イタリア半島の西側に広がるティレニア海と東側のアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、第60回ティレーノ〜アドリアティコは3月14日、アスコリピチェノ〜ペルゴーラ間の205kmで第5ステージが行われ、ウノエックス・モビリティのフレドリク・ドゥヴァーシュネス(ノルウェー)が独走勝利した。

総合成績で初日から首位に立つイネオス・グレナディアーズのフィリッポ・ガンナ(イタリア)は、最終局面でチェーンが絡まるというメカトラブルを起こして遅れたが、国際ルールによって救済され、その座を守ることになった。

首位ガンナは2位アユソに22秒差をつけて天王山へ
7人の第1集団に加わったドゥヴァーシュネスは、有力選手たちが追いかける中、決して振り返らず、決してあきらめることな、初のワールドツアー勝利を修めた。ステージ勝利の有力候補であったアルペシン・ドゥクーニンクのマチュー・ファンデルポール(オランダ)は7秒遅れの2位。
首位のガンナはゴール手前で機械的なトラブルに見舞われたが、レース後に審判によりトラブル発生時にいた集団のタイムが与えられた。ガンナは初日から首位を守り続け、翌ステージの最難関に挑むことになった。2024年の総合2位で初優勝を狙うUAEチームエミレーツ・XRGのフアン・アユソ(スペイン)との差は22秒。

「もう1ステージ全力で走っても問題」と電話のトーマス
「車輪が穴に当たってチェーンがリングとフレームの間に挟まってしまった。ギアチェンジに悪影響を及ぼすほど強くペダルを踏んでいた。幸運なことに残り3km地点まで集団にいたので、審判に遅れた原因をアピールした」とガンナ。
「オフシーズン中にこのレベルに達するために多くの努力をしてきた。少なくとももう1週間はこの調子を続けたいる。ティレーノ〜アドリアティコには緒日のタイムトライアル、第3ステージと第4ステージで結果を出すために参加した。チームとともにに存在感を示すことができている。(チームメートでこの大会には参加していない)ゲラント・トーマスに電話したら、『今の君の状態なら、もう1ステージ全力で走っても問題ないよ。来週に休みを入れたら、次戦のコンディションには影響しない』と言っていた。ここまでリーダージャージを持ってきてくれたチームに感謝したい」

リーダージャージを獲得できるように明日は走る(アユソ)
「チームは素晴らしい仕事をし、下り坂は非常に難しかったので、そこでいい位置を得るために最後の上りでスピードを上げた。明日はこれまでとは異なるステージになる。今日は非常に爆発的なステージで、風が強かった。差をつけるのが難しかった。明日は高いペースでテンポのあるレースになるはずで、フィニッシュしたあとにリーダージャージを獲得できることを願っている。それが主な目標」と22秒遅れの総合2位アユソ。

無線で「追走集団が止まるかもしれない」と伝えられた
「下り切って6秒か8秒あると聞いたとき、残り4kmで自分のチャンスは少ないと思っていたが、無線で後ろが止まるかもしれないからプレッシャーをかけ続ける必要があると言われた。そのとおりだった。手を上げて勝利を修めることができた」とドゥヴァーシュネス。
「逃げ切りを考えていたが、正直なところティレーノ〜アドリアティコでのステージ勝利については考えていなかった。第2ステージの後、勝利を争ったりチームメイトを助けたりできなかったときはかなり失望した。今日は夢が叶った日だ」
ティレーノ〜アドリアティコ日程
3月10日 第1ステージ リド・ディ・カマイオーレ 11.5km(個人タイムトライアル)
3月11日 第2ステージ カマイオーレ〜フォッローニカ 192km
3月12日 第3ステージ フォッローニカ〜コルフィオリート(フォリーニョ) 239km★★
3月13日 第4ステージ ノルチャ〜トラサッコ 190km★★★
3月14日 第5ステージ アスコリピチェノ〜ペルゴーラ 205km★
3月15日 第6ステージ カルトチェート〜フロンティニャーノ(ウッシータ) 163km★★★
3月16日 第7ステージ ポルト・ポテンザ・ピチェーナ〜サンベネデット・デル・トロント 147km
★は難易度
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