オランダの勝負どころは標高4800センチメートル…産廃埋め立ての人工峠

オランダ北東部のドレンテ州で開催されている欧州選手権は大会3日目の9月22日からいよいよ個人ロードレースへ。男女のU23レースが開催されたが、コースの勝負どころとなった石畳のVAM峠に注目が集まった。

埋立地に作られたVAM峠は標高4800センチメートル ©Luca Bettini/SprintCyclingAgency©2023

オランダ語でVAMベルク、フランス語でコルデュVAMと呼ばれる峠はオランダ北東部の平坦な地形の中にこつ然と現れた小さな山岳だ。近くにある自然な成り立ちのホンツルク山脈をはるかに上回るこのエリアの最高峰だ。

欧州選手権U23男子ロード(136.5km) ©Luca Bettini/SprintCyclingAgency©2023

じつは人工の峠で、産業廃棄物事業者のVAMが管理していた埋め立て地。現在は別会社に買収されているが、VAMの略称を峠の名前にして、冗談まじりの「VAM峠…標高4800センチメートル」の看板も立てられている。一般的に表記すれば標高48mだ。

欧州選手権U23男子ロードは距離136.5km ©Luca Bettini/SprintCyclingAgency©2023

2018年、埋め立て地跡に作られたルートは自転車レースの開催にうってつけだった。当初はMTBコースとして造成されたが、コロナ禍での閉鎖サーキットとして開催できることが着目され、2021年にはオランダナショナル選手権ロード、欧州シクロクロス選手権が行われた。2022年にもオランダナショナル選手権ロードの舞台となり、今回は欧州選手権ロードの全カテゴリーがここで開催される。

欧州選手権U23男子ロードは距離136.5km ©Massimo Fulgenzi/SprintCyclingAgency©2023
欧州選手権U23女子ロードに参戦するスペインチーム ©Massimo Fulgenzi/SprintCyclingAgency©2023
ヘンリック・ピーダスンが欧州選手権U23男子ロード優勝 ©Luca Bettini/SprintCyclingAgency©2023

峠にはインフォメーションセンターもあり、地元のサイクリングコースの拠点にもなっている。また埋め立てにより、エリアの一角は60m以上に嵩上げされる予定で、さらに過酷なコース設計を目指している。

欧州選手権U23女子ロード(108km)はイリセ・プルイメルスが優勝 ©Luca Bettini/SprintCyclingAgency©2023

22日に行われたU23ロードでは、男子はデンマークのヘンリック・ピーダスンが、女子はオランダのイリセ・プルイメルスが優勝した。大会は23日にジュニア男子とエリート女子、最終日の24日にジュニア女子とエリート男子が行われる。

欧州選手権U23男子ロード ©Luca Bettini/SprintCyclingAgency©2023

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