第104回ジロ・デ・イタリアは5月13日、グロッテ・ディ・フラザッシ〜アスコリピチェーノ間の160kmで第6ステージが行われ、バーレーンビクトリアスのジーノ・マーダー(スイス)が優勝。グルパマFDJのアッティラ・バルテルが首位に立ち、ハンガリー選手として初のマリアローザを着用した。
バルタリに続く2人目の「ジーノ」の勝利
マーダーは前日にチームエースであるミケル・ランダ(スペイン)を落車骨折で失い、この日は自らの勝利のために走った。6人の第1集団から残り15kmの最後の山岳で単独となり、そのままゴールまで逃げ切った。
「昨日はクラッシュでミケルを失うという悲しい日だった。今日は別のゴールがあった。ミケルを守る必要はもうなく、積極的にレースをして逃げようと思った。マテイ・モホリッチが信じられないほどの仕事をしてくれた」とマーダー。
「彼は私を信じていて、昨日、私が勝つためのステージになると言ってくれた。こんな勝利をつかむことができてうれしい」
ジーノという名前はイタリアの英雄ジーノ・バルタリと同じで、それ以来となるステージ優勝にイタリア各紙は着目した。
「じつはジーノ・バルタリをよく知らない。両親はサイクリストで、同じ名前を持つことを光栄には思うが、バルタリが活躍した時代から遠く離れているし、私はおそらく彼のレベルに達することはできないと思う。私にとってジロ・デ・イタリアは常に世界で最も美しいレース。いつも参加することを夢見ていたレースだった。そんな夢舞台でステージ勝者になることはさらにいいことだ」
22歳のアシスト要員が初のマリアローザ
総合優勝を争う有力選手は、イネオス・グレナディアスのエガン・ベルナル(コロンビア)がアタック。ドゥークニンク・クイックステップのレムコ・エベネプール(ベルギー)がこれに反応。バルテルもこれに食らいつき、総合成績で初めて首位に躍り出た。22歳のバルテルはティボー・ピノ(フランス)のアシスト役として起用されたが、ピノが背中の痛みで欠場し、チャンスを得た。
「レムコとベルナルから首位の座を奪ってしまい申し訳ないとは思うが、彼らはチャンスを持つことになった。今日はなんとか彼らに固執した。フィニッシュに近づくほど、マリアローザを着ると信じていた。このジャージのために人生と戦ってきた。それが現実のものとなって幸せだ」とバルテル。
「最近はよく走れている。マリアローザを獲得したことに満足しているけど、もっとスゴいことができたとしても驚かないだろう。できるかぎり首位を守ることで今後の自信になってくれる。いつかは最終日にマリアローザを獲得するためにこのレースに戻ってきたい。コロナ禍で母国のブダペストでジロ・デ・イタリアが開幕する計画はなくなってしまったけど、いつかは実現することを望んでいる」
●4賞ジャージ
■マリアローザ(個人総合成績)アッティラ・バルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)
■マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、ケベカアソス)
■マリアアッズーラ(山岳賞)ジーノ・マーダー(スイス、バーレーンビクトリアス)
□マリアビアンカ(新人賞) アッティラ・バルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)
第5ステージにもどる≪≪ ≫≫第7ステージにすすむ