ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムが11月5日開催へ

2023ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムが11月5日、さいたま新都心駅周辺で開催されることが4月14日に発表された。世界最大の自転車レース、ツール・ド・フランスの名を冠したクリテリウムイベントとして2013年に始まった。2020、2021年はコロナ禍により開催を断念したが2022年に3年ぶりに開催。2023年は9回目となる。

2022ツール・ド・フランスさいたま ©Yuzuru SUNADA

2024年の10回記念大会に向けて大きくステップアップ

ツール・ド・フランスを主催するA.S.O.は世界各国でさまざまなスポーツイベントを開催するが、ツール・ド・フランスの名を冠した大会として2013年に始まったのが「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」だ。

その夏に開催されたツール・ド・フランスで総合優勝を果たしたり、各賞を獲得するなど大活躍したプロロード選手が出場する。厳密に言えばツール・ド・フランスの一部分がさいたまで開催されるということではないが、ツール・ド・フランスで激闘を展開した選手が来日すること、それと同時にツール・ド・フランスのエッセンスが持ち込まれ、日本にいながらにしてその興奮と感動が味わえるのが魅力。

さいたま大会は「パリ・シャンゼリゼの次のステージ」とも呼ばれる。世界190カ国に国際中継されるグローバルなツール・ド・フランスブランドをそのままに、看板などの小道具もツール・ド・フランスで使われたものが持ち込まれる。舞台はさいたま新都心の高層ビル群。距離の短い周回コースとして設定され、沿道に立てば世界最高峰のスピード感が味わえる。

3年ぶりに開催された2022年大会は10万人超の観戦者が集まった

2022年は11月6日に開催され、2022総合優勝のヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)に加えて、クリストファー・フルーム、ゲラント・トーマス、ビンチェンツォ・ニバリの歴代覇者が参戦した。アレハンドロ・バルベルデとニバリは引退レースに。レースは、最終日のパリ・シャンゼリゼを含むステージ2勝を挙げたベルギーのスプリンター、ヤスパー・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)が初優勝した。観戦者は10万人を超えた。

2023年の来日選手も例年と同規模の選手数が集まる見込みで、総合優勝者や複数のステージ優勝を挙げた選手の来日が期待される。コースは2019年、2022年と同様。またコロナ禍でできなかった来日選手との交流も強化していきたいという。

©SSC

ツール・ド・フランス2023の現地観戦プランも実施へ

●ツール・ド・フランスさいたまのホームページ

植竹海貴が全日本タイトル奪還とおきなわ初優勝を目指す

ワイ・インターナショナルの実業団チーム「Y’s Road」に所属する植竹海貴(うえたけみき)が、今季初戦となる第57回JBCF東日本ロードクラシックに参戦。2023年は6月の全日本選手権と11月のツール・ド・おきなわで優勝を目指したいと語った。

2022年は全日本選手権で敗北するなど悔いの残るシーズン

2021年10月の全日本選手権で優勝し、2022年は全日本チャンピオンとしてレースに臨んだ。JBCFのレー スでは12戦8勝、出場したすべてのレースで表彰台に乗り、2年連続で年間総合優勝をすることができた。

しかし、シーズン中盤で調子を崩してしまい、目標としていた全日本自転車競技選手権ロードレースとツール・ド・おきなわ2022は調子を合わせることができず、2レースとも優勝争いに加わることなく、表彰台を逃す結果となってしまい、悔いの残るシーズンだった。

2021年の全日本選手権、植竹海貴(右)が金子広美を制して優勝 ©JCF

まずは6月の全日本自転車競技選手権ロード

「ワイズロードをはじめ、コルナゴなど各スポンサーのおかげにより、昨シーズンに続き強力なサポート体制でレース活動ができることがうれしい」と植竹。

今季は昨年よりコンディションを整えるためJBCFの遠征を減らし、6月に開催予定の全日本自転車競技選手権ロードレースと、11月開催予定のツー ル・ド・おきなわに挑む。目指すは全日本選手権優勝&ツール・ド・おきなわ優勝だ。

「出場するレースは全て優勝する気合と、レースを楽しむ気持ちを忘れずに走りたいと思いま す」

「今シーズンも見ていて楽しいレースになるように、強気の走りをしたいと思います。私たちのレースを見て、女子のレースにも興味を持っていただけたらうれしいです。全日本チャンピオンの座を奪還できるように頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします」

全日本最速店長選手権を連覇した植竹海貴

植竹海貴(うえたけみき)
生年月日:1996年1月29日
出身地:東京都板橋区
所属チーム:ワイズロード
勤務先:ワイズロード新宿本館

専門学校卒業後の2016年から2020年3月までは保育士として勤務。2020年4月に自転車に専念できる環境として、スポーツ自転車の専門店ワイズロードを運営する株式会社ワイ・インターナショナルに入社。同社の旗艦店であるワイズロード新宿本館で勤務しながらトレーニングを積み、実業団レースの JBCF(一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟)に参戦。

トレーニングには従来の実走練習に加え、SARIS社のスマートトレーナーとバーチャルサイクリングアプリZwiftを組み合わせたインドアトレーニングも取り入れ、課題の克服と競技力の強化に取り組んだ結果、年間12戦中8勝を挙げ、2年連続で年間総合優勝の座を射止めた。現在はワイズロード新宿本館で週3日間勤務。

●植竹海貴のZwiftトレーニング日記

乗りたいモデルがない…高校生が電動アシスト自転車でない理由

ホンダがスポーツバイクを電動化させる装置と、それを活用するスマホアプリ「スマチャリ」を開発。自転車チェーン店のワイズロードが搭載第1号となる「レイルアクティブe」を9月に発売する。創業者の本田宗一郎氏が1947年に自転車に補助エンジンを付けた通称「バタバタ」を開発したが、その現代版とも言える。将来は手持ちの愛車に取り付ければ電動化できる商品開発も検討しているという。

ホンダが開発した電動アシストユニットを搭載したレイルアクティブe

創業者本田宗一郎氏のバタバタを復刻…愛車を電動化するシステム発表

自転車通学の高校生は約180万人で、全体の56%。通学路に急な坂がある高校は全国の約半分。自転車通学生の半数が電動アシスト自転車がほしいと言う。年代別に見ても自転車を利用する人数は最も多いが、電動アシスト自転車普及率は低い。カッコいい商品がないからだという。

本田技術研究所の野村さん(左)とワイズロードを展開するワイ・インターナショナルの青木亮輔さん

「既成自転車を電動アシスト化するシステムを作ったらいいのではないか。私自身が元自転車通学生で、通学にかかるエネルギーを浪費しないでもっとロボコン活動に打ち込みたかった」と、本田技術研究所の野村真成さんが構想。同社の新事業創出プログラムに採用され、4年をかけて開発した。

専用のクランクと直結した電動モーターは、手持ちの自転車にそのまま搭載できるというわけではない

ホンダの歴史は自転車に補助エンジンをつけて始まったが、まさにそれに回帰するプロジェクトだ。電動アシストユニットとそれに連動するスマホアプリにより、既製の自転車を電動化し、新たな電動アシスト自転車モデルとするものだ。

チェーンリングやクランクは現状では専用のものに交換する必要がある

将来的には愛車に組み付ければ電動化できる商品を

愛車を電動化できるシステムと聞いてホンダ本社で詳細を聞くと、現状は市販クロスバイクのクランクを専用のものに付け替え、モーターとバッテリーを搭載するとのこと。電動アシスト自転車には道路交通法に準拠するパワー制御と安全管理のルールがあり、型式認定取得が必要になる。手持ちの自転車にモーターとバッテリーを取り付けて電動化するには多くの難題がある。それでも将来的にはユニットだけで販売する方向性を目指したいという。

アプリで自転車移動中のさまざまな情報を取得できる

第1弾は自転車業界でのノウハウを持つチェーン店とコラボした。幅広い層に人気のクロスバイク、コーダーブルーム「レイルアクティブ」をベースに、クランク部品を専用のものに交換し、スマチャリによる電動アシスト機能をプラスオンしたモデル「レイルアクティブe」を9月に発売予定。

市販車のボトル台座に取り付けられたバッテリー

ホンダはこの電動部分の開発・製造を担うとともに、無償アプリを提供する。スマホを活用し車体をオンラインサーバーとコネクテッド化することにより、速度や走行距離、消費カロリーといった走行データを表示・記録し、スポーツバイクライフがより豊かになる便利な機能を持つ。

レイルアクティブeは一般的なスポーツタイプの電動アシスト自転車よりも軽量で購入しやすい価格となり、通勤通学などに使えるのが魅力。予定価格は22万円(税込み)。レイルアクティブの市販価格は7万円弱なので、スマチャリのユニット単価としては単純計算で15万円だ。重量は15kgで、同様に計算するとユニット部分は5kg。アシストパワーの航続距離は一般的な電動アシスト自転車と同等以上だという。

専用設計のクランクセットが電動化をサポートする

創業者が妻のために作ったバタバタはホンダの名を冠した最初の製品

「自転車で買い物に出かける妻に楽をさせてあげたい」と本田宗一郎氏が作ったのが、自転車に搭載する補助エンジン。ホンダA型という商品名で、ホンダの名を冠した最初の製品となった。創業翌年の1947年のことだ。バタバタと音を立てて走ることからそれが通称に。同社はその後、オートバイの製造を足がかりに、世界的な四輪メーカーに。

ホンダA型

競泳金メダリスト萩野公介がトライアスロンにデビューする

競泳金メダリストの萩野公介さんが5月21日に米国ハワイで開催されるメディロムホノルルトライアスロンに参戦する。

競泳金メダリスト萩野公介

萩野さんは2016リオデジャネイロ五輪競泳400m個人メドレー 金メダリスト。親交のあるパラトライアスリートの秦由加子や先輩の松田丈志がトライアスロンに出場してい るのを見て、自分も挑戦してみたいと思い出場を決めた。

大会の主催はアスロニアで、プロトライアスリートの白戸太朗とのトレーニングを経て、楽しくレースをしたいという思いを強めた。現役スイマーのころから愛用しているブリヂストンのロードバイクに乗る。

「自分の挑戦を見て一人でも多くの方がスポーツに限らず新しいことにチャレンジするきっかけになればうれしい」と萩野さん。

●メディロムホノルルトライアスロンのホームページ

春の新生活にぴったりな電動アシスト自転車に新色が登場

快適な自転車ライフを提供するあさひは、電動アシスト自転車ブランド「エナシス」の小径モデル「エナシスコンパクト」と通学向けモデル「エナシスミー」に新色を追加し、2023年3月下旬より全国のサイクルベースあさひ各店、あさひのネット通販サイトで発売した。

小径モデル「エナシスコンパクト」と通学向けモデル「エナシスミー」

エナシスコンパクト…機能にもスタイルにもこだわったコンパクトモデル

都心の暮らしでの使いやすさを考えた小回りの利く車体でありながら、窮屈さを感じさせないフレーム設計としっかりとしたアシスト、充実した機能で毎日の移動を快適にサポートする。

コンパクトなので、エレベーターに乗せたり、玄関前や屋内で保管する場合も場所を取らない
底面がメッシュでカバンの肩掛けベルトなどが下に垂れないバスケット

3月下旬から新色「マットブルー」「マットアイボリー」「マットチャコール」が登場し、よりスタイルに合わせやすい全5色の展開となった。

コンパクトでも、ハンドルと体の距離が近すぎず窮屈にならない、ゆったり乗れるフレーム設計

ENERSYS compact(エナシスコンパクト)
販 売 日: 2023年3月下旬 新色販売開始
販 売 価 格: 135,300円(税込)(本体価格:123,000円)
カ ラ ー: マットブルー(新色)、マットアイボリー(新色)、マットチャコール(新色)、マットマスタード、マットカーキ
フ  レ  ー  ム: アルミ製
サイズ(適応身長): 20型(145㎝~)
変      速: 内装3段変速
重      量: 22.8㎏
充  電  時  間: 5~6時間
バ  ッ  テ  リ  ー : リチウムイオンバッテリー 36v×10.3Ah (25.2V換算 14.7Ah相当)
走  行  距  離: エコモード約80km/標準モード約60km/パワーモード約50km
取  り  扱  い: 全国のサイクルベースあさひ及びあさひ公式オンラインストア、その他ネット通販サイト

小径モデル「エナシスコンパクト」
スマホなどの充電ができるUSBポート付きの液晶スイッチパネル

エナシスミー…通勤・通学におすすめのスタイリッシュでタフなモデル

悪路や坂道、大きな荷物、暗い夜道も安心の便利な装備と耐久力を兼ね備え、普段使いから通勤・通学まで、アクティブな毎日を力強くサポートする。

通学向けモデル「エナシスミー」

4月上旬から新色「マットマスタード」が登場し、毎日の移動をもっと楽しくする全5色の展開となった。

ENERSYS Me(エナシスミー)
販 売 日: 2023年4月上旬 新色販売開始
販 売 価 格: 139,700円(税込) (本体価格:127,000円)
カ ラ ー: マットマスタード(新色)、マットブルー、マットオレンジ、マットオリーブ、マットブラック
フ  レ  ー  ム: アルミ製
キ ャ リ ア耐荷重: 27kg(クラス27)
サイズ(適応身長): 26型(150cm~)
変      速: 内装3段変速
重      量: 26.0kg
充  電  時  間: 5~6時間
バ  ッ  テ  リ  ー : リチウムイオンバッテリー 36v×10.3Ah (25.2V換算 14.7Ah相当)
走  行  距  離: エコモード約85km/標準モード約60km/パワーモード約50km
取  り  扱  い: 全国のサイクルベースあさひ及びサイクルベースあさひ公式オンラインショップ

てこの原理で立てやすく、自動でロックがかかる両立スタンド
暗い夜道を広く照らす、0.5WのLEDを2灯装備した広角オートライト

●あさひの詳細ページ

あきらめなければF1にも乗れる。だからツール・ド・フランスを目指す…片山右京

モータースポーツ界の頂点となるF1で戦い続けた元レーシングドライバーの片山右京さん(59)が、日本選手による日本チームを結成して、自転車レースの最高峰ツール・ド・フランスで表彰台に立つことを目指している。その原点には「自転車は子供たちが手に入れる最初の冒険道具」という、幼い頃からの熱き思いがある。

国内自転車シリーズ戦のJCLチェアマンを務める片山右京。2月18日には東京・丸の内でナイトレースを開催 ©JCL

日本のどこにでもいる自転車小僧の1人だった

F1のハンドルを握るずっと前から、右京さんは自転車に親しんでいた。乗り始めたのは小学校低学年のころ。風を切って、そのスピードを体感できる。自分の力で知らない町にだって行ける。

「初めて手に入れた冒険道具。ペダルをこぐことに夢中になった。つまり、日本のどこにでもいる自転車小僧の1人だったんです」

冒険道具にはコンペティションとしての、もう一つの表情があることにも気づいた。その頂点がツール・ド・フランスであることも知った。欧州を拠点としてF1の世界で戦っていたのと同時期に、日本人プロとしてこのレースに初出場を果たしたのが今中大介さん。同い年のこの元プロロードレーサーと、その後運命的に出会った。

世界を目指して頑張っていたらF1にも乗ることができたという右京さんが、再び自転車の世界に戻ったのはF1をやめてしばらくしてからだ。

「自転車は自分の中では得意とする領域だと思っていたが、今中さんと出会って、自分の知る自転車の世界がなんて狭い部分だったのかと痛感した」

2008年7月のエタップ・デュ・ツールに出場した片山右京

すぐにトップ選手が使用するロードバイクにのめり込んでいく。やるからにはとことん練習して強くなりたい。ツール・ド・フランス出場は年齢的には無理な話で、その代わりに見つけたのがエタップ・デュ・ツール。ツール・ド・フランスの1区間だけを走る一般参加レースで、毎年1万人が参加するという人気イベントだ。元F1チャンピオンのアラン・プロストも毎年出場し、50代という年齢にも関わらず上位でゴールしているというのも、右京さんのやる気をあおった。

F1では果たせなかった打倒プロストのために、1日200km以上を乗り込んだ。残念ながら大会当日は雨で、プロストは出場を回避したが、右京さんはピレネーの峠を登り、最後の激坂まで先頭集団に食らいついた。最終的にはこの年の日本人最高位となる284位でゴールした。

ツール・ド・フランスへの憧れの念はさらに高まり、いつかは日本選手をこの最高峰の舞台に送り込みたいという目標が明確に現れた。これからは若い選手たちに夢を託す。2012年、国際登録チームとしてTEAM UKYOを結成。

「スポーツに打ち込むからには世界の頂点を目指さなきゃいけない。今中さんもできなかったツール・ド・フランスでの勝利を勝ち取りたい。それと同時に社会の模範になれるような、必要とされる存在になりたい」

自転車のある生活は実に快適で、生きていることを実感できる

スポーツ自転車の持つさまざまな価値を多くの人に知ってもらうことも使命だと考えた。

「チームスポーツとしての社会性を多くの人たちに知ってもらう。自転車が伴った交通事故の多発を憂慮し、交通ルールを守って安全に通行できる社会を形成していきたい」。そんな活動も怠らなかった。

「愛着のある身近な乗り物はひとたび鍛え抜かれた選手たちが乗れば、ハイスピードで疾駆する機材になる。ツール・ド・フランスはまさに文化であり、世界中の人たちに愛される存在。同時に、自転車のある生活は実に快適で、生きていることを実感できる。だから多くの人にスポーツバイクに乗ってもらい、どんなことでもいいからチャレンジしてほしい。楽しくて、どこまでも行ける気がしたあのころの自分と再会できる。そんな夢をかなえる道具となってくれるはずです」

ツール・ド・フランスの表彰台を目指して2023シーズンに始動したJCL TEAM UKYO  ©JCL TEAM UKYO

今季は日本のトップ選手を選抜したJCL TEAM UKYOを新結成。10年前の目標はツール・ド・フランスに出場することだったが、「そこで勝つこと」に上方修正。今もなお、世界の頂点を目指す戦いのまっただ中だ。