【ツール・ド・フランス現場雑感】1年遅れのお祭りがデンマークにやってきた

第109回ツール・ド・フランスは2022年7月2日、デンマークのロスキレ〜ニュボー間202.5kmで第2ステージが行われ、クイックステップアルファビニルのファビオ・ヤコブセン(オランダ)がゴール勝負を制して初優勝した。

2022ツール・ド・フランス第2ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

マイヨジョーヌはワウト・ファンアールトに移る

前日に5秒遅れの総合2位につけたワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)が区間2位になり、ボーナスタイム6秒を獲得。初日に首位となったクイックステップアルファビニルのイブ・ランパールト(ベルギー)をわずか1秒上回って、初めてのマイヨジョーヌを獲得した。

港に面した原っぱがツール・ド・フランス第2ステージのスタート地となった

3連覇を狙うタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)は残り3kmを切ったところで発生した落車で遅れたが、救済措置により区間1位と同じゴールタイムとなり、ことなきを得た。

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

ツール・ド・フランス第2ステージはデンマークの大観衆が沿道に詰めかけた ©A.S.O. Pauline Ballet
この日は平坦コース。気温20度半ばの過ごしやすい天気に恵まれた ©A.S.O. Pauline Ballet

物価高のコペンハーゲンでまさかの駐禁1万円

コペンハーゲンは首都とは思えないほど空気がきれいで、運河ではスイムやカヌーをする人もいるほどです。運河には天空のボードウォークがテーマパークのコースターのように作られていて、市民はその上を歩いたりジョギングしたりしてリラックスタイムを過ごしていました。

マイヨジョーヌのランパールトも好位置をキープ ©A.S.O. Pauline Ballet

2日目の朝もも気持ちよくラン練習したくてたまらないですが、ガーミン先生がレストを指示するのでやめておきました。2連泊のホテルには朝食をつけていなかったので、この日は駅近くのカフェで済まそうと、ホテルを出たらちょっと心に引っかかるものを見てしまいました。

ホテル前に駐車したクルマのワイパーに細長い紙がはさまれていたんですよ。これは経験上どう見ても駐車違反の通知です。でもデンマーク語がわかりません。周囲のクルマを見回してみると、デンマーク登録車両はみなこんな紙ははさまれていないのですが、オランダ登録車に同じような紙が。

かつてのバイキングの面影を感じさせる船もツール・ド・フランスを歓迎

もうこの時点で駐車違反をしたのだと断定。カフェに行くような余裕は全くなくなり、部屋に戻ってポケトークアプリで写真を撮って翻訳してみたら、違反金を払えと。どうやらホテル前の駐車スペースは公共パーキングで、地元の人たちはきちんと支払っているんでしょうね。

ほったらかしにしてしまうとめんどくさくなるし、レンタカー会社経由で増額された違反金がクレジットカードから引き落とされるはずなので、ネットですぐに支払いました。1万円の出費でした。

逃げた2人のデンマーク選手、マグナス・コルト(左)が山岳賞、スベンエリック・ビーストルムが敢闘賞 ©A.S.O. Charly Lopez
カベンディッシュを外したチームはファビオ・ヤコブセンをスプリントのエースとして起用。その結果にいきなり報いた ©A.S.O. Pauline Ballet

ツール・ド・フランス誘致の夢を実現したデンマーク

そんなコペンハーゲンでしたが、首都としてはとても落ち着いていて、いい街だという印象は変わりません。自転車利用者は歩道で必ず押し歩きすることに感激しました。それはもちろんルールなんですが、こっちの歩道はそうするために作ってあるのか部分的に石畳で自転車走行には向きません。ランニングしていると足を捻挫しそうなのでよくわかりました。

ワウト・ファンアールトが1秒差でマイヨジョーヌ ©A.S.O. Pauline Ballet
沿道は大観衆が大はしゃぎだが、その雰囲気をちょっと離れたところで味わう年配女性の姿も

この日は第2ステージのゴールの隣町オデンセへ。同国第3の町で、童話作家アンデルセンの生まれたところ。初めての外食に繰り出しましたが、コースを頼むとどのお店も9000円はするので、うちひしがれました。若者が多いメキシカンのテラスでビール(500mlしかありません)とトルティーヤ。3000円です。

今年のテーマは、質素に。

興味深い自転車がいたるところにある

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