ツール・ド・とちぎ第2ステージが3月25日、栃木県南部の小山市から観光地として有名な日光市まで距離105kmのロードレースとして行われ、キナンサイクリングの5選手が参加した。コース前半は平坦区間が続き、後半は3級山岳を含むアップダウンがある。
初日のタイムトライアルの差を挽回すべく、リアルスタート直後から各チームがアタック合戦を繰り広げる。しかしどれも決定的な動きにならないまま、ハイスピードでレースは進行する。後半に入り、コースにアップダウンが出始めてくると、シマノレーシングの湊諒、マトリックスパワータグの安原大貴、日本大の小嶋健太の3人の逃げが容認される。ここから集団はリーダージャージのマイケル・ポッターを擁するオーストライランサイクリングアカデミー・ライド・サンシャインコーストがコントロールを開始し、逃げ集団との差を1分に維持する。
86km地点の3級山岳への登り、逃げる3人との差は一気に詰まり、下りで全てを吸収。この動きで個人総合上位2人を含む9人が先行して逃げ切り、最後はスプリントを制したポッター選手が第1ステージに続き優勝した。キナンチームは、後半勝負にかけてメイン集団の中でレースを進めるも、3級山岳で先行した先頭集団に誰も送り込めず、41秒遅れの第2集団でゴールした中島康晴の21位が最高位に終わった。
最終日は栃木県北部の那須町をスタートし、中部の真岡市にゴールする147kmのロードレース。険しい山岳はないものの、アップダウンが繰り返されるコースで、途中2カ所の3級山岳が含まれるコースだ。チームとしての最終日にかける士気は高く、緊張感を保って第3ステージに挑むこととなる。
ツール・ド・とちぎ第2ステージ結果(105km)
1 マイケル・ポッター(オーストラリア、オーストラリアンサイクリングアカデミー・ライド・サンシャインコースト) 2時間21分27秒
2 レイモンド・クレダー(チームUKYO) +0秒
3 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)
21 中島康晴(KINAN Cycling Team) +41秒
46 新城雄大(KINAN Cycling Team) +2分14秒
48 雨乞竜己(KINAN Cycling Team)
55 塚本一樹(KINAN Cycling Team) +2分54秒
81 椿大志(KINAN Cycling Team) +4分47秒
個人総合順位
1 マイケル・ポッター(オーストラリア、オーストラリアンサイクリングアカデミー・ライド・サンシャインコースト) 2時間30分10秒
2 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +22秒
3 レイモンド・クレダー(チームUKYO) +24秒
22 中島康晴(KINAN Cycling Team) +1分38秒
49 新城雄大(KINAN Cycling Team) +3分21秒
50 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) +3分29秒
71 塚本一樹(KINAN Cycling Team) +4分39秒
77 椿大志(KINAN Cycling Team) +5分55秒
椿大志
序盤1時間半くらいのアタック合戦は雄大と連携しながら、読みづらい展開をうまく立ち回れたと思う。肝心のKOMで雨乞をサポートできる位置で登らなければと粘ったが、厳しかった。最低でも集団復帰できるところでクリアしなければならなかった。ただ、入口まではみんなでまとまれたのはよかった。明日の最終日はトップコンディションとはいかないまでも、今の最善を尽くしてチームに貢献したい。
塚本一樹
平坦の区間では、中盤から集団内を移動する感覚をつかめた気がするので、明日のステージではチームの勝利のために積極的に動きたい。今日も学ぶことが多く、良い経験になった。とても楽しむことができたステージだったが、チームのために動けなかったことが悔しい。いろいろあるが、明日もがんばっていきたい。
雨乞竜己
KOMでの下からのペースアップには耐えることができたが、その後の細い下り区間で雄大と一緒に中切れにあって、その後は挽回できずにゴールを迎えてしまって悔しい。もうあと5番手前を走っていれば、中切れで遅れずに済んだだけに状況判断ミスが悔やまれるが、上りきった時にあのポジションにならないためにも、あらためてもう1ランク上のベースアップを目指さなければならない。明日は今日のようなミスをなくして集団に残って必ずスプリントしたい。
中島康晴
最初からアタック合戦がガンガン激しく始まり、それを椿と雄大が要所要所で反応してくれて、しっかりチェックしてくれたのでチームとしてとてもありがたかった。チームオーダーで決めていた上り前の位置取りも成功して15番手で上り始めたが、宇都宮ブリッツェンのペースアップになす術がなかった。個人としてもチームとしても不完全燃焼のままで終わりたくないし、悪いイメージを払しょくするためにも、明日はチームみんなで雨乞のステージ優勝をねらう。
新城雄大
前日のミーティングでアタックが激しくなるのは予想していて、実際その通りになった。序盤のピリピリとした集団の動きの中、決まってしまいそうなメンバーが行った逃げにチェックすることに専念して、チームオーダーをこなすことができた。集団が落ち着いてからは雨乞さんの近くにいてサポートしながらKOMに向けて前で固まっていけたが、上りでポジションを下げてしまったことが悔やまれる。昨日、今日の悪い流れを断ち切って、チームとしても個人としても明日こそ見せ場を作りたい。
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