バンムーフには手を出すな…オランダの自転車窃盗団もお手上げのスマートバイク日本上陸

オランダの自転車窃盗団が「あれだけは手を出すな」と言うブランドがあるそうだ。チェーン錠さえないバンムーフだ。所有者の持つスマホが近づかないと解錠せず、他人が移動させると警報音が鳴りまくる。万一にも盗まれたらハンターが出動して探し出す。そんな最先端のスマートバイクをチェックしてみた。

最新のバンムーフを持つ成田美織さん。大きなバッテリーがスマートなボディに内蔵される。精密機器も内装されるのでメンテナンスも楽

東京・原宿の竹下通りとキャットストリートが交わるあたり。ファッショナブルな町並みのなかにバンムーフストアがある。世界初の盗難ガードシステム採用。フレームに警告音を発するスピーカーを組み込み、スマホのアプリで電動アシストパワー出力など諸機能をコントロールする。

2年前、オランダのアムステルダムにある同社を訪れたことがあるが、その際もスタイリッシュな外観と最新技術とのマッチングに目を見張った記憶がある。自転車にIT技術を導入した先駆けのブランドだった。アプリ連動の独自盗難を取り入れた最新モデルを、日本仕様に変更。こういった自転車の総称である「スマートバイク」として日本で本格的に売り出したのだ。

ステルス・ロック:自転車を降りて小さなロックボタンを押せば、後輪タイヤがロックされ、3段階の盗難防止装置が作動
無料アプリで駐輪位置情報、ライトの明暗調整、盗難防止用の設定などを行う
ハンドル横の小さなボタンを押すと、さらに加速ができます。坂道や強風の時などとても便利です

最大の特徴は鍵を持ち歩かなくてもいいこと。後輪軸近くにある小さなボタンを押すと車輪がロックされ、盗難防止システムが作動する。これを解錠するには専用アプリをインストールした自分のスマホを近づける必要がある。自転車とスマホの通信はBluetoothを駆使。所有者以外がこの自転車を移動させようとすると、車輪が完全ロック。警告音が次第に大きくなっていき、前後ライトもSOSモールス信号で異常があったことを周囲に伝える。

フレームにはSIMカードが内蔵されていて、GPSを使えばどこにあるかが大まかに分かる。盗難通報を受けたバンムーフのハンターが出動し、GPSで追跡を開始。最後はBluetoothでピンポイントの位置までまで特定する。

2サイズがあってフレーム形状が異なる。こちらは大きい方のSmart S。小さいサイズはZ型フレームのSmart Z

盗難時はハンターとして出動することもあるスタッフ。幸いなことにめったに盗難はないという

電動アシストに関しては日本の道路交通法に準拠して、時速24km以上のスピードになるとアシスト力がゼロになるように仕様変更。特徴的なのは他のeバイクよりも重量が軽く、取り回しがいいこと。バッテリーはフレーム内に収納されているので、見た目がスッキリしていて、それでもフル充電で150km走れるという。パワー出力はアプリで4段階に変更できる。また急な上り坂が出現したときはハンドル右のブーストボタンを押すとパワーが強くなる。

販売価格は今回紹介した電動アシスト搭載モデルで43万円(以下すべて税込み)だが、2018年末まで13万円引き。また電動機能のないモデルは12万円から。リース契約も可能で、初期費用1万2000円と月額2500円から。この初期費用はいわば「キーを買う」というイメージで、友人などに自転車を譲る際に売却できるという。契約中は東京だけでなくストアのあるニューヨーク、ロンドン、ベルリン、台北などでバンムーフを借りることもできる。

これまで経験したことがなかったような新サービスに、古い思考の人間はついていくのがやっとだが、バンムーフで試走したロードバイク女子のモデル、成田美織さんは、「カッコいいし、楽に乗れるので、活動範囲が飛躍的に広くなります!」とイチ押し。これからの都市型生活はスマートに自転車を取り扱うのがトレンドとなりそうだ。

「28インチタイヤはスイスイ気持ちよく走ることができました」と成田美織さん
群馬県上野村で開催されたライドハンターズin上野村で使用(クリックするとレポートページに飛びます)

VanMoof Japan
東京都渋谷区神宮前 3-26-3  営業時間12時~20時、月曜定休

原宿近くの裏通りにあるバンムーフ東京ショップ