【ツール・ド・フランスリバイバル】2007年はマイヨジョーヌ解雇! コンタドール初V

2007年の第94回ツール・ド・フランスは米国のディスカバリーチャンネルに所属していたアルベルト・コンタドール(スペイン)が初優勝した。アスタナのアレクサンドル・ビノクロフ(カザフスタン)、ラボバンクのミカエル・ラスムッセン(デンマーク)がレースを去るなかで、スペインの若き闘牛士(マタドール)がファンの心を魅了した。

マイヨジョーヌのラスムッセンをマークするコンタドール。エバンスはキツそうだ
ツール・ド・フランス2007

英国開幕の大会はビノクロフが優勝候補だった

英国ロンドンで開幕したツール・ド・フランスはタイムトライアルの世界チャンピオンであるファビアン・カンチェラーラ(スイス、CSC)がマイヨジョーヌを着用して動き始めた。アルカンシエルのワンピースジャージを身にまとったカンチェラーラは平均時速53.660km という猛スピードでロンドンの市街地を駆け抜けた。2位は13秒遅れでアスタナのアンドレアス・クレーデン(ドイツ)。同チームのエースであるビノクロフも30秒遅れの7位でゴールし、初優勝に向けて絶好のスタートを切った。

一方のラスムッセンは1分16秒遅れの区間166位。この時点ではエースナンバーをつけたメンショフのアシスト役をこなしながら、3年連続となる山岳ジャージに照準を合わせていたはずだった。大会前にチームが表明したこの大会のターゲットは、スプリンターのオスカル・フレイレ(スペイン)えによる複数のステージ優勝、ラスムッセンの山岳賞とトーマス・デッケル(オランダ)の新人賞獲得、そしてデニス・メンショフ(ロシア)が総合成績で上位に食い込むことだった。

ロンドン名物のダブルデッカーもツール・ド・フランスを歓迎

プロローグと第1ステージを英国で走ったツール・ド・フランスは、移動日なしでヨーロッパ大陸へ。第2ステージから6ステージまでは平坦コースでの戦いが続き、プレディクトール・ロットのロビー・マキュウェン(オーストラリア)やクイックステップのトム・ボーネン(ベルギー)らの有力スプリンターが連日のゴールをにぎわせた。ところがここで思わぬアクシデントが発生した。

優勝候補の筆頭だったビノクロフが、第5ステージの終盤で不意の落車で大けがを負ったのである。

平坦ステージの終盤はスプリント勝負に向けて高速化し、落車の危険性がつきまとう。それを回避するためには集団の前方に位置するのが鉄則で、歴代の総合優勝者はつねに序盤戦でも上位でゴールしている。

ツール・ド・フランスの前座として一般サイクリストがロンドンのど真ん中に集合

そしてビノクロフもそういった走りができる総合力を備えていたはずだが、チェーントラブルで思わぬ落車の憂き目にあったのだ。この大会の優勝候補の筆頭は両ヒザを裂傷するという重傷に顔をしかめた。すぐにクレーデンとアンドレイ・カシェチキン(カザフスタン)を除くチームメートが駆け寄り、隊列を組んでメイン集団への復帰を試みた。

ところがこのときメイン集団は、逃げていた先頭グループを吸収するためにハイペースでゴールに突き進んでいた。ビノクロフにとっては運がなかった。アスタナのアシストたちは力尽きて脱落。しかたなくビノクロフが単独で追ったが、高速化した集団には追いつくことはできず、1分20秒のタイムロスを背負う。前日まで50秒遅れの総合12位といい位置につけていたビノクロフだが、この日終わって2分10秒遅れの総合81位に陥落した。

アルプスで抜きん出てきたのは想定外のラスムッセン

そしてツール・ド・フランスは大会8日目、第7ステージにしてアルプスに突入した。例年なら序盤戦にはチームタイムトライアルか長めの個人タイムトライアルが組み込まれるが、2007年は通常のステージレースを続け、早い機会にアルプスを迎えたのだ。

この日はTモバイルのリーナス・ゲルデマン(ドイツ)を含む15人の第1集団が形成され、メイン集団との差を最大8分20秒まで開いた。ラスト14.5km地点を頂点とするコロンビエール峠で単独になったゲルデマンはそのままゴールまでの下りを独走し、初のステージ優勝と同時にマイヨジョーヌと新人賞のマイヨブランを獲得した。

タワーブリッジの途中で選手団が止まり、正式スタートを切った

翌第8ステージは2007年のキーポイントとなった1日だ。ラスムッセンら6人がレース中盤のロズラン峠でアタック。最後から2つ目の山岳、オートビユではラスムッセンら3人に。さらに最後のティーニュの上りでラスムッセンが単独になった。そしてラスムッセンは2位に2分47秒差をつけてステージ優勝。それと同時にマイヨジョーヌと山岳ジャージも獲得した。

後方に取り残された有力選手たちはそれぞれの戦いを展開。ここで脱落したのがなんとビノクロフだった。クレーデンにアシストされたビノクロフは4分29秒も遅れてゴール。明白になったのは総合成績で上位につけるクレーデンがエースではなく、あくまでもビノクロフが絶対的な存在であり続けたことだった。ビノクロフはアルプスの3日目も遅れ、これでだれもが総合優勝から脱落したと感じた。

純白の新人賞ジャージを着て走るコンタドール

第13ステージは、この年初めての長距離タイムトライアルだ。結果的にドーピング違反で失格となるビノクロフが最速タイムを記録するが、ここで浮上したのがエバンスとコンタドール。それとは反対に陥落したのがサウニエルドゥバルのイバン・マヨ(スペイン)、ケスデパーニュのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)、CSCのカルロス・サストレ(スペイン)だ。

2005年のツール・ド・フランスでは最後の個人タイムトライアルで何度も落車して大崩れしたラスムッセンはまずまずの好タイムでゴール。エバンスに1分差に詰め寄られたものの、納得のいく結果を手中にした。この日終わってラスムッセンの強さにだれもががく然としたはずだ。気がついてみれば「チキン」と呼ばれる、細身で長身のスキンヘッドが総合優勝に一番近いところにいたからである。

ツール・ド・フランス2007。ピレネー山脈を上るグルッペット

前代未聞! マイヨジョーヌの出走をチームが阻止

そして勝負はピレネーへと移っていく。1日目の山岳にして首位をねらえる好位置につけていたエバンスが遅れた。ラスムッセンと最後まで渡り合ってゴール勝負を制したコンタドールに対して、エバンスは1分52秒遅れでゴール。疲労したその表情に挽回する気力は感じられなかった。この日終わってラスムッセンと、それを2分23秒差で追うコンタドールの一騎打ちの様相を呈してきた。

ピレネー第2戦は、最後の山岳で4回もアタックしたコンタドールに、ラスムッセンが食らいついた。コンタドールはゴールまでの平坦路でも振り切ろうとパワーを振り絞ったが、この年のラスムッセンは想像以上に強かった。2人は同タイムでゴールした。

そして2人の一騎打ちは休日開けの最後の山岳ステージへ。戦いの舞台はオービスク峠だ。それぞれのアシストに援護された2人が雌雄を決着させようとしていた。満を持してコンタドールがアタック。しかしラスムッセンは離れなかった。最後はライプハイマー、ラスムッセン、コンタドールの戦いとなり、残り1kmでラスムッセンが単独に。区間2勝目のガッツポーズを挙げたときに、コンタドール逆転の夢を描いたスペインファンから落胆の声が上がった。

しかし2007年はその夜に事態が一転した。

コンコルド広場に選手たちがやってきた

ラボバンクがラスムッセンに出場停止処分を科したのだ。処分の理由は規則違反と発表されたが、同選手に薬物違反の疑いがあるためにチームが動いたとしか考えられない。

チーム広報のパトリック・クレルクはこう説明している。

「この日のゴール後のポーでチームはラスムッセンから事情聴取した。ラスムッセンは6月にメキシコにいると報告しておきながら、実際にはイタリアに滞在していた。このウソはチームの規律を破るのもで、ラスムッセンをこの大会から追放することに決定した」

主催者の最高権威であるクリスチャン・プリュドムはこう話す。

「彼はこのレースに参加すべきではなかった。明日の総合成績は実力を反映したものになるだろう。大切なことはツールを愛している人たちに正真正銘のツールを戻してあげることだ」

第17ステージ終了後、マイヨジョーヌはコンタドールの胸に。最終日前日の個人タイムトライアルで、猛追したエバンスをわずか 23秒差で逃げ切ったスペインの山岳スペシャリストは、24歳にしてこの大会を制することになる。史上初の5連覇を達成したスペインのミゲール・インデュラインの後継者と言われる男が、激震に襲われたレースを締めくくってくれた。

マイケル・ボーヘルトも家族と久しぶりの再会

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【ツール・ド・フランスリバイバル】
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【ツール・ド・フランスリバイバル】2006年は終了3日後に覇者失格

新型コロナウイルス感染拡大を防止するために外出制限などで不自由な生活を余儀なくされているサイクリングファンに、過去記事をお送りします。1988年からツール・ド・フランス現地入りしている私ですが、1996年まではサイクルスポーツ編集部員としての派遣。その後独立しましたが、当時はポジフィルム撮影。そして暗黒の7年間となったので、2006年からツール・ド・フランスをリバイバル

ガリビエ峠を上るマイヨジョーヌのランディス
ツール・ド・フランス2006

波乱の2006年。最大の衝撃はパリにゴールしたあとだった

米国のランス・アームストロングが2005年に7連覇(現在は薬物違反で全記録はく奪)を達成して引退。翌2006年は新たな王者を決めるレースとなるはずだったが、最終日のパリでマイヨジョーヌを獲得した米国のフロイド・ランディスが、その3日後に禁止薬物のテストステロンを使用したことでドーピング違反となり、総合優勝をはく奪された。

ランディスはアルプスで行われた3区間の初日、第15ステージで首位に躍り出たが、翌16ステージで10分以上も遅れて首位を陥落した。ところが第17ステージで130kmを独走し、再び首位が狙える位置まで浮上している。その後、得意とする個人タイムトライアルで逆転したランディスは、最終日のシャンゼリゼにマイヨジョーヌを着て凱旋した。

第17ステージの信じがたい逃げを疑問視する他チームの選手や関係者も多かった。そしてその日のゴール後に行われた検査でランディスは陽性となったのだ。開催93回目を数える当時の大会で、総合優勝者が失格なったのは初めてだった。

ランディスは2002年に当時のUSポスタル(のちのディスカバリーチャンネル)に移籍し、それからの3年間はアームストロングのアシスト役をつとめた。アームストロングの7連覇のうち3勝は、ランディスの存在があってのものだった。

ランディスの失格にともなって、57秒遅れの総合2位でゴールしたスペインのオスカル・ペレイロが繰り上がり優勝となる。ペレイロは総合優勝できるようなオールラウンダーではなかったが、誰もがつなぎの区間と思われた第13ステージで5人の逃げを成功させ、後続集団に29分57秒差をつけて一時的に首位に。そのとき稼いだ貯金があって総合2位でパリにゴールしていた。

ただし事実関係の調査や審議などがあり、ペレイロがマイヨジョーヌを手中にするのは大会終了から449日後、2007年10月だった。

この年の存在感と言ったらアレクサンドル・ビノクロフ。ツール・ド・フランス2006

超人的アタックを成功させた第17ステージで薬物使用

ツール・ド・フランスで初の総合優勝を達成したランディスが、禁止薬物のテストステロンを使用していたことが大会終了後に明らかになった。

ランディスが「ポジティブ」となったのは第17ステージ終了後のアンチドーピングコントロール。検査は2つの検体が採取されるが、パリの表彰式から3日後の7月26日に、UCI・国際自転車競技連合が「ツール・ド・フランスの禁止薬物検査で、検体の1つが陽性となった選手がいる」と発表した。

ラルプデュエズで独走勝利したフランク・シュレック

2つ目の検体が陽性にならないと氏名は公表されないが、この第1段階でUCIはルールに則って所属チームと当該国の自転車競技連盟に選手名を通知している。

第1報を知った各メディアは情報収集に追われ、裏付けを取られたものが外電として世界中に流された。翌日には日本の一般紙にも掲載されるほどのショッキングなニュースだった。

ダミアノ・クネゴ。ツール・ド・フランス2006

すぐに「陽性となった選手が出たのは7月20日に行われた第17ステージ」と一部で報じられた。この日のステージ優勝者とマイヨジョーヌ、ランダムに抽出された選手など、その対象はすぐに絞り込まれ、その段階ですでにランディスではないかという憶測が生まれた。誰もが彼の人間業とは思えない逃げを目の当たりにしていたからだ。

翌27日にフォナックチームが、「陽性となった選手はランディスである」と緊急発表した。ランディスはツール・ド・フランス後の顔見世興行レースをキャンセルし、すぐに自らの弁護団を結成。当初は、「長年のハードなトレーニングやいくつかの要因が相乗効果となって体内で生成されたもの」と主張した。

フィリップ・ジルベール。ツール・ド・フランス2006

チームの発表後にUCIは、パット・マクワイド会長の名のもとに「ランディスが陽性反応の当事者である」と認めたが、ランディス側は事態の争点をすり替えるためか、「この段階で名前が公表されたことは明らかなルール違反」として争っていく姿勢だ。

8月5日には2つ目の検体も陽性であることが判明。分析結果により外部から摂取されたことが明らかであることも実証された。フォナックチームは「チームの規律に違反した」として、即日のうちにランディスを解雇した

フィリッポ・ポッツァート。腕には元カノのキアラのタトゥーが

総合優勝者が失格となったのは93回の歴史の中で「当時として」初めて

ランディスはアルプスで行われた3区間のうち、第15ステージで首位に躍り出たが、翌16ステージで10分以上も遅れて首位を陥落した。ところが第17ステージで130kmを独走し、再び首位が狙える位置まで浮上している。その後、得意とする個人タイムトライアルで逆転したランディスは、最終日のシャンゼリゼにマイヨジョーヌを着て凱旋した。

ツール・ド・フランスの総合優勝者に薬物使用の疑いがかけられたことは過去にもある。1988年の優勝者、ペドロ・デルガドも期間中の検体から陽性反応が出たが、禁止薬物にリスト化される寸前のものだったことから失格を免れた。

今回は、第17ステージの信じがたい逃げを疑問視する他チームの選手や関係者も多かった。それだけあからさまな挙動は、ランディス自身が自暴自棄になったのではとさえ考えられた。UCIがランディスを要注意人物としてマークしたのは当然だ。

マイヨジョーヌのランディスがシャンゼリゼにフィニッシュしたのだが…

ツール・ド・フランスの主催者は、「もはやランディスを総合優勝者とは見なしていない」とコメントし、その後の決定をUCIに一任している。とはいえ、この年のツール・ド・フランスは開幕前にジロ・デ・イタリアとツール・ド・スイスの総合優勝者を排除し、両大会の顔に泥を塗っていた。それだけに今回はそのしっぺ返しという感もあったようだ。

ランディスの2つ目の検体が陽性となった後、ペレイロは「チーム全体の努力によって、ツール・ド・フランスの総合優勝に導かれたという気持ちがわいてきた」とだけコメントした。


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要点を押さえて適度に自転車を…JCFがすべてのサイクリストにメッセージ

日本の自転車レースを統括する日本自転車競技連盟(JCF)が4月9日、新型コロナウイルス禍によって屋外練習やレース参戦ができないでいるサイクリストに向けてメッセージを発信した。以下はホームページより。

新型コロナウィルス感染症の拡大防止のために非常事態が宣言される事となり、本連盟においても当面の間の主催競技大会を中止することとしております。

また、自転車を愛するみなさまにおかれても学校や会社に出向くことすらままならない状況で、閉塞感を感じている方も多いと推測します。

このような状況において自転車に乗ることは、心身の健康を保つために大変有効な手段であると思います。

本来、自転車は屋外で楽しむもので、このような事態の中で積極的な外出を推奨することはできませんが、適度な運動のために自転車に乗る場合は、以下の点を留意していただきたいと思います。

・身体に不調を感じている方は、自転車に乗ることは控える。

・いわゆる3密(密閉空間・密集場所・密接場所)は避ける。

・自転車の整備や交通安全に気を付け、事故を起こさないようにする。

末筆になりましたが、感染された方々の一刻も早い回復と、この事態が早期に終息することを切にお祈り申し上げます。

●日本自転車競技連盟のホームページ
●新型コロナウイルス関連記事まとめ

楽しくてポップ…セブンバイシクルとGSGが新作第2弾

イタリア北部を拠点を置くサイクルウエアの老舗メーカーGSG(ジェッセージ)社と東京の7 BiCYCLE(セブンバイシクル)が楽しくてポップなサイクルウエアを発売した。この春夏に楽しく走れそうなデザインばかり。スタンダードジャージの価格は1万780円から。

7ITA Stripe Jersey Multi Colors 7ITA Stripe Lady Jersey Multi Colors
7ITA GT-7RZ Lady Jersey Black/Red
7ITA Monica Lady Jersey Black
7ITA Stripe Jersey White/Navy
7ITA Ride 4 Fun Jersey Black
7ITA Rock Smile 2020 Jersey Punk Black
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7 BiCYCLE(セブン・バイシクル)
Website: http://7bicycle.com
Facebook: https://www.facebook.com/7bicycle
Instagram: https://www.instagram.com/7bicycle
Twitter: @7BICYCLE

自転車通勤を推奨する会社ならワイズロードで自転車5%OFF

日本最大級のスポーツサイクル専門店、ワイズロードが自転車通勤を推奨する法人に向けて、従業員が自転車本体を5%OFF で購入できるキャンペーン「法人向け Y’s Road 自転車購入プログラム」を実施する。

自転車は環境負荷の低減、災害時における交通機能の維持、国民の健康維持増進、交通安全確保、渋滞緩和などの公益増進、交通費削減などに有効で、その活用推進が求められている。それだけでなく自転車通勤にはこんなメリットがあることが明らかになっている。


自転車通勤のメリットはいっぱいある!

①生産性の向上
労働生産性を示す指標である「身体活動」、「時間管理」、「集中力・対人関係」、「仕事の成果」のすべてにおいて、自転車通勤の実施後の数値が改善し、自転車通勤により労働生産性が向上する。

②身体面の健康増進
自転車もしくは自転車と徒歩による通勤では、クルマや公共交通機関に比べて、がんによる死亡リスクが40%、心臓疾患による死亡リスクが52%も低い。

③精神面の健康増進
自転車通勤をした場合、出勤時・帰宅時ともに気分の「安定度」と「活性度」が向上する。

自転車通勤による気分の「安定度(リラックス)」と「活性度(イキイキ)」を2カ月間調査した結果、自転車通勤をした場合、出勤時・帰宅時ともに気分の「安定度」と「活性度」が向上することが明らかになった

④通勤時間の短縮
国土交通省の資料によれば、自転車は約500mから5km弱の都市内移動において、ほかのどの交通手段よりも所要時間が短い。

自転車活用推進官民連携協議会 令和元年5月発行 自転車通勤導入に関する手引きより抜粋


国土交通省での推進

国土交通省では4月3日、企業活動における自転車通勤や業務利用を拡大するため、「自転車通勤推進企業」宣言プロジェクトの創設を発表した。プロジェクト発足にあたり、自転車通勤を積極的に推進する事業者の取り組みを広く発信していくため、「宣言企業」の募集を開始し、企業にむけて「自転車通勤の取り入れ」を推進。

●国土交通省「自転車通勤推進企業」宣言プロジェクト参考ページ

ビアンキ・Via Nironeシリーズ 12万円(税別)から

Y’s Roadの法人向け Y’s Road 自転車購入プログラム」の概要

Y’s Roadは自転車通勤を推奨する法人向けに、従業員が自転車本体を5%OFFで購入できるキャンペーンを行う。 ※通販(オンライン販売)は対象外

●対象
自転車通勤を推奨する法人会社に勤める従業員
●申し込み期間=2020年4月8日(水) ~5月1日(金)
●プログラム適用期間=4月10日(金)~5月6日(水)までに購入(全額入金分)した人が対象

コーダーブルーム・Railシリーズ 4万8000円(税別)から

●法人申し込み・購入方法
STEP:1
対象の法人会社はプログラム専用ホームページから申し込み書をダウンロ ード

STEP:2
ダウンロードした申し込み書に必要事項を記入し、記載されているメールアドレスへ送信

STEP:3
申し込み時に記載されたメールアドレスに申し込みの法人社名が記載した「プログラム適用クーポン」を送付

STEP:4
購入に関して
受け取ったクーポンを持参し「最寄りのワイズロード店舗」へ。5%OFFで完成車を購入できる

●Y’s Road 店舗情報

※同時購入5%OFFとの併用は不可 ※クーポンの有効期限は5月6日(水)までに成約(全額入金)した車体(完成車)が対象

ベスビー・PSA1 18万5000円(税別)

Y’s Road 通勤オススメの自転車の一例

Y’s Roadは国内最大級のスポーツ自転車専門店。オススメ車種以外にも世界の有名ブランドを多数取り揃えている。最新の商品情報はホームページで。

●ワイズロードポータルページ

ブロンプトン 18万円(税別)から

プロ選手の減俸やスタッフ解雇にCPAが解決策を模索

世界的な新型コロナウイルスによるパンデミックは、世界中で膨大な数の犠牲者と深刻な経済的損害を引き起こしている。新型コロナウイルスは限界を知らず、社会全体に大きな影響を与えている。この難局に対して、自転車競技のプロ選手たちの団体であるプロサイクリスト協会(CPA)が、世界中のメンバーの利益を守るために方策を練っている。

© CPACycling / Dario Belingheri / BettiniPhoto

「我々はこの緊急時にスポンサーとチームが直面している困難を十分に認識している。我々は耳を傾け、スポーツ全体のために妥協する準備ができているが、同時に我々は憶測を避け、選手とその家族が直面する困難をできるだけ抑えるために努力したい」とジャンニ・ブーニョ会長。

国際プロサイクリストチーム連盟(AIGCP)がチームの存続を図るためにスタッフの解雇や選手の減俸を進めていることに対し、CPAはその考えを柔軟性を受け入れるとしつつも、ルールは尊重されなければならないと選手側の立場で主張している。

契約が履行できないという証拠なしに給与を大幅に削減することは受け入れられないという。選手、チームスタッフ、サイクリングファミリーの誰もが仕事を失わないように、誰もが最善の解決策を見つけることを願っているという。

元世界チャンピオン、ジャンニ・ブーニョ

CPAの代表者は、異なる利害関係を持つ各団体を結集する国際自転車競技連合(UCI)によって招集されたすべての会議に参加している。緊急事態の最前線にいるCPA事務総長のローラ・モラは、選手エージェントとのコラボレーションの必要性を強調した。

「選手エージェントと一緒に働くのは初めてで、一緒に移動するワーキンググループを作った。現段階では、相互に損害を与えないように協調して難局を乗り越えることが重要」と語った。

「一律の給与削減は決して受け入れない。各ケースを個別に査定し、特別なサポートで問題を抑える方法を検討したい。私たちはみな、嵐のまっただ中で、同じボートの上にいる。全員を救うために、私たちは共通の原則を尊重し、チームとして働く必要がある」

●プロサイクリスト協会のホームページ