マレーシアを舞台に行われるステージレース、ツール・ド・ランカウイは3月18日にレースがスタート。147.9kmで争われた第1ステージ、キナンサイクリングはトマ・ルバの48位が最上位。ほか4選手もメイン集団内でフィニッシュしたが、椿大志が途中でリタイア。残るステージは5選手で戦うこととなった。
UCIアジアツアーにおける最高ランク、HCクラスにカテゴライズされるこの大会。ステージ数やレースオーガナイズなど、その大会の規模から「アジア最大のステージレース」とも称される。23回目を迎えた今回は、国際登録における第1カテゴリーのUCIワールドチームが2チーム参戦しているほか、14カ国22チームがスタートラインに並んだ。
日本籍のチームでは唯一の参戦となるキナンは、この大会にルバ、椿、山本元喜、中西健児、マルコス・ガルシア、サルバドール・グアルディオラの6人がメンバー入り。本格山岳ステージとなる第5ステージでの総合争いを視野に入れつつ、その他のステージでも逃げや勝負どころでのアタックなど、あらゆるレース展開に対応できる選手をそろえた。
迎えた第1ステージはカンガーからクリムまで、マラッカ海峡に沿って南下する平坦ルート。スタートから16km、37.2km、70.4kmの3カ所にスプリントポイントが設けられるほか、104.3km地点に今大会最初のカテゴリー山岳となる4級のポイントが設定された。
40度近い気温の中で行われたレースは、序盤に3選手が逃げグループを形成。キナン勢はこれを見送り、メイン集団でレースを進めた。タイム差は最大で6分30秒近くにまで開いたが、後半に入ってスプリント勝負を意識するチームが集団のペースを上げ、徐々にその差を縮めていく。キナン勢も集団内でのポジションを徐々に上げていき、強力チームと肩を並べるところで走った。
そのさなか、椿が不調を訴え、山岳ポイントを過ぎたあたりから集団から遅れ始める。補給を摂り、集団復帰を試みたがペースを戻すことができなかった。熱中症の症状がでていたこともあり、この先に控えるレースにダメージを残さないよう、大事をとってリタイアを決断することとなった。
集団で走ったキナン勢5選手は、こまめに水分や補給を摂りながら時間とともに増す暑さに対応。残り10kmを切ったタイミングで複数の選手が絡む落車が発生したが、キナン勢は間一髪かわして難を逃れる。スプリント勝負となったステージ優勝争いには加わらず、安全なポジションでのフィニッシュに努め、トップと同タイムで初日のステージを終えた。
チーム内最上位はルバの48位。グアルディオラが52位、山本元が57位、ガルシアが62位、中西が75位と続いた。なお、途中でバイクを降りた椿も大事には至らず、残るステージにも帯同することになっている。
翌19日の第2ステージは、ゲリク(Gerik)からコタ・バル(Kota Bharu)までの208.3km。前半に4級と1級のカテゴリー山岳を越え、その後は平坦が続く。後半はタイとの国境地域を進み、東シナ海に面した街へとフィニッシュする。
サルバドール・グアルディオラのコメント
シーズン初戦を迎えられてとてもうれしい。自らのコンディションが未知数な部分もあったが、1ステージ走ってチームのために力を尽くせると実感している。チーム一丸となって好成績を残したい。スペインはまだ冬ということもあり、マレーシアの暑さへの対応は特に重要になっている。好成績を得るためには、この環境に適応しなければいけない。今後のステージでは、どこかで攻撃していきたい。自分のコンディションに合った走りをしながら、最終的にチームに貢献できていれば満足できると思う。
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