植竹海貴…週に5日の自転車店舗勤務で全日本女王に

ワイ・インターナショナルの実業団チーム「ワイズロード」に所属する植竹海貴(うえたけみき)が2021年は全日本選手権エリート女子のチャンピオン、実業団レースJBCFの「Jフェミニンツアー」で年間11勝を挙げて年間総合優勝を獲得した。現在はワイズロード新宿本館で週5日間勤務している。

全日本チャンピオンの植竹海貴

10月23日に広島県三原市で開催された第89回全日本自転車競技選手権大会ロードレースの女子エリートに出場して、初優勝。これにより、2022年の全日本選手権の前日までナショナルチャンピオンジャージを着用することになった。

また、全日本実業団自転車競技連盟が主催するJフェミニンツアーも年間総合優勝。ピンク色のリーダージャージを手中にした。植竹は、2021年の国内女子ロードレース界のダブルタイトルを獲得し、目覚ましい活躍を見せた1年となった。

JBCF「Jフェミニンツアー」年間総合優勝の植竹海貴

「いまだに、全日本選手権で優勝したことの実感がわかないです。レースは、スプリントになれば優勝の可能性があるかもと思っていましたが、まさか優勝できるとは思っていませんでした」と植竹。

3人に絞られた時点で表彰台が現実的になり「どうせ表彰台に乗るなら真ん中に!」と決意した。

植竹海貴(右)が金子広美を制して全日本選手権で優勝 ©JCF

レース後、LINEの通知が100件届いてビックリ!

「繰り返されるペースアップがキツく、正直ゴール前でスプリントできる脚が残っていなかったけれど、(2位となった)金子広美選手も同じように脚がいっぱいだったようで、なんとか競り勝つことができました。レース後、LINEの通知が100件届いてびっくりしました」

植竹は、専門学校卒業後の2016年から2020年3月までは保育士として働いていた。2020年4月に自転車に専念できる環境として、スポーツ自転車の専門店ワイズロードを運営するワイ・インターナショナルに入社。同社の旗艦店であるワイズロード新宿本館で勤務しながらトレーニングを積み、実業団レースのJBCFに参戦。

トレーニングには従来の実走練習に加え、SARIS社のスマートトレーナーとバーチャルサイクリングアプリZwiftを組み合わせたインドアトレーニングも取り入れ、課題の克服と競技力の強化に取り組んだ。

全日本選手権で植竹海貴(右)が金子広美を制して優勝 ©JCF

ワイ・インターナショナルの鳥居恵一郎代表取締役社長は、「何度もアタックがありハラハラする展開でしたが、彼女らしい粘りの走りで優勝してくれました」とコメント。

「自社の社員から全日本チャンピオンを輩出できたことを、とてもうれしく誇らしく思っています。強化指定選手にもなったこともあり、パリ五輪に向けて、これからも会社を挙げて彼女のサポートをしていきます」

■植竹海貴(うえたけみき)
生年月日:1996年1月29日生まれ
出身地:東京都板橋区
所属チーム:ワイズロード
勤務先:ワイズロード新宿本館(東京都新宿区新宿2-19-1 BYGSビルB1F)