佐藤水菜が世界女王を撃破してネーションズカップのスプリント2位

オーストラリアのアデレードで開催されているトラックネイションズカップ第1戦は、大会2日目の2月3日、佐藤水菜(楽天Kドリームス)が女子スプリントで2位になった。

トラックネイションズカップ第1戦、女子スプリントで佐藤水菜(左)が2位 ©日本自転車競技連盟

佐藤は準決勝でこの種目の世界チャンピオン、エルレス・アンドリュース(ニュージーランド)を破って決勝進出。決勝では2020年の世界チャンピオン、エマ・ヒンツェ(ドイツ)に対して1本目を先取。2本目を僅差で取られて、勝負の3本目に挑んだが、写真判定の接戦で敗北した。

トラックネイションズカップ第1戦 ©日本自転車競技連盟

女子スプリント1回戦では太田りゆ(ブリヂストンサイクリング)と梅川風子(楽天Kドリームス)の対戦となり、梅川が競り勝って2回戦へ。梅川は2回戦でヒンツェに敗れて敗退した。

トラックネイションズカップ第1戦、女子スプリントを戦う佐藤水菜(後方) ©日本自転車競技連盟
トラックネイションズカップ第1戦、女子スプリント1回戦で梅川風子が太田りゆを制した ©日本自転車競技連盟

男子ケイリンは中野慎詞2位、太田海也3位

男子ケイリンは中野慎詞(楽天Kドリームス)が2位、太田海也(楽天Kドリームス)が3位になった。優勝はマレーシアのアワン。

トラックネイションズカップ第1戦、男子ケイリンで中野慎詞が2位、太田海也3位 ©日本自転車競技連盟
トラックネイションズカップ第1戦、女子マディソンの池田瑞紀・垣田真穂ペア ©日本自転車競技連盟

女子マディソンに出場した池田瑞紀(楽天Kドリームス/早稲田大)、垣田真穂(楽天Kドリームス/早稲田大)の日本は先頭と同一周回で健闘したが、全体の9位。

●大会公式ホームページ

トラックネイションズカップ第1戦で男子チームスプリント2位

2024パリオリンピックに向けたトラック日本代表チームの2024年シーズンが始まった。2月2日から4日までオーストラリアのアデレードでトラックネイションズカップ第1戦が開催され、日本勢は大会初日の男子チームスプリントで2位になった。

トラックネイションズカップ第1戦の男子チームスプリントは2位 ©日本自転車競技連盟

長迫吉拓、太田海也、小原佑太で編成された男子チームスプリントは全体の2位で1回戦進出。対戦相手はポーランド。日本は1走目からリードを奪い、そのまま押し切って先着。オーストラリアとの1-2位決定戦に進出。この日3本目で最速のタイムを叩き出した日本だったが、わずかに及ばず2位。

男子チームパシュートは3分50秒381の日本新記録を樹立

橋本英也、窪木一茂、松田祥位、兒島直樹の日本チームパシュート陣は全体の6位で1回戦進出。対戦相手はドイツで、4秒以上の大差をつけて先着。メダル決定戦には進出できなかったものの、タイム3分50秒381は、従来の日本記録を1秒近く更新。5位でレースを終えた。

トラックネイションズカップ第 1 戦の男子チームパシュートは5位ながら日本新記録 ©日本自転車競技連盟

女子チームパシュートで日本(池田瑞紀、梶原悠未、内野艶和、垣田真穂)は9位。予選敗退。

トラックネイションズカップ第 1 戦の女子チームパシュート ©日本自転車競技連盟

女子エリミネイションで水谷彩奈は17位。

トラックネイションズカップ第 1 戦のエリミネーションで水谷彩奈は17位 ©日本自転車競技連盟

●大会公式ホームページ

どうしてローマのトレビの泉がピンク色に染まったのか?

イタリアの首都ローマにある観光名所トレビの泉が2024年1月26日にピンク色にライトアップされた。同日夜には同地を含む40カ所でピンク色のライトが照射された。そのわけは?

第21ステージのローマ ©LaPresse

イタリアを代表するスポーツイベントとして人気のある自転車ロードレース、ジロ・デ・イタリアの開幕100日前を祝った恒例企画だ。7月のツール・ド・フランスとともに二大大会と言われるジロ・デ・イタリアは2024年で107回目。5月4日にピエモンテ州のベナレアレアーレで開幕し、26日にローマで終幕。23日間で合計21ステージ、連日のスタートとゴールを合わせて40カ所が開催地となる。

第1ステージのトリノ ©Marco Alpozzi/LaPresse

このピンク色はレースの首位選手が着用するピンク色のリーダージャージ、マリアローザにちなんだもの。どうしてピンク色になったのかといえば、かつての主催紙であるラ・ガゼッタデッロスポルトの新聞紙の色がピンク色だったからである。

第3ステージのノバーラ ©LaPresse

第107回大会は平坦ステージ6、タイムトライアル2(合計距離68.2km)、山岳ステージ5でこのうち4ステージが頂上ゴール、トリッキーで難しいステージが8つある。ローマに最終ゴールするのは大会史上6回目。

総距離3321.2km、トータルの獲得標高4万2900m。チマコッピと呼ばれる最高標高は2758mのステルビオ峠。

第4ステージのアンドラ ©LaPresse
第7ステージのフォリーニョ ©LaPresse
2024ジロ・デ・イタリア日程
5月4日(土) 第1ステージ ベナリアレアーレ〜トリノ 136km★★
5月5日(日) 第2ステージ サンフランチェスコ・アルカンポ〜サンチュアリオディオローパ 150km★★
5月6日(月) 第3ステージ ノバーラ〜フォッサーノ 165km★
5月7日(火) 第4ステージ アックイテルメ〜アンドラ 187km★
5月8日(水) 第5ステージ ジェノバ〜ルッカ 176km★★
5月9日(木) 第6ステージ ビアレッジョ〜ラポラーノテルメ 177km★★
5月10日(金) 第7ステージ フォリーニョ〜ペルージャ・チューダーITT 37.2km(個人タイムトライアル)★★★
5月11日(土) 第8ステージ スポレート〜プラーティディティーボ 153km★★★
5月12日(日) 第9ステージ アベッツァーノ〜ナポリ 206km★★
5月13日(月) 休養日
5月14日(火) 第10ステージ ポンペイ〜クザーノミュトリ 141m★★
5月15日(水) 第11ステージ フォイアーノディバルフォルトーレ〜フランカビッラアルマーレ 203km★
5月16日(木) 第12ステージ マルチンシキュロ〜ファーノ 183km★★
5月17日(金) 第13ステージ リッチオーネ〜チェント 179km
5月18日(土) 第14ステージ カスティリオーネデッレスティビエーレ〜デセンザナデルガルダ・チューダーITT 31km★
5月19日(日) 第15ステージ マネルバデルガルダ〜リビーニョ 220km★★★
5月20日(月) 休養日
5月21日(火) 第16ステージ リビーニョ〜サンタクリスチナバルガルデーナ 202km★★★
5月22日(水) 第17ステージ セルバディバルガルデーナ〜フォルケンスタイン・イングレーデン 154km★★★
5月23日(木) 第18ステージ フィエラディプリミエーロ〜パドバ 166km★
5月24日(金) 第19ステージ モルテリャーノ〜サッパーダ 154km★★
5月25日(土) 第20ステージ アルパーゴ〜バッサーノデルグラッパ 175km★★★
5月26日(日) 第21ステージ ローマ〜ローマ 126km

★は難易度

第7ステージのペルージャ ©LaPresse
第8ステージのスポレート ©LaPresse
第18ステージのフィエラディプリミエーロ ©LaPresse
第20ステージのバッサーノデルグラッパ ©LaPresse
第15、16ステージのリビーニョ ©LaPresse

サイクルベースあさひが楽天ショップ・スポーツ賞…記念セール実施も

楽天グループの運営するインターネット通販ショッピングモール「楽天市場」に、自転車チェーン店のあさひが出店している「サイクルベースあさひ楽天市場店」が楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2023のスポーツジャンル賞を受賞した。

ショップ・オブ・ザ・イヤーとは、利用者による投票数、2023年度の売上、売上の成長率、注文件数、利用者対応などから年間のベストショップが選ばれる楽天市場の表彰制度。57,000以上のショップの中から1年に1度、上位の秀でたショップだけが選ばれる。

サイクルベースあさひ楽天市場店は過去2013年にもジャンル賞を受賞していて、今回の受賞は10年ぶり2度目の受賞。

今回の受賞を記念して、2024年1月26日10:00から30日9:59まで、楽天市場店の商品全品がポイント4倍になる受賞記念キャンペーンを実施。また、一部の商品ではお得なクーポンも用意される。

●サイクルベースあさひ楽天市場店のセール詳細ページ

2024ジロ・デ・イタリアと姉妹レースが出場チーム発表

RCSスポルトが2024年のUCIワールドツアーレース、ジロ・デ・イタリア、ストラーデビアンケ、ティレーノ~アドリアティコ、ミラノ〜サンレモの出場チームを1月23日にミラノで発表した。

スロベニア国旗がログリッチを後押しする ©Marco Alpozzi/LaPresse

ジロ・デ・イタリア(5月4日〜26日)
18UCIワールドチーム、4UCIプロチーム(22チーム、8人編成)

UCIワールドチーム
アルペシン・ドゥクーニンク(ベルギー)
アルケア・B&Bホテルズ(フランス)
アスタナカザクスタン(カザフスタン)
バーレーンビクトリアス(バーレーン)
ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)
コフィディス(フランス)
デカトロンAG2Rラモンディアル(フランス)
EFエデュケーション・イージーポスト(米国)
グルパマFDJ(フランス)
イネオスグレナディアーズ(英国)
アンテルマルシェ・ワンティ(ベルギー)
リドル・トレック(米国)
モビスター(スペイン)
スーダルクイックステップ(ベルギー)
DSMフィルメニッヒポストNL(オランダ)
ジェイコ・アルウラー(オーストラリア)
ビスマ・リースアバイク(オランダ)
UAEエミレーツ(UAE)

自動選出のUCIプロチーム
イスラエル・プレミアテック(イスラエル)

主催者推薦のUCIプロチーム
ポルティ・コメタ(イタリア)
チューダー(スイス)
VFグルップ・バルディアーニCSFファイザネ(イタリア)

ストラーデビアンケ(3月2日)
18UCIワールドチーム、7UCIプロチーム(25チーム、7人編成)

これぞ白い道、ストラーデビアンケ ©Fabio Ferrari/ LaPresse

UCIワールドチーム
アルペシン・ドゥクーニンク(ベルギー)
アルケア・B&Bホテルズ(フランス)
アスタナカザクスタン(カザフスタン)
バーレーンビクトリアス(バーレーン)
ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)
コフィディス(フランス)
デカトロンAG2Rラモンディアル(フランス)
EFエデュケーション・イージーポスト(米国)
グルパマFDJ(フランス)
イネオスグレナディアーズ(英国)
アンテルマルシェ・ワンティ(ベルギー)
リドル・トレック(米国)
モビスター(スペイン)
スーダルクイックステップ(ベルギー)
DSMフィルメニッヒポストNL(オランダ)
ジェイコ・アルウラー(オーストラリア)
ビスマ・リースアバイク(オランダ)
UAEエミレーツ(UAE)

自動選出のUCIプロチーム
イスラエル・プレミアテック(イスラエル)
ロット・デスティニー(ベルギー)
ウノXモビリティ(ノルウェー)

主催者推薦のUCIプロチーム
コラテック・ビーニファンティーニ(イタリア)
Q36.5(スイス)
ポルティ・コメタ(イタリア)
チューダー(スイス)

ティレーノ~アドリアティコ(3月4日〜10日)
18UCIワールドチーム、7UCIプロチーム(25チーム、7人編成)

ログリッチがティレーノ~アドリアティコを制し、大会のトロフィーである三叉のヤリを手中にした ©LaPresse

UCIワールドチーム
アルペシン・ドゥクーニンク(ベルギー)
アルケア・B&Bホテルズ(フランス)
アスタナカザクスタン(カザフスタン)
バーレーンビクトリアス(バーレーン)
ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)
コフィディス(フランス)
デカトロンAG2Rラモンディアル(フランス)
EFエデュケーション・イージーポスト(米国)
グルパマFDJ(フランス)
イネオスグレナディアーズ(英国)
アンテルマルシェ・ワンティ(ベルギー)
リドル・トレック(米国)
モビスター(スペイン)
スーダルクイックステップ(ベルギー)
DSMフィルメニッヒポストNL(オランダ)
ジェイコ・アルウラー(オーストラリア)
ビスマ・リースアバイク(オランダ)
UAEエミレーツ(UAE)

自動選出のUCIプロチーム
イスラエル・プレミアテック(イスラエル)

主催者推薦のUCIプロチーム
コラテック・ビーニファンティーニ(イタリア)
Q36.5(スイス)
ポルティ・コメタ(イタリア)
チューダー(スイス)
ウノXモビリティ(ノルウェー)
VFグルップ・バルディアーニCSFファイザネ(イタリア)

ミラノ〜サンレモ(3月16日)
18UCIワールドチーム、7UCIプロチーム(25チーム、7人編成)

ミラノ〜サンレモを初制覇したファンデルプール ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

UCIワールドチーム
アルペシン・ドゥクーニンク(ベルギー)
アルケア・B&Bホテルズ(フランス)
アスタナカザクスタン(カザフスタン)
バーレーンビクトリアス(バーレーン)
ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)
コフィディス(フランス)
デカトロンAG2Rラモンディアル(フランス)
EFエデュケーション・イージーポスト(米国)
グルパマFDJ(フランス)
イネオスグレナディアーズ(英国)
アンテルマルシェ・ワンティ(ベルギー)
リドル・トレック(米国)
モビスター(スペイン)
スーダルクイックステップ(ベルギー)
DSMフィルメニッヒポストNL(オランダ)
ジェイコ・アルウラー(オーストラリア)
ビスマ・リースアバイク(オランダ)
UAEエミレーツ(UAE)

自動選出のUCIプロチーム
イスラエル・プレミアテック(イスラエル)
ロット・デスティニー(ベルギー)
ウノXモビリティ(ノルウェー)

主催者推薦のUCIプロチーム
コラテック・ビーニファンティーニ(イタリア)
ポルティ・コメタ(イタリア)
チューダー(スイス)
VFグルップ・バルディアーニCSFファイザネ(イタリア)

せっかくなので2020東京のレガシー大会にスポーツ紙として参戦

2020東京五輪のレガシーとして、環境に優しく健康にもいい自転車をさらに身近なものにするため、東京都が企画したGRAND CYCLE TOKYOプロジェクト。その一環として市民が気軽に参加できるイベントが12月2〜3日、調布市の味の素スタジアムとその周辺で開催された。東京中日スポーツチームとして「80分サイクルマラソン」に挑戦した。

味の素スタジアムの外周路を走るレース

女性を助っ人に迎えた混成チームでまさかのクラス4位

参加したのは80分という制限時間内に、チーム内で交替しながら周回数を競うレース。いわゆるエンデューロだ。過去にも本欄担当の記者と庶務部の田中秀行らでチームを編成し、可もなく不可もない順位でゴールしている。今回は女性を加えた混成チームにすべく、自転車チームに所属して本格的に走っている深海美保さんを紅一点のエースとして起用。混成カテゴリーで上位を狙うという作戦だ。

1周2分30秒、書くのが本業の山口は苦戦

こういったエンデューロでは選手交替のためのピットインや計測器の脱着がタイムロスとなる。そのため出走はそれぞれ1回ずつ。山口、田中が25分ずつ走り、エースに最後の30分を任せようという計算だ。これがズバリと的中。結果としてはまかさのクラス4位だった。

「チームを組んで走るのはいつものサイクリングとは違ってとても楽しかったです」と深海さん。ツール・ド・フランスの1区間を走る海外レースにも夫婦で参戦した経験があって、長距離は得意。今回は30分に全力を尽くす走りだったが、「最初の10分は苦しかったけど、ペースをつかんでからは調子がよくなって、あともう少し行けたかな」と笑顔を見せた。

1周2分15秒、クラス4位の立役者となった深海

環境保護と健康維持・増進が目的のイベントだ。だからここでケガをするなんてことは本末転倒。安全性を確保するため、主催者が最善の策を講じていることがひしひしと分かった。本欄の安全走行教室に登場してくれた自転車コーチの安藤隼人さんがレース運営を担当。同じく、元プロ選手でサイクリングガイドとして紙面を飾った平塚吉光さんらがレース中にセーフティーライダーとしてコースを周回。参加者に的確な声がけをして不慮の事故を回避する役目を担った。

1周2分の速さで順位を大きく浮上させた田中

また、最後の着順争いで無理をして落車することを防ぐため、同一周回のチームはすべて同順位という特別ルール。そのため優勝は複数チームとなったが、バルセロナ五輪代表の藤田晃三さんとシドニー・アテネ・北京五輪出場の飯島誠さんのチームも大人げない走りで1位の表彰状を獲得していた。スタートのピストルを打ったのはバルセロナ五輪代表の藤野智一さんだった。

「多くのスタッフを走らせ、参加者への声がけや子供のそばで一緒に走るなど、特に安全面に気をつけていた。そのため走り慣れない参加者も安心して走れた」と田中。

この日は、プロ選手が走行テクニックを教えてくれるスクール、サポートライダーが最終周回まで牽引してくれるガイド付きショートレースもあった。自転車レースという転倒の危険を伴うスポーツを、いかに安全を担保しながらうまく走れるかに焦点を当てた、これまでにないイベントだった。

田中、深海、山口が混成チームとして臨んだ

2020東京のレガシー大会は今後も継続的に開催予定

GRAND CYCLE TOKYOは東京五輪・パラリンピックを開催した東京都がプロジェクト。1年目の2022年はレインボーブリッジを封鎖したサイクリング大会を行い、2023年はそれに加えてTHE ROAD RACE TOKYO TAMAとして本格的なロードレースを初開催。コースは2020東京に加え、1964東京五輪で使用された部分も。国内トップ選手の多くが参戦した。