ビルが新しいほど駐輪施設がリッパに…渋谷駅ちか駐輪事情

渋谷駅の旧東横線ホームと線路跡地およびその周辺に地上35階建ての渋谷ストリームが開業。2019年には大手IT企業の日本本社が本社機能を移転予定で注目されている。4階にはサイクルカフェがあり、一般愛好家も自転車とともに1階から自転車持ち込み可能なエレベーターを使ってアクセス。愛車をかたわらに置いて食事を楽しむことができる。そんな一等地に誕生した自転車関連施設の利用価値、そして渋谷駅ちかの便利な駐輪場を探ってみた。

トルク スパイス&ハーブ、テーブル&コート

まずは渋谷ストリーム

東急グループの渋谷駅周辺再開発プロジェクトとして誕生した渋谷ストリームは1階から3階が商業ゾーン。別棟の4階から6階にホール。5階にオフィスロビーがあって14階から35階のオフィスに大手IT企業が本社機能を移転する予定。4階と9階から13階までは東急系のシティホテル。施設の時間貸し駐輪場は中2階にあり、最初の2時間は無料。それ以降も上段ラック6時間ごと、下段ラック4時間ごとに100円と都心駅近としては使いやすい価格設定だ。また、4階部分がサイクルカフェとなり、1階から自転車の持ち込みが可能なエレベーターを使って入店し、店内の駐輪ラックに収容することができる。

サイクルカフェ横のアクティビティコートに置かれた縦型サイクルラック
真新しいシャワー&ロッカーも男女別にある

カフェの店名は「トルク スパイス&ハーブ、テーブル&コート」。天井が高く、5階部分までの吹き抜け。サイクルカフェの横にはアクティビティコートがあり、そのサイドネット部には映画を上映できるスクリーンも設置できるので、さまざまなイベントに利用できる。男女別にシャワールームとロッカーがあって、運動後に汗を流すこともできる。

これまでの渋谷というと、高価なロードバイクを駐輪するにはかなりの覚悟が必要だった。だからサイクルカフェに愛車を持ち込み、専用ラックに置いてキーをかければ、目の届くところに置いておけるわけで安心して食事ができる。

利用者層としては通勤で自転車に乗る人や、自転車は所有していないが興味のある人もターゲットとしている。人口としては圧倒的にこの層に属する人が多く、快適な通勤や観光目的のサイクリングを体験しやすくする拠点を充実させることで、自転車ユーザーを増やそうというねらいがあるようだ。

自転車関連の識者や企業からもアイデアの提供を受け、さまざまな自転車情報が集まる拠点として、自転車ユーザーの新たなコミュニティの入口として育てていきたいという思いがある。

渋谷川沿いのテラスから望んだ渋谷ストリーム。手前の3階建てビルの屋上がアクティビティコート
きれいに整備された渋谷川
なつかしい東横線渋谷駅ホームの壁面が残されていた

シティホテルに宿泊する海外旅行者の利用も想定される。自転車を使った観光に慣れている欧米サイクリスト向けに、都心部サイクリングガイドツアーを定期的に開催することも検討中だ。

渋谷ストリームの前には渋谷川という風情のある散策ルートとカジュアルな店舗が連なり、話題の渋南(しぶなん)、いわゆる渋谷駅南側エリアを探索するにはうってつけ。自転車通勤を推奨する企業にとっては、社員の快適な職場環境を整備することができ、体力面・精神面の健康維持をサポートできるというメリットがある。

駐輪場は山手線の線路側、駐車場入口の隣にアプローチがある

●トルク スパイス&ハーブ、テーブル&コート
2018年12月7日(金)に渋谷ストリーム4階に「サイクリストフレンドリー」をコンセプトに、自転車通勤をするワーカーをサポートし、趣味や興味を通じて交流できる新たなスペースとしてオープンした。店内にも台数限定ながら縦置き駐輪ラックがあり、食事は体を内側から磨き、代謝を高めていく(インナーサイクル)場としてスパイス&ハーブを中心とした料理を提供する。

サイクルカフェには自転車が持ち込めるエレベーターを使って4階へ
エレベーターはサイクリスト専用ではないが、それ以外の人はあまり利用しない場所にある
中2階の駐輪場へは誘導ベルトを使ってラクラクと進むことができる
約200台が収容できそうな駐輪場
契約者専用駐車場はオフィス階に入居する社員らが使用するのだろう

続いて渋谷ヒカリエ

同じ東急グループの渋谷ヒカリエもチェック。渋谷駅から東の青山方面に歩道橋を渡っていく、かつても東急文化会館跡に2012年に開業した施設だ。駅から一番遠い側、といっても青山方面なのでかなりいい場所に駐車場の出入りがあり、駐輪場へのアプローチもその隣にある。

渋谷ヒカリエの駐輪場は2時間まで無料、その後4時間ごとに100円とこちらも利用しやすい価格。機械式の精算時には交通系カードも使えるので便利。ただしサイクルパーキングシステムがタイヤ幅の太い一般自転車を対象としたもので、スポーツバイクなど細身のタイヤはロックがすり抜けてしまいがち。手持ちのチェーン錠などを併用して盗難対策を心がけたい。

渋谷ヒカリエの駐輪場は2時間まで無料、その後4時間ごとに100円

半地下スペースはとても清潔で快適な作りで、市販価格の高い子ども乗せ電動アシスト自転車の利用が多かった。雨水による汚れや盗難対策として、完ぺきではないもののある程度の自衛はできるはずだ。駐輪場の利用時間が6時50分から24時までというのも、深夜から明け方の不穏な時間帯に人の出入りができないというわけだから、納得である。

渋谷駅の東にある渋谷ヒカリエも駐車場の出入り口横に駐輪場へのアプローチがある
渋谷ヒカリエの駐輪場。子ども乗せ自転車の利用が多いようだ

そして渋谷マークシティ

最後は渋谷駅の西側、京王電鉄渋谷駅と一体となり、2000年に開業した渋谷マークシティだ。開業が古い商業施設は駐輪場設置の条例が明確ではなく、そのためなのか渋谷マークシティの公式サイトに駐輪場の案内はない。ただし「渋谷道玄坂自転車駐車場」として施設の一角にきちんと用意されている。

渋谷駅西口の渋谷マークシティにも駅から遠いウエストビルに駐輪場があった

渋谷マークシティには渋谷区コミュニティサイクルのステーションがある

渋谷マークシティはJR山手線に近い「イースト」と、場末の道玄坂方面に「ウエスト」があり、例の駐輪場は「ウエスト」のさらにさらにウエスト方面にある。利用料は1時間まで無料、無料時間を含めて4時間ごとに100円(後述しますが例外あり)。駐輪場の利用時間は6時40分から24時まで。時代が古いぶん、渋谷ストリームや渋谷ヒカリエのように設計時点から「ここに駐輪場を!」という考えではなく、この一角を駐輪場にしましょうというような設定なのかなと思う。

その証拠に、「渋谷道玄坂自転車駐車場」には店舗裏側の従業員出入り口のようなスペースに別の駐輪場があり、こちらの利用料は1時間まで無料、無料時間を含めて8時間ごとに100円なのである。いいですか、渋谷マークシティに駐輪するときは4時間のお買い物なのか、8時間なのかで固定する駐輪マシンを選択しましょう。

あまりいい駐輪施設ではないが、すぐそこが渋谷マークシティのメイン通路だ
渋谷マークシティの駐輪場はスペースの小さいものが数カ所に点在する

もうひとつ、渋谷マークシティの駐輪場の一角には「渋谷区コミュニティサイクル」のステーションがあって、レンタルサイクルが借りられます。WEBサイトから会員登録→カードをかざして利用開始→エリア内のステーションに返却という流れ。利用時間は6時から23時59分。いずれの駐輪場・レンタルサイクルも終電時間のようにオシリが決まっているのでご用心。

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