ログリッチがティレーノ~アドリアティコで4年ぶりの総合優勝

イタリア半島をはさむティレニア海とアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、第58回ティレーノ〜アドリアティコは最終日となる3月12日、サンベネデット・デル・トロントを発着とする154kmで第7ステージが行われ、ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が総合優勝した。

4年ぶりの総合優勝を遂げたログリッチ。左は総合2位アルメイダ、右は3位テイオ・ゲイガンハート ©LaPresse

ログリッチの総合優勝は2019年に続く2度目。ポイント賞、山岳賞でも1位になった。新人賞は18秒遅れで総合2位になったUAEエミレーツのジョアン・アルメイダ(ポルトガル)。最終日はアルペシン・ドゥクーニンクのヤスペル・フィリプセン(ベルギー)がゴール勝負を制した。

ティレーノ~アドリアティコ第7ステージで勝ったヤスペル・フィリプセン ©LaPresse

2つのヤリは息子たちの武器になりそうな気がする

「怪我の手術から実戦に戻ってきて、チームが成し遂げたことをみるのは素晴らしい気分だ。ワウト・ファンアールトや他のチームメイトと素晴らしい一週間を過ごした」とログリッチ。

ログリッチがティレーノ~アドリアティコを制し、大会のトロフィーである三叉のヤリ「トライデント」を手中にした ©LaPresse

「レースに戻ってくるのをとても楽しんだ。初日のタイムトライアル以降は超ハードだった。バランスよく乗ることを心がけた。まずはレースのリズムに戻ることが重要だったからだ。それはジロ・デ・イタリアでも同じ。私はただ私のバイクで楽しみたい。

自宅に2つ目のトライデントを持ち帰ることになったので、ティレーノ〜アドリアティコのトロフィーは息子たちが戦うための道具になるかもしれない」

ログロッチはポイント賞のマリアチクラミーノを含めて3つのジャージを獲得した ©GianMattia D’Alberto/LaPresse
山岳賞ジャージを着るログリッチ ©GianMattia D’Alberto/LaPresse
ジョアン・アルメイダが新人賞 ©GianMattia D’Alberto/LaPresse

にゃんこ堂サイクルジャージ第2弾…神保町の猫本専門書店がコラボ

神保町交差点にある町の小さな本屋、姉川書店『猫本専門 神保町にゃんこ堂』とワールドサイクルがコラボレーション。にゃんこ堂サイクルジャージ第2弾の予約受付が始まった。1万3200円(税込み)。

©神保町にゃんこ堂

神保町にゃんこ堂へようこそ

神保町交差点にある町の小さな本屋、姉川書店『猫本専門 神保町にゃんこ堂』では、常時600種類・2000冊以上の猫本を置いている。ほぼ全ての表紙が見えるようディスプレイしているのが特徴で、店内の猫本は全て立ち読み可能。じっくり、まったり、猫本を読み比べて、とっておきの一冊を探してみよう。

©神保町にゃんこ堂

神保町にゃんこ堂 サイクルジャージ 猫ドット柄 ネイビー

基本のベーシックモデル。吸汗速乾性、伸縮性に優れた高機能素材を採用。内部の汗を素早く吸水し蒸れを防ぐので、いつでもサラッとした着心地を実感できる。裾滑り止めシリコンゴム標準装備。豊富なサイズ展開で男女問わず着用可能。

サイズ:XXS~4XL ユニセックス
予約は2023年3月29日まで、5月中旬頃届け予定。

材質 : ポリエステル100%
仕様 : 3分割バックポケット付き ユニセックスモデル
製造 : サンボルト S-RIDE

©神保町にゃんこ堂

●ワールドサイクルの詳細ページ

ログリッチ3連勝で総合Vに王手…ティレーノ~アドリアティコ第6S

イタリア半島をはさむティレニア海とアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、ティレーノ〜アドリアティコは3月11日、オシーモ・スタッチオーネ〜オシーモ間の193kmで第6ステージが行われ、ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が3日連続で優勝。総合優勝に大きく前進した。

ファンアールトがログリッチをゴールまで牽引する。ティレーノ~アドリアティコ第6ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ログリッチは大会通算4勝目。同大会でこれまでステージ3連勝をしたのは1992年のモレノ・アルゼンチン(イタリア)と2005年のオスカル・フレイレ(スペイン)で、ログリッチで3人目。1大会で3勝を挙げたのは2008年のフレイレ以来となる。

ティレーノ~アドリアティコ第6ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ファンアールトが勝つために乗り込んだが、計画は変更された

「こんなにいいシーズンをスタートさせたことはないと思う。ステージ3連覇というのはクレイジー」とログリッチ。

青色のマリアアッズーラを着用するログリッチを援護するユンボ・ビスマ勢。ティレーノ~アドリアティコ第6ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

「開幕前のチームの戦略は、今日の結果とは少し違うものだった。ワウト・ファンアールトが勝つために乗り込んだが、計画は変更された。総合優勝を確保するためには誰もがチャンスを犠牲にしなければならない。ボクが再びステージ優勝を目指すチャンスを与えてくれた要因だ。

明日の最終ステージを締めくくるために集中力を持ち続けたい。ケガから戻ってきてチームとレースするのは本当にクールだ。目標となるジロ・デ・イタリアはもうすでにスタートできる準備が整っているけど、5月だし、なにが起こるか見てみたい。今はシーズンの始まりに過ぎない。フィールドのレベルは超高く、レースはとても難しいが、私はそれを楽しんでいる」

ティレーノ~アドリアティコ第6ステージで最後の激坂を突き進む ©Fabio Ferrari/LaPresse
ティレーノ~アドリアティコ第6ステージはログリッチが有力選手のスプリント勝負を制した ©Fabio Ferrari/LaPresse
ティレーノ~アドリアティコ第6ステージで首位を死守したログリッチ ©LaPresse

追いつかれるまで逃げ続けるラン大会が2023年5月7日に開催へ

全世界で一斉にスタートするランニングイベント「Wings for Life World Run」が開催される。日本時間の5月7日(日)20時スタート。追いつかれるまで逃げ続けるラン大会で、地球上で最後まで捕まらなかった選手がチャンピオンとなる。

背後から迫るキャッチャーカーから必死で逃げる参加者 ©Jason Halayko for Wings for Life World Run

クルマに追いつかれるまで、世界と一緒に走れる醍醐味

Wings for Life World Runは通常のランニングイベントと異なる。世界中のランナーが一斉にスタートするだけでなく、ゴールが設定されていない。

クルマに追いつかれたらランフィニッシュ ©Lukasz Nazdraczew for Wings for Life World Run

スタート30分後にキャッチャーカーと呼ばれる追跡車がスタートから走り出し、参加者たちを追いかける。アプリではバーチャルのキャッチャーカーを表示。キャッチャーカーに追い抜かれた時点で参加者はレース終了となる。

イベントはスマホアプリを使って普段走っているコースを走るアプリランに加えて、アプリランの参加者が集まって走るアプリラン・イベントが設定され、宮城、新潟、東京、愛知、兵庫、福岡の6都県で開催される。

上田瑠偉が神宮外苑で激走 ©Jason Halayko for Wings for Life World Run

紀平梨花や高梨沙羅らのレッドブルアスリートも参戦表明

Wings for Life World Run には五十嵐カノア、上田瑠偉、鬼塚雅、紀平梨花、小林陵侑、高梨沙羅、中村輪夢、四十住さくらなどのレッドブルアスリートをはじめ、イベントアンバサダーとして、脊髄損傷による下半身不随から見事復活して北京パラリンピックに出場を果たしたプロ・スノーボーダーの岡本圭司、YouTuberで下半身麻痺・車椅子ユーザーの渋谷真子、脊髄損傷による四肢麻痺の現代アート作家の松嶺貴幸に賛同を得て、アプリランやアプリラン・イベントに参加する場合もあるという。

2022年に東京大会に参加した紀平梨花
101人が参加した南魚沼のアプリラン・イベント ©Jason Halayko for Wings for Life World Run

Wings for Life World Run (ウィングス・フォー・ライフ・ワールドラン)
日程: 2023年5月7日(日)
スタート:日本では20:00(UTC協定世界時午前11時)
会場と定員:
アプリラン=自身のランニングコースで定員なし
アプリラン・イベント
宮城県:楽天モバイルパーク宮城 400人
新潟県:南魚沼市八色の森公園 400人
東京都:明治神宮外苑 400人
愛知県:豊田スタジアム 400人
兵庫県:メリケンパーク 400人
福岡県:マリアノシティ福岡 400人

東京の明治神宮外苑コース
南魚沼の周回コースにはエイドステーションも仮設された ©Jason Halayko for Wings for Life World Run

参加資格:大会当日満16歳以上。ハンドバイク不可・生活用車いす可
参加費:2700円(税込み)
申込先:公式サイト
アンバサダー:後日発表
主催:Wings for Life World Run 実行委員会
備考:参加費の全額と同額をWings for Life財団に寄付。天災、事件、事故等の理由で大会を中断・中止する場合がある。その場合参加費の返金等はなし。

追いつかれるまで逃げ続けるワールドランに出てみた

追いつかれるまで逃げ続けるランニング大会、Wings for Life World Runが2021年5月9日、UTC協定世界時午前11時、日本時間で20時にスタートした。新潟県南魚沼市の会場に集まった参加者とともに精いっぱい逃げた。今回はそのレポート。

ログリッチ完全復活の2連勝…ティレーノ~アドリアティコ第5S

イタリア半島をはさむティレニア海とアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、ティレーノ〜アドリアティコは3月10日、モッロ・ドーロ〜サルナーロ・サッソテッロ間で第5ステージが行われ、ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が前日に続いて優勝。

ティレーノ~アドリアティコ第5ステージを制したログリッチ。悪天候のため表彰は室内で行われた ©LaPresse

前日にログリッチは、首位レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)まで6秒差の総合2位と肉薄していて、この日は区間1位で10秒のボーナスタイムを獲得。ケムナは同タイムの区間5位でボーナスタイムを獲得できず、総合成績でログリッチが4秒差で首位に躍り出た。

ティレーノ~アドリアティコ第5ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ログリッチは大会通算3勝目。スロベニア勢としてタデイ・ポガチャル(UAEエミレーツ)の3勝に並んだ。2019年に総合優勝しているログリッチはこれでリーダージャージ着用日数を8日に伸ばした。ログリッチがステージレースでリーダーとなったのは2022年8月23日のブエルタ・ア・エスパーニャ以来で、199日ぶり。

この日は強風を伴う悪天候で、山岳に設定されたゴール地点を2.1km山麓側に移動して距離短縮。165.6kmで行われた。

ティレーノ~アドリアティコ第5ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ジロ・デ・イタリアのためにウィルコやクーンと一緒に走っておきたかった

「昨日に続いて勝つのはクレイジーだけど、本当にクールで楽しい。谷で突風があり、上りでも突風があった。そんななかで今日、ヨーロッパで開催された唯一のプロレースとなった」とログリッチ。フランスのパリ〜ニースは悪天候を懸念して中止となっている。

ティレーノ~アドリアティコ第5ステージを制したログリッチ(右) ©LaPresse

「昨日よりもはるかに大きな丘を登るのに苦労したが、最後にはスプリント勝負となる可能性が見えた。ウィルコ・ケルデルマンに力を貸してもらい、ステージ優勝のチャンスがつかめるように頼んだ。ステージで2勝を挙げ、ティレーノ〜アドリアティコに来る前に予想していたこと以上を成し遂げた。

この大会を今季のプログラムに追加した理由の1つは、ジロ・デ・イタリアでアシスト役となるウィルコやクーン・ボウマンと一緒にレースをすること。明日は彼らと一緒にジャージを守るために最善を尽くしたい」

ログリッチが復活V…ティレーノ~アドリアティコ第4ステージ

イタリア半島をはさむティレニア海とアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、ティレーノ〜アドリアティコは3月9日、グレッチョ〜トルトレート間の218kmで第4ステージが行われ、ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が優勝。

ティレーノ~アドリアティコ第4ステージを制したログリッチ ©LaPresse

総合成績では5秒遅れの区間17位でゴールしたレナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が、イネオスグレナディアーズのフィリッポ・ガンナ(イタリア)に代わって首位に立った。

ティレーノ~アドリアティコ第4ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ログリッチの優勝は2018年の第3ステージ以来で2回目。スロベニア勢はタデイ・ポガチャルの3勝を含めて通算5勝目。

ユンボ・ビスマはエースのワウト・ファンアールト(ベルギー)がトム・ピドコック(英国、イネオスグレナディアーズ)と交錯して落車。この日だけで7分40秒遅れて総合優勝争いから脱落した。

ティレーノ~アドリアティコ第4ステージでケガから復帰したログリッチ(右から2人目)が動いた ©Fabio Ferrari/LaPresse

ケムナがステージレースで首位に立ったのはジュニア時代以来で、プロレースでは初めて。ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの大会途中で総合2位に位置して首位に肉薄した実績がある。

ティレーノ~アドリアティコ第4ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse – Greccio – Tortoreto. In the pic:

ジロ・デ・イタリアでの完全復活のために参戦した…ログリッチ

「最後にレースで優勝してから久しぶりなので、その瞬間を楽しんでいる」と2022ブエルタ・ア・エスパーニャを落車負傷でリタイアし、ケガからの懸命の復帰を余儀なくされていたログリッチ。

「1カ月の厳しいトレーニングを積んだ。自分自身と家族には多くの犠牲を払った。ハードなトレーニングの後、レースをする準備ができていると感じたので、レース活動を再開し、自宅でのトレーニングでは得られないジロ・デ・イタリアへの最後の一歩のためにティレーノ~アドリアティコに参戦した。

自分の勝利には少し驚いている。チームは別の計画を持っていたが、ロードレースでは計画していた作戦がどのように急速に変化するかよく知っている。クラッシュを回避できてよかったし、ワウト・ファンアールトが数日後には元気になって走れるようになることを願っている。明日はどうなるかわからない。私だけでなく、多くの選手が強いので」

テレマーク姿勢をキメるログリッチ。ティレーノ~アドリアティコ第4ステージ ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

ログリッチとの6秒差はないも等しい…首位のケムナ

「今日は総合成績でリードできるとは思っていなかったが、とてもうれしい。ステージレースをリードするのは初めて。昨年のジロ・デ・イタリアで素晴らしい経験をしたので、イタリアで勢いを維持できてよかった」とケムナ。

「明日の上りは今日よりも適しているが、多くのトップライダーが争う非常に難しいステージになるはず。プリモシュ・ログリッチの存在は常に懸念事項だ。彼との6秒のリードはそれほど多くないから」

レナード・ケムナが首位に立った ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse