2020東京パラリンピックで金メダルを目指す…杉浦佳子

障がい者の自転車競技「パラサイクリング」で世界チャンピオンとなった実績を持つ杉浦佳子(けいこ=旧姓野口)。2019年もロードとトラックで世界2位となり、2020東京パラ五輪では金メダル獲得を期待されている。会社からの支援。身の丈に合った練習メューを作成するコーチ陣。多くの人に支えられながら、パラ五輪を盛り上げるために頑張りたいという。

杉浦佳子がパラ世界選手権個人タイムトライアルで銀メダル ©日本パラサイクリング連盟

事故の障がいによりコーナーが把握できない

北里大薬学部出身の薬剤師。トライアスロンが趣味で、その練習として参加した自転車レースで落車。記憶が途切れる高次脳機能障がいと右半身マヒに直面したのが3年前、45歳の時だった。リハビリ中にパラサイクリングの存在を知り、2017年からワールドカップや世界選手権に日本代表として出場する。同年の世界選手権ロードでは個人タイムトライアル優勝。健常者と同様に、世界チャンピオンの称号であるアルカンシエルを獲得した。

2018年の世界選手権ではロードレースで世界チャンピオンに。2019年は3月の世界選手権トラックで2位、9月の世界選手権ロードでは個人タイムトライアル、ロードレースともに2位。トラックとロードでともに表彰台に乗るという快挙をやってのけた。しかし2019シーズンは世界タイトルを逃してしまった。

「海外勢は若手が伸びてきている。米国の若手選手は20代前半。ロードで優勝した中国選手は18歳。タイムトライアルはまだまだだけど、中国国内でレース戦法を積んできて、競い合いになると強い。だから危機感を感じています。私自身もあと10カ月で成長しないと、とてもじゃないけどメダル争いには加われないです」

女子C3ロードレースで銀メダルを獲得した杉浦佳子 ©日本パラサイクリング連盟

障がいの影響で、レースコースのコーナーが分からないという。遠近感を把握するのも苦手だ。

「色が変わっているとそこが曲がっているように見えたり、路面に段差があるように錯覚してブレーキをかけてしまう。逆に段差があっても路面が同じ色だとそれに気づかないんです」

そのため地元開催となる東京ではコースの富士スピードウェイを試走したい気持ちがあるが、なかなか実現できない。それでも全日本パラ選手権では富士スピードウェイが会場となり、貴重な体験ができたと喜ぶ。

「得意とする上り坂をさらに強化したい。富士スピードウェイは坂があるので、体重の軽い選手が有利。選手たちの中で私は一番軽いので、ある程度有利です」

ただし坂でトップに立ってもその後で追いつかれるというのがパターン化している。あきらめずに何度もアタックする持久力をつけられるか。持久力をつけつつアタックをかけた後に平たんでも逃げ切れるパワーをつけるのが現在の課題だ。

女子パラサイクリングで優勝した杉浦佳子 ©2019 JCF

楽天ソシオビジネスの社員で、楽天グループ社員向けの薬局で薬剤師として勤務する。合宿や遠征がない日はフルタイムで勤務するが、パラサイクリング大会は全日本選手権くらいしか国内大会がなく、海外遠征が続く。それが出張扱いとなるのはありがたい。

杉浦の活躍があって、2018年のアジア枠として東京パラ五輪の日本人出場枠を1つ獲得している。さらに杉浦は「あと2つ増やせるように、少しでもいい成績を修めようと思っています」という。さらに「現在獲得している1枠に私が収まるとも思っていない」と謙虚な姿勢も見せた。

全日本女子パラサイクリングで2種目制覇した杉浦佳子(右)。左が藤井美穂 ©2019 JCF

ナショナルチームからはメダル獲得の期待が高いロードレースに絞るように言われているが、トラックも1種目は出ていいみたいと希望する。

「毎日限界です。練習メニューを与えられ、それをこなすと次のメニューが与えられる。その加減がうまくて、必死で頑張っているうちにレベルアップしていく。毎日がむしゃらではなく、楽にこなせる日もあるのは疲労をクリアしてさらに強くなるための秘けつだと思います」

女子C3クラス個人タイムトライアルで杉浦佳子(左)が銀メダル ©日本パラサイクリング連盟

パラ五輪で杉浦が出場を目指すレースは8月26日。ちょうど10カ月前になるツール・ド・フランスさいたまクリテリウムで話を聞いた。

「スタート前からゴールした後まで途切れない大声援が耳に心に残りました。国内のパラ大会では経験しにくいことです。これから先すごく苦しい時、あきらめたいと感じたとき、この日の声援を思い返して10カ月を乗り切りたいです」

●日本パラサイクリング連盟のホームページ

トラックワールドカップがNHK BS1で11月18日に放送

トラックワールドカップ第1戦、第2戦の模様がNHK BS1で11月18日(月)19:00~19:50に放送される!再放送(予定)は11月26日(火)17:00~17:50。番組前半は第1戦のケイリン、後半は第2戦のスプリントを紹介。

ワールドカップ第2戦の男子スプリントで3位になった深谷知広 ©JCF

自転車トラックワールドカップ第1戦と第2戦。ルーキーの松井宏佑(まついこうゆう)が活躍しオリンピック代表候補へと名乗りを挙げた。第2戦では深谷知広が男子スプリントでメダルを獲得。【解説】中野浩一 【アナウンサー】永田実

自転車トラックワールドカップ第1戦と第2戦。第1戦にはルーキーの松井宏佑と小原佑太がこの大会に初参戦。松井が銅メダル獲得の大活躍。世界トップの実力を誇る日本の「ケイリン」種目、松井にとってはその中でのオリンピックの代表候補へと名乗りを挙げる結果となった。第2戦では男子スプリントで日本として実に14年ぶりのメダルを深谷知広が獲得。1対1の白熱の攻防と快挙の瞬間をお届けする。

放送は予定で、他の重大なニュースなどにより放送時間が変わる可能性もある。

松井宏佑がケイリン3位…トラックワールドカップ初戦

松井宏佑がベラルーシで開催されたワールドカップ初戦でケイリン3位 ©JCF

深谷知広がW杯スプリントで日本勢14年ぶりの3位に

●NHKの番組表より

エガン・ベルナルが中国の伝統的服装で自転車に乗る

3回目の開催となるツール・ド・フランス・シュコダ上海クリテリウムが11月16日に中国の同地で開催される。前日にはツール・ド・フランス総合優勝のエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス)らの出場選手がメディアデーとしてさまざまな催しに参加した。

エガン・ベルナルが中国の上海に登場 ©A.S.O. Pauline Ballet

大会にはベルナルをはじめ、ロット・スーダルのカレブ・ユワン(オーストラリア)、バーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)、ユンボ・ビスマのステーフェン・クライスバイク(オランダ)、ミッチェルトン・スコットのマッテオ・トレンティン(イタリア)らが参加。海外勢は17選手、中国は28選手がクリテリウムレースに挑む。

中華料理作りに挑むビンチェンツォ・ニーバリ ©A.S.O. Pauline Ballet
中国のファンと自撮りするエガン・ベルナル ©A.S.O. Pauline Ballet
カレブ・ユワンがタレントのRachel YUXIと対決 ©A.S.O. Pauline Ballet

5年前より自転車に乗っている人が多い

「中国に戻ってきてとてもうれしい」とユワン。
「ツール・ド・北京に参加したのは5年前で、この日も時差ボケを感じさせることなく、高層ビルの58階に位置するリッツカールトン・レストランからのパノラマ風景を写真で納めた。

カレブ・ユワンがあまりにも決まりすぎている ©A.S.O. Pauline Ballet

「大都市の特別な雰囲気が好き。今回のサーキットでは、観客は一瞬で通過してしまう古典的なレースコースとは異なり、集団の走りを数回見ることができる」

「中国の人たちのサイクリング知識がヨーロッパと同じくらい高いかどうかは分からないけど、スポーツへの関心は高まり続けている。2014年に訪れたときは街でそれほど多くのサイクリストを見なかったから」

カレブ・ユワンがあまりにも決まりすぎている ©A.S.O. Pauline Ballet

クライスバイクとヘーシングは町にくり出して朝食

「こんな巨大な街でペダルを踏むことができるなんてスゴい」と、2019ツール・ド・フランス総合3位のクライスバイク。

「上海を評価するには、早起きが必要。交通量の多さを見るために夜明けに目覚めてロベルト・ヘーシンクとともに自転車の乗って公園で散策したんだ。地元料理がたくさんあふれる旧市街のカフェで100%地元の朝食を口にしたよ。すべて興味深かった」

●ツール・ド・フランス・シュコダ上海クリテリウムのホームページ

ブリヂストンサイクリングの隊列に入れるVRゴーグル工作キット

ブリヂストンサイクルは2019年11月15日(金)から12月31日(火)の期間中に、対象の子ども用自転車を購入し、2020年1月31日(金)までにキャンペーン特設サイトから応募した先着5000人に、オリンピックで実施される自転車競技(チームパシュート)を体感できる「VRゴーグル工作キット」をプレゼントするキャンペーンを実施する。

キャンペーンは開催まで300日を切った東京2020オリンピックに向けて、オリンピックで実施される自転車競技(チームパシュート)を大迫力の360度VR映像で体験することができるゴーグル型の工作キットをプレゼントするもの。

応募者へ配信する二次元コードからVR動画をダウンロードした手持ちのスマートフォンをVRゴーグルへセットすることで、青空の下、同社が保有する自転車競技チームTEAM BRIDGESTONE Cyclingの隊列に入ってアジアNo.1の実力を持つ選手たちと一緒に競技場を駆け抜ける気分を味わうことができる。

クロスファイヤージュニア

さらに、VR動画の中に隠れているキーワードを見つけて応募すると抽選で100人にブリヂストンオリジナル東京2020マスコットグッズが当たるWチャンスも用意している。VR動画が閲覧できる二次元コード付きTEAM BRIDGESTONE Cyclingカードは、応募者全員に配信するので、だれでも挑戦できる。

●利用できるスマートフォンの条件は・サイズ:幅70mm×高さ150mm×厚さ10mm以内のもの・ジャイロセンサー(角速度センサー)搭載機種

エコパル

■自転車競技(チームパシュート)とは

すり鉢状の自転車競技場「バンク」で行われるトラックレースの一種で、4人1組の2チームがホーム側とバック側に分かれスタート、相手を追い抜くか、タイムで勝敗を決めるトーナメント。ゴールした3番手の前輪でタイムを計測。風よけとなる先頭の交代が戦略的な競技。東京2020オリンピックでは、伊豆ベロドロームで行われます。

■キャンペーン概要

【キャンペーン応募期間】
2019年11月15日(金)~2020年1月31日(金)23:59まで
(対象車購入期間)2019年11月15日(金)~2019年12月31日(火)
キャンペーン特設サイト

【キャンペーン対象車種】
・エクスプレスジュニア
・クロスファイヤージュニア
・エコパル(エコパルモカはキャンペーン対象外)

エクスプレスジュニア

【応募方法】
①購入
キャンペーン期間内(2019年11月15日(金)から12月31日(火))に対象車を購入。
②応募フォームに必要事項を入力
キャンペーン特設サイト(www.bscycle.co.jp/2020VR)にアクセスし、応募期間内に応募フォームに必要事項を入力。
③応募者全員にTEAM BRIDGESTONE Cyclingカードをプレゼント

2020年2月中旬に電子メールで360度のVR動画が閲覧できる二次元コード付きカードを配信。VR動画は、カードを使って(または配信される電子メール内に記載されたURLから)2月下旬から視聴できる。※VR動画公開期間:~2021年2月28日まで
④先着5000人にVRゴーグル工作キットをプレゼント
2月下旬頃に、先着5000人に郵送
⑤360度のVR動画を視聴
カードに記載されている二次元コード、または利用ガイド(VRゴーグル工作キットに同梱)内の二次元コードやURLから、手持ちのスマートフォン にVR動画をダウンロード後、VRゴーグルにセットして楽しむ

バルデは2020年ツール・ド・フランスを回避し東京五輪に照準

AG2Rラモンディアルに所属するフランスのロマン・バルデは2020年、ジロ・デ・イタリア(5月9〜31日)、東京五輪(7月25日)、スイスのマルティニーで開催される世界選手権ロード(9月27日)をターゲットにすると明らかにした。

AG2Rラモンディアルのバンサン・ラブニュ監督とロマン・バルデ

AG2Rラモンディアルは恒例となったアルプス山麓オワザンでの冬季トレーニングキャンプに入り、11月14日にイゼール県のボジャニーで記者会見を行い、バルデとバンサン・ラブニュ監督が2020シーズンの展望を語った。

バルデは1月21〜26日にオーストラリアで開催されるサントスツアー・ダウンアンダーでシーズンイン。2月20〜23日に行われるヴァル・エデザルプが欧州緒戦に。2月29日から3月1日までブクルドロームアルデッシュを走る。

ブエルタ・ア・エスパーニャには参戦の予定だが、ツール・ド・フランスを回避して直後に開催される東京五輪にベストコンディションで臨みたいという。10月末に開催されたツール・ド・フランスさいたまに来日した際に、バルデは悪天候にもかかわらず富士山麓の東京五輪コースを試走している。

ジロ・デ・イタリア、東京、世界選手権に集中

「ロマン・バルデの2020年シーズンのプログラムは、チーム経営陣やマネージャーが個人的な願望を考慮して全員が同意のもとで組み上げられた」とラブニュ監督。
「ジロ・デ・イタリア、東京五輪、世界選手権に集中する。そのコースは彼の資質にとても適している。バルデの勝利への渇望が2020年は高まることを我々は知っているし、バルデはシーズンを通して集団内の主要で野心的な選手になると思っている。

「2013年に初めてツール・ド・フランスに参加して以来、常に高いレベルのパフォーマンスで優秀な成績を修めてきたレースに出場しない。それでもジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャというグランツールを自信と野心を持って参加するだろう」

2019ツール・ド・フランスに出場したロマン・バルデ ©A.S.O. Pauline BALLET

ツール・ド・フランスをあきらめるのは簡単じゃなかった

「もっと輝きたい。だから最高の状態でジロ・デ・イタリアに参加したいと願っている。新しい世界に飛び込むとき、この3つの大きな目標を立ててシーズンを分けることはエキサイティングだ」とバルデ。
「ツール・ド・フランスをあきらめるのは簡単なことではなかった。しかし2020年はこれまでいじょうのシーズンインをするつもりで、目標のレースにつながる美しい物語んpページをめくるのは絶好の時期のように思える。

私の2020年のレースプログラムは、AG2Rラモンディアルチームの経営陣と連携して構築された。一貫性があり、野心的であり、私は2020年1月のオーストラリアでレースシーンに戻ることを楽しみにしている」

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●AG2Rラモンディアルのホームページ

全日本王者の入部正太朗がNTTへ。メジャー出場の可能性

2019年の全日本チャンピオン、シマノレーシングに所属していた入部正太朗がUCIワールドチームのNTT(南アフリカ)に移籍することが11月14日に発表された。同チームは現在のディメンションデータ。グランツールをはじめとした主要大会の出場権を有する。

NTTの入部正太朗

2019年7月のオリンピックテストイベントにも出場した入部。メジャーチームへの移籍で、東京五輪代表選考に必要なポイントを集めるチャンスが増えた。現在2枠の日本男子代表選手に名乗りを挙げることになった。

ディメンションデータはNTTグループにあったが、2019年からNTTブランドを前面に押し出す戦略に転換。ツール・ド・フランスでもITソリューション分野で技術協力し、来季はいよいよチームのメインスポンサーネームとなった。

30歳の挑戦は簡単じゃないが全身全霊で

「チームNTTに加入することができて、大変うれしく思います。競技を始めてずっと目標にしていた世界トップカテゴリーのチームで世界に挑戦できるからです。これは私にとってこの上ない幸せです」と入部。

「30歳から挑戦ということは決して簡単ではありませんが、私は全身全霊をかけてチームのために走ります。尽力いただきました方々には感謝します。ありがとうございました」

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