オーストリアのチロル地方にあるインスブルックで開催されてきた世界選手権ロードは最終日となる9月30日、エリート男子ロードが行われ、38歳のアレハンドロ・バルベルデが4人のゴール勝負を制して初優勝。2位はフランスのロマン・バルデ、3位はカナダのマイケル・ウッズ、4位はオランダのトム・デュムラン。
バルベルデはこれまでの世界選手権で2003年と2005年に2位、2006・2012・2013・2014年に3位と6回も表彰台に上りながら世界チャンピオンの称号である5色の虹色ジャージ「アルカンシエル」まであと一歩だった。最終周回の激坂でバルデとウッズとともに抜け出したバルベルデは、ゴール手前でデュムランに追いつかれ、4人のゴールスプリント勝負となったが、この中では最も爆発力を持つバルベルデがトップフィニッシュした。
これまでの最年長優勝者は38歳8カ月29日のヨープ・ズートメルク(オランダ)で、38歳5カ月10日のバルベルデは歴代2位。大会4連覇を目指したスロベニアのペテル・サガンはレース中盤に遅れてリタイア。日本から唯一参加の中根英登(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)は途中リタイア。
「世界選手権とツール・ド・フランスで優勝することが夢だった。ツール・ド・フランスはうまくいかなかったが、ボクはついに世界チャンピオンになった。レースに勝った後に叫んだのは初めてじゃないけど、虹色のジャージを手に入れることができなくて何度も落胆したので、これまでで一番感情的になってしまった」とバルベルデ。
「気象状況、チーム戦略、レース展開。すべて私にとって絶好のものとなり、今日の夢を実現する要因になった。チロルの幻想的な群衆もモチベーションとなった。大勢の熱狂的な観客のなかで走るのは本当に感動的だった」
「2番手か3番手の位置でスプリントを始めたが、もう後続のことを気にしていたらこの勝負には勝てないと割り切った。トム・デュムランが追いついてきて、これで4人になったと思ったとき、このなかの1人はメダルを獲得できないと思った。残り350mからスプリントを始めたけど、それはボクにとって完ぺきな距離だった」
「これまでの世界チャンピオンのなかで2番目に年長者だとはあとで聞いたが、年長サイクリストだって勝つことができることを意味する。秋のイルロンバルディアがアルカンシエルを着用する最初のレースになると思う」
日本選手の成績
●エリート男子ロード
中根英登(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)途中棄権
●エリート女子ロード
与那嶺恵理(ウィグル・ハイ5)79位
金子広美(イナーメ信濃山形)途中棄権
唐見実世子(弱虫ペダルサイクリング)途中棄権
●U23男子ロード
石上優大(EQADS)途中棄権
大前翔(慶應義塾大)途中棄権
山本大喜(キナンサイクリング)途中棄権
松田祥位(EQADS)途中棄権
渡辺歩(GSCブラニャック)途中棄権
●ジュニア男子ロード
小野寺慶(ブラウ・ブリッツェン)51位
日野泰静(愛媛・松山城南高)途中棄権
馬越裕之(奈良・榛生昇陽高)途中棄権
福田圭晃(神奈川・横浜高)途中棄権
香山飛龍(神奈川・横浜高)途中棄権
●ジュニア女子ロード
川口うらら(兵庫・龍野高)23位
中冨尚子(京都産業大)87位
●エリート女子タイムトライアル
与那嶺恵理(ウィグル・ハイ5)29位
●U23男子タイムトライアル
松田祥位(EQADS)47位
山本大喜(キナンサイクリング)49位
●ジュニア男子タイムトライアル
日野泰静(愛媛・松山城南高)58位
馬越裕之(奈良・榛生昇陽高)61位
●世界選手権ロードの結果
9月23日(日) UCI女子チームタイムトライアル
9月23日(日) UCI男子チームタイムトライアル
9月24日(月) ジュニア女子個人タイムトライアル
9月24日(月) U23男子個人タイムトライアル
9月25日(火) ジュニア男子個人タイムトライアル
9月25日(火) エリート女子個人タイムトライアル
9月26日(水) エリート男子個人タイムトライアル
9月27日(木) ジュニア女子ロードレース
9月27日(木) ジュニア男子ロードレース
9月28日(金) U23男子ロードレース
9月29日(土) エリート女子ロードレース
9月30日(日) エリート男子ロードレース
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