2歳未満はフロント乗せ…年齢に応じて乗る位置が変わる子ども乗せ自転車の選び方

子ども乗せ電動アシスト自転車が進化している。低速になる上り坂でもふらつきにくい両輪駆動。左ブレーキをかけるとバッテリーが回復充電するシステムなどなど。幼稚園や保育園の送迎にいまや欠かせない身近な乗り物だが、子どもの年齢や人数によって乗せる場所が異なるので、購入時にはその点を念頭に置いて選んだほうがいい。

ビッケ・グリとビッケ・モブはリヤチャイルドシート標準装備。オプションでフロントチャイルドシートがつけられる

1歳以上6歳未満の子どもを保育園などに送迎する際に専用チャイルドシートに乗せて走るのが子ども乗せ自転車。重心を低く設計しているので安定感が高く、しっかりと自立するスタンドを装備して乗り降りの際の転倒を防ぐ。ただし、車体の重量に加えて最大で子ども2人を乗車させるとかなりの重量になる。だから電動アシスト機能を搭載して楽にこげるようにしたモデルが人気なのだ。

子ども乗せ電動アシスト自転車の価格は14〜15万円ほどで、一般的な自転車の数倍する。しかし毎日の生活に欠かせないものだけに、新入園シーズンを前に子育て世代はその話題で持ちきり。ところが実際には「自転車は高校以来乗ってない」なんて人も多い。そんな難題を解決するために、国内最大手のブリヂストンサイクルは都心部の駅至近の場所で試乗会を定期的に実施する。

同社が実施してきた各地試乗会でのアンケートで「正しい自転車ルールを知りたい」「車種の違いを知りたい」「全車種を乗り比べしたい」という声が多かったこともあり、試乗会では4車種の乗り比べ試乗とあわせて、社員が講師となって各回90分の「子ども乗せ電動アシスト自転車の安全な乗り方・選び方」セミナーを実施する。

セミナーによれば、走行中以外の転倒が64.7%を占めるというのが子ども乗せ自転車の特徴。自転車を取り回すためにハンドルを切った際に自転車が転倒したり、子どもから目を離した一瞬のすきにバランスを失った自転車が倒れたりする。それを防止するために同社モデルには「ハンドルロック機構」が搭載されている。

「万一転倒してしまったときのためにヘルメットを着用し、シートベルトをしていれば大きなケガにはなりにくい」と同社広報の末藤ゆかりさん。
「初めてヘルメットを着用させるとお子さまは必ず泣きます。でも1〜2回で慣れますから」

いずれにしても乗り手のパパ・ママの体重と合わせると100kgの乗り物になる。ある意味では運転免許証が必要なエンジン付き二輪車と同じになるので、試乗会ではたいてい初試乗にかなり手を焼く姿が目立つようだ。

セミナーでは、安全に通園するために「月に1回はタイヤの空気圧をチェックする」「道路の左端を走行する」ことを力説。高校生以来となる自転車走行で大切なわが子に怖い思いをさせないためにも、試乗会で練習したりセミナー参加で心構えを知っておくのがオススメ。

ビッケ・ポーラーはフロントチャイルドシート標準装備。オプションでリヤチャイルドシートがつけられる

子ども乗せ自転車の選び方
子ども乗せ自転車は首がしっかりと座り体格も大きくなる1歳から乗車可能となる。チャイルドシートが前輪側にあるフロントタイプと、後輪側にあるリヤタイプがある。2人目を乗せる必要が生じたときはそれぞれオプションシートを追加搭載する。子どもの挙動が常に確認できるフロントタイプは1歳から3歳あるいは4歳未満の子どもに適応。体重がかかっても安定するリヤタイプは2歳から6歳未満に適応。フロントは体重15kg以下、リヤは22kg以下の子どもが乗車可能だと同社は規定している。

オプションのチャイルドシートはフロント、リヤとも1万3000円ほど。ヘルメットは道路交通法により子どもに着用させる努力義務があり、価格は4000〜5000円。調整ダイヤルやあごひもでしっかりとフィットさせないと着用の意味がない。

電動アシストパワーは1充電で3〜4時間稼働する。低速でもふらつきにくい両輪駆動モデルもラインナップ。また下り坂などで左側ブレーキをかけると回復充電するモデルもある。1週間で約1日分の節電になるようだ。

ブリヂストンサイクルの子ども乗せ電動アシスト自転車
bikke GRI dd」「bikke MOB dd」「bikke POLAR e」2019年モデル発売