【Column】GPSデバイスはあえてセカンドグレードを選んだ、これだけの理由

GARMIN(ガーミン)のGPSウォッチやアクティビティトラッカー27モデルをレビューしてきたボクが、愛用品として選んだのはマルチスポーツ対応プレミアムGPSウォッチのfenix(フェニックス)シリーズのセカンドグレード、「fenix 5 Sapphire(ファイブ・サファイア)」だ。なぜフラッグシップにしなかったのか? 実機種の性能比較、カタログデータを読み解いた結果だ。

Garminのfenix 5 sapphire

つや消しブラックの無骨なステンレス製ベゼルと幅広のブラックシリコンベルトが質実剛健なfenixシリーズ。fenix 5の価格は7万4800円(以下すべて税別)。後発登場となったfenix 5Xはそのフラッグシップモデルで9万9800円。ここでまず2万5000円の差がある。

ホームページには5Xにプロテクターケースが付属すると明記されていないが、先代モデルのfenix 3J Titaniumと同様にペリカン社製の小型防水ハードケースが付いてくる。本機や付属品を取り出したら精密機器などの持ち運びに使えるので便利。ちょっとしたオトナの遊びアイテムという感じで、単品で購入すればこれだけで1万円超の価格になるようだ。ただしボクの場合は本機を取り出したらもう二度と使わない気がしたので「ネコに小判」。

もうひとつ、5になくて5Xにある唯一の機能がプレロード地図。登山家や道をロストした迷子には便利なのかも知れないが、じつは画面が小さくて拡大もままならず、そんなあわただしい状況で使いこなせるとは思えない。道案内なら大画面のスマホでいいという人もいるだろう。それ以外の両機種の性能はGPSによる位置情報の取得も光学心拍計によるハートレートモニタリングもまったく同じレベルである。

当然のように両機種とも、これまでのあらゆるfenixシリーズの中で最も精度が高く驚くべきものがあった。ウォーキング時にコンビニに立ち寄って、トイレをお借りし、いくつかの商品を手に取り、レジで支払いを済ませて出ていったのだが、歩き終わってスマホにデータを転送させて確認してみると、コンビニ店内の動きまで記録されていたのである。

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本体サイズにも差がある。5Xが51mm、5が47mmなのだが、実際の液晶画面は同じサイズ。後者はコンパクトなボディに同じ機能を凝縮したといえる。5のほうが重量も軽いので扱いやすいというメリットもある。

そして5を選んだ理由のもっとも重要なポイントは内蔵バッテリー稼働時間である。カタログ上のデータだが、5XはGPS稼働時20時間・ウルトラトラックモード30時間・スマートウォッチとして使用する際は12日間の連続使用が可能。これに対して5は同21時間・44時間・14日間。つまりフラッグシップを上回っているのである。

これまでさまざまなGPSデバイスを比較インプレッションして記事紹介

ランニング用ウォッチのForeAthlete(フォアアスリート)シリーズもセカンドグレードを選んで正解というユーザーもいるはずだ。光学式心拍計とGPS機器を搭載したForeAthlete 935がフラッグシップ。価格は5万7800円で、単品価格8400円のランニングダイナミクスポッドが付属する。セカンドグレードのForeAthlete 735XT Jは4万4800円。トレーニング負荷などの上級者モードがないだけで機能面はそん色ない。

もちろんフラッグシップはプロやトップアスリートのパフォーマンスを十分に引き出す最高級アイテムだ。ただし一般的にはセカンドグレードでも十分すぎ、コスト面のパフォーマンスも際立つ。fenix 5 Sapphireを手に入れたボクはツール・ド・フランス取材からオフタイムの登山やトレイルランや自転車などで365日フル稼働していきたい。

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