雨の日や夜間によくやる、あのツラくてつまらないインドアトレーニングが楽しくなる。画面に映し出されたコースの起伏変化とペダルを踏む負荷が同調するシステムはすでに常識だが、今度は実走しているように自転車を前後左右に動かしながらトレーニングできる。そんな夢のような新製品を人気YouTuberらに試してもらった。
アクティブなのに静かなので気分はアウトドア
屋内で自転車をこぐためには、安全性のため室内トレーナーとよばれるマシンに固定する必要があった。だから車体は微動だにせず、立ちこぎしてダンスのようにリズミカルにペダルをこいでも自転車は直立しているだけ。これでは乗り物とは感じられないし、ひたすらペダルを踏み続けるだけなので、飽きてしまって長続きしなかった。
そんな退屈さを改善しようと目の前に置いたモニター画面とペダルの重さを連動させたサービスが登場。画面のコースが上り坂になれば、スマートローラーと呼ばれる負荷制御システム搭載のマシンがペダルを重くさせた。これで相当楽しくなったが、それでも自転車は直立のままだった。
今回試乗したサリス社のシステムはプラットフォームと呼ばれる板面が前後左右に揺れ動くもの。これにほとんど雑音が生じない同社のスマートローラーを設置する。スマートローラーは他社製品でも搭載できるという。
室内トレーナーに自転車走行本来の動きを再現した体験会が2月4日にワイズロード渋谷本館で開催された。動画クリエイターのけんたさん、2019年に日本女性で最も獲得標高を稼いだブロガーの篠さん、富士ヒルクライム女子総合優勝者の増田菜穂子さんが参加した。
本格派クライマーの篠さんはゲーム感覚の楽しさを味わった。
「画面が上りになると負荷がかかってくるのが脚の重みで分かります」という。「思ったほど揺れることもなく、実際の道路で走っているのと同じで、ちょうどいい感じで動くのがスゴいです」
さすがの篠さんも5分ほどの試乗でうっすらと汗。でも「とても楽しい」と満足そうだ。
けんたさんは「上級者向けの3本ローラー台のように転倒する危険がないので、ペダルをこぐことに集中できます。実走で使う筋肉がそのままの動きで再現されるから、とてもいい練習になる」と語った。
増田さんはスマートローラーの静かさにびっくりしたと語っている。
「回転音が全くなくて、チェーンが動く音しか聞こえません。騒音も振動もないので、マンション住まいの私でもお隣に気を遣わないで夜間練習できそうですね」
自転車のロードバイクは氷面を滑るように、さっそうとアウトドアを走るのが魅力。これまでの室内練習では乗車姿勢は変えられず、タイヤの摩擦音や振動も気になるものだったが、これなら継続的に室内トレできそう。春になったら人知れず強くなっているのは間違いない?
自転車チェーン店のワイズロードが輸入発売
米国製スマートトレーナー、サリスは自転車チェーン店のワイズロードを展開するワイ・インターナショナルが総代理店。今回試乗したスマートトレーナーH3は12万8000円(以下すべて税別)、プラットフォームは15万8000円。画像連動型オンラインシステムの代表はズイフト。利用にはインターネット接続されたパソコンなど、ズイフト月間利用料1500円が別に必要。
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