第106回大会の初日はほぼ平たんコースで開催され、瞬発力のあるスプリント系選手によるゴール勝負へ。ユンボ・ビスマのマイク・テウニッセン(オランダ)が写真判定となる僅差でボーラ・ハンスグローエのペテル・サガン(スロバキア)を制して初優勝した。総合成績でも首位に立ったテウニッセンは、オランダ選手として1989年のエリック・ブロイキンク以来30年ぶりというマイヨジョーヌを着用した。
まさかのアシスト役がチームの不運を救う
前半戦におけるユンボ・ビスマのエースはディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)。鍛え抜かれた太ももを持つ強豪スプリンターだ。2017年に最終日のシャンゼリゼで区間初優勝して頭角を現した。さらに18年は区間2勝を挙げている。この日、ゴールまでに逃げていた選手をすべて吸収したチームは、フルーネウェーヘンのスプリントにすべてを託した。
ところが残り1.5kmで落車が発生し、フルーネウェーヘンがクラッシュしてしまう。
「ディランが落車したとき、ボクたちの作戦は台なしになったと感じた」とテウニッセンはゴール後に語っている。
「彼が地面にたたきつけられたか確認できなかったけど、ボクはスプリントできる位置にいた。ゴール勝負をあまりしたことがなかったので、新鮮な気分だった」
アシスト役のテウニッセンがまさかの展開で代役エースとして勝負に挑み、百戦錬磨のサガンを数㌢の差で抑えた。勝利を手にしたテウニッセンは笑顔を見せたが、その心中は複雑だった。
「奇妙な1日になった。ディランのいるべき表彰台にボクが上ったことを彼が祝福してくれることを願っている」
シクロクロスから転向してきた26歳。今季になってダンケルクの4日間レースで区間1勝を挙げているだけ。
「マイヨジョーヌを獲得したことをボク自身が理解するのはきっと数日かかるよ」とは言うが、翌ステージのチームタイムトライアルでマイヨジョーヌを守りたいという意気込みを見せた。チームメートにはタイムトライアルの元世界チャンピオンでアルトニー・マルティン(ドイツ)がいて、チームは第2ステージの最有力候補だからだ。
チームは5月のジロ・デ・イタリアでもプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)が初日から5日目まで首位に位置した。2016年のジロ・デ・イタリアで優勝争いを演じたステフェン・クライスバイク(オランダ)もいて、総合成績の上位をねらっている。
●4賞ジャージ
■マイヨジョーヌ(個人総合成績)マイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ビスマ)
■マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
●マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)グレッグ・バンアベルマート(ベルギー、CCC)
□マイヨブラン(新人賞)カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)
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