状態まで戻っていた」とバルギル。

「復帰できないと思ったこともある。簡単なことではなかったので、もう自転車をやめようと思ったこともあるけど、妻が献身的にサポートしてくれて、あきらめないで頑張ろうと決心した。人生はこういうもので、困難な時もいい時もあると思う。妻と家族、チーム、そして砂漠のど真ん中で私に手を差し伸べたすべての人々に感謝したい。自転車をやめていたら、この決断は一生でとても後悔するかもしれないと自分に言い聞かせた」

フランスチャンピオンジャージを獲得したバルギル ©Team Arkéa – Samsic

「さっそく明日からこのトリコロールジャージを着て練習に出ようと思う。ツール・ド・フランスにこのジャージとナショナルカラーに塗られた自転車でツール・ド・フランスに出場できるなんてまだイメージできない。でもやり過ぎないようにしたい。このジャージはプレッシャーではなく、情熱だから」

バルギルがフランスチャンピオンジャージを着て歓喜 ©Team Arkéa – Samsic

●アルケア・サムシックのホームページ

入部正太朗、急逝の父に捧げる初の日本チャンピオン

第88回全日本自転車競技選手権大会ロードレースのエリート男子が6月30日に静岡県小山町の富士スピードウェイで開催され、入部正太朗(シマノレーシング)が新城幸也(バーレーン・メリダ)とのゴール勝負を制した初優勝した。

入部正太朗が新城幸也を制して日本チャンピオンに ©2019 JCF

レースは雨の中、当初の予定通り21周回227kmで行われ、152選手が出走。レースは中盤に徳田優(ブリヂストンサイクリング)が独走となって周回を重ね、後半を迎えた。

徳田がメイン集団に吸収されるタイミングでカウンターアタックがあり、30名弱の先頭集団が京成される。ここから新城、横塚浩平(チーム右京)、入部が抜け出して後続との差を広げ、ラスト4周を逃げ切った。

勝負は最終周回で横塚が遅れ、新城と入部の一騎打ちに。ゴールスプリントは新城が先行するがギリギリで入部が逆転し、全日本選手権初優勝を飾った。

新城幸也がアタックし、横塚浩平と入部正太朗が追走 ©2019 JCF

「最高の気分です。(全日本選手権は)どうしてもほしかったレースでした。本当にうれしいです。(フィニッシュ後は)チームメイトやスタッフの顔、応援してくれたみんな、それにオヤジが2カ月半程前に亡くなったので、それを思い出して泣いてしまいました」と入部。

全日本選手権を制した入部正太朗を中央に左が2位新城幸也、右が3位横塚浩平 ©2019 JCF

エリート男子ロード
優勝 入部正太朗(シマノレーシング) 6:12:27
2位 新城幸也(バーレーン・メリダ) :0:00
3位 横塚 浩平(チーム右京) :0:08

与那嶺恵理 エリート女子、U23は武山晃輔…全日本選手権

2019全日本選手権ロードは6月29日、激しい雨に見舞われた静岡県の富士スピードウェイで大会3日目のレースが行われ、エリート女子は与那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)、U23は武山晃輔(チーム右京)が優勝した。

女子エリート+WU23
1位 与那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)
2位 金子広美(イナーメ信濃山形)
3位 樫木祥子(イルミネート)
4位 牧瀬翼(イケウチエグジット)
5位 伊藤優以(ゼロウノフロンティア)
6位 福田咲絵(慶應義塾大)

女子U23
1位 梶原悠未(筑波大)

男子U23
1位 武山晃輔(チーム右京)
2位 沢田桂太郎(ブリヂストンサイクリング)
3位 今村駿介(ブリヂストンサイクリング)
4位 花田聖誠(ユーラシアIRCタイヤ)
5位 石原悠希(インタープロサイクリングアカデミー)

●日本自転車競技連盟のホームページ

トーマスとベルナルがツール・ド・フランス参戦…イネオスがメンバー発表

英国のイネオス(旧スカイ)が7月6日に開幕する第106回ツール・ド・フランスの出場8選手を6月28日に発表した。連覇をねらう英国のゲラント・トーマスとコロンビアのエガン・ベルナルらが選出された。

●イネオスのツール・ド・フランス出場8選手
エガン・ベルナル(コロンビア)
ヨナタン・カストロビエホ(スペイン)
ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)
ジャンニ・モスコン(イタリア)
ワウト・プールス(オランダ)
ルーク・ロウ(英国)
ゲラント・トーマス(英国)
ディラン・ファンバーレ(オランダ)

🇫🇷ツール・ド・フランス関連ニュース一覧
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●ツール・ド・フランスのホームページ

キャノンデールが2020年モデル新型SuperSix EVO発売

キャノンデール・ジャパンがデザインを一新したSuperSix EVOを発表した。この新型バイクは、歴代のロードレースバイクをドラマチックに進化させたモデルとなる。前作モデルで支持された『軽くスムーズかつ俊敏なライドフィール』はそのままに、空気抵抗を大幅に削減するためにアップデートされたチューブデザインを採用することで、現代のライダーが真価を発揮できる本格的なロードバイクに仕上げられている。

キャノンデールのエンジニア、ネイサン・バリーは「エアロダイナミクスは、バイクのスピードとパフォーマンスに大きく影響します。そこで、新型SuperSix EVOでは空気抵抗を削減することを最優先しました。一方で、旧型モデルの高い評価を支えた軽さ、反応のよさ、安定した走りをそのまま新型に継承することも同じくらい重要なことでした」とコメントしている。

相反する軽量性とエアロダイナミクスを究極のバランスで実現

軽量性とエアロダイナミクス両方のバランスを考慮し、新型SuperSix EVOでは、以前のフレームに匹敵する軽量性、剛性、ライドフィールを実現しつつ、空気抵抗を削減するエアロチューブを採用している。新しくデザインされたフレーム、フォーク、シートポスト、バー、ステム、ホイールが相互に連携して最適なパフォーマンスを実現するシステムインテグレーションとなっている。これらの開発努力が実を結び、時速48kmで前作モデルよりも30ワットを削減する、現在市販されている軽量ロードバイクの中で最速のバイクが完成した。

新機構採用によりさらに高い快適性能をプラス

新型SuperSix Evoは、初代からスムーズで優雅なライドフィールが高く評価されているモデルだったが、新型モデルは前作モデルよりもさらにスムーズな走りを実現した。新しいインテグレートシートバインダー、 27 KNØTシートポストにより、路面追従性が18%向上している。さらにフレームには、十分なクリアランスを確保しつつ30mmのタイヤを装備できる余裕がある。また、新しいSAVEバーにより、衝撃を吸収しながら、空気抵抗が軽減されるため、ラフな路面でも脅威の快適性、コントロール性、そしてスピードを確保できる。

最も使いやすいワイドな45mmハイトリム、チューブレスレディにも対応

HollowGram 45 KNØTホイールは、キャノンデールの空気抵抗を低減する幅広のリム形状に、軽く汎用性に優れたリムハイト45mmを採用したディープリムホイール。このホイールは、世界最速のオールラウンドレーシングホイールのひとつで、内径21mm(外径32mm)のスーパーワイドリムに25C(実測値28mm)のタイヤを装備しても驚異的な空力効率をキープしつつバリエーションに富む路面や環境で、さらに高速巡航する可能性 を広げる。

キャノンデールアプリがバイクとライダーをつなげる

SuperSix EVO Hi-Mod Disc – Ultegra Di2

新型SuperSix EVOは、ライダーにバイクとライド体験をつなぐ新たな楽しみを提供。キャノンデールの最新技術によって、内蔵されたホイールセンサーと新しいキャノンデールアプリがシームレスにペアリングされ、極めて正確なスピード、ルート、走行距離を自動的に保存することができる。さらに、ライダーのスマートフォンでは自分自身のバイクに関する詳細情報を確認したり、メンテナンス時期を自動的にお知らせする。

すぐに利用できる「Power2Max」パワーメーター(一部サービスは有料)やホイールのスピーディーな脱着を可能にするスピードリリーススルーアクスル、整備が簡単なガイド付きインターナルケーブルルーティングといった、こだわりのディテールが採用された新型SuperSix EVOは、徹底的に磨き上げられた本格的なロードバイク。

●キャノンデールのホームページ