2020東京五輪の自転車競技ロードレース。府中市にある都立武蔵の森公園をスタートし、10kmのパレードを経て、多摩川にかかる是政(これまさ)橋で競技開始となる。途中には由緒ある大國魂(おおくにたま)神社の参道を貫通するなど、日本情緒あふれる景観を世界中にアピールする。そんなルートを実走してご紹介。
●2020東京五輪ロードのスタート&パレードコース【公開データ】
GPSデバイスに転送できます。
●東京オリンピック自転車競技ロードレース(男子)コース詳細
●2020東京五輪最初の決勝種目、自転車競技男子ロードレースのコースを走ってみた
いにしえの神社境内を貫通する驚きのパレード区間
自転車ロードレースはマラソンのように一斉スタートし、ゴールの着順を競う競技だが、スタートが込み入った市街地となる場合は、パレード区間が設定される。郊外に出たところに設定された「0km地点」まで選手たちはゆっくりと走行し、そこから正式なレースが始まるというのが特徴だ。
東京五輪男子ロードレースは開会式翌日の7月25日(金)、女子は26日(土)に武蔵の森公園をスタートする。是政橋で競技開始となり、富士山を目指す。パレード区間を含めて男子244km、女子147kmの長丁場だ。
スタート地点となる都立武蔵の森公園は調布飛行場をはさんで南と北に分かれるが、五輪で使われるのは府中市にある北地区。調布市にある南地区はバドミントン、近代五種のフェンシング、パラリンピックの車いすバスケットボールが開催される。また隣接する味の素スタジアムではサッカーとラグビーの一部試合、近代五種のうち4種目が行われる。
今回はGPSデバイスを起動してパレード区間を実際にサイクリングしてみた。舗装路と出口が改修中の公園を抜けて人見街道へ。野川公園の脇を走る東八道路、府中の森公園横の小金井街道、そして桜並木の桜通りへ。道路は比較的走りやすく、序盤を除けば下り基調で、スイスイと走れる。多磨霊園を含めて周辺に緑が多いのも特徴だ。
京王線府中駅近くの「馬場大門のケヤキ並木」からがパレード区間の見どころ。真夏でも涼しさを感じさせるこの並木道は大國魂神社の参道でもあるが、今回のパレードコースは直進し、神社大鳥居の下をくぐって、普段は歩行者しか通行できない境内の参道を行くのだ。
五輪のときはもちろん、選手は乗車しながら参道を走るが、一般のサイクリストがコース試走する際は自転車を押し歩きする必要がある。あるいは周囲に配慮して側道を走るのがいい。
パレードコースは随神門の前で右折。境内から府中街道に出て、多摩川に架かる是政橋に向かう。この橋の中ほどに「0km地点」が設定される予定だ。
レガシーとしてこのコースを活用したい
2019年7月21日には五輪テストイベントが開催される。ツール・ド・フランス期間中であることもあり、参加は国内外のナショナルチーム。それでもメダルをねらう強豪国はコース状況の確認のために有力選手を送り込んでくることが想定される。
「東京五輪自転車ロードレースの開催を契機に、市民に自転車の魅力を知ってもらい、大会のレガシーとして自転車を活用した市民の健康増進を推進していきたい」と府中市の高野律雄市長。
大國魂神社の猿渡昌盛宮司も、「参道が五輪コースとなることに驚きましたが、世界中からやってくる選手たちをどう応援するか、いろいろと考えています」と大歓迎。例大祭に引っぱり出される大太鼓の演武などが考えられている。
東京五輪観戦チケットの申し込みは5月から始まるが、ロードレースはゴールとなる富士スピードウェイでの観覧席のみが有料。スタート地点は一般入場できないエリアが設営されることが想定されるが、パレード区間を含めてコース途中は原則的に無料観戦できる。どこでどう見るかは事前下見が肝心。駅至近のポイントは人だかりとなりそうなので、自転車を使って絶好の応援拠点を見つけておこう。
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