2020東京、被災地への思い…ツール・ド・フランス最多優勝に挑むフルーム

2020年にツール・ド・フランス史上最多タイの5勝目に挑むクリストファー・フルーム(英国、イネオス)が2019年10月24日、さいたま市立大宮国際中等教育学校の中1生徒を前に胸のうちを語った。

フルーム先生(右)とASOのさいたま担当クレモン・ギャルジー氏

フルームは10月27日に開催されるツール・ド・フランスさいたまクリテリウムに出場するために来日。今回の学校訪問は、ツール・ド・フランスを語る夢授業「さいたまクリテリウムDREAM TEACHER」として教壇に立った。生徒たちのほとんどは自転車競技のみならずツール・ド・フランスにほとんど関心がなかったが、フルーム先生を講師に招くにあたって事前に周到に学習。

この日は世界最大の自転車レースと認識するツール・ド・フランスで4度の総合優勝を誇る選手を迎えるにあたり26人の生徒も先生も緊張気味。それでもおもてなし精神を発揮し、フルームをスーパースターとして迎えつつ、頭によぎった質問をぶつけるなど貴重な時間を過ごした。

優等生フルームも中学時代は勉強嫌い?

マイヨジョーヌの思いを語るフルーム先生

●ケニアのナイロビで生まれて、12、13歳で南アフリカへ。今日の生徒さんと同じ年の頃はどんな生徒だったのですか?

フルーム●ベストスチューデントじゃなかった。

勉強ができるほうじゃなかったかも知れないけど、学校はとても楽しかったです。スポーツが大好きで、とりわけ自転車には情熱を持っていましたね。

●これまで6回のさいたま参戦でさまざまな日本の伝統文化やスポーツに挑戦。最も印象に残ったことは?

中学生による和楽器演奏も楽しんだ

フルーム●最も印象に残ったのは(埼玉栄高を訪問した)相撲です。相撲というのがどんなものなのかまったく知らなかったんですが、彼らのトレーニングは大変なもので、伝統的なルーティーンに則ってしっかりと実力をつけていくという世界に感銘を受けました。

●もし日本に生まれて、今日のような授業を受けて育ったらどんな人生になったと思いますか?

フルーム●私が育ってきた環境とはあまりに異なるので、イメージするのはとても難しいけどですが、こんな素敵な教育環境にいたらボクも人生の中でまた異なる感銘を受けて、違う道を進んでいたかも知れませんよね。

●2020年はツール・ド・フランス終了後6日後に東京オリンピック男子ロード。参加を前提としてシーズンに臨みますか?

フルーム●その通りです。ベストコンディションでツール・ド・フランスを走って、そのままの勢いで東京五輪に挑みたい。幸いなことに今日本にいるので、明日の10月25日にロードレースのコースをチェックしに行こうと予定しています。

さいたま市立大宮国際中等教育学校の生徒たちがフルーム先生と記念写真

●日本は地震や台風など災害が多い国。一方フルーム選手は骨折などの困難を乗り越えてツール・ド・フランス5勝目を目指すなど頑張っている。日本の人に向けてのメッセージを。

フルーム●日本は幾多の自然災害があってとても大変だと心を痛めています。今回も台風によってボクが大好きな人たちが困難な状況にあることを知っています。大事なことがあるとすればそれはツール・ド・フランスとよく似ています。1人ひとり、お互いを助け合うという気持ちではないかと信じています。ひとつのチームとなれば不可能なことも可能になる。必ずいつか困難であると思っていたことも、それがいい思い出となって記憶されているはず。頑張って下さい。

生徒1人ひとりにサイン色紙を手渡す。先生ももらっていました!

フルーム先生が中学でツール・ド・フランスを熱く語る

●ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムのホームページ

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