Road toさいたまエンデューロ…格闘家から家族連れまで楽しむ

自転車ロードレースのトップ選手が集まるツール・ド・フランスさいたまクリテリウム(10月27日開催)の一般参加イベント、Road toさいたまクリテリウムin埼玉スタジアム2○○2が9月21日に行われ、初開催された前年より3倍増の500人が参加した。

1時間エンデューロ優勝の水谷鉄平さん、悠平くん、彩奈さんファミリー

ツール・ド・フランスの名を冠した国際大会の一般参加型イベント。2回目となる2019年も個人タイムトライアルとチームエンデューロの2種目のレースが実施された。

1時間エンデューロで優勝したのはMZT。水谷鉄平さんのファミリーで、中学2年の彩奈さんと小学6年の悠平くんの3人編成。まずは彩奈さんが20分を走り、好タイムでお父さんの鉄平さんと交替。ところがスタート直後にパンクして、まさかの1周で再交替するハメに。

それでも平均時速30.59kmというハイペースで2位チームに1周の差をつけて優勝した。

姉弟ともに「将来の夢は自転車選手」

家族が自転車を始めたきっかけは彩奈さんがプレゼントとしてスポーツバイクを買ってもらったこと。2018年は全国ジュニア自転車競技選手権で2位になるほどロードレースに夢中になった。弟の悠平くんもお姉さんのお下がりをもらってロードレースを始めたという。

「ツール・ド・フランスさいたま当日は、彩奈が優勝を目指している全国ジュニア自転車競技選手権と日程が重なっているので悩ましいです」と鉄平さん。

RIZINの水垣偉弥は本格派ローディー

格闘技RIZINの水垣偉弥はマイバイクとマイジャージで参戦

格闘技RIZINの5選手、HIROYA、大雅、堀尾竜司、松倉信太郎、水垣偉弥も1時間エンデューロに参加した。チーム編成は水垣がソロ、それ以外の4選手はチームを組んだ。それというのも水垣はロードバイク愛好家。RIZIN勢がゲスト参加することを聞いて、直談判して今回の参加にこぎ着けたという。

「もともとは減量後のリバウンドとしてスポーツバイクを手に入れたのがきっかけ」という水垣。この機材を使って戦うスポーツってどんなものなのかを動画サイトで検索して、欧州ロードレースの映像にくぎ付けになった。現在はトレーニングの一環として欠かせず、そしてツール・ド・フランスやブエルタ・ア・エスパーニャの生放送も可能な限り視聴するという。

YouTuberのけんたさんはGoProを胸につけてビデオ収録中

チームエンデューロの成績上位や抽選で当たったチームには本大会の一般体験走行の出場権やオフィシャルエリア観戦席などが提供された。また個人タイムトライアルの各クラスで優勝した4選手は本大会への参戦を決めた

大宮アルディージャの塚本康史が前を行く浦和レッズOB土田尚史を猛追
新プロチーム「埼玉ディレーブ」の代表を務める長沼隆行

●ツール・ド・フランスさいたまのホームページ

杉浦佳子が個人パーシュートと500mでともに日本新

自転車競技パラサイクリングの日本一を決める「2019日本パラサイクリング選手権トラック大会」が2019年9月22日に静岡県伊豆市の日本競輪選手養成所JKA250mバンクで開催され、男子は川本翔大が、女子は杉浦佳子が出場したカテゴリーで優勝した。

女子パラサイクリングで優勝した杉浦佳子 ©2019 JCF

個人パーシュート 3km WB
1位 山口乃愛(北海道札幌視覚支援学校) 3:56.912
パイロットは山本さくら(Ciel Bleu 鹿屋)

個人パーシュート 3km MC2-3
1位 川本翔大(大和産業) 3:46.460
2位 藤田征樹(藤建設) 3:47.659
3位 相園健太郎(全日本空輸) 4:18.420

男子パラサイクリングで優勝した川本翔大 ©2019 JCF

個人パーシュート 3km WC2-3
1位 杉浦佳子(楽天ソシオビジネス) 4:08.696 ※大会新・日本新
2位 藤井美穂(楽天ソシオビジネス) 4:23.433

女子パラサイクリングの個人パーシュートと500mタイムトライアルで優勝した杉浦佳子(右)。左は藤井美穂 ©2019 JCF

1kmタイムトライアル WB/WB
1位 木村和平・倉林巧和 1:05.104 ※大会新
2位 大城竜之 ・中川誠一郎 1:07.159
3位 山口乃愛・ 山本さくら 1:07.253

1kmタイムトライアル MC4-5
1位 石井雅史(イナーメ信濃山形) 1:10.544
2位 小池岳太(JTBコミュニケーションデザイン) 1:12.196  ※大会新・日本新
3位 沼野康仁(uspSPLENDOR) 1:25.485

1kmタイムトライアル MC2-3
1位 川本翔大(大和産業) 1:14.514
2位 藤田征樹(藤建設) 1:15.302
3位 相園健太郎(全日本空輸) 1:17.117

男子パラサイクリングの個人パーシュートと500mタイムトライアルで優勝した川本翔大(中央)。左が2位藤田征樹、右が3位相園健太郎 ©2019 JCF

500mタイムトライアル
1位 杉浦佳子(楽天ソシオビジネス) 41.650 ※大会新・日本新
2位 藤井美穂(楽天ソシオビジネス) 44.365

●同日開催の2019 全日本自転車競技選手権大会オムニアム
●日本パラサイクリング連盟のホームページ

オムニアムの全日本チャンピオンに岡本隼と梶原悠未

自転車トラック競技のオムニアム種目の日本一を決める「2019 全日本自転車競技選手権大会オムニアム」が2019年9月22日に静岡県伊豆市の日本競輪選手養成所JKA250mバンクで開催され、男子は岡本隼(愛三工業レーシングチーム)が、女子は梶原悠未(筑波大学)が優勝した。

男子オムニアムで優勝した岡本隼 ©2019 JCF
女子オムニアムで優勝した梶原悠未 ©2019 JCF

男子オムニアム最終結果
1位 岡本隼(愛三工業レーシングチーム) 130p
2位 窪木一茂(TEAM BRIDGESTON Cycling) 126p
3位 近谷涼(TEAM BRIDGESTON Cycling) 119p

男子オムニアムで優勝した岡本隼 ©2019 JCF

女子オムニアム最終結果
1位 梶原悠未(筑波大学) 187p
2位 中村妃智(日本写真判定) 131p
3位 鈴木奈央(JPCA) 128p

女子オムニアムで優勝した梶原悠未 ©2019 JCF

●同日開催の2019日本パラサイクリング選手権トラック大会

●日本自転車競技連盟のホームページ

インドネシアの自転車レースは大気汚染深刻で区間中止

インドネシアのスマトラ島で開催されているツール・ド・シアク(UCIアジアツアー2.2)は9月21日の第3ステージがスタート後に大気汚染悪化で中止された。日本のKINANが参戦中で、最終日となる第4ステージは22日に行われる予定。

ツール・ド・シアク第3ステージでマスクを着用してスタートを待つ選手たち ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

前日までの2ステージとは変わって、現地時間の午前にレースのスタートが切られたが、発生したスモッグの濃度が高まったため、序盤の時点でキャンセルが決定。総合成績は第2ステージ終了時点のものが維持され、KINANは山本元喜が個人総合5位、サルバドール・グアルディオラが6位、チーム総合1位のまま最終の第4ステージへと移ることになった。

大会は後半戦へ突入。ここまでの戦いは、第1ステージで上位フィニッシュを果たした山本とグアルディオラが個人総合上位をキープ。チーム総合でも首位に立っていて、ここまで2ステージを攻撃的に戦っていることを順位でも示してきた。

迎える第3ステージは、当初大周回を2周する170.6kmが予定されていたが、開幕時から懸念される大気汚染の状況を考慮し1周に短縮。レース距離は85.5kmとなった。また、この日からレース時間を午前へと変更。少しでもよい環境でレースができるよう、出場選手・チームの意見を照らし合わせながら、主催者が柔軟な対応を見せた。

しかし、この日は早朝から濃度の高いスモッグが開催地一帯を覆う状況。スタートに向けて、選手・スタッフ・関係者がそれぞれに準備を進め、いったんはレース開始となったが、20km地点を迎えようかというタイミングでコミッセール判断によりキャンセルが通告された。それまで、KINAN勢は再三のアタックでライバルチームの消耗を誘い、よい流れを作り出していたが、無念の中止となった。

これを受け、総合成績は前日行われた第2ステージ終了時点のものが反映され、山本、グアルディオラがそれぞれ個人総合5位と6位のまま。チーム総合トップもキープして、続くステージへと進む。

大気汚染の状況に左右されながらも進行する大会は、翌22日に行う第4ステージでフィナーレを迎える。最後を飾るのは、大会の拠点都市であるシアクの市街地でのサーキットレース。17.9kmのコースをおおよそ8周回する133.5kmで競う予定となっている。最終的には、今後のスモッグ発生状況を勘案しながらレース開始時刻や距離について決定がなされるものとみられる。