世界フィギュアスケート選手権の開催地オクシタニーが日本を歓迎

世界フィギュアスケート選手権が南フランス、オクシタニー地域圏の主要都市モンペリエを舞台として、2022年3月21日から27日まで開催される。会場はシュド・ド・フランス・アリーナ(Sud de France Arena)。北京冬季五輪閉幕からわずか数週間で世界のトップスケーターが再び集結し、男子シングル、女子シングル、ペア、アイスダンスの4種目で争われる。

2022年3月21~27日、世界フィギュアスケート選手権の舞台となるモンペリエのシュ ド・ド・フランス・アリーナ ©Boutonnet Laurent – Région Occitanie

ラグビーやツール・ド・フランスでも有名なエリア

フィギュアスケートの世界チャンピオンを決める世界選手権。2021年は北欧スウェーデンのストックホルムで行われたが、2022年はフランスが会場となった。世界中のフィギュアスケートファンの注目が集まる絶好の機会。開催地モンペリエがあるオクシタニー地域圏でも、スポーツ振興への取り組みや地域の魅力発信の好機ととらえ、日本のファンに向けたメッセージが届けられた。

モンペリエのコメディ広場 ©OT Montpellier

オクシタニー地域圏のキャロル・デルガ議長は、日本のフィギュアスケート選手団の来訪をとりわけ光栄なことと受け止め、次のように述べている。

キャロル・デルガ オクシタニー地域圏議長 ©Philippe Grollier

「2016年の議長就任以来、私は日本との連携強化を、わが地域圏の国際案件の最優先事項の一つと位置づけ、これまで三度の訪日団を組織しました。とくに力を入れた日本との連携分野は、観光はもちろん、経済、文化、教育・研究、さらにはスポーツにも及び、それを着実に進めてきました。そのような中で3月、世界のトップレベルにある日本のフィギュアスケート選手団を、世界選手権という形でオクシタニーにお迎えできることをとても光栄に思います」

カルカッソンヌ付近のブドウ畑でワインテイスティング ©C.DESCHAMPS – CRT Occitanie


世界規模のスポーツイベントであるこの選手権の開催は、オクシタニーがスポーツの分野でいかに活発であるかを示している。オクシタニーは2023年ラグビーワールドカップ開催地域のひとつであり、2023年9月10日と28日に日本戦がスタジアム・ド・トゥールーズ(Stadium de Toulouse)で行われることが決まっている。

オクシタニーはラグビーの強豪地域。トゥールーズの地元クラブ、スタッド・トゥールーザンが国内リーグ優勝を決めて大にぎわい ©Carbonnel François – Région Occitanie

また、世界最高峰の自転車レースであるツール・ド・フランスは、毎年ピレネー山脈の名所がルートに組み込まれることから、レース中継でその風景を目にされた人も多いだろう。

また、オクシタニー地域圏は複合スポーツ施設の整備に大規模な投資を行っていて、世界の第一線で活躍するアスリートらが国際競技の前に、優れた環境で調整を行えるよう設備を整えている。パフォーマンス向上のためのトレーニング地として世界的に知られる、ピレネー山地のフォン・ロムー国立高地トレーニングセンター(Centre National d’Entrainement en Altitude de Font-Romeu)にはフランス国内外から選手が訪れていて、日本の各スポーツ連盟とも連携がある。

ピレネー山脈、セルダーニュ地域にあるフォン・ロムー国立高地トレーニングセンタ ー ©Boutonnet Laurent – Région Occitanie

フランス流に第3ハーフを楽しんでほしいとデルガ議長

デルガ議長はさらに次のように続けている。

「オクシタニー地域圏は2022年世界フィギュアスケート選手権をシュド・ド・フランス・アリーナで開催するため力を尽くしてきた。この大会は地域の魅力を発信し、大規模スポーツイベントの運営手腕をお見せする絶好の機会です。わがオクシタニー地方では、スポーツは(初心者からトップアスリートにいたるまで)ひとつのカルチャーと見なされ、地域全体にそれが行きわたっています。

モンペリエの中心、コメディ広場 ©C.DESCHAMPS – CRT Occitanie

スポーツにはチーム精神や自己の限界突破という意義がありますが、さらには連帯や仲間との楽しいひと時、集いといった意義もあります。オクシタニーはフランスでも屈指のラグビー強豪地域ですが、それはまさしくこのスポーツで言う『第3ハーフ』の習慣です。第3ハーフとは試合後に敵味方なく杯を交わすことですが、オクシタニーならではの歓待や友愛の精神に触れ、地元が誇る美酒、偉大なシェフたちによる南仏の郷土料理が楽しめる機会でもあります。

古代ローマ時代の水道橋ポン・デュ・ガー©Aurélio RODRIGUEZ – Site de Pont du Gardル 

ぜひ旅行者の方にもこの精神を楽しまれ、さらには旅の中で多彩なメイドイン・オクシタニーの製品に触れていただければ幸いです。わが地方の特産品にはライヨール(Laguiole)のナイフ、マルト・トロザーヌ(Martres-Tolosane)の陶器、アンデューズ(Anduze)の植木鉢、16世紀にニーム(Nîmes)で生まれたデニム地のジーンズなどがありますから」


地域圏副議長(スポーツ担当)カメル・シブリからのメッセージ。

カメル・シブリ オクシタニー地域圏副議長(スポーツ担当) ©Boutonnet L. – Darnaud A. – Région Occitanie

「世界フィギュアスケート選手権の開催は、日本のみなさんに、わがオクシタニー地方がいかにスポーツに情熱を注いでいるのか、また、日本との間で日々関係を深めていることを知って頂く貴重な機会となります。日本選手団をモンペリエ、そしてオクシタニー地域圏へお迎えするのを大変光栄に感じていることをお伝えします」

南ヨーロッパの中心に位置するオクシタニー地域圏はフランス第2の面積(72.724 km²)を有する。人口600万人の土地は、2つの山脈、220キロにわたる地中海の海岸線があるように、その風景と気候は多様性に富む。

ライヨールのナイフはオクシタニーの特産品 ©Thebault Patrice – Région Occitanie

ピレネー、芸術、スポーツなど随所に活気があふれる

オクシタニーはすでに日本で知られる名所も数多く、カルカッソンヌ、ポン・デュ・ガール、サン・シル・ラポピー、アルビ、ルルド、ピレネー山脈のような観光地のほか、トゥールーズ、モンペリエ、ペルピニャンといった活気ある都市、トゥールーズ・ロートレック、ピエール・スーラージュなどオクシタニー出身画家の大型美術館がある。

世界フィギュアスケート選手権開催地となるモンペリエは、オクシタニー地域圏の中でもダイナミックで魅力あふれる都市。西欧で最初の医大が設立された都市であり、若い学生が多く、藤本荘介氏の設計によるレジデンシャルタワー「L’Arbre Blanc(ラルブル・ブラン、白い木を意味する)」をはじめ大胆な現代建築がある。

カルカッソンヌ付近のブドウ畑でワインテイスティング ©C.DESCHAMPS – CRT Occitanie

また、モンペリエはエクストリームスポーツの祭典FISE ワールドシリーズの発祥地であり、当大会は日本での知名度も高い。さらに、2010年よりブレイクダンスの世界大会であるバトル・オブ・ザ・イヤー(BOTY)がモンペリエで開催されている。オリンピック東京大会より話題となっているブレイキンは日本選手が頻繁に表彰台に上る競技で、2024年パリ大会から新種目に採用されることから注目を集める。

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ツール・ド・フランス取材者日記

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