マルチスポーツ対応プレミアムGPSウォッチのfenix(フェニックス)シリーズから、「fenix 5X Sapphire(ファイブエックス・サファイア)」が発売された。光学式心拍計とGPSを標準装備し、フルカラー登山地形図と日本詳細道路地図を搭載した最新モデルだ。
ペリカン社製ケースにしまい込まれたデバイス
2017年春から相次いで発売されたfenix 5シリーズ。5X Sapphireはそのフラッグシップモデルとなる。価格は9万9800円(以下すべて税別)で、交換用のレザーバンド(ブラウン)が付属し、米軍も採用しているペリカン社製「Pelican 1150」プロテクターケースに収納されている。
ホームページにはプロテクターケースが付属すると明記されていないが、先代モデルのfenix 3J Titaniumと同様にこの無骨な小型防水ハードケースが付いてくる。本機や付属品を取り出したら精密機器などの持ち運びに使えるので便利。ちょっとしたオトナの遊びアイテムという感じで、単品で購入すればこれだけで1万円超の価格になるようだ。
fenix 5X Sapphireに標準装備されるベルトはブラックで、モス、イエロー、レッドと同様に別売で5800円するもの。さたに付属するブラウンレザーは9400円だ。別売ではこれ以外にグレーステンレススチール1万7800円がある。特別な工具がなくても、ライフスタイルやアクティビティに合わせて簡単にバンド交換ができるのが特徴。
先行発売されたfenix 5 Sapphireは6万9800円、コンパクトモデルのfenix 5Sは6万4800円だ。本体サイズは5X Sapphireが51mm、5 Sapphireが47mm、fenix 5Sが42mm。今回インプレする5X Sapphireのみに搭載された機能は冒頭にも記したプレロード地図。カタログ上の稼働時間はGPS稼働時20時間・ウルトラトラックモード30時間で、fenix 5 SapphireのGPS稼働時21時間・ウルトラトラックモード44時間よりも短い。
実際のところGPSを20時間もオンにして挑戦するアクティビティは「ウルトラトレイル」クラスのアベンチャーで、一般的に使用する限りバッテリー寿命は十分だ。山に入るときはフル充電をして臨むはずだし、1泊2日の縦走でも山小屋や幕営で落ち着いたら、GPSはオフにしても問題ないはずだ。5X Sapphireを心拍計付きスマートウォッチとして使用する際は12日間の連続使用が可能。
まずはfenix 5 Sapphireの外観からチェックしていこう
fenixシリーズはこれまで3J、3J Titanium、3J HR、5 Sapphire、5Sと製品インプレしてきたが、5X Sapphireは最も無骨でfenixの持つ魅力を十分に踏襲した上位モデルであることは一目瞭然だ。保護用のDLCコーティングを施したステンレス製ベゼルとボタンが特徴。このステンレスベゼルは衛星受信機として組み込まれ、信号の強力なアンテナとして作用していて、GLONASS、みちびき三測位対応の位置情報をサポート。これによって正確な測位ができるのだと推測できる。
さらには耐傷性サファイアレンズ仕様で、ガラス面の美しさとキズつきにくさが加わる。LEDバックライトが付いた明るい高解像度のフルカラーディスプレーは、強烈な日差しから薄闇までどんな環境下でも優れた可読性を提供してくれる。光の反射と透過を同時に行う半透過型技術により強い太陽光のもとでも文字盤を容易に読み取ることができるという。
登山やトレイルランにも使えるABCウォッチ
次に搭載されている代表的な機能を紹介していきたい。高度計(Altimeter)、気圧計(Barometer)、コンパス(Compass)を搭載した多機能時計はABCウォッチと呼ばれるが、fenixシリーズはこのカテゴリーに区分される。これに光学式心拍計とGPSナビゲーション機能が加わる。有酸素運動の代表であるランニングやサイクリングはもちろん、ハイキング、登山、トレイルランなどが搭載された機能性を最も活用できることは明白。
スイムは内部に組み込まれた加速度センサーによって泳法を識別。距離・ペース・ストローク数などが記録できる。SUP(スタンドアップパドル)やボートなどのストローク計測。スキー/スノーボードモードでは速度・距離・標高差・自動滑走計測を表示。ゴルフモードも充実している。
さまざまなアクティビティを行って計測されたデータはガーミン社から無償提供されるスマホのGamin Connect Mobileアプリ、パソコンのgaminconnect.comサイトでその詳細が確認できる。これまではBluetooth、パソコンの場合はBluetoothに加えて付属のチャージングケーブルを使って同期していたが、Wi-Fi経由も可能になった。利用できる無線ネットワークに接続して、アクティビティ記録を自動アップロードしてGarmin Connectで共有することができる機能だ。
日常的にビジネスなどで使用する腕時計としてもまったく違和感はない。fēnix 3シリーズは大ぶりなクレードルで充電したが、5シリーズからは持ち運びしやすいチャージングケーブルになった。USBから電源を取るタイプだが、どこでも売っているものではないので遠征時などはこれを忘れないようにしよう。
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