第107回ツール・ド・フランスは9月5日、カゼール・シュル・ガロンヌ〜ルダンビエル間の141kmで第8ステージが行われ、13選手の第1集団の中からAG2Rラモンディアールのナンズ・ピーターズ(フランス)が単独で抜け出して初優勝を挙げた。
「これはボクのプロとしてのキャリアの中で最高の勝利だ。2019年のジロ・デ・イタリアを含めてもまだ2つしか勝ってないし」とピーターズ。
「山岳ステージで、勝利をつかむために第1集団に加わった。ちょっとクレイジーだった。後続とのタイム差が12分に開いた時、ステージ優勝するために走ろうと態勢を整えた。自分自身にステージで勝つことだけに集中しろと言い聞かせた。
ポルトデバレス峠からのダウンヒル中に 実力のあるイルヌル・ザカリン(ロシア、CCC)を引き離した時、もう負ける者か遠い気持ちだけだった。ジロ・デ・イタリアで勝った時は勝利の雰囲気をまったく味わえなかったから、最後の500メートルでそれを楽しんだ」
AG2Rラモンディアールはピーターズが区間優勝しただけではなく、ブノワ・コズネフロワ(フランス)が山岳賞ジャージをキープ、エースのロマン・バルデ(フランス)が強さを見せて11秒遅れの総合4位に位置。
「チームにとってなんという日になったんだろう」(ピーターズ)
「チームにとって素晴らしい一日だった。今大会で最初のアタックとステージ初勝利。ナンズがやってくれた。彼は自在に走ることができるし、欠点がない選手だからね」とバルデ。
「ただしボクにとってはいいことばかりじゃなかった。落車に巻き込まれてヒザを強打してしまった。今はかなり痛い」
「ツール・ド・フランスでステージ1勝するとようやく呼吸ができるようになる」とバンサン・ラブニュ監督。
「ナンスは昨年のジロ・デ・イタリアと同じレベルの偉業を果たした。ナンズは決してあきらめない粘り強い選手だ。彼はブノワやロマンと一緒にチームのトレーニングセンターで練習してきた。チームのトレーニングプログラムの有効性を実証してくれた」
「ロマンは総合4位、ブノワは山岳賞ジャージを保持している。そしてナンズがステージに勝った。それは素晴らしいことですが、我々は常に謙虚であり続け、仕事と戦いを続ける必要がある」
アラフィリップとピノは総合優勝争いから脱落
首位のアダム・イエーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)をはじめとした有力選手は6分40秒遅れでゴール。 イエーツがマイヨジョーヌを守った。
地元フランスのファンが総合優勝を期待していたフランス勢は、ドゥークニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップが18分07秒遅れ、グルパマFDJのティボー・ピノが25分23秒遅れ。マイヨジョーヌ争いから脱落した。
●4賞ジャージ
■マイヨジョーヌ(個人総合成績)アダム・イエーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)
■マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
●マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ブノワ・コズネフロワ(フランス、AG2Rラモンディアール)
□マイヨブラン(新人賞)エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアス)
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