ギルマイがアミッサボンゴ第6ステージで大会2勝目

1月20日にアフリカ中部のガボンで開幕した7日間のステージレース、トロピカル・アミッサボンゴ(UCIアフリカツアー2.1)。26日に開催されたポートジャンティルでの第6ステージは集団ゴールスプリントの展開に持ち込まれ、NIPPOデルコ・ワンプロバンスの完璧なアシストを受けた19歳のエリトリア選手ビニアム・ギルマイが勝利。第3ステージに続く今大会区間2勝目をマークした。

ギルマイがアミッサボンゴでステージ2勝目 ©La Tropical Amissa Bongo 2020

第6ステージはガボン共和国第二の都市であり、西側のギニア湾に突き出た場所に位置する湾港都市であるポートジャンティルで開催された。選手たちは滞在する首都のリーブルビルから小型飛行機でレース会場まで移動。その複雑な移動からスタート時間が30分ほど遅れたものの、10.6kmの周回コースを12周回する127.2kmの平坦ステージは無事にスタートが切られた。

アミッサボンゴ第5ステージで先頭牽引に加わる岡篤志 ©La Tropical Amissa Bongo 2020

序盤からレースはアクティブに動き、一時別府史之を含む集団が先行するシーンも。アタックの攻防を繰り返しながらレースは進み、中盤からNIPPOデルコ・ワンプロバンスは、ギルマイのスプリントによる勝利をめざして、リーダーチームであるエリトリアナショナルチームとともに集団をうまくコントロール。終盤には岡篤志がアタックに反応し4名で先行し、岡は単独になっても残り3kmまで逃げ続ける。そのおかげでチームはレースを優位に進めることができ、最後は狙いどおりに集団ゴールスプリントの展開に持ち込み、チームメートの完璧なアシストを受けたギルマイがややリードを奪う形で勝利。チームワークに支えられ、才能豊かな19歳は早くも今季2勝目を挙げ、第5ステージを終えて首位に立ったポイント賞争いでも、最終ステージを残してライバルたちを引き離す結果になった。

ビニアム・ギルマイのコメント
第3ステージのときと同じように、チームメート全員が自分のために献身的に走ってくれた。彼らの力がなければ勝てなかったことは明らか。ラスト300mを切るまでリードアウトを受け、そこから全力でスプリントを仕掛けた。再び勝てたことを本当にうれしく思う。チーム全員に感謝している。明日の最終ステージもチーム一丸となり、区間優勝、そしてポイント賞ジャージを守るために全力を尽くしたい。
チームワークで勝ち取った勝利を祝してレース後に記念撮影 ©NIPPO DELKO One Provence
水谷監督のコメント
今日もビニアム一本でスプリントで狙う作戦。もちろん前半はいつものようにアタック合戦になったが、エリトリアとルーベのコントロールで様子をみた。自分たちは脚を使わず、半分くらい消化。その後はエリトリアも疲れてきたので、自分たちもコントロールに参加して、逃げを1、2分差におさめた。最後の最後はスプリントになったが、終盤残り2周くらいで岡篤志が4名の逃げに乗った。そのおかげで自分たちは脚を残すことができた。ラスト3kmで岡を吸収、そこから自分たちで列車を組み、残り200mまでうまく持ち込んで、ビニアムがもがいて優勝というパーフェクトな展開だった。本当によかった。ビニアムは今大会で一番強いスプリンターであると確信しているが、勝つということはチームワークのおかげ。そのことを自分はとてもうれしく思っている。また明日のステージも頑張っていきたい。

●トロピカル・アミッサボンゴのホームページ

ツアー・オブ・オマーンが国王崩御で2020年大会自粛

ツール・ド・フランスを主催するASOが中東で展開するステージレース、ツアー・オブ・オマーンは、1月10日に死亡したスルタン・カブース・ビン・サイド国王の追悼のため2020年2月11日から16日まで開催する予定だった第11回大会を自粛した。

ツアー・オブ・オマーン第4ステージ ©ASO/P.Ballet

カブース国王は半世紀におよび国王としてオマーンを奇跡的発展に導いた。享年79歳。長年にわたって体調を崩し、療養していた。

元国王の国家哀悼は12日から3日間の予定だったが、40日間に延長された。オマーン観光省がコンサートとスポーツイベントの中止を命じた。

ツアー・オブ・オマーン © Luca Bettini/BettiniPhoto

NIPPOデルコも参加の予定だったが…

2010年にスタートしたツアー・オブ・オマーンは、クリストファー・フルーム(2013年、2014年)、ビンチェンツォ・ニバリ(2016年)、アレクセイ・ルツェンコ(2018年、2019年)らが総合優勝。クイーンステージのグリーンマウンテンにゴールするコースが最難関として注目されていた。

2020年大会の参加18チームは発表されていなかったが、スプリンターとパンチャーが活躍するコースだけに、マーク・カベンディッシュ(英国)のバーレーン・マクラーレン、エリア・ビビアーニ(イタリア)のコフィディス、ナセル・ブアニ(フランス)のアルケア・サムシックらが予定されていた。日本選手が多く所属するNIPPOデルコ・ワンプロバンスも参戦計画に入れていた。

●ツアー・オブ・オマーンのホームページ

インスタで話題になったピナレロ社長の特別モデル発売へ

ピナレロイタリアのフェイスブックとインスタグラムでファウスト・ピナレロ社長が乗るDOGMA F12のスペシャルカラーが公開され、多くの問い合わせが殺到するという事態となったが、特別に受注生産で発売することになった。

フレームカラーはBOREALISブルー/パーブルで、メタルシルバーのロゴが入る。この組み合わせ自体はMYWAYオーダーで可能だが、今回は通常カラーオーダーを受けられないTALON ULTRAも同色でペイントするという特別セットなのだという。 

さらに通常のDOGMA F12 RIM/DISKはもちろん、MYWAYオーダー対象ではないファウスト・ピナレロと同じDOGMA F12 XLIGHTも注文可能。普段は受注不可能なスペシャルモデルなのだという。

DOGMA F12 Fausto Pinarelloスペシャルカラー
・リムブレーキモデル 99万1000円(税別)
・DISKブレーキモデル 102万1000円(税別)

DOGMA F12 XLIGHT Fausto Pinarelloスペシャルカラー
・リムブレーキモデル 119万1000円(税別)
・DISKブレーキモデル 122万1000円(税別)

※フレームセット(フレーム、フォーク、シートポスト、ヘッドパーツ)TALON ULTRAのセット。納期は3~6カ月。

●ピナレロジャパンのホームページ

中村輪夢…東京五輪BMXフリースタイル・パークのメダル獲得に期待

2020東京五輪の新種目として採用されたBMXフリースタイル競技の「パーク」。20インチ車輪の自転車に乗り、人工セクションを使って宙返りするなど、いかに難易度の高い技を決めて高得点をたたき出すかなどで争われる。メダル獲得の期待がかかるのが中村輪夢(なかむらりむ)。17歳の注目選手だ。

中村輪夢 ©Jason Halayko/Red Bull Content Pool

一躍、世界の強豪選手の仲間入り

BMXフリースタイル・パークの五輪出場枠は男女とも9選手と狭き門だ。5月12日付けの国別世界ランキングで大枠が配分される。日本は現在5位で1枠獲得の圏内だが、6位以下に陥落しても開催国枠で救済される。つまり男女それぞれ1選手が出場することは確実だ。さらに日本自転車競技連盟が定める五輪代表選考基準を照らし合わせて判断すると、個人別世界ランキング4位の中村が男子の日本代表となるのは間違いない。

2002年2月9日生まれ。父が京都市でBMXショップを経営し、幼少期から競技を始めた。「輪夢」は自転車ホイールの「リム」から命名された。5歳で大会に初出場をすると、小学校高学年の頃にはキッズクラスにおいて全ての大会で優勝。中学生でプロ転向を果たした。2017年から積極的に海外主要大会を転戦。現在は世界の強豪としてメダルが手の届く位置まで成長した。しかも世界ランキング40位までに10代の選手は中村しかいない。それだけ急成長の存在だ。

2019年8月に米国ミネアポリスで開催されたXゲームズで2位になった中村 ©Garth Milan/Red Bull Content Pool

ジャンプ中に縦回転のバックフリップ、横回転の「360」などに挑戦し、自転車だけを回転させるテールウィップやハンドルを回すバースピンなどを組み合わせて、高難度の技を連続的にくり出していく。審判団の採点基準は難易度と完成度を重視。難易度の高いトリックでも着地時に転んでしまうと20点減など細かくて規定されている。難易度の高いトリックをミスなく、どれだけメイクできるかがで勝敗が決まる種目である。

中村は2019年のUCI(国際自転車競技連合)ワールドカップ広島大会で準優勝。同年11月に中国・成都で開催されたBMXフリースタイル・パークのワールドカップ第3戦で優勝を果たし、全3戦の通算による年間総合でもシリーズチャンピオンを獲得した。

2019年8月に米国ミネアポリスで開催されたXゲームズで2位になった中村 ©Garth Milan/Red Bull Content Pool

2019年11月末にシーズンが一段落したが、12月はじめにはオーストラリアに練習に向かった。

「ボクたちBMXフリースタイル選手は五輪を経験したことがないので、いろいろな五輪代表選手から話を聞きながら準備をしていきたい」と中村は意欲的だ。

ワールドカップランキングで1位になったので、この勢いで2020年に乗り込みたいといいつつ、「海外勢とはまだレベルの差があると感じています。もっとうまくなってさらなる成績を残したい。」とも冷静にコメントする。

中村輪夢 ©Jason Halayko/Red Bull Content Pool

「今は練習が楽しいです。これからの半年は毎日練習して世界のトップ選手と並ぶ位置まで向上したい。2019年に初めてワールドカップとXゲームズの表彰台に立てたけれど2位2回と1位1回。全部優勝できるように2020年は一生懸命やっていきたい」という。

「まだ出場できると決まったわけではない」と前置きした上で、東京五輪への思いも熱く語る。

「出るからには悔いのない走りをしたい。それができればメダル獲得という成績もついてくると信じています」

2019年8月に米国ミネアポリスで開催されたXゲームズで2位になった中村 ©Garth Milan/Red Bull Content Pool

BMXの東京五輪競技場は有明に

BMXフリースタイル・パークは幅15m・奥行き25mを最小限に、どちらも60mを超えないフォールドに木製あるいはコンクリート製のさまざまなセクションを配置する。東京五輪の競技会場は江東区に新設される有明アーバンスポーツパーク。

●UCI BMXフリースタイルのホームページ

デザイン&イノベーションアワードでメリダの2車が受賞

Desing&Innovation Award(デザイン&イノベーションアワード)2020が発表され、E-MTB 部門でMERIDA(メリダ)の「e.ONE-SIXTY 10K」が、MERIDAのロードバイク部門で「SILEX +6000」が受賞した。

e.ONE SIXTY 10K

MERIDA eONE-SIXTY 10K。人気E-MTB の最新版

すでにライディングパフォーマンスのベンチマークにされ、さまざまな雑誌で多数のグループテストを重ねてきた。今回、MERIDAは全面的にモデル刷新。ルックスとライディングパフォーマンスの両方の面で水準を引き上げた。フロントホイールに29インチを採用したMERIDA e-ONE SIXTY10Kは信じられないほどバランスが取れていて、流れるようなトレイルと厳しいアルプスの地形でもとても安定したハンドリングを提供している。

ヘッドチューブ上に備えてあるMERIDAオリジナル「Thermo Gate」により、整然としたケーブルルーティーングを可能にしたことで、カーボンフレームの魅力的なデザインを完成させた。MERIDA eONE-SIXTY 10K は、巧みに装備されたディテールと同様に、抜群のライディング性能と見栄えがいいルックスを兼ね備えている。

eONE-SIXTY 10Kのライドパフォーマンスは多用途なキャラクターで、ライバルよりも抜きんでているという評価がされた。

SILEX +6000

MERIDA SILEX + 6000はグラベルでもありMTBでもあり

グラベルバイクとマウンテンバイクの境界を曖昧にする非常に構成されたモデル。SILEX + 6000は、ラフなグラベルコースと適度なトレイルでその真の能力を発揮する。フレームのダンピング特性、アルミニウムコックピット、27.5 x 2.0インチタイヤの調和した相互作用が、バイクのスムーズな特性を強調しているという。

さらに、マウンテンバイクにインスパイアされたジオメトリーは、高いスタック、長いリーチ、短いステムを特長としていて、快適なライディングポジションとスムーズなハンドリングを提供。これは、サドルに長時間座っているのに理想的な組み合わせだという。フレームデザインは独創的で型にはまらないものだが、視覚的にも調和が取れている。多くの取り付けダボがありバイクパッキングの適性を強調している。

【Design&Innovation Award とは】

Design&Innovation Awardは自転車業界で最高のパフォーマンスを発揮する製品の認証でありベンチマークの証。ただの受賞者やブランドへの称賛だけではなく、実際に製品を徹底的にテストし、それらの全体を評価、検討し決定に到達する。2020年も厳選された国際的なジャーナリスト、プロのテストライダー、業界の専門家が6000時間以上の時間を費やして選考している。

●メリダのホームページ

クロスマックスBOAを中原義貴が徹底インプレッション

MAVIC(マヴィック)のMTBシューズ、CROSSMAX(クロスマックス)BOAをWIAWISレーシングチームの中原義貴が性能チェックした。マヴィックシューズ2020ラインの新製品。ロードシューズに使われる、精密な微調整が可能と高い評価を得ているBOAクロージャーが搭載されたマウンテンバイクシューズとなる。

WIAWISレーシングチームの中原義貴
中原義貴がCROSSMAX BOAをインプレッション

ダイヤル1つでしっかりとホールド

今までオフロード系のシューズはごつごつしたイメージで、ダイヤルとベルクロがあり、スッキリしない感じがあったが、このCROSSMAX BOAはダイヤルが1つになっていて、見た目がかなりシンプルなものとなっている。カラーはMAVICのイメージカラーでもあるイエロー。写真では伝わりにくいかもしれないが、蛍光色で実物は目立つ色になっている。

ダイヤルが1つになり、従来のシューズと比べてフィット感が変わってしまうのではないかと思ったが、履いてみると、踵をしっかりとホールドしてくれているのが感じられた。2019年まで履いていたCROSSMAX PROは履き心地がよく、レースで愛用していたが、2つあるダイヤルをしっかり締めると母指球の真横あたりが痛くなることがあった。しかし、CROSSMAX BOAはダイヤルが1つになったことで、それが解消されていた。

さらに、つま先あたりのトゥボックスの大きさが微調整されていて、つま先の空間に余裕があるのが感じられた。 足の甲の高い人でもストレスなく履けるので、より多くのライダーにとって履きやすいものになっている。これによって、力の伝達にロスがあるのでは?と懸念されたが、そんなことは全くなく、むしろ今まで感じていた痛みがなくなり、より走りに集中することができるようになっていた。

ソールが柔らかめに作られているが、それによって力が伝わりにくくなっていることはなく、レースでも十分に使えるシューズに仕上がっている。むしろ柔らかめのソールであることで、トレイルライドやシクロクロスなどの歩くシーンで活躍できるのではと感じた。

レース、トレイルライドなど、幅広く使用できるので、あらゆるライダーにおすすめできるシューズになっている。

クロスマックスBOA(レッドオレンジ)

CROSSMAX BOA(クロスマックスBOA)

アッパーには、トゥボックスが広くなったことで、さらに履き心地を高めたMAVICロードフットウェア「COSMIC BOA」同様のアッパーを採 用し、軽量かつ快適さを実現。同時に、つま先に配備されたプロテクターや凹凸のしっかりしたアウトソール、クロスマックスライン独自の トラクションスタッド搭載など、マウンテンバイクフットウェアに特化した機能を装備しています。

マヴィック・クロスマックスシリーズは、漕がねばならない状況が発生する上りコースや、流れるようにコーナーを攻める下りコース、スピー ドを出してテクニカルなセクションを走るクロスカントリーライドに向けて開発されました。「クロスマックスBOA」は、マウンテンコースにおいて 足を常に安全で快適な状態に保ちながらも、軽快なペダル運びを実現できるよう、クリートをつけてしっかり乗りつつ、足元は軽くしたい ライダー向きのフットウェアと言えるでしょう。本シューズは、2019年12月末よりマヴィック取扱店にて販売開始。3月には新カラーが登場 致します。

■サイズ:24-29cm(UNISEX)
■重量:315g(27cm)
■カラー:セーフティーイエロー、ブラック、レッドオレンジ(2020年3月発売予定)
■価格1万8000円(税別)

<アッパー>
◆BOAフィットシステムL6クロージャー
1mm単位での素早い微調整と、しっかりとした締め付けが実現。
ダイヤルを引き上げることで可能となるクイックリリースシステム搭載
◆合成マイクロファイバーとシームレス構造
最適なフィット感と透湿性をもたらす、しなやかな合成マイクロファイバーアッパー。シームレス構造によるすっきりとした印象。
◆レーザーカットホール
適切に配置されたレーザーカットホールが蒸れを防止、通気性を向上
◆大きな開口部と3D EVAタン
全開となり、足入れしやすい開口部。タンが適切なポジションで足を包み込み、抜群の快適性を演出
◆改良された新トゥボックス採用
より幅広く、高さを増した新トゥボックス採用により、日本人の足によりフィットしやすく、快適性を向上
◆ボディと同色のMAVICロゴ
汎用性を高めるスタイリッシュに仕上げられたデザイン

<ソール>
◆エナジーグリップトレイルアウトソール
パワー伝達INDEX40 Contagrip(コンタグリップ)テクノロジー搭載。適度なしなやかさによって、快適性と効率的なペダル運びを実現。よりマウンテンに特化し、泥がつまり難いアウトソールパターンを採用
◆トラクションスタッド搭載
ウェットあるいはドライといった路面状況に合わせて交換可能なトラクションスタッドにより、路面へのかかりをより向上するテクノロジー
◆OrthoLite(オーソライト)インソール
人間工学に基づきデザインされた厚めのエルゴフィット・インソールがサポート力、衝撃吸収性、長時間持続する快適性を提供

●マヴィックのホームページ