東京サイクルデザイン専門学校は、イタリアのハンドメイド自転車ブランド「DeAnima=デアニマ」のジャンニ・ペゴレッティ氏によるオンラインワークショップを開催する。コロナ禍で海外研修の中止を余儀なくされる同校学生が、自転車作りの本場イタリアの名匠の指導が受けられる貴重な機会。外国人を講師に招いたオンラインによる講座の実施は同校で初めての試み。
Withコロナの新しい時代、予防の観点から感染リスクの少ない通勤や運動のための自転車利用への関心が非常に高まっている。また、海外に目を向ければ今夏は自転車によるツーリング旅行を目的とし た需要の高まりもみせていて、人との接触をなるべく避ける新しいバカンスのスタイルにおいても、同様に自転車に注目が集まっている。
東京サイクルデザイン専門学校は自転車教育に分野をしぼった日本初の専修学校として2012 年に開校した。世界中から高い評価を受けるハンドメイド自転車「CHERUBIM」のフレームビルダー今野真一氏を筆頭に、一流の講師陣が教鞭をとる。
これからの時代にますます重要な役割を果たす乗り物『自転車』の技術や知識、創造について今まで実践できなかった”新しい学び”の場を提供していく。コロナウイルス感染拡大により今年度の海外研修旅行は中止を余儀なくされ、海外の自転車文化を学べる機会を模索していたところ、日本より自転車の歴史や伝統があるイタリアで自転車職人の育成に長く携わってきたペゴレッティ氏に着目し、同氏によるオンラインワークショップの開催にとなった。
ペゴレッティ氏によるワークショップは10月5日を初回とし、計5回開催の予定。
麻薬中毒患者の更生施設で自転車製作を指導
自転車職人だった兄ダリオ・ペゴレッティが立ち上げた工房を手伝い始めてキャリアをスタート。ジャンニがもたらしたアーティスティックな感性で「ペゴレッティ」は世界有数のブランドに育ち、兄ダリオは最高峰の自転車フレームビルダーと評された。 兄の工房を離れた後はイタリアにある、ヨーロッパ最大の麻薬中毒患者の更生施設で自転車製作を教授。数多くの自転車職人を育成し、院生の更生と社会復帰の後押しをした。 現在は、施設の生徒であった弟子とともに自身のブランド「DeAnima=デアニマ」を立ち上げ、フレームビ ルダー・ペインターとして活躍している。
アルテチクロがコーディネート
イタリア語講師・通訳・通訳案内士としての長年の活動を通じて、日本とイタリアの国や人々に貢献することを信条とする静観篤(しずみあつし)氏がコーディネート。イタリアのハンドメイド自転車「BIXXIS( ビクシズ )」の日本国内輸入元としての取り組みを経て、さまざまな自転車工房やその職人たちを応援するイニシアティブ「Arteciclo(アルテチクロ)」の活動を開始。イタリアのつくり手と日本のユーザーが言葉の壁を越えて絆でつながり、二国の懸け橋となることを目指す。